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ダンゲロス流血少女MM:生徒会応援スレ

1流血少女GK:2015/08/01(土) 23:45:07
生徒会用

7口舌院五六八:2015/08/03(月) 23:08:27
五十鈴真紀(いすずまき)には才覚があった。

それは暴力や危険の匂いをいち早く察するという、護身の為の才。
しかし、彼女はそれを自らを危険から遠ざけるためには使わなかった。
むしろ、彼女にとって与えられた才能は、
積極的に危険の中に身をゆだねる為の格好の道具に過ぎなかった。
彼女は理不尽な暴力や束縛に快感を覚える、ごく普通の変態であった。

五十鈴真紀、圧倒的暴力に捻じ伏せられるのを本望とする少女

彼女が「暴力の化身」と出会うことになったのは入学して三日目である。


************************
五十鈴真紀 邂逅
************************


「おっス、クワトロ・スペシャルのウルトラクリスピークラストLLと
 牛丼つめしろとろだくアタマの大盛り3杯、買ってきたっス」

どんな学校にも一定数不良やいじめがあるように、ここ妃芽薗学園にも存在する。
彼女は入学早々に、そういった「匂い」を発するグループに近づき
不用意を装って、目を付けられに行った。
当然、不良という生物は自身の体の延長としての「舎弟」を常に求めている。
驚くほどあっけなく、真紀はそのグループのパシリの位置に収まることが出来たのだ。
不良達は、鴨がネギしょってきたとでも思っているだろう。
馬鹿め馬鹿め、捕食者はこっちだと内心ほくそ笑む真紀であった。

「何これ、もうチーズ冷めかけてるんですけど」
「こっちも肉冷めてるし、つめしろ(訳注:ご飯を冷やご飯にすること)意味無いじゃん。」
「そ、そんなこと言われても、遠いんスから、仕方ないっスよ」

嘘だ、もっと早く戻ることも出来たし、熱々のまま持ってくることも出来た。
だが、それでは意味が無い。
彼女は疑われない程度にピザと牛丼を冷ましていた、もちろんお仕置きを期待してのことだ。

「おいおい、これじゃシメシがつかないっしょ」
「あーあ、またお仕置きされちゃうね」

女不良達は、独創性の欠片も無いセリフを吐きながら五十鈴に近づく。
五十鈴は、ありったけの小動物オーラとでもいうようなものを発し
不良たちを挑発していた、早くいじめたまえと。

「ちょ、勘弁してくださいよ……」

溢れそうになる笑みを殺しながら、迫る愉悦の瞬間を待つ五十鈴。
この時までは、五十鈴はこう考えていた。
「自分より弱い存在になじられる、いたぶられるのが快感だ」……と。

実際、五十鈴は強かった。
恐らく、この場にいる不良五人くらいなら即座に始末できるだろう。
「いじめさせてあげている」という意識が根底にあったのかもしれない。
その、優越感こそが快楽を生むのだと五十鈴は考えていた。

だが、それが勘違いであると思わされる事になる。



ひとつ、例え話をしよう

蚊やノミといった動物は、他の動物から吸血行為を行うことによって生命維持を行う。
その範囲は人類を含む哺乳類や鳥類、特定の種にいたっては両生類や魚類などにも及ぶ。

蚊やノミは自身の習性に従って獲物を追い求める。
もし、この時、蚊やノミに人類並みの知性があったらどうなるだろうか?

少なくとも人を獲物には選ばなくなるのではないだろうか。
相手はその気になれば、気まぐれで自分たちを明確に殺す力と知性がある。
ならば、リスクを最低限にするためにも他の動物を選ぶだろう。

五十鈴真紀は知性を持ったノミであった。
不良やDV男等に寄生して暴力を甘受する。
寄生対象に飽きたらさっさと乗り換える。
依存することもされることもなく、コントロールする。
今まで後腐れなく、うまく『やってきた』

だが、その時、五十鈴真紀が出会った存在は
自分がコントロール出来る範疇を超えていた。
どちらかと言えば「自然災害」に近いものであった。

8口舌院五六八:2015/08/03(月) 23:11:46
「ひゃっほう」


今にも五十鈴に掴みかかろうとしていた不良の一人が横滑りで飛んでいく。
そして、そのまま瓦礫べいに突き刺さった。

五十鈴には青い閃光に見えた「それ」は人の腕であった。

「おーおー、今年の一年は元気が良くてお姉さんうれしーわー」

掴みかかってきた不良を、突然現れた誰かが殴ってぶっ飛ばしたということが
一瞬遅れて五十鈴にも理解できた。

不良たちはあっけに取られている、当然だ、自分に知覚できなかったのに
こいつらに瞬時に判断が出来るわけがない。

「んー、イジメは良くないよな。だから可愛い後輩を助けるための、この喧嘩は『あり』だ」

この人が何を言っているのかいまいち真意を汲み取れない五十鈴であったが
ただ一つ分かったのは、この人が本気を出せば不良も自分もまとめて
ほんの数秒で人から「肉」にされてしまうだろうという恐怖であった。

「え、……サキ?」
吹っ飛んだ仲間を案ずるように不良の一人が崩れかけた塀に駆け寄る。
残りの三人は、件の闖入者を取り囲むように距離を測っていた。

「うんうん、やる気充分じゃねーか」

切れ長の眼をさらに吊り上げて笑う少女。

「おい、あんた何もんだよ」
「2年や3年だからって、調子乗ってんじゃねーぞ」

いつの間にか、ある者はナイフ、ある者はチェーン等、獲物を取り出していた。
そこに、仲間の所へ向かっていた少女も戻って来た。
これで4対1だ。

ニヤニヤ笑いながら、手で掛かって来いよとジェスチャーをする乱入者
背後を取った不良の一人が真っ先になぐりかかる。
後頭部を狙ったその拳を、少女は振り向きもせずに左手の平で受け止めた。

刹那、ぐちゅりという嫌な音ともに拳は潰されていた、骨が飛び出ているのが見える。

同時に前から三人が襲い来る、一人はナイフをやたらめったら振り回し
もう一人はチェーンを鞭のようにしならせる。
最後の一人はボクシングでも嗜んでいるのか、ステップを踏み
攻めると見せかけてサイドステップで側面を突く。

そこから先は、一瞬であった。
ナイフ不良のナイフが届くよりも早く、少女のつま先が水月に叩き込まれる。
一瞬遅れて振り下ろされるチェーンを、右手で無造作に掴むとぐいと引き寄せる。
体勢を崩し前につんのめるチェーン不良の顔面に、即座に戻した蹴り足の膝を叩き込む。

ボギリ

恐らく鼻が砕けたであろう音が響く。

引込みがつかなくなったボクシング不良がストレートを放つが
左手を引いて、後ろから殴ってきた不良の腕で受ける。
そしてチェーンを離した右拳が青い光を曳きながら打ち抜かれる。


ほぼ同時に倒れこむ4人
そして響き渡る絶叫、そのなかに一つの笑い声

9口舌院五六八:2015/08/03(月) 23:12:14
そんな暴力が吹き荒れる空間から颯爽と一人だけ抜けだした少女が
五十鈴真紀に声を掛ける。

「よう、大丈夫だよな……えーっと「ま」「い」、「ま」「き」?」
「あ……真紀でス……」
「おっ、じゃあ、あれだ……苗字はいすずか?いすずまきだな?」
「あっ、はい、そうでス」

何が面白いのかよっしゃあとガッツポーズをする少女。
その体や服には一部、生々しい血の跡が滴っている。
もちろん彼女自身は何の傷も負っていない。
その様子を見て五十鈴は考えた、こういう人だ。
こういう人が虫でも殺すような感覚で人を殺せる人だ……と。

ああ、理不尽な暴力の権化よ、死を撒き散らす舞踏よ。
憧憬とも扇情ともとれぬいいしれない気持ちに突き動かされふらふらと少女に近寄る五十鈴。
「それ」に惹かれることが、どんなに危険なことか分かっているのに。

「おう、大丈夫か……足震えてんな、ガクガクしてんぞ」

ふ、ふふ、そりゃ震えるっスよ

下着がぐちょついて歩きにくい、もうこの下着使えないな等と
ぼうっとした頭で考えながら歩みを進める。

自分が何をしでかそうとしているか、
どこか冷静な自分が止めようとする。
だが、もう無理だ、私はこの死の匂いを振りまく少女に魅入られてしまったのだから。

きょとんとした顔で、こっちを見ている少女

なんでさっきまで血なまぐさいことしてた人がそんな顔出来るんでスか?

息がかかる距離まで近づいた時に、ようやく事の異常さに気づいた様だ。

もう、遅いっスよ

五十鈴は背の高い少女に抱きつき、顎に右手を当て引き寄せ接吻をした。

「気持ちわりい!」

五十鈴の後頭部に拳が振り下ろされる。
五十鈴は彼女の唇の感触を楽しむ暇もなく昏倒した。

これが五十鈴真紀と口舌院五六八との出会いであった。    了


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