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クリフトとアリーナへの想いは Vol.1
328
:
従者の心主知らず ふたつでひとつ 14/23
:2016/07/20(水) 22:44:08 ID:PbXFkvGE
――最初からアリーナ姫を斬る気はなかったのですね……――
――……お前こそ、とんだ期待はずれだったな……――
「…………」
「かたちだけでも使命を守ったって、デスピサロのために戦って死んだって、そういう結果を残したいんだろうな。
俺が殺さなくてもあいつはどっかに死に場所求めに行ってたと思うから、同じ死ぬんなら俺の手で死なせてやろうと思ってた。
それしか考えてなかった」
…………。
「俺さ、もうどうしようもないと思ってたんだ。
もしかしたらまだ他に何か方法があるかもしれないなんて、考えもしなかった。
探すまえからあきらめてた」
「…………」
「ありがとうな」
「ううん…」
ソロが少しだけ笑って話すの。
でも、私はなんだか胸が苦しくて、切なくて、ソロをまっすぐ見ることができなかった。
なんでだろう……ソロは言葉を続ける。
「お前、なかなかやるな」
「あいつ、使命とか約束とかに弱い、そういうの律儀に守るヤツだから。
お前がキラーピアス引き取りに行くまでは生きてると思う。きっとあそこでお前を待ってると思うよ」
「え……そうなの?私そこまで考えてなかった……」
「そうなのかよ」
「……うん……」
「…………」
「お前、前に言ったろ。魔族はみんな同じだと思ってたって」
「…………」
「そう考えてたのは俺のほう」
――残忍で、卑劣で、自分のことしか考えてねえ――
…………。
「けど、デスピサロのために戦いながら俺たちも生かそうとする、あんなヤツもいるんだな」
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