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タブンネ刑務所14
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「...べ.....ビ.....い......っハッ...ぃっ....」
タブンネの意識は混濁を極め続けた。
裂けた尻穴付近はトクトクと血が流れ、辺りの毛は真っ赤に変色しているが、痛みを感じることすらなかった。
ただ、ただベビちゃんのため。千切れかけた糸のような意識をかろうじて繋ぎ止めたタブンネ。地面を掻き続ける左手には血が滲んでいた。
「......フィ......フィ.........」
一方でベビも、ポリバケツ横から吹雪の中へ這い出し、極めてチャチな歩みを必死に進めていた。
風除けを失った今、ベビの身体は何かの拍子に吹き飛ばされてもおかしくない程の暴風だった。
—ボクがママを、ママをたすけてあげないと...!
ベビの想いも真剣。小さな両手脚で必死に雪路を這い、ほんの少しずつだが確かにその標を伸ばしていった。
・・・・・
親子がこの建物へ到着して30分を経た。
タブンネ、ベビンネはそれぞれのフィールドで、それぞれまさに命懸けの闘いを続けた。
先に状況の変化が訪れたのはベビンネサイド。その小さな身体の後方より、ひと筋の光が吹雪を照らすように現れ、雪の軋む音と一つの生命音が背後から迫った。
「......フィ?.............」
何かがやって来ることには気づいたが、悴んだ顔を動かせずに居ると突然左耳に激痛が走った。
「ウギィーーーッ!い゛ィィッ......——」
抵抗と苦痛を示すように大声を出したが、暴風の轟音がそれを掻き消した。
「ヴォォォぉぉっ....!...ァッ....」
次の刹那には腹部にも激しい痛みと違和感を感じたが、まともに声が出なくなった。
畳み掛けるように身体が浮き上がるような感覚を覚え、ホワイトアウトの視界がブラックアウトに転じた。
何が何だか、体力を消耗した乳飲児には理解が追いつかなかったが、耳と腹の激痛に違和感、暗転した視界と立ち込め出した激臭、本能的に命の危機を感じ、強烈な吐き気を催し、小さな口から白いゲロをタラタラと漏らした。
・・・・・
—ハッ⁉︎ベビちゃん⁉︎ベビちゃん!
ベビの視界が暗転してから時間にして30秒後、タブンネの意識が突然明晰化し、暗い軒間でスクッとその身を起こした。
補足を述べるがタブンネの容態はいつ絶命してもおかしくない程のものであった。
それでも彼女の意識と体力を蘇らせたのはベビの発した母を求めるSOS、いわばテレパシーのようなもの。
親子の絆深さが生み出した医学では説明のつかない奇跡。神通力のようなものがタブンネの身体を動かした。
しかしそんな感動的な奇跡も、新たな悲劇の序章に過ぎなかった。
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