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タブンネ刑務所14

210ショーケースの裏側で:2018/04/06(金) 00:48:58 ID:Dxc7CVbQ0
「ハハハ、面白ぇ。オモチャみてーだ」
「あっ、わたしもやる〜」

その様を面白く思った社長と兄貴分もネットからべビンネを取り出し、床に置いた
3匹のベビンネが一斉に母親の所へ向かっていく様はまるでレースのようでもある

「ミィッ!! ミィッ!!」「ミギーッ!ンギーッ!!」「ミーミ… ミーミィ!」

そんなベビンネたちを一匹は早くこっちへ逃げてこいとし、もう一匹は助けに行こうと足掻き
そしてもう一匹は洗濯ネットに手こずりながら無理をしないでと慰める
ちなみに網の中に入れられたままのベビは未だ出されないままであった

「チッチ、チッチ…!」

社長の放ったベビンネは弟分のそれと同じく順調にタブンネ達の所へ向かって行ったが
兄貴分のベビンネだけは他のベビとは様子が違う
一匹だけハイハイが下手で明らかに進むのが遅い

「チィーチィー… チー…」

そのベビンネは余りにも幼すぎる小さな手足をプルプルと震えながら小刻みに動かし、
小虫にも等しい筋力でその体を何とか引きずって前に向かっていると言った具合で
「ハイハイ」というよりかは「モゾモゾ」と表現するのが正しい
見た目も他のべビに加えて一回り小さく、毛並みもまだ生え揃ってはおらず薄い
それもそのはず。こいつは他のベビと比べてもかなり幼く
生後十日ばかりの昨日ようやく目が開いたばかりのベビンネなのだ
ハイハイレースどころか、ハイハイの練習にすら時期尚早だ

「チィッチ…チィッチ…」「ヂィ!ヂヂィ!!」「チヒー… チヒー… チ…」

3人からは見えてはいないが、幼いベビは泣いていた
光を授かって間もない両の目は涙の海に沈んで霧中の如く霞み
まだ触覚が短くて巻き切ってない幼い耳は他のタブンネや人間の騒ぎ声に苛まれる
それでもなお眼差しは真っすぐに温かな桃色を
ヒヤリングポケモンの聴覚は雑音の中から忘れえぬ声をしっかりと捉え
大すきなママンネの元へ頑張って、いや、命を懸けてたどり着こうとしている

しかし、そんな健気な頑張りを兄貴分は全くもって理解してはくれなかった

「なんか俺んだけ遅ぇな? ホラホラもっとガンバレよ。ムチ入れんぞムチ」

兄貴分は遅いのをまどろっこしく思い、小さなお尻にペチペチとデコピンを入れた
それでも全力ではなく、丸めたハナクソを飛ばす時のように軽くはじく程度なのだが
強い刺激に慣れてないベビンネにとっては結構な激痛である

「チィィッ!チッ!ピッ!ピィィッ!!」
「あははっw あんまり苛めちゃ可哀そうだよ〜w」

幼ベビンネは一層甲高い、まるで天敵に襲われた小鳥のような悲鳴をあげた
前に進むだけで精一杯というのにこの仕打ち。幼いベビはもう耐えられない
一匹のタブンネは怒ってビャアビャアと威嚇し、もう一匹はミィミィと涙ながらに慈悲を乞いた
そうしてもう一匹は…




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