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タブンネ刑務所14

438カンムリ雪原のタブンネ 三つまたヶ原編:2021/02/09(火) 18:55:20 ID:cGUalhbk0
サザンドラはわざと大げさに笑い声をあげ、目の前の兄タブンネを嘲笑する。
その姿を見てサザンドラは目論見通り事が成ったことを確信していた。

先ほどの戦闘で、兄タブンネの闘志を支えていた要素は三つあった。
一つ目は妹タブンネを守らなければいけないという意思。
二つ目は仲間たちを惨殺したサザンドラに対する憎悪。
三つ目は決死の覚悟、"ここで死んでもいい"という前提で兄タブンネは戦っていた。
では、この三つの要素の内二つを崩したらどうなるだろうか。
決死の覚悟に対し、"死なずとも生き残れる道はある"と示したら。
標的への憎悪に対し、その標的から強者と認められ褒められればどうなるだろうか。

答えは明白だ。
自分が抱いていた闘志を維持できなくなる。
瓦解してしまうのだ。

今の兄タブンネには妹タブンネを守らなければという意思だけしかない。
元々後付けの覚悟しかない兄タブンネではそれだけで立ち向かう事なんて出来やしない。
サザンドラは自分に一発くれたクソガキに対しての意趣返しを行ったのだ。

 「ミィィィィ!!ミイイイイィィィィィ!!!」─ いや!!助けて!!お兄ちゃん助けてぇ!! ─

そして最後の残り一つの要素である妹タブンネ、こいつを目の前で惨殺する事で兄タブンネの全てが終わる。
手の内でもがき、助けを求める妹タブンネ。じたばたとかわいらしく揺らしているその左足をサザンドラは右頭で根元から咥え込んだ。
鋭いキバが肉を裂き骨まで到達する。強烈な痛みにたまらず妹タブンネは「ミイイイイイイイイイィィィィ!!!!」と悲鳴を上げた。
その悲鳴を聞いて兄タブンネは我に返った。そうだ、妹を助けなければいけない。
ゆっくりと立ち上がりサザンドラに対して手を差し出す兄タブンネ。
もはや戦う事ができないのは自分でも分かりきっていた。
だがそれでも妹タブンネを諦める事など出来なかった。




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