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【セ】ヴィーディン王国興亡記【GC】

1GM:2019/04/09(火) 23:23:06

ペルセナ神聖王国とバルドレイヤ帝国の永きに渡る戦いは、突如国境上空に出現した“何か”の墜落によって、終止符を打たれた。
国境線上に墜落したそれは、異界より投影された異物―――鋼鉄の“船”であった。
何故墜落寸前の姿で投影されたのか? 何故中には誰もいなかったのか? 今となっては、それは誰にもわからない。
周辺4国にとって重要なのは、そのような些末なことではなく―――超常技術の塊である“船”を如何に処するか、この1点であった。

東のペルセナ神聖王国は『今のアトラタンには過ぎたものである。破壊、ないしアカデミーに移譲すべきである。』と提唱した。
北に広がるプロセテオトル大森林の主は、神聖王国の提言を支持した。
西のバルドレイヤ帝国は『知らぬものを知らぬままでいるべきではない。解析し、有用な技術は利用すべきである。』と提唱した。
南のヴァルテック共和国の盟主は、帝国の提言を支持した。

7日7晩に及ぶ会議の末、4国はついに合意に至る。
4つの大国に囲まれ、そのどれにも属さぬ新たな国を作ろう。
“船”の管理と守護を委ね、超常技術の氾濫を抑止しよう―――

かくて生まれたのが、竜骸の眠る地―――ヴィーディン王国である。

173『王都炎上』:2019/09/11(水) 23:42:05

一拍遅れて響いた爆音の後、辺りに静けさが戻ってきた。
爆心地そのものである仮面の男は―――あえて確かめるまでもなく、死んでいるのは明らかだ。
兵器の方も、再び動き出す様子はない。君たちの勝利だ。

仮面の男が何者だったのかなど、不明な点も残るが―――
さしあたって、最悪の事態は避けられたと考えていいだろう。

174スィル・ヴィーディン:2019/09/12(木) 00:33:29
「(親父殿、ようやく終わったぞ……)」

仇を討ったという高揚や達成感は湧いてこなかった。
それでも今は一党を率いる者、王族に連なる者として振舞わなければならない。

「この国の王族が闇魔法師と結び異界兵器を持ち出そうとした」という醜聞が広まれば、
異界船を狙う周辺四国に軍を起こす名目を与える事になる。
脅威は“未然に国を預かる者の手によって防がれた”という事実が必要だ。

「(………始まるのはここからか)」

として聖印輝く槍を掲げ、高らかに勝ち名乗りを上げよう。

「――――皆、よく戦ってくれた」
「ナーヴの子、スィル・ヴィーディンが逆賊フェルディナンドを打ち倒したぞ!」

175クォーツ・ユニオンジェム:2019/09/21(土) 22:56:47

「――――お見事でございます、殿下」

ペリュトンを影に納め、臣下の礼を取る。
問題は山積み。
今回の事件を皮切りに――――これ幸いと、周辺各国はちょっかいをかけてくるだろう。
であれば。であるならばこそ。
我々は王家を戴かねばならぬ。心より。

「ヴィーディン王国、万歳!」
「ヴィーディン王家、万歳!」

176牧田切緒:2019/09/26(木) 21:07:13
「はぁ……」

気づけばばったり倒れていて、体を起こす。
片膝を着いた姿勢になればどうやら終わったらしいことが理解出来た。
片手で銃を持ち、空いた手は地面を撫でていた。

(疲れた……)

177赤竜童子:2019/09/28(土) 22:12:11
「さて、これだけわやになった国。しばらくは体制の立て直しになるやろなあ。」

自分の腕を見る。たかがあれだけで焼け焦げてる腕。鱗が全部剥げていればそんなものか――――

「――――ここでなら中まで食い込めるかなあ。しばらくは力蓄えなあかんし・・・」

スィルたちの方を見る。感情はなく、打算的な視線ではあるが。

「あのぼん達、使えそうやわな?」

178『王都炎上』:2019/10/03(木) 23:31:07

かくて逆賊は打ち倒され、兵器は破壊された。
王国の驚異が一つ、確実に取り除かれたと言えるだろう。
しかし―――王国の歴史が、これで終わるわけではない。
君たちの物語は、これから始まるのだ。

成すべきことを終えたならば、凱旋の時だ。
いざ、時計の針を進めるとしよう―――


【シーン終了】

179『王都炎上』:2019/10/07(月) 23:18:14

【エンディング】

―――そして、幾ばくかの時が流れた。
焼け落ちた王都の復興も進み、王都は大きく―――具体的には、火災にとても強い形に―――その様相を変えつつあった。
君たちは、王都の中央部に設営された、祈念碑の前に再び集まっていた。

あの運命の日、逆賊の首を片手に天幕に乗り込んだスィル・ヴィーディンは、先日、正式に玉座に就くこととなった。
最初、君は姉君に戦功を譲るつもりだったようだが―――周囲は、それを許さなかったというわけだ。
どのような流れを経たのかはともかくとして、君はここに、王として立っている。

180スィル・ヴィーディン:2019/10/07(月) 23:51:22
花束を供え、石碑に刻まれた養父母の名を指でなぞる。
戦没者たちを悼む碑文の中央には、竜の頭を模した紋章が刻まれている。
戴冠の儀を経たスィルの内にも、その紋章と同じ意匠の聖印が存在していた。

                 カウント                       クレスト
エーラムから子爵相当の爵位認定を受けた、ヴィーディンの王の聖印――。

「俺がヴィーディン王か……これからは気軽に遠乗りにも出かけられんなぁ」

あの姉上であれば敵対派閥の圧力程度、如何様にでも手を打てただろうに。
今回ばかりは時間が足りなかったということか。あるいは深い考えあっての事か。

181クォーツ・ユニオンジェム:2019/10/08(火) 00:01:37

「いずれ、遅かれ早かれでした」
「殿下――――いえ、スィル陛下」

陛下の後方に侍り、その独り言のようなセリフに返答する。
スィル陛下は野心とは無縁のお方……それがよいと姉君が判じたのか、否か。
もはやあのお方も王女殿下とは呼べまい。
何もかも変わってしまった、たったの一晩で。

「……ですが、ヴィーディンの王たるもの、国土の隅々まで目を行き届かせねばなりますまい」
「先の反乱により、国内情勢の混乱も予想されます」
「国内視察の予定を組んでおきましょう」
「なに、頼れる護衛の宛てもできましたからね」

ちなみに私は護衛には不向きという扱いらしい。
何故だ。決闘するぞ。

182牧田切緒:2019/10/08(火) 00:21:16
ここでの生活はかなり慣れたが、慣れないのは自分の立ち位置だ。
彼の仲間でこそあれ、それがどういうものかいまだに掴みかねる。
気になると言えば姉君だが、自分程度の者が口を出していいものかもわからない。

「僕はここにいていいんですかね……」

「まぁ、あなたといればとりあえず何かが出来るのは分かりましたが」

「我が主」

183赤竜童子:2019/10/09(水) 22:37:54
「それいうならウチも場違いやわ。ただの傭兵やで?」

牧田に茶々をいれつつ酒をあおっていよう。

「まあ、金払いはええし条件も悪くない――――」
「当分はここのやとわれやわな。兵を鍛える位は、まあやっとくわ。」

それなりに不安定な情勢のここは力を蓄えるのに適しているともいえる。
身体を休め、鍛え直し。そして――――


「――――ふふふ?」

184スィル・ヴィーディン:2019/10/12(土) 21:09:22
>クォーツ
「あぁ、頼む。最悪の危機は脱したが本番はここからだな……」

当面は可能な限り独力で復興を進めてゆかなければなるまい。
周辺国の力に寄りかかりすぎていればヴィーディン領は切り取られ、
4国の戦争の最前線だった時代に逆戻りしてしまう。

「……姉上と違って俺には学がないからな。今まで以上に働いてもらうことになるぞ」
「お前の手腕に期待しているよ、クォーツ」

他の宮廷魔法師も「あいつは机に縛り付けておきなさい」って言ってるし、内政は任せた。よし!


>キリ、赤竜
「クォーツの言う通り、これから領内のあちこちで歪みが生じる事になる。
 “駆ける”事くらいしかできない今の俺はせめて、自分の目で国の姿を見て回らねばな」
「その時には、共に並び駆けられる騎手が必要なんだ」

2人は特定の部族や派閥に属していない信頼できる戦力だ。
いざという時、自分の早駆けについてこれるのもキリ殿と赤竜を置いて他にはいない。
赤竜童子については……派閥以上の面倒を抱え込んだ気もするけど。

「――これからも力になってくれるか」

185クォーツ・ユニオンジェム:2019/10/18(金) 23:26:22

「ふっ――――お任せください、マイ・ロード」
「そのためのアカデミー、そのための魔法師です」

混沌を制する聖印の力――――それを正しく運用するための君主道であり、契約魔法師だ。
我ら魔法師はそのために知識を蓄え、君主に仕えるのだ。
全ての研鑽は、この時のために。
我が叡智、ヴィーディン王家に捧げると心に決めている。

「必ずや、ご期待に応えましょう」
「民のため、王家のため、未来のため……」

「――――仇なすものの喉元に審判の刃を突き付けてやりますとも!」

歯向かう奴は決闘だ!

186牧田切緒:2019/10/18(金) 23:52:37
「貴方がそういうなら……そうしますが」

正直なところ、出来ることをやるしかない。
目の前に来る仕事をこなせばその先に何かあるかもしれない。
今は何がどうなのか分からないけど。

「どのみち、行く場所がないですから」

この者たちについて行こう。

187赤竜童子:2019/10/20(日) 22:43:00
「力を売るのが傭兵やからな、買うてくれるうちははあ、売るやろなあ。」
「ちょうどいい『ばかんす』やわ。手ごろな戦、上等な鎧、いい男。」

「それがある限りウチはここでごろりとしてるわ。」

188『王都炎上』:2019/11/06(水) 23:01:37

―――その日は、雲ひとつない快晴だった。

【シーン終了】

189『王都炎上』:2019/11/06(水) 23:12:53
▼精算

・セッションに最後まで参加した +1

・シナリオの勝利条件を満たした
  1. フェルディナンド・ヴィーディンを倒す +5
  1. 兵器の流出を阻止する +5
   合計 +10

・誓いを果たそうとした +[果たそうとした誓いの数]*2

・遭遇したエネミーのレベル合計/PC人数
   (7+7+2*5)/4 = +6

・よいロールプレイをした
  他のPLから「いいね!」をもらったら +1

・他のプレイヤーを助けるような言動を行った
  他のPLから「いいね!」をもらったら +1

・セッションの進行を助けた +1

・あなたがそのセッションで楽しんだ
  楽しめたなら +1

最大で 1+10+6+6+1+1+1+1 =27点の経験点を獲得できる。
また、Lv7の闇魔法師を倒したため、7*150 =1050カウントがアカデミーから発行される。

190スィル・ヴィーディン:2019/11/19(火) 23:36:14
誓いは3つ果たしたし、経験点項目全てにチェックをもらった。
経験点は最大値の27点を獲得だ。

191牧田切緒:2019/11/19(火) 23:44:13
誓いを3つ、経験項目は全てチェック。
27点獲得

192クォーツ・ユニオンジェム:2019/11/20(水) 22:47:06
うむ、誓いは果たしたしチェックも貰ったので私も27点だ!

193赤竜童子:2019/12/08(日) 22:14:49
チェックももろてたし誓いも果たせた。27点やね。

194『王都炎上』:2019/12/08(日) 22:17:26
GMは27*4/2+1 =55点獲得。
お疲れさまでした。

195『森の盟約』:2019/12/10(火) 22:43:11
▼トレーラー
王都の大火から、数か月の時が過ぎた。
新たな王の誕生を期に、この国を取り巻く一帯の情勢は変化しつつある。
期たるべき戦いに備え若き英雄たちは、竜(ヴィーディン)から
零れ落ちてしまった“鱗”――資源や従属君主たち――を取り戻すべく奔走していた。

先代から続く、エルフとの交易の契約を受け継ぐべく、
プロセテオトル大森林を訪れたベアトリスたちであったが
森の入口を預かる小領主は一行に「試練」を与える。

「森の秩序を乱す悪を討ち、力を示して見せよ」、と。

           グランクレストRPG 第二話『森の盟約』

混沌(カオス)を治め、聖印(クレスト)に到れ

196『森の盟約』:2019/12/10(火) 22:45:50
●ハンドアウト①:ベアトリス・ヴィーディン
因縁:仲介役の小領主ハインリヒ・ブラウン 推奨感情:信頼or友情/任意
 プロセテオトル大森林とは、先代の王の時代から木材の取引が行われていたが、
譲位や異界船の脅威などを理由に、かの国は交易の打ち切りをキミに告げてきた。
かつて父がしたように、君自身が取引に値する相手であることを示す必要がありそうだ。

●ハンドアウト②:クォーツ・ユニオンジェム
因縁:エルフの精霊使いルリハリ 推奨感情:任意/敵愾心
 君は城下で揉め事を起こしていた年若いエルフを助けた。
彼女はプロセテオトル大から遣わされた使者で、君たちの案内役だが、
人間や異界船に対してはあまり良い感情を抱いていないらしい……先行きが不安だ。

●ハンドアウト③:牧田 切緒
因縁:スィル・ヴィーディン 推奨感情:友情or感服/任意
 君は誰よりも速く駆けられる異界の騎兵としてスィルから信頼を置かれている。
「俺自身がプロセオトル大森林に出向ければよかったのだが……どうか頼まれてくれるか」
スィルがヴィーディン王の役目を果たすべく国を巡っている今、
彼に代わりベアトリスを支えるのが君の役目だ。

●ハンドアウト④:赤竜童子
因縁:盗賊騎士ブライスト 推奨感情:任意/憎悪or偏愛
 君は神聖聖国との戦いで深い傷を負い、逃亡する中で邪紋の大部分を失った。
その血肉の一部は、混沌に属するものをいたずらに狩り、聖印を育てる盗賊騎士に奪わている。
噂によれば盗賊騎士は今、北の大森林に潜伏しているというが……。

197『森の盟約』:2019/12/13(金) 22:50:35
●OP1 シーンプレイヤー:牧田 切緒  混沌レベル:3

ここはヴィーディン領の西にある農村部。
キリは今、スィルに連れられて十数人の兵士と一緒に領内の巡察――
この世界の君主(ロード)の務め、混沌浄化の仕事を手伝わされている。

スィル:
「この、なんだ……鞍?『くらっち』、というのはこれか?」
「馬を走らせるとき馬体に蹴りを入れるのと同じような具合だな――むっ、おおっ!?」ドルルンッ

兵士ズ:                      バリキ
「うおおーっ、何という走り出しの勢い!あれが馬数十頭に値するという乗騎の力!」
「隊長(キリ)殿ーっ!俺にもその『ばいく』を触らせてくれぇーっ!」

……現在は街道脇で、しばしの休憩タイム。
兵たちを休ませている間にスィルが以前から口にしている、
「バイクに乗ってみたい」という熱望に応えていた所だ。王名であるぞ。

スィル:
「いやぁ、異界の技術というのはすごいものだなァ!貴重な体験ができたぞ、キリ殿!」

「キリ殿がこの国……この世界にやってきてからもう数か月になるのか」
「アトラタンの生活にはもう慣れただろうか?不自由があったらなんでも言ってくれ」

198牧田切緒:2019/12/13(金) 23:17:35
「流石です我が王」

そういって陛下に頭を下げた。
親しい感情はあるがあくまで自分の立場というのも分かっている。

「生活には慣れました。皆さんよくしてくれていますから」

「……隊長はまだ慣れませんが」

元の生活ではそう言うのとは無縁だったから。

「それでも役に立てるのならばいくらでも働きますよ」

199『森の盟約』:2019/12/13(金) 23:40:18
スィル:
「うむ、そうか。キリ殿の故郷は戦いとはあまり縁がない国と聞いたからな……」
「戦達者に見えるが……北のエルフのように、普段は『貴人危うしに近寄らず』ということなのか。むむ」

結構な好待遇だがアトラタンでは『一騎当千の超人』に分類される地球人のキリは、
邪紋使いの傭兵と同じく、戦で一部隊を率いる将としての活躍を期待されて、迎えられている。
今回の巡察も、キリが部隊を率いる訓練も兼ねてのことだ。

道中の行軍や比較的弱い投影体の群れとの戦いでは、キリが兵の指揮を任されたりした。
もうしばらく訓練は必要だろうが、兵士たちからの好感度も悪くない。

「もちろん頼りにしているぞ!速く駆けられる将を、今ヴィーディンは必要としているのだ!」

200『森の盟約』:2019/12/13(金) 23:46:08
スィル:
「しかし、ふぅ……住む場所が変わってしまったといえば、俺の姉上(ベアトリス)もだ」

「戴冠にケチが付かぬよう従属聖印の引継ぎが行われたこの数か月間、王宮を追われ軟禁されていると聞く」
「誰よりもこの国を想い、周辺国との善き未来を築けたはずの君主が……おいたわしい」

201牧田切緒:2019/12/14(土) 00:10:41
「獣とかその他の生き物なら撃ったことがあるんですけどね」

そこまで好戦的な性格でもない。
ある程度慣れというのはあるけれど。
まぁ、しばらくすればマシになるだろう。

「軟禁ですか……」

目を伏せた。

「それは……心中を察することは出来ませんが、悲しいことで」

202『森の盟約』:2019/12/14(土) 00:56:05
                                                 ____
                             -= ア            _ -=ニニ=-  ̄
            /(          /i:i:i:i:/        _ -=ニニニ=-/
             ( /  /{      /i:i:i:i:i:i:i{       . :´:;:;:;:;::;:;:;:;:;:;:;:;/
           ),  /i:i:i:{  . :;´;:;:;:;:;:;:;:;:;:;乂_.. -=;:;/´:;:/´斗-┐_          _ -ァ
             ノ;:;:;:;:;:;>,/{ //_  _>⌒\;;;⌒>;;;;;;;;⌒>⌒>⌒>'__/{  _ -==-
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   {i:i:i:i:i{ノi:i:i:/i:i:i⌒ア`````⌒;:;:;:;:;:;:;:rヘrヘ`>ア;:;;/ jI斗f七Iて  ̄ノ <ニニ-( ノ_/ ̄
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    V/iハ/( 〉乂{「 }v`┬く⌒v)^ヽ_⌒>ヘ_乂' 〉ァ/   ,:;f<ノ__\ ̄ ̄/     /
      \i{^㍉::::\}`':::\}`'::\}:::V∧⌒)"'' マ _/: .  .,:;;f<フ__>⌒>\─── 、 ̄
       Vvr┐、:::::::::::::::::::::::> ⌒',   _/⌒> ̄\,:;:;ノフ \;;;;;;;;\ニ>      >
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             ーく⌒``ヽ、 rv_/_( /::::/ 」 {  //_イ⌒ヽi:i:i:i:i:i:i/i:};;;j{
                 V/_  {⌒ヾ)i:}⌒  \( _[ -/ 」  ( ( ( ( (  r V/i:i:/i:i/;/

          ⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ⌒丶、_ノ
       ○
     о
    。
スィル:
「なるほど、獣のような生き物か(頭アトラタン)」
「やはり、人が相手となると槍の重みも変わるだろうな……」

「うむ。兵でしかない俺と違って、姉上は君主としての気位を持ち深謀遠慮に長けた君主なのだ!」
「札遊戯でも姉上には勝てたためしがない!ふぅ、姉上のような君主こそ人の上に立つべき……ゴホン、いやこれ以上は言うまい」

「聖印の継承は終わったが……正統の血統を狙い姉上を害そうとしようとする者がこれからも現れるはずだ」

「これからは姉上も、一人のロードとして戦場に立つことになるのだろう」
「しかし俺には王として国を巡り、民を守る責務がある――キリ殿、友人としての頼みだ」

「俺が不在の間は、どうか姉上の剣となって支えてやってくれ」

203牧田切緒:2019/12/16(月) 22:37:23
「……友人と言われると照れくさいですが」

「仰せの通りに」

背筋を伸ばす。
目線と意思はまっすぐに。

(ベアトリスさんか……)

そんなことをぼうっと考えた。

204『森の盟約』:2019/12/16(月) 23:12:08
スィル:
「うむ、近く姉上はヴィーディン王国の特使として復帰される。よろしく頼むぞ!」

その後数日間、キリは練兵に付き合ったのち、途中の村でスィルと別れ王都へと帰される。

ベアトリス・ヴィーディン――スィルとは腹違いの姉弟にあたる人物だ。
スィルや兵士たちから聞いた断片的な情報では「若き俊才」とか、
「チェスや札遊戯が得意」だとか「内政モンスター」と聞くが……。

【シーン終了】

205『森の盟約』:2019/12/16(月) 23:44:05
●OP2 シーンプレイヤー:ベアトリス・ヴィーディン  混沌レベル:3

ここはプロセテオトル大森林・ブラウン領――混沌の森の外縁に存在する人間の村落だ。
大森林の実質的な支配者であり「閉鎖的かつ外界の出来事には我関せず」なエルフ達に代わり、
他国との交渉や取引を行う仲介人的役割を持った、人々の住む『森の入り口』である。

ベアトリスは数か月前から、ブラウン領の領主の小城に滞在――
もとい、ヴィーディン王国から追い出され押し込まれるようなカタチで軟禁されている。
拘束はそれほど厳しいものではなく、生活にそれ程不自由はなかった。
監視は付けられているらしいが、近くの森に散歩に出かけることも許されていた。

国を出てから数か月たったある日、君の与えられている部屋に領主のハインリヒが訪ねてきた。

         ノ "" `、`、`| il´-=‐、 ゛ヽ-.,
        /  ィ'^ヽ ヾ,`|li/√∧  i. i. i.
        /""" ト、`、`、 |/ /,/..,,,',  | l| |
       ノ   :ト''゛゛~゛`''''"´    ', |  |
       〈   |            'ト、l  l|
       |""""|-==‐-、  -===ー| |i l|
       |l|l|l|l|i‐<_I'・テ、i  r_i'・テッ|‐| |||         ハインリヒ:
       |   ト|    ̄  l:::    ̄ ||l| |          「やぁ、小さき姫君。ご機嫌はいかがかな」
       | l|l|l:::|     〈i:;::    i|| |l
       ||  トλ    _,...,_    ィ | |i|l
       トi l|l||ト,`:、   ー   .イ| | jリ
        |  |トi|i:ト、`i:、   /  |リイ
        ヽi | il| .`| `::::::´   イ彡,
         `i  l|  ノ  ___,,... -‐''´_ヽ,',_
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 「:: ̄ ̄|  ./7´λ 〃〈|∠-‐' ,,. -‐'‐--、{ |
 ト;::::i^i:^ト, /.'"/| il |l  '、〉'′_.,‐'´"" ̄`'、〈  |
 | l::::| | l. l./,'"/| | ; |  、|i ∠..,__ィ-==ー、Y  |

ハインリヒはプロセテオトル大森林の入口にある小領を預かる青年(?)君主だ。
父の時代から、エルフとの仲介役を果たしてくれている信頼できるロードで、ベアトリスの幼いころからの顔なじみである。
外見は10年前から変わっていない。

206『王都炎上』:2019/12/17(火) 00:21:30

               , 、 -- 、, -- 、,
             /: : : : : : : : : : : : : : `ヽ、
            , ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ' ,
           ,': : : :; :; ; : : ; ; : : : : i ; : : 、: ヽ ',
          ,:.,': : :i :i i: : : :ハ: : : : :ヾ: : : : i : i :',
           ':.l: : : レリ: : : ∧jハ: : : :ノi |: : リ : | :.!
            l:.i: : : | `゙¨´   ` ̄´ `¨¨゙|: : :|: |
            |:.| : :丁 ゙̄¨>、   ,<¨゙ ̄Τ: :.|: |
            |:.|: : :|、,,   冫  '、     、,| : :.|: |
             l:.l: : :|,'ヾ==〃ヽ--' ヾ==ゞ:| : : l: l
             |:.|: : :|'、     ノ , ヽ     ノi :. :.|: |       いつも通り―――いや、そうだな。
             |:.|: : :|ヘ` ー ´    ゙ ー イ':| :.:.:|: |        ・ .・
            !:.l: : :|:: i\   ´ ̄`   /i:.:.:| :.:.:|:.:|       陛下が存外上手くやれているようで、気分は良い方か。
             ;::i : : i ::|:::::i> ,   イ :::::!::::| :.:.:|:.:|
           ,':.!;: : :|:::|:::/'ー-、 ´,-一ヘ;,i:::::| :.:.:|:.:|       正直、変な所で躓かないか気が気でない時期もあったからな。
          ,';:.i: : : |一'゙  〃∨ヾ.   ゞ-┤:.:.:|:.:|
     ,'´ ̄`¨∨: : : ∧    // ハ      :|: : :.i/´  ̄`',
     !     /; : : :.iヾヽ__,ノ^{⌒}へ_   /;|: : :.|     ',
      ! 丶  j: : : / /; ; ;;彡ゞソミ; ; \//゙|:.:.:. |       i
    |  ',  |/: : i; ; ; ; /;;;く   〉;;;;\; ; \i: : : |      !
    i    ', .〉: : :|彡/;/;/::::::Y:::::ハヾ;;\.ノ|:.:.:ノ , '   |
    l     ソへ:._i`´ /;;/ (:;;)〉:::i;;;;.!::::::::::::::::::::',〃    /
    l.   {::::::::::::::::::::/;;/:::::::::: /:::::i;;;;;.!::::::::::::::::::::}: : :__ 〈
    !.    ',:::::::::::::::::/+〈:::::::::::i:::::::|;+i::::::::::::::::::// へ`ヽ
     |      ',:::::::::::::::\/::::::::::::!::::::ヘ;/::,,、∠ヾ´   ヽ、ヽ 〉


 手元の資料やら手配書やらと言った、如何にも娯楽とは程遠そうな文書に視線をやったまま、淡々と応じる。
 一見すると無作法なようではあるが、これは全くいつもどおりの対応だ。昔からずっとこの調子である。

 軟禁中とは言え、国際情勢を全く知らぬというわけにもいかない。
 特に近隣で起きた事件の情報や、犯罪者の情報は重要だ。
 地理と領地自体の性質上、ここには犯罪者が流入しやすい地盤がある。
 軟禁中とは言え、曲がりなりにも聖印を保持したままの者としては、知らなかったでは済まされないのだ。

 「相変わらず、四方のパワーバランスは西側に大きく傾いたままのようだな。」
 「“赤い竜”の爪痕は、随分と深刻だったらしい。」

 “赤い竜”。王都を焼いた大火の直前に東の神聖王国を揺るがした、極めて危険なアーティストである。
 単に竜の姿を取った際の姿が赤い竜であったため、便宜的に“赤い竜”とだけ呼ばれているが―――
 偶々説法のために訪れていた聖印教会の教皇を襲撃し、神聖王国に甚大な被害をもたらしたという。
 あまりの強さに神聖王国をして撃退が精一杯で、当人は未だどこかに潜伏中なのだとか。
 本名、素顔、一切不明。手配書に記されているのも竜の姿のみ。最初に見た時は『これで何をどう探せと?』なんて思ったものだ。

207ベアトリス・ヴィーディン:2019/12/17(火) 00:22:06
ところで今回は王都は炎上しないので安心して欲しい。ちょっとしたうっかりだ。

208『森の盟約』:2019/12/17(火) 00:49:29
ハインリヒ:
「竜の国の後継として、お父上の隣で周辺国との均衡を保っていたキミだ」
「本国とのやり取りも満足に行えず、この数か月の生活はさぞや暇を持て余していたことだろう」
「……と、思っていたが勤勉なことだね。昔から変わらない」

たまにハインリヒと顔を合わせての夕食の席の会話で、王都の情報などは聞かされている。
王位を継いだスィルはカウント――王の聖印と従属聖印の引継ぎを終え、周辺国との顔継ぎなどに奔走しているという。

「……かの邪紋使いは、その身に刻んでいた混沌の血肉をまき散らしながら逃げ去ったとか」

「このプロセテオトル大森林の周辺でも影響を受けてか、急激な混沌濃度の上昇が起きていてね。
 エルフたちから領を与えられている私も、庭師のように忙しく働かされている。猫の手も借りたい状態さ」
「これと関係ある話なのだが……さて」、とハインリヒは話を区切る。

「ヴィーディンとの約束より少し早いが、キミの拘束は今日までということになっていてね」
「キミを王国を返さねばならなくなった」

「というのもだ、今回の譲位を期にプロセテオトル大森林は『ヴィーディン王国との関係を見直しを図る』ことになった」

……言うまでもなく、この前の大火で反・異界船派のエルフたちの意見が強まったせいだろう。

209ベアトリス・ヴィーディン:2019/12/17(火) 22:08:06


 「何、気心の知れた者と共に、職務を意識せず暮らす機会もそうそうない。私なりに羽を伸ばしてきたつもりだ。」
 「とはいえ、怠けるばかりというのも健全ではあるまいし―――このくらいは習慣づけておかねば、後々困りそうだからな。」


 こうして命が―――そして従属聖印が未だ手元にあるという事は、つまりそういうことだ。
 なんだかんだあったが、引き続き騎士として働け、ということだろう。
 であれば、復帰した後の事も考えてクセをつけておくべきだ、と。そういうことである。
 まあ、情報伝達の手段や頻度の関係上、得られる情報が若干古いものになってしまう事ばかりは避けられないが―――


 「今なお残滓が周辺を騒がせている辺りから察するに、相当な怪物だったようだな。」
 「取り逃がした神聖王国も、さぞ頭が痛かろうて。」

 「―――すまないな。ただでさえ忙しい時期だというのに、こちらの事情に付き合わせてしまって。」


 体ごとハインリヒの方へ向き直してから、謝罪の言葉を述べる―――初日にも、同じようなことを言いはしたが。
 あちらからしてみれば、忙しい時期に他国の騎士の世話まで押し付けられた格好だ。
 気心の知れた相手でも―――否、気心の知れた相手だからこそ、こういった事はきちんとしなければならない。

 もちろん、世話になる側の礼儀として、それなりに助力はしてきたつもりではあるが―――
 それでも、私個人にできる事には限度があるし、立場上の制限もある。
 負担を強いてしまった点については、何らかの形で補填したいところだ。


 「何?」

 「―――なるほど。そういう事情であれば、是非もあるまい。」
 「色々と、世話になったな。」


 もともと大森林のエルフ達は、あの“竜の骸”―――異界の船の残骸について、あまり良く思っていなかった。
                   ・ ・ ・ ・ ・ ・..・ .・ ・
 そこに、あの大火である。ちょっとした手違い一つで都市一つを焼き払うような危険物が、自分たちに向けられたら?
 ―――当然の心理、当たり前の危惧だ。

 流石に一足飛びに攻め滅ぼそうと考えるほど、彼らが短慮だと思いたくはないが―――
 少なくとも、今回の失態を契機として、国交を打ち切られる可能性は大いに考えられる。
 何せ関係を打ち切られて立ち行かないのはこちらの都合であって、向こうはさほど困らないからだ。

210『森の盟約』:2019/12/17(火) 23:16:55
ハインリヒ:
「君と私との仲だ。窮地にあらばいつでも助けよう――と、言いたいところだが……」
                                   ・ ・ ・ ・
「古いエルフたちの反発もあるが、今回の決断は私の意志で決定したものだよ」

「元々、我々の領とヴィーディンとの交流は先代の王、君のお父上と結んだ誓約あってのものだった」
「『ヴィーディン王家が異界船の守り人である限り、ハインリヒ・ブラウンがエルフとの仲を取り持つ』……」
「……しかし、竜骸の封印は破られ、聖印は新たな王に引き継がれた。契約に『一区切り』付いたのさ」

「君たちがヴィーディンの血筋だからといって、私も無条件で味方であり続けられるわけではないよ」

――異界船を守るヴィーディン王家がそうであるように、
半魔境であるプロセテオトル大森林のもたらす危険と利益は、大きなものだ。
人の身でこれを制し、エルフを相手に交渉を執り行うというのは並大抵の難しさではない。

……ハインリヒの切れ長の目が、品定めをするように細められる。

「なにより、ベアトリス。我々の友情が馴れ合いに堕すのは耐えられないからね」

その目は、「我々が背負うリスクに対してお前は何を差し出せる?どう力を示す?」とでも言いたげだ。

211ベアトリス・ヴィーディン:2019/12/19(木) 22:34:21

               .・ ・ ・ ・ ・ .・ .・ ・ .・ .・  .・ .・ .・ ・ ・..・ ・
「先に述べた通りだ。そういう事情であれば、是非もあるまい。」
              システム
「私はただ、己の属する領地のために、最善を尽くすだけだ。」


返答は常と何ら変わらず、当たり前のように淡々としたものであった。
元より、誰が決断した事であるかは問題ではない。
今重要なのは、その決断がこちらの領地にどう影響するか。
あくまで優先されるのは、領地の都合だ。個人の感情は二の次でしかない。
つまり―――何も変わらない。私はどうしようもなく、こういう人間なのだ。

少なくとも、私は彼を友人だと思っているし、彼も私のことをそう思っていれば嬉しいとは思う。
しかし、同時に―――仮に領地同士が敵対することがあれば、互いの首を撥ねるに躊躇はないだろう。
(まあ、私が手ずから剣を取って首を撥ねる事はないだろうが)
私達の関係は、そういうものだ。そのくらい割り切った関係が、私には丁度良い。


「ともかく、この案件は領地間の問題だ。」
「こちらも一度国許へ持ち帰り、対応を検討せねばなるまい。」

212『森の盟約』:2019/12/19(木) 23:38:14
ハインリヒ:
「……もう少し悩んでくれるくらいのかわいげが君にあれば、
 『婚姻を結び両国との結束を強めてはどうか』なんて切り出すこともできたろうが、
 これだけ指し手が早いと、雰囲気を作る時間もないね」

ハインリヒは肩をすくめる。

「国も森も変わりつつあるが、我々は今まで通り対等な関係でありたい。
 それが私の望みさ……。では、こちらから札を切らせてもらおう」

「現在、我が領は先の話でも出た邪紋使いの残したと思しき混沌。
 ……その影響の悩まされていてね。ヴィーディンには、これを解決するため力を貸してほしい」

213ベアトリス・ヴィーディン:2019/12/20(金) 23:16:05


 「私がこういう生き物であることくらい、知らぬ汝でもあるまい。」

 「―――すまんな。状況が許せば、そういう選択肢もあったかもしれないが。」
 「こんな立場でも未だ聖印が残されているということは、まだまだ王国に残って働けということらしい。」


 これが私であれば、殺さないまでも他国との婚姻などに使うところではあるのだが。
 そうする場合、あえて聖印を保持したまま送り出す必要は特にない。
 夫、或いは妻として送り出す分には、あえて従属聖印を残しておく必要もなく。
 仮に武力としても考えるのであれば、それこそ、その地の領主が従属聖印を与えるのが筋というものだ。

 ―――私が王国を離れなければならないという点を除けば、相手としては都合が良すぎるくらいなのだが。
 うむ、婿探しは難儀しそうだな。


 「あくまで個人の見解を述べるならば、だが。」
 「こちらが受諾する分には、問題は無いだろう。森林行軍の練度等、いくらかの細かい懸念事項はあるが―――」

 「対処で忙しい時期に、こちらの都合を聞いてもらった分の借りもある。そちらを清算するという意味でも、程好い提案だ。」


 とは言え、この案件で最大の問題はこちら側ではなく。
 大森林の支配者である、エルフ達の意向の方なのだが。

214『森の盟約』:2019/12/22(日) 23:00:30
ハインリヒ:
「分かっているともさ。必要とあらば――というより、常に自分を盤上の駒として数えれてしまう、
危ういキミを戦いの場から遠ざけたいと思ってしまう私の勝手な庇護欲だ。聞き流してくれ」

「約定が果たされた証には、古いエルフたちもヴィーディンの存在を認めざるを得なくなる。
 この領地を収めるものとしてハインリヒ・ブラウンが君たちの力となろう」

「……エルフ達は理解していないのだ。火の手はとうにプロセテオトルまで広がっているということをな」

――次の日の朝、帰りの馬車はプロセテオトルの小城を出発した。
ベアトリスは数か月ぶりにヴィーディン王国への帰還を果たす事になる。

【シーン終了】

215『森の盟約』:2019/12/23(月) 22:27:22
●OP3 シーンプレイヤー:赤竜童子  混沌レベル:?

薄雲の流れる群青色の空に、赤い月が怪しく輝く夜のこと。
                                           ・ ・ ・ ・
ヴィーディン王国の北部、プロセテオトル大森林に近い草原を彷徨う、一頭の竜がいた。
その竜は、全身に深い傷を負っていた。
竜の身体から零れる血肉は地面に落ちるたびにジュウと蒸発し、混沌の靄を立ち込めさせた。

……これは、赤竜童子がヴィーディン王国に訪れるより、しばらく前の頃の記憶だ。

キミはペルセナ神聖王国で……“なんやかや”あって、騎士たちと戦い大敗を喫した。
多くのロードを屠り、何とか聖王国から逃げおおせる事はできたがその代償として、
これまでキミが喰らい肉体に刻んできた、邪紋の大部分を失っていた。

無名の追剥ぎたち:
「匂う、匂うぜぇ〜!この辺りにウワサのクサレ邪紋使いが潜んでいるって話だったなあ!」
「ヒヒ、『一竜一国』……ヤツをブッ殺せば、オレたちの親分も領地持ちロードの仲間入りだァ〜!」

――聖王国を離れ、一か月。
キミに懸かった賞金と強大な混沌核を狙う有象無象どもの、執拗な追跡が続いている。

216赤竜童子:2019/12/23(月) 22:48:10
獣の軋りのような音が奏でられる。

『ここではない場所、今ではない場所、どこでもないどこか
誰にも聞こえないそこで、確かに奏でられる、混沌(せいめい)のうただ』

――――森を、赤が進軍していた。赤としかいいようのないナニカ。
激しい攻撃で竜と呼ばれていたカタチは崩れ、中身だけが今この森を走っている。

『始めは一人の少女だったと言われている。
飢餓か魔物か戦争か。ナニカによって滅ぼされた村のなんでもない少女だったと。』

『だからそれはきっと、ごくごくありふれた混沌(シロモノ)。
死にたくないという思いを吸って成長したごく普通の混沌(バケモノ)。
死なずの意志より生まれたそれは同じ死なずの欲望を餌として糧とする。
――――誤算(バグ)は一つ。少女には途方もない才能(バグ)があった。
ただ、本当にただそれだけのこと。』

『欲望を薪にして糧にして、竜すら喰らいとめどなく流れ続けるあかいアカイ死者の河。
溺れれば抜け出る事かなわぬそここそが地獄。いつしか地獄は更なる糧を求めるように動くようになった。
それは内に囚われた者達が解放を求めるように、強き猛々しい意志を持つ英雄や、神に近い聖者へと引き寄せられる。』

ぼたりぼたりと、今までに喰らった欲望を撒き散らしながら赤は進軍する。
それはアレに喰らわれた英雄の剣であったり、アレに潰された獣の牙だったり、アレに引き裂かれた混沌の種だったりする。
例外はなく赤く濡れそぼったそれらをばら撒きながら、赤はひたすらに進軍し続けている――――

217『森の盟約』:2019/12/23(月) 23:18:22
十数人ばかりの、粗末な装備に身を包んだ傭兵崩れ風の男たち。
彼らは事前に情報を集めていたのか、竜の進路先の背の高い草の陰に潜んでいた。
そして、藪をかき分けながら現れた、その巨影を目撃する――。

追剥ぎたち:
「こりゃあ……なんなんだ……」
「とんでもなくデカい長虫……いや、軍勢?」

竜の流す血は地面に落ちるたびにジュウと蒸発し、黒い靄に変わる。
靄に触れた草木は異形に捻じくれ、鳥獣は膿疱にまみれて腐れ落ち、水溜りの水は悉く沸騰する毒へと変じた。
零れた臓物は、血濡れた“混沌”の群れとなり、かつての主に追従する。

追剥ぎたち:
「聞いてねぇぞ!死にかけって話じゃなかったのかよ!」
「ゲェッ、こ、混沌共がこっちに……ええい、やれ!仕掛けろ!」

草原に潜んでいた男たちが赤竜めがけて一斉に矢を、投げ槍を放つ――

218『森の盟約』:2019/12/23(月) 23:27:10
>>217 訂正
十数人ばかりの、粗末な装備に身を包んだ傭兵崩れ風の男たち。
彼らは事前に情報を集めていたのか、竜の進路先の背の高い草の陰に潜んでいた。
そして、藪をかき分けながら現れた、その巨影を目撃する――。

追剥ぎたち:
「こりゃあ……なんなんだ……」
「とんでもなくデカい長虫……いや、血の河?」

竜の流す血は地面に落ちるたびにジュウと蒸発し、黒い靄に変わる。
靄に触れた草木は異形に捻じくれ、鳥獣は膿疱にまみれて腐れ落ち、水溜りの水は悉く沸騰する毒へと変じた。

追剥ぎたち:
「こ……こんなバケモノだなんて、聞いてねぇぞ」
「け、気圧されるんじゃねぇ!死にかけのこけおどしだ!」

「取り囲んで射殺すんだよォ。相手は1人だ……やれえっ!」

草原に潜んでいた男たちが赤竜めがけて一斉に矢を、投げ槍を放つ――

219赤竜童子:2019/12/23(月) 23:29:36
投げ槍が突き刺さるも先頭を行く赤いモノはその進軍を止めることなく。
ただしどこに向かっているのかも分からず、ただ愚直に進軍を続けている。

そして

グチャリ!!
所詮は死にかけの“混沌”。
刺さった箇所は意外と脆く崩れ去り・・・

チャリン、チャリーン♪

零れた欠片は如何にも金目のものと、何かに使えるいいものと分かるような『お宝』をその場に残していく。
・・・まるで強い欲望を持つ者に所有されたいと混沌そのものが望むかのように、欲を煽る形で、実に都合よく。

220『森の盟約』:2019/12/23(月) 23:53:25
追剥ぎたち:
「見ろ!身体に混沌を刻んでようが元は人間なんだよ!」
「おいっ、『砂金』だ!奴の流した血に大粒の砂金が混ざっているぞォ!」

……混沌(カオス)とは“確率のゆらぎ”の力だ。
不安定に揺らぎ続けるエネルギーは、人の意志や環境に触れることで、
アトラタン大陸にあり得るかもしれない可能性を収束させることがある。

湿った薪が、突如燃え上がることがあるかもしれない
木に実ったリンゴが天に向かって落ちてゆくかもしれない。
森の闇の中には小鬼が潜んでいるかもしれない。

この場合は「竜が莫大な財宝を守っている可能性」や欲望が収束した結果だろう。

まき散らされた金銀に狂喜乱舞する追剥ぎたちだったが、
後方で指揮をとっていた気だるげな無精ひげの男が、部下たちをしかりつける。

無精ひげの気だるげな男:
「惑わされてんじゃねぇ。オレたちの目的は、大本の混沌核だろーが」

「まるで小さな魔境だな……これだけ矢を受けてまだ動き続けてやがる。しぶといな」
「なら、ブッ殺すには――――ロード様がやらねぇとなぁ」

後無精ひげの気だるげな男が、『聖印』の輝きを灯した大斧を担ぎながら前に歩み出てくる。

221赤竜童子:2019/12/23(月) 23:56:47
最早何も見えていないのかなんなのか。

大斧にも気付くことなく進軍を続ける赤が向かう先は――――滝壺だ。

進路を変える様子もなく、このままでは落ちて自滅してしまうだろう・・・

222『森の盟約』:2019/12/24(火) 00:16:07
追剥ぎたち:
「ブ、、ブライスト……手負いの獣が思わぬ反撃をしてくるってこともあるかもしれねぇ」
「そうだぜ、こいつはちと不気味だ!零れてる砂金だけでも十分な金に――かぺっ!?」

無精ひげ男は扇でも払うかのように軽々と大斧を振り払い、部下の首を刎ねる。

無精ひげの男・ブライスト:
「頭の俺が“とる”と決めた。お前らもそれに従った。今更やめようは無しだぜ」
「オレとあの竜、どっちがコワい?」

「……よーし、やる気が出てきたな!槍隊かかれェ!」

追剥ぎたち:
「ひっ、ひいいいいい!」

赤竜童子の元に、槍を手にした追剥ぎたちが殺到する。
……全身を槍に縫い留められたところで、赤竜を止めることはかなわないだろう。

『――――――ゴウンッ!!』

だが、動きの鈍ったその瞬間を狙って、ブライストの大斧の一撃が見舞われる!

223赤竜童子:2019/12/24(火) 05:00:55
ドバッ!!

その大斧の一撃は見事に赤竜の首を刎ね――――

ばしゃーん!!

首はそのまま地面に叩きつけられ、見事な赤い花を咲かせた。
ただ、肉体の方は進軍を停止せず。その質量のまま滝壺へと向かい落下していってしまう・・・

後で滝壺を探れば何か得るものもあるだろうが、今は首だ。
首が落ちたところでどくどくと脈打つ、腐臭を放つ赤ん坊の頭位の大きさの塊。

一等に濃い妖気を放つそれこそが、おそらくは――――!!

224『森の盟約』:2019/12/24(火) 22:51:18
赤竜に槍を突き立てていた兵たちが数人、そのまま胴体に引きずられ一緒に滝壺に落下した。
ブライストは意に介した様子もなく、手のひらに聖印を現出させると、残された混沌核に吸収させてゆく。

ブライスト:
「バッサリだ。しかし、妙な斬りごたえだ」
「ぬっ……くっ!これで俺の聖印も子爵級に――」

赤竜の混沌核を吸収した聖印はより大きく、複雑な文様を描き、力強い光を放ち始める。

「……まだ、至らずといったところか?」
「もったいねぇ。この激流に落ちちまったんじゃあ拾いに行くこともできねぇな。
 ……もちろん、槍持ちの連中の話だぜ?……引き上げるぞ」

この一連の出来事は、赤竜童子の記憶からは、すっぽりと抜け落ちている。
だが、聖印の力を宿した刃が首を断つ感触や喪失は、肉と心に刻まれている。
それらは、ふとした拍子に赤竜の記憶の水面に、顔をのぞかせたり……するかもしれない。

【シーンエンド】

225『森の盟約』:2019/12/24(火) 23:49:39
●OP4 シーンプレイヤー:クォーツ・ユニオンジェム  混沌レベル:3

魔法師であるクォーツは王都の復興状況の調査のために、城下の市場にやってきていた。
市場には行商や農家の屋台がひしめき、色とりどりの果菜、よく肥えたヒツジ、布織物が狭しと並ぶ。
譲位から数か月――ヴィーディンの市政は、以前と変わらぬ活気を取り戻している様子だった。

まるであの大火が、全てウソだったかのようだ。

異界船の接収を望む魔法師協会との関係も、以前とほぼ変わらない状態が続いている。
クォーツ自身もこれまで通りの定期報告を求められる程度で、情報収集や国政への特別な指示もない。
(そういうのはもっと、向いた人がやっているという話もあるが)

甲高い女性の声:
「――ちょっと、離しなさいよ!?そんなモノを近づけないでちょうだい!」

野太い男の声:
「グヘヘ、そうつれない態度を取るなよ。さっきから物欲しそうな目で、コイツを見てただろう?」

……クォーツが市場を歩いていると、屋台が密集し薄暗い迷路のようになった一角から、
キンキンと甲高い若い女性の叫び声が聞こえてくる。
なにやら揉め事の気配だぞ?

226クォーツ・ユニオンジェム:2019/12/25(水) 00:23:28

「うんうん、依然と変わらぬ……どころか、ますますの発展の兆しが見える」
「これもひとえに陛下の御威光あってのこと。千年栄えろ」

満足げにコクコクと頷きつつ、記録を取る。
内乱の反動か――――あるいは疲弊を狙って押しかけて来た貪欲な商人の活躍か。
いずれにせよ、市政に活気があるのはよいことだ。千年栄えろ。
復興度合いを示すために、青果のひとつでも買って帰るか。

そう考えていると――――――――聞こえる叫び声。

「むっ!」

なにやら揉め事の気配!
契約魔法師として、私には市政の治安を保つ義務がある!
そう判断すると同時に私は駆け出していた。思い立ったら即行動!


「そこの貴様らァ!!!!!」


「なにか問題があるのならこのヴィーデン王国契約魔法師クォーツ・ユニオンジェムが預かるぞ!」

「そしてもしこの国の治安維持能力を甘く見ているのなら名誉をかける覚悟をするがいい!」

ぷんすこ!

227『森の盟約』:2019/12/25(水) 00:42:55

             -‐==ー-ミ
          _/    ___} ,  ヽ_
         /「 , :  /^~~ヘ ∨ Vヘ
        f「__/. :  /    v∨ .Vハ
      f^ー=L j 斗rf≠  `>=刈i :V{____   _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
      \  〕 } 《 rッ    ゛ rッ 从: 「 ̄ア
.         \刈 //冖^    ^u^`{ i :!./    ……おぉ、クォーツが駆けつけてみれば料理屋台の前で、
.           〕/〈         人 从
         八小\ え~~ ぅ /V{イ ))    線の細いエルフの女性が屈強な農夫たちに囲まれている所だ!
          {{ 〈{〉ー}≧ー≦{.f.〈}〉ーイ
         ィ~〈{〉:{ノ     V}:〈}〉: }ト.     ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄
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       i: : : : : :「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄i : : : : ハ

エルフの女性:
「や、やめなさい!プロセテオトル大森林のエルフはそんなモノには触れたりしないわ!」

屋台の店主:
「ククク……口では拒んでいても、さっきから腹の虫は正直みたいだぜェ?」
「そぉら、そぉら!こいつが欲しいんだろう――――――!」

228『森の盟約』:2019/12/25(水) 00:50:20

        \                                          /
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              _____, -:-:v'777iY_, -:-:-v'777iY_, -:-:-、____
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             ′ └―/,;;,;;,,/ /// //,,,,;;,;;,,/ /// //,:,,;:,,:,:.:,,:{――――‐―┘
             ′   〈, ,.:'´⌒/ ̄ ̄Y,.:'´⌒/ ̄ ̄Y,/ ̄ヾ:,.;/       |
            ′ __/:.,;,::,;,/ /// //,,,;;,,,;;/ /// //,,:,:''::.,:.}´_____|__
            ′. └―/,;;,;;,,:,/ /// //:,:::,,:;,/ /// //,::.::::,,,:::/‐―――――‐┘
   ――     ′     乂_〈<三>ノ 乂_人<三>人__シ       ]         ――
          / 、______________________]
          \______________________/

     /                                               \
   /                                                  \
             「今日は店の再開祝いにヒツジを1頭潰したんだ!」

          「金はとらねぇ、遠慮せずに持っていきな!ほぅら、ほぅら」

エルフの女性
「ちょっ、けむっ!?脂っぽい煙がっ、あっ、団扇で煙を送るのをやめなさい!」

屋台の店主:
「それにお嬢さん、何年か前にも俺の店に来てくれたろう?
食べっぷりが見事だったから覚えてるぜ。前は10串も食べてくれたじゃないか……いったいどうしちまったんだい?」
「おや。魔法師(メイジ)様、ご視察ですかい?よければ1本どうです」

エルフの女性
「私は“まっとうなエルフ”になるって決めたのよー!あっ、タレの匂いが!?香ばっ!」

……トラブルだろうか。

(※本セッションはフィションだけど、食の無理強いは健康面や宗教面でのアレやこれやがあるから、やめようね!)

229クォーツ・ユニオンジェム:2019/12/27(金) 23:14:13

「おっ、なんだただの異文化交流か!」
「やってるな店主! 一本貰おう! 実のところ私は羊が大の好物でな!」

一瞬で破顔!
そして次の瞬間にはまたキッと店主を睨む!

「しかし無理強いはいかんぞ!」
「私は専門ではないがな。医術と食事は密接な関係にあり、食生活によって健康は大きく左右されたりするのだ」
「たまにミルクを飲んで倒れて死ぬ者もいるだろう。食の無理強いは命に係わる!」
「それに彼女はエルフ……我々人間とは異なる種族なのだからな」
「食生活どころか肉体構造からして……別!」
「文化的、宗教的な問題もあるし、嫌がるそぶりを見せたら素直に引かないと大変なことになるぞ!」

この辺、私は異界を研究する学派にいたわけだからな。
流石に色々と配慮するべきことだとはわかっているぞ。うむ。
というわけで申し訳なさそうに眉尻を下げ、エルフの女に向きなおろう。

「いや、すまんなプロセテオトルからの客人よ」
「もとより貴君らのような異界の住民への理解がとぼしい上、復興の混乱もあってな」
「無礼があったのであれば、この国の魔法師として私から謝罪しよう」
「心配せずとも、今後エルフの客人に羊肉を振る舞うことは断固として禁止するよう触れを出しておく!」

安心!

230『森の盟約』:2019/12/27(金) 23:55:17
エルフの女:
「断固禁止!?そこまではしなくても――」

店主:
「そ、そうなんでやすかね?以降、気をつけやす……」
「よし、市場中の肉屋に触れを出せ!今後はエルフに請われようとも絶対に肉を出すなよ!絶対だ!」

混沌の時代のアレクラストにおいて、エーラムの知識に触れることのない一般の民の間では、
アレルギーやアルコール中毒などに関する知識だとか、注意意識は浸透していない。
クォーツの注意を店主がどれだけ理解できたかは、学院出の魔法師様の言うことならと納得した様子だ。

話しかけられたエルフの女の方はというと「ああぁぁぁ」と情けない声を上げながら、
肉串の皿を名残惜しそうに眼で追っていたところだ。

エルフの女:
「……ふ、ふん。人間にしては私たちエルフのことをよく理解しているじゃない」
「脂したたる肉なんてとんでもないわね。私たち由緒正しいエルフは月夜に芽吹いた若芽と、
 花に溜まる朝露しか飲まないモノ……うう……お腹すいた」

※俗説である。

「あなた、メイジね。よくも……ではなく、助けてくれて感謝するわ」
「私はルリハリ。プロセテオトルの使いよ」

231クォーツ・ユニオンジェム:2019/12/28(土) 00:22:29

「あっでもエルフに請われたらちゃんと『エルフは肉を食べないと聞いたので』と説明するんだぞ!」
「差別的だと言われたら大変だからな!」
「でも食べさせて問題が起こるとさらに大変なのでできるだけ提供するんじゃないぞ!」
「困ったら『申し訳ありませんが規則ですので』と答えろ!」

この辺りの文化交流的な話はややこしいからな!
すごく細かくて……難しいのだ!

「フッ、礼には及ばん」
「不見識を正すのは知恵者の役割だからな」
「私はクォーツ・ユニオンジェム。ヴィーディン王国の契約魔法師だ」
「遠路はるばるよくぞ参られた」
「しかし、使い……宮廷に用向きであれば、私が取り次ぐが?」

宮廷に行けば、野菜のスープとかなら出せるだろうか。
空腹そうだからな。エルフは燃費のいい種族だが、人里では食料の確保もままなるまい。
大方、摂取可能な食料が見つからず、禁忌とされる肉食に手を出すかどうかの究極の選択に悩まされていたのだろう……危ないところだった。

232『森の盟約』:2019/12/28(土) 00:59:00
店主たち:
「なるほど、勉強になりますな。『規則で禁止されてますので』!」
「分かりました。座長にも話して市全体で徹底させましょう、『規則で禁止されてますので』」

ルリハリ:
「なんでこんなことに……私が誘惑に負けて寄り道したから……?罰なの…?」

「渡りに船ね。なら宮廷まで、道案内お願いするわ」
「宮廷に向かおうとしてたのだけれど、この辺り道がすっごく入り組んでて」
「迷っているうちに、懐かしい匂いにつられてフラフラと……それはもういいけど」

「……ヴィーディン王に助けを求めてきたのよ」
「『プロセテオトル大森林の民の危機に駆け付けてくれる』って、約定があるのだから……」

233クォーツ・ユニオンジェム:2019/12/28(土) 01:13:49

まぁ規則は後に緩和される可能性もあるが、とりあえずこの場では規制しておかねばな……
一旦フラットな状態にしておいて、そこから妥協点を探して行かねば。うん。
究極的には教育水準を引き上げて識字率を……いやこの話は遠大になるので置いておこう。

「なるほど……あいわかった、案内しよう」
「…………ただ、我が国は先日新たな王陛下が即位されたばかりでな」
「無論、陛下は古き約定を無碍にするお方ではない!」
「が、如何せん忙しい時期だ。少し時間をいただくことになるだろう」

「さしあたって――――あと数件視察に回らねばならないのだが、少し付き合ってもらってもいいだろうか?」
「問題ない、すぐに済む! 振舞いに羊を潰している店が多いのでそこは気を付けてくれ!」

そう、ヴィーディンでも皆に愛される食事処や、老舗のパン工房などを見て回らねばならんのだ!
食料生産施設は国家において最も重要なもののひとつだからな!

234『森の盟約』:2019/12/30(月) 22:07:36
ルリハリ:
「他国のロードの力を借りに来たのだもの。すぐにとは言わないわ」
      ・ ・ ・
「流石にエルフ並みに気長には待っていられないけど……」
「ゴホン……なんでもないわ。さ、案内してちょうだい」

┌────────────┐
│それからしばらくして…  ......│
└────────────┘

市政の酒場や食事処、工房は前王の統治の時と変わらぬ盛況ぶりを見せている。
ヴィーディンの食糧事情は今のところ安定状態にあるようだ。

「……そう、ロードの力を借りるためなら、多少の寄り道も我慢するわ」

キミの視察の間もルリハリは、腹の虫を鳴かせながら半泣きで後をついてきている。
一人にされるとまた迷うから。

「でも、なんでこんなところばっかり巡るの!?」
「そうね!大切よね、食べ物!ま、まぁ朝露しか飲まないエルフには無縁だけど!」
「いい香り……。ぐすぐす……ひ、ひどい拷問だわ…」

しかし、クォーツが話に聞くプロセテオトル大森林のエルフというのは、
もう幾らか繊細で神秘的な生き物だと聞いているが、このエルフ娘からは違った印象を受ける。
どうにも垢ぬけないというかドン臭いというか……。

235『森の盟約』:2020/01/04(土) 22:31:55
【シーンエンド】

236『森の盟約』:2020/01/07(火) 23:20:47
●ミドル1 シーンプレイヤー:ベアトリス、クォーツ 混沌レベル:3

 ところ変わって、ここはヴィーディン王城内の応接間。
ベアトリスがハインリヒの手配した馬車で、数か月振りの帰還を果たしてから半日と経っていない頃だ。

対面の席には、キミの帰還の馬車に同行してやってきた、
『プロセテオトル大森林の“正式な使者”』であるエルフの男・シーシャが掛けている。

シーシャ:
「んん〜〜〜、ベアトリス殿……我われエルフは今回の混沌災害に対し、
 定命の者ほどせっかちではありませんが、宴席の前に無粋な話は終わらせてしまいましょう」

「既に聞き及んでいるでしょうがァ……プロセテオトル大森林の南西部の、急激な混沌喉の増加で
 ティル・ナ・ノーグ界の下賤な妖精共が森に流入をはじめ、頭を悩ませていた所なのです」
「ええと……討伐してくれるのだとか?」

「あまり森を踏み荒らされたくはないので、人数と場所の取り決めをしましょうか」

シーシャは斜めったポーズでフワフワの金髪を手櫛で掬いながら、
庭木に付いた毛虫でもするようなのんびりとした様子で、混沌災害の状況を語っている。
悪気は全くないようだが、かなり他人事っぽいぞ。

237ベアトリス・ヴィーディン:2020/01/08(水) 00:04:40


「はい。最終的には、陛下の裁可を受ける必要がありますが……」
「討伐そのものは、既定路線であると考えて問題ないでしょう。」


本来、私の権限で裁決できる問題ではないが、今回に関しては事情が事情だ。
受けないデメリットは重く、受けないメリットは……あるのだろうか? 少なくともデメリットを甘受できるだけのものは見当たらない。
つまるところ、受ける事自体は既定路線で、後はどのような条件で受けるか、と言ったところが焦点となるだろう。
そういうわけで、私と彼の話し合いは本決定の前の擦り合せという趣が強い。


「率直に申しまして、私共は所詮余所者です故、貴方がたほど大森林には詳しくありません。」
「場所に関しては、大森林について何より詳しい貴方がたに、此方の戦力を見た上でどう割り当てるか策定して頂くのが一番無理がないかと。」

「問題となるのは派遣する戦力に関してですが……数ばかり多くても、森林での行軍に不慣れなら足手まといになることが懸念されます。」
「人員の数よりも質を重んじ、少数精鋭で臨むべきである……というのが、私の見解です。」
「そちらとしても、あまり多くの余所者を招き入れるのは本意ではありますまいし……」


基本的に、エルフ達は余所者が森に立ち入るのを好まない。そして、我々は余所者だ。
実務との兼ね合いもあるし、そもそも大森林は過酷な領域である。不慣れな人員を率いての森林行軍は厳しいものとなろう。
そういうわけで、必然的に少数精鋭とせざるを得ない、というのが私の見解であった。

238『森の盟約』:2020/01/08(水) 00:48:08
シーシャ:
「たしかに、永遠の領域に定命の者を招き入れる本意ではありません……。
此度の混沌災害は外界で湧いた混沌が我々の森に流れ込んだものですが、
ヴィーディンの王が自ら訪れて聖印を振るいケガレを持ち帰るというのであれば、我々も折れましょう」

「では、兵の選定はハインリヒ・ブラウンに任せるということで……」

               『 ダダダダダダダダ……! 』

ベアトリスとシーシャの交渉は滞りなく進んでいた。
しかし、それを乱すかのような慌ただしい足音が廊下をやってきて、
応接室のドアが勢いよく跳ね開けられる――――

                  『  バ――――ンッ! 』

ルリハリ:
「直訴!ヴィーディン王、直訴に来ました!さんざん遠回りさせられたけど!」ゼェゼェ
「……プロセテオトルの民が盗賊君主の脅威にさらされています!どうか力をお貸しください!」

衛視たち:
「誰かーっ、そのエルフの女を捕まえろー!」
「恐ろしく速い移動!俺ですら見逃してしまった!どこだ!?」

239『森の盟約』:2020/01/08(水) 00:57:05

息を切らせて応接室に飛び込んできたのは、エルフの女・ルリハリだ。
……その後ろには、クォーツもついてきているだろう。
彼女は王城にやってくるやいなや「ロードはどこにいるの?」と近くの衛視に聞くやいなや、
弓から放たれた矢のように飛び出して、応接室に直行したのだ……なんたる礼儀知らずか。

シーシャ:
「なんと……お前はたしか外縁の村のルリハリ!」
「無作法もさることながら、お前たちがプロセテオトルの民の名を騙るか!」

「ベアトリス殿、その者の言葉に耳を貸す必要はありません。
 このルリハリという女は大森林の外からやってきて勝手に住み着いた余所者。
 決してプロセテオトル大森林の民などでは………いや、『エルフとすら呼べぬ者』か」

ルリハリ:
「なによ!アタシたちは混沌と戦い森と共に生きているわ!
 投影体の余所者は『古きエルフ』も同じなのに、外からの問題を他人任せでよく森の民を名乗れたものね!」

シーシャ:
「なにぃっ!ほざくかっ、ルリハリーッ!」

ルリハリのエントリーから十数秒――2人の使者のつかみ合いの喧嘩が始まってしまった!

240クォーツ・ユニオンジェム:2020/01/08(水) 22:55:21

「くぉら貴様ァァーーーーッ!!」
「使者ならば順を追って手続きを……むっ!」

なんか!
揉めてる!
ルリハリが恐らく純正のエルフではない(出身世界が微妙に異なるか、あるいは“混血”なのだろう)のは予想ができていたが!
なんか!
揉めてるじゃないか!

あっ王姉殿下!
…………王姉殿下の前で揉めてる!

「王姉殿下!お騒がせしております!」
「……貴様らァ!そちらの事情はわからんが王姉殿下の御前であるぞ!」
「揉め事なら外でやっていただきたいものだな!貴殿らの家でもあるまいに!」
「あるいは双方決闘をお望みならば私が立ち会い、尋常に取り仕切るがいかがか!」
「さもなくば順の応対だ!ルリハリ殿はしばし待っていただく!」

ぷんすこ!
決闘……外交問題……しかしこれ以上は……侮辱……ぷんすこ!!!

241ベアトリス・ヴィーディン:2020/01/08(水) 23:46:32

なんとも不毛な取っ組み合いである。時間が無限にあるとでも思っているのだろうか。思っているんだろうな。
さて、この無作法な御仁は何者であろうか……などと考える間もなく、王国で最も頭に血が上りやすい女がやってきた。
そして案の定と言えば案の定、これである。


「………………先ずは落ち着いて頂けるだろうか、ご両人。」
「無論、斯様な振る舞いが森の代表として相応しいものだと思われるのであれば、心ゆくまで続けていただいて構わないが。」

「それにクォーツ。彼女は君の連れかな? 彼女が斯様な暴挙に出る前に止めることはできなかったのか?」


その後、二人……いや、三人の加熱した頭に冷水でもかけるかのごとく、淡々と正論を以て頭を冷やす。
表情は変わらず、声に抑揚もなく。ただただ淡々と。それで聞かないようなら、それこそ聖印で壁でも張って無理やり止める事となろうか。
何分暴力は苦手なもので、力ずくで止めるというのは不得手なのだ。
とは言え、この割とひどい有様で全く表情を変えずに淡々と処理する姿は、割と怖い物があるかもしれない。


「……ちなみにそちらは、私の帰還に合わせて使節として同行いただいたシーシャ殿だ。」
「丁度、大森林の混沌災害討伐に協力するよう要請を受けていてな。条件について話し合っていたところなのだが……」


そうだね、最悪のタイミングだね。

242ベアトリス・ヴィーディン:2020/01/08(水) 23:48:55
なんとも不毛な取っ組み合いである。時間が無限にあるとでも思っているのだろうか。思っているんだろうな。
さて、この無作法な御仁は何者であろうか……などと考える間もなく、王国で最も頭に血が上りやすい女がやってきた。
そして案の定と言えば案の定、これである。とりあえずパァンと手でも叩いて注目を此方にでも集めようか。


「………………先ずは落ち着いて頂けるだろうか、ご両人。」
「無論、斯様な振る舞いが森の代表として相応しいものだと思われるのであれば、心ゆくまで続けていただいて構わないが。」

「それにクォーツ。彼女は君の連れかな? 彼女が斯様な暴挙に出る前に止めることはできなかったのか?」


その後、二人……いや、三人の加熱した頭に冷水でもかけるかのごとく、淡々と正論を以て頭を冷やす。
表情は変わらず、声に抑揚もなく。ただただ淡々と。それで聞かないようなら、それこそ聖印で壁でも張って無理やり止める事となろうか。
何分暴力は苦手なもので、力ずくで止めるというのは不得手なのだ。
とは言え、この割とひどい有様で全く表情を変えずに淡々と処理する姿は、割と怖い物があるかもしれない。


「……ちなみにそちらは、私の帰還に合わせて使節として同行いただいたシーシャ殿だ。」
「丁度、大森林の混沌災害討伐に協力するよう要請を受けていてな。条件について話し合っていたところなのだが……」


そうだね、最悪のタイミングだね。

243『森の盟約』:2020/01/09(木) 00:21:21
エルフたち:
「勇気の精霊の槍に誓って!やってやるわ!」
「おおっ、その不届き者の血で丘を赤く染めてやる!」

衛視たち:
「いたぞーっ!取り押さえろ!」
「王姉殿下、クォーツ様、申し訳ございません!」

……すぐに、かけつけた衛視たちの手でエルフたちは引き離された。
闖入者のルリハリは3人がかりで後ろ手に捕まえられているが、
衛視たちも「エルフ?客?国際問題?」と正体を測りかねているので、拘束は緩めだ。

ルリハリ:
「うむぎゅう……無作法はお詫びします……。
そちらの使節がすでに話を進めていると聞いて、いてもたってもいられず…」

「私たちの里を脅かす状況は――そっちのエルフとは違って――ひっ迫したもので、
今、ヴィーディンの助けが得られなければ、多くの民が命を落とします!どうか」

シーシャ:
「まだ言うか!プロセテオトルの森に勝手に住み着いておき、
 危険に晒されれば、庇護の権利まで主張しだすとは何たる厚顔無恥。
 森が危険だというのならばどこへなりとも出て行けばよいではないか」

「当然、我ら古きエルフの領域の混沌征伐が先だ!」

244クォーツ・ユニオンジェム:2020/01/09(木) 00:42:26

迅速に王姉殿下に跪くぞ。

「はっ!」
「こちらのエルフは城下にて遭遇し、プロセテオトルの使者と名乗ったために連れて参りました!」
「ところが城に着いた途端、彼女は殿下の居場所を確認すると急に駆け出し、対処できずに今に至ります」
「警備上、重大な過失と存じます。全ての責任は私にあり、この件における咎はいかなるものでもなんなりと!」

もしもルリハリが暗殺者であれば――――責任問題では済むまい。
首を刎ねろと申し渡されれば喜んで首を差し出そう。
それだけの罪であり、その意志のために跪いている。

そしてエルフたちの嘆願については――――――――これは、王姉殿下が判断すべきことである。

が。

「恐れながら殿下に申し上げれば」
「城下の復興は順調に進み、さしたる混乱はございません」
「動かせる駒の数には、余裕があるかと」

判断材料を(例え相手が察していても)しっかりと告げるのは魔法師の役目だな!

245ベアトリス・ヴィーディン:2020/01/09(木) 01:59:54


「魔法師である君の処遇については、一介の従騎士である私個人の裁量で決定できるものではない。」
「よって君の処遇については、喫緊の問題が片付いた後で陛下に裁可を仰ぐ。以上だ。」


後は陛下が決めることです。以上。この話おしまい。
どのみちこっちで勝手に決められる問題でもないので、引っ張るだけ時間の無駄だ。
逼迫した問題が目の前にある以上、無駄は省こう。どうしても気になるなら、ここからの働きで取り戻すといい。
ま、幸いにして彼女は頭に血が上りやすいが有能だ。私に今必要な言葉をきちんと理解している。


「捨て置いた盗賊騎士が外縁部の混沌を食い荒らして力をつければ、次に狙われるのは古きエルフの領域だと考えられます。」
「つまり、盗賊騎士が力を増す前に処理するのは、長い目で見れば古きエルフ達のためにもなる事ではないでしょうか。」
「……そもそも、明確な外敵を捨て置いて好き勝手増長させる理由もありますまい。」

「無論、古きエルフの領域の混沌災害もまた、捨て置くことはできません。」
「しかし、そもそもの話……古きエルフの領域に踏み込めるだけの格と実力を併せ持った人材はそうそういません。」
「それこそ陛下が自ら訪れるくらいでなければ、古きエルフ達は納得しない……そう、シーシャ殿も仰せでしたね。」

「であれば、話は簡単です。」
「まず、古きエルフの領域に向かう人材を選別し、選別から洩れた人材を盗賊騎士への対処に当てれば良い。」

「どちらが先だどちらが上だなど、この場でいくら論じたところで平行線でしょう。喫緊の問題への対処が先です。」
「どちらにも騎士が最低一人は必要ですので……前者の指揮は陛下が、後者の指揮は私が取る、といった辺りが落とし所でしょうか。」


他領の民族問題にまで首を突っ込むのは、さすがにちょっと筋が違う。
しかし、片方を後回しにするという形になれば、此方にそういう意図が無くとも、そういう話と捉えられてしまう。ならば話は簡単だ。
どうせ片方に割ける人材が限られる都合上、どうしても浮く人材は出てくる。浮いた駒をもう片方に当てて、同時に問題解決を図ればいい。

この方針を通すにあたって説き伏せるべき相手は、主にシーシャの方だが……
まず、古きエルフの領域に踏み込める人材が限られるというのは共通認識だ。そこを強調することで、必然的に浮いた駒が出る事は示せる。
その上で盗賊騎士を早期に退治して得られるメリットや、退治しないデメリットを提示することで、同時進行で対処に当たる事は納得させられるだろう。
そして古きエルフの側に人材選別の優先権を与えることで、古きエルフの体面にも配慮できる。先に作法を守って話を持って来たという点で、理由付けも簡単だ。
ルリハリの方は……ゴリ押しで横紙破りを図ったのが全面的に悪いという事で、この場は我慢してもらうとしようか。

246ベアトリス・ヴィーディン:2020/01/09(木) 02:07:50
(何やら雑に陛下陛下言っておりますが、これらは全て『国王陛下』のミスタイプです。担当者は間もなくシベリアに送られますのでごあんしんください)

247『森の盟約』:2020/01/09(木) 22:43:34
シーシャは「エルフにとっては盗賊や混沌など脅威でも何でもない」と、憮然とした表情だ。

シーシャ:
「そのとおり。人間の世界から持ち込まれた不始末を人間自身の手で片付けるためならば、
我々の森に立ち入る事を、そして森の恵みの一部を享受することも容認する」
「それが、先代のヴィーディン王と交わした取り決めです」

「その女の問題と同列に扱われるのは甚だ遺憾ですな……」

プロセテオトルのエルフ全体の考え方かどうなのかはわからないが、
シーシャの見ている世界は、「森」と「それ以外(アトラタン)」ということらしい。
森のエルフ……アトラタン人とは、認識にかなり隔たりがありそうだ。

「『盟約』とは別の場所で、あなた方が何をしようと知ったことではありません」

ルリハリはというと、時折シーシャに敵意の視線を向けながらも大人しく話を聞いている。

クォーツの言う通り、復興も進み部隊整備にも余裕ができて来ている。
ひとまずは……ベアトリスの提案した流れで話もまとまりそうだ。

248クォーツ・ユニオンジェム:2020/01/09(木) 23:04:18

「はっ!」
「かしこまりましてございます!」

うむ!
王姉殿下は『一介の従騎士』とは呼べまいが……そう自称せざるを得ない立場、というところか。
あるいはそのデモンストレーションとして、日ごろこのような態度を取っておく必要もあろう。
王姉殿下は陛下に次ぐ権限の持ち主であるが、建前上はそうではないのだ、と。
醜悪な内乱を避けるためにも、必要なことなのだろう。

……まぁ寛大な陛下のこと、さほど重い処罰は受けまい。
これは……後で減給辺りを申請しておくかな!うむ!

249ベアトリス・ヴィーディン:2020/01/09(木) 23:29:56


「それは失礼。盗賊騎士もまた、ヒトの世界の不始末の一つですので……」
「既に外から持ち込まれた不始末と、今にも持ち込まれんとする不始末を、ついつい同列に見てしまいました。」

「所詮私も未だ若輩、見識の浅さを恥じるばかりです。」


何れにせよ、概ね此方の目的は果たせた。
実際の所、今回の捩じ込みには一つ、此方にとっても見過ごせない問題がある。
盗賊騎士の矛先が、どちらに向くかわからないという一点である。つまり……まあ、なんだ。
適宜森の混沌を食っていい感じに力をつけて、『よっしゃ国盗りじゃ』とばかりに此方に襲いかかって来られては迷惑なのである。
そうなる前に潰しておかねばならないが、そんなん流石に言えたものかと、そういう話である。


「では、そのように。」


ともあれ、言質は取れた。
少なくとも、盗賊騎士の相手に関しては、大分人材選択の自由が利く。
あとは、此方の仕事に全力を尽くした上で、国王陛下が上手くやる事を祈るとしよう。

250『森の盟約』:2020/01/09(木) 23:47:40
ロードの聖印の力は欠片程のものであろうとも吸収・統合されることで、
一夜にして一地方の勢力図を塗り替えることもある。それがアトラタンの戦争だ。
異界の軍略に絶対的な自信を持っている、エルフ達には理解しがたい感覚なのかもしれないが……。

シーシャ:
「とにかく、我々の森に立ち入ることを許すのはヴィーディン王の率いる部隊だけです」

それだけ告げるとエルフの施設は肩をいからせながら部屋を出ていった。
ルリハリは案内を買って出てくれたクォーツに迷惑をかけてしまった事を恥じてか、
申し訳なさそうな表情で俯いたままだ。


入れ違いでやってきたスィル:
「っと、失礼――――今のはプロセテオトル大森林の客だろうか……」

「おおっ姉上、ついにお戻りになられたか!いや久しいな!
この数か月は目の回るような忙しさで手紙を書くために筆を取ることもできなかったぞ
話したいことは山ほどあるのだが何から語ったものかそうだ聞いてくれ姉上
訓練の時にキリ殿の『ばいく』なる乗騎に乗せてもらってきたのだが――」

部屋を一望して、

「なにか、あったか?」

【シーンエンド】

251『森の盟約』:2020/01/15(水) 00:08:44
●ミドル2 シーンプレイヤー:全員 混沌レベル:3

時間は少し経過して、場所は王城内の会議部屋。
顔ぶれは先ほどと同じスィルとベアトリスとクォーツ。
そしてベアトリス顔合わせも兼ねて、客将のキリと赤竜童子も呼ばれている。

スィル:
「なるほど。俺の不在の間にそんな話になっていたか」
「女エルフの件は……城の警備がぞんざいなのはオレの責でもあるしなぁ」

一番の警護対象の国王(スィル)の周りには部隊仲間がいるしということで、
まだまだ情勢の不安な城下や村落に兵たちを回していたのもあり、警備レベルが低かったのかも。

「(姉上の側にはメイド長のアマンダも付いていたろうし万一ということも無かったろうが……)」
「では、クォーツと警備に当たっていた者には今回の件が済み次第、3日間の登城禁止処分を言い渡す」
「この数か月働き通しであったろう。羽を伸ばしてくるといい」


「そして……紹介が遅れたが姉上、この御二方が大火の日に協力してくれた俺の仲間」
「異界の騎士のキリ殿と、アーティストの赤竜童子だ」

252クォーツ・ユニオンジェム:2020/01/15(水) 00:40:08

「ははっ!」
「寛大な沙汰、深く感謝し謹んで拝命致します!」

いささか甘い気もするがな!
陛下の言うことなので文句はつけまい!
でも羽を伸ばしてくるといいとか言わない方がいいぞ陛下!

「国を空けるのはいささか不安も残りますが、ウィーディンの特性上外交を怠るわけには参りません」
「此度の出陣、新生したヴィーディン王国が健在であると諸侯に知らしめる好機かと」

253赤竜童子:2020/01/15(水) 22:57:47
「赤竜童子や、よろしゅうに・・・あー、旦那さんのお姉さん?」

始めて見る人だ、どんな人なのだろうか・・・

骨付き肉でも齧りながら様子を見ていよう。

254キリ/牧田切緒:2020/01/15(水) 23:10:06
「ご紹介にあずかりましたキリ、です」

本当はもっと長い名前だがキリと呼んで欲しいと言ったのは自分だ。
過去に使っていた名前もここでは必要が無いものである。

「ベアトリクスさん……我が王の姉上殿……あぁ、ええっと……」

「なんとお呼びすれば?」

手を差し出し、握手の構え。
銃は左の手だ。

255ベアトリス・ヴィーディン:2020/01/16(木) 22:49:36


「……勝手に話をまとめてしまったのは、すまないとは思っているよ。」


私と弟の関係は……まあ、悪くはないが、若干複雑なものだ。
血縁上は姉と弟、法的には従騎士とその主。
公的な場では後者を優先することになっているが、今はそんな肩肘張った場でもない。
さしあたっては国王陛下の意向ということで、姉としての対応に落ち着いている。


「簡単な情報は書面で確認している。蒼き星の民と、ドラゴンのレイヤーだったな。」
           ・ .・ .・
「しかし赤龍……赤い竜か。面白い偶然もあったものだ。」
「まあ良い。ベアトリス・ヴィーディンだ。好きに呼ぶといい。」

「……とは言え、親しき仲にも礼儀ありと言う。あまり変な仇名を付けるのは控えてくれ。」
「私が怒る以前に、そこの魔法師殿の雷が落ちて後処理が大変なのでな。」


握手に応じつつ、冗談の一つも交えて挨拶を返す。 (なお、実際冗談に聞こえるかは個人差がある模様)
単に私を見る分には、全く強そうには見えないだろう。むしろ弱そうにすら映るはずだ。

256『森の盟約』:2020/01/17(金) 23:08:53
スィル:
「(今回の騒動を解決できれば、あとで功罪相殺という形で処分の釣り合いは取れるだろう。うむ!)」
「(処分の公開や文面は、普段ならクォーツに任せるんだが……誰に相談したものかな)」

「いや、姉上!謝らねばならぬのは俺の方で――っとと」

謝罪の口に仕掛けるスィルだが、すぐに自分の立場を思い出したらしく続きの言葉を飲み込む。
非公式の場ではかしこまる必要ないとは言っているが、
それでもスィルなりに王としての線引きはしようと考えてはいるようだ。

「すぐに対応に移れるのも、先を見据えて動いていた姉上のお陰だ」
「一騎当千の勇士たちが付いているのだ。回せる兵にも余裕はあるだろう」

微妙に不穏な空気が漂っている?んなもん気づくか!

「それで、話の続きなのだが……」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
プロセテオトル大森林に派遣する部隊を編成するなら、まずは調査が必要だ。
別室に移動してもらっているルリハリの正体も気になるところだが……。

【調査可能な情報項目】
・プロセテオトル大森林の混沌濃度 〈情報収集〉〈聖印〉8
・ルリハリの正体 〈混沌知識〉〈話術〉10
・はぐれ者の里 〈情報収集〉12
・盗賊騎士 〈情報収集〉〈聖印〉8〜12

257赤竜童子:2020/01/20(月) 23:56:59
じゃあまずこれを調べるわ。
・プロセテオトル大森林の混沌濃度 〈情報収集〉〈聖印〉8

〈聖印〉は2d+4なので・・・
(2D6+4) → 10[6,4]+4 → 14

達成値14、普通に成功やね。

258『森の盟約』:2020/01/21(火) 00:21:15
★判定成功→情報開示
・プロセテオトル大森林は豊かな資源を有しているが、混沌濃度の高い危険な魔境だ。
古きエルフ達が暮らす森の奥地は魔境としてバランスが安定していたが、
ここ数か月ほどは混沌濃度の上下幅が大きく、森の中に大量の投影体が発生(ポップ)を繰り返している。

今回の混沌災害(不安定化)の原因を解決しない限り、
スィルの部隊は延々と戦い続けることになるだろう。

スィル:
「これがエルフの住処でなくただの魔境なら、破壊するだけで済むのだがなぁ…」

★決戦フェイズにて、戦場内に「変異率【恐怖の島】(Ⅱ236頁)」が発生。
0レベルからスタートし、3ラウンド目・5ラウンド目の開始を迎えるたびにレベル+1される。

259牧田切緒:2020/01/24(金) 01:25:03
・ルリハリの正体 〈混沌知識〉〈話術〉10

蒼き星の住人を使用(MP52→48)
〈混沌知識〉で判定。

diceBot : (3D6+5) → 9[3,1,5]+5 → 14

達成値14で成功

260『森の盟約』:2020/01/25(土) 21:41:14
★判定成功→情報開示
               _,,.. -=ミ
             //^^Y   `ヽ
     ⌒Y⌒   .///-' ヽ{{_   \)ォ_
   /二二\ . ト┘イ='  、__v  ー=〈〈^))
    {//f⌒7/7 . \Vxx   ̄∨ jL..,」{)≠
   {//{  }/〈   八 ー=' xxx∨{う_ア
   {//{  }/〔     〕Tr==rf「.〉7__))
   {//{ ノ/7     . {〈{.{」 ノ「{ 〉. : : )
.   V/厶ィ/}      人}.}〉イ. 「{ 〉.--ヘ
.    ∨//      /. : }.}〉「ヘj{ 〉. : : :ハ
.    .}/|     /. : イ从:}マヘ八: : : : : :.\
.    .}/|  __,, ノ. : :/イ.{.:.:.}.マヘ )). : : : / <
.     f⌒ih 「 : : \\.:.:. {:.:.:}.. :.://\//.:.:.ヽ
    .廴ノソ\┐.:.:.:\\ }.:.:.}-.//   >'.:.:.:.:.:.:.:{
.    .}/`ヽ ./.:.::.:.:.::.:.:〕-[[_] // _/.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノ
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.    .}/|   V.:. /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{{.:.:.:.:.:.:.:./ :|i  ヽ

・彼女の正体はプロセテオトルの古きエルフとアトラタンの人間の混血だ。
その肉体は投影された物ではなく、アトラタン人のそれに近いが、
森の投影体たちと意思を通わせることでまじないを行使する自然魔法師である。

母親がエルフの中では高貴の血筋にあたることから、
同族からは疎まれながらもエルフ達の領域で育てられた彼女だが、
森に逃げ込んできた人間たちの庇護者となり「森に住み着いた人間たちもプロセテオトルの民である」と
権利を主張し続けたことで、同族との関係性は悪化している。

人間に対して不遜で傲慢とも見えるその言動は、
「自治権を持つプロセテオトルの高貴なエルフ」たらんと振舞おうとしているためらしい。

261クォーツ・ユニオンジェム:2020/02/01(土) 23:24:40
あ、じゃあ【はぐれ者の里】について調べておこう。
ふふふ、情報収集は今回の成長でレベル3にしておいたのだ。

diceBot : (3D6+5) → 9[1,3,5]+5 → 14

なので無事に成功だ!

262『森の盟約』:2020/02/04(火) 22:23:42
★判定成功→情報開示
・プロセテオトル大森林の外縁に存在する里。
戦乱を逃れてきた難民たちが自然と集まって形成された小集落。
森の実質的な支配者である古きエルフ達は外様である彼らの存在を認めていないため、
ハインリヒ・ブラウンも、表立って支援をしたり混沌の浄化を行えていない。
アカデミーの爵位制度上は、「存在しない人々」という扱いになっている。

住民の多くはその身に邪紋を刻んだり、弱い投影体たちと共存することで、
なんとか混沌災害に適応し小さな農地を切り拓いて生活を営んでいる。

★シーン「ミドル3」を解禁 → いつでもシーンを終了可能

263ベアトリス・ヴィーディン:2020/02/05(水) 23:13:40

・盗賊騎士 〈情報収集〉〈聖印〉8〜12
について調査しよう。技能は……《聖印》でいいか。
diceBot : (3D6+7) → 9[2,1,6]+7 → 16
まぁこんなものだろう。

264『森の盟約』:2020/02/05(水) 23:26:19
★判定成功→情報開示
私利私欲を満たすために聖印の力を使う、流浪のロードを頭目とする盗賊団が存在する。

頭目のブライスト(男/41歳)は、戦時にはバルドレイヤ帝国側の傭兵として戦い、
それ以外の時はペルセナ神聖王国周辺の街道を縄張りとして、盗賊を行って生計を立てている。
その総兵力は『8部隊』にも及び、部下にはアーティストも有している。

ここ最近になって盗賊団はプロセテオトル大森林に活動拠点を移し、街道にあまり姿を見せなくなっているという。

★新たな調査項目を解禁 → 「盗賊団の目的/〈情報収集〉14」

265クォーツ・ユニオンジェム:2020/02/14(金) 01:00:16
では私がやろう。
マイナーアクションで【ウェポンプロジェクション】!
MPを8点消費して《異界魔本》を召喚して装備するぞ。これで達成値は+2だ(残MP45)。

diceBot : (3D6+7) → 9[6,2,1]+7 → 16

……まぁ無くてもよかったがよし!

266『森の盟約』:2020/02/14(金) 22:28:04
★判定成功→情報開示
混沌と共生することで、盗賊団に抵抗しているはぐれ里の住民だが、
ブライスト盗賊団は、武力で威圧するのと同時に「聖印の力で混沌を祓ってやる」ことで、
古きエルフやブラウン領に不信感を抱いている、はぐれ里住民の懐柔を試みている。

達成値:11〜
ブライストたちは、はぐれ里の住民を兵力に取り込み――あるいは聖印に吸収して、
ゆくゆくは古きエルフの領域を制圧し、バルドレイヤ帝国側の勢力として、
この地方の戦場に名乗りを上げる腹積もりらしい。

達成値:14〜
はぐれ里の近くには「放棄された砦跡」があり、盗賊団はそこを拠点としている。
砦までの道のりは、混沌災害の影響で複雑化しており、
【森に詳しい案内人の手引きが無ければ、行軍は困難を極める】だろう。

(※全ての情報項目を解禁!)
(2回目の調査を行っていないPCは、メジャーアクションで薬品類を1回使用してもよい)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

君たちは密偵を送り出したり、ルリハリから話を聞き出すことで、大森林に関する情報を得た。

スィル:
「――ふぅむ、大森林に現れたロードを頭目とする盗賊団か」

「ヤツらが、エルフやブラウン領に見放された〈はぐれ里〉の住人を懐柔すれば、
 この地方の勢力図に影響を与える新勢力が発生しかねない。
 これは我々、ヴィーディン王国にとっても脅威だな……」

「今回、古きエルフの元に出向くことになっている俺の部隊は動けない。
 どうか皆の部隊で、〈はぐれ里〉の対処に当たってもらいたい」

267クォーツ・ユニオンジェム:2020/02/15(土) 00:09:23

「ははっ、お任せを!」
「大任、仰せつかりましたッ!」

盗賊団か……不埒!許せんな!
かくなる上は覚悟しろ盗賊団全滅だ!

268牧田切緒:2020/02/15(土) 00:13:56
メジャーアクションで【気付け薬】を使用(残り2)

diceBot : (2D6) → 7[3,4] → 7

MP48→52(最大値)

「王、貴方の仰せの通りに」

穴を開けるのは得意だ。

269ベアトリス・ヴィーディン:2020/02/15(土) 02:02:34


「なるほど。盗賊団はそのような事を考えていたか。」
「ならば―――うむ、取るべき方策は単純だな。易しくはないが。」

「―――承りました。つきましては陛下、件の〈はぐれ里〉の住人について一つ提案がございます。」


事が領地の問題である以上、決定には領主たる王の裁可が必要となる。
故に、ここからは姉ではなく、臣下としての態度で臨まねばならない。
静かに居住まいを正し、言葉を重ねる。


「単に盗賊団に対処するだけでは、また別の誰かが彼らに目をつけ、同じことを繰り返す可能性が残ります。」
「厄介事の種を残しておくくらいならば、いっそ領民として引き入れてしまうのは如何でしょうか。」


もちろん、規模として不可能ならば無理にとは言わない。
だが、可能ならばそうしてしまった方が、色々と後腐れなく済む。
何より―――実現できれば、その段階で盗賊団の計画の前提が破綻する。やる価値はあるだろう。

270赤竜童子:2020/02/16(日) 22:45:39
じゃあ今一番MP減ってるクォーツに気付け薬飲ませとくよ。

ダイス合計:7 (2D6 = [4 3])

7回復させてほぼ全快だな。

「盗賊団、とーぞくだん、ねえ・・・」
「なーんやろ。なんかどうでもええこと忘れとるような・・・」
「どうでもええことやからどうでもええような・・・」

271『森の盟約』:2020/02/18(火) 22:19:02
スィル:
「ム?う、うむ。となると領内の廃村のどこか……受け入れ先の準備が必要だな」

ベアトリスの提言にスィルも――いそいそと姿勢を正してから――王としての態度で鷹揚に頷き、賛成の意を示す。

ヴィーディンは元々、異界船を囲う小国群が難民を受け入れながら成長してきた国だ。
ノウハウはあるし、采配に優れたロードやメイジもいる。
こちら側の受け入れの余裕は十分にあるだろう。これで方針は決まった。

「これは“民”を守るための戦いだ。皆――どうか、頼んだぞ」

【シーン終了】

272『森の盟約』:2020/02/18(火) 22:44:30
【プレッジシーン1】

部隊の編成を終えたキミたちは、プロセテオトル大森林へと出発する。
決意を新たに、【誓い】を立てる時だ。

……ついでに、拘束していたルリハリの処遇も決めておいた方がよいだろう。
(あのそそっかしいハーフエルフを案内人として連れて来てきてもいいし、そのままにしてもよい)


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