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ダンゲロス流血少女MM:生徒会応援スレ

7口舌院五六八:2015/08/03(月) 23:08:27
五十鈴真紀(いすずまき)には才覚があった。

それは暴力や危険の匂いをいち早く察するという、護身の為の才。
しかし、彼女はそれを自らを危険から遠ざけるためには使わなかった。
むしろ、彼女にとって与えられた才能は、
積極的に危険の中に身をゆだねる為の格好の道具に過ぎなかった。
彼女は理不尽な暴力や束縛に快感を覚える、ごく普通の変態であった。

五十鈴真紀、圧倒的暴力に捻じ伏せられるのを本望とする少女

彼女が「暴力の化身」と出会うことになったのは入学して三日目である。


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五十鈴真紀 邂逅
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「おっス、クワトロ・スペシャルのウルトラクリスピークラストLLと
 牛丼つめしろとろだくアタマの大盛り3杯、買ってきたっス」

どんな学校にも一定数不良やいじめがあるように、ここ妃芽薗学園にも存在する。
彼女は入学早々に、そういった「匂い」を発するグループに近づき
不用意を装って、目を付けられに行った。
当然、不良という生物は自身の体の延長としての「舎弟」を常に求めている。
驚くほどあっけなく、真紀はそのグループのパシリの位置に収まることが出来たのだ。
不良達は、鴨がネギしょってきたとでも思っているだろう。
馬鹿め馬鹿め、捕食者はこっちだと内心ほくそ笑む真紀であった。

「何これ、もうチーズ冷めかけてるんですけど」
「こっちも肉冷めてるし、つめしろ(訳注:ご飯を冷やご飯にすること)意味無いじゃん。」
「そ、そんなこと言われても、遠いんスから、仕方ないっスよ」

嘘だ、もっと早く戻ることも出来たし、熱々のまま持ってくることも出来た。
だが、それでは意味が無い。
彼女は疑われない程度にピザと牛丼を冷ましていた、もちろんお仕置きを期待してのことだ。

「おいおい、これじゃシメシがつかないっしょ」
「あーあ、またお仕置きされちゃうね」

女不良達は、独創性の欠片も無いセリフを吐きながら五十鈴に近づく。
五十鈴は、ありったけの小動物オーラとでもいうようなものを発し
不良たちを挑発していた、早くいじめたまえと。

「ちょ、勘弁してくださいよ……」

溢れそうになる笑みを殺しながら、迫る愉悦の瞬間を待つ五十鈴。
この時までは、五十鈴はこう考えていた。
「自分より弱い存在になじられる、いたぶられるのが快感だ」……と。

実際、五十鈴は強かった。
恐らく、この場にいる不良五人くらいなら即座に始末できるだろう。
「いじめさせてあげている」という意識が根底にあったのかもしれない。
その、優越感こそが快楽を生むのだと五十鈴は考えていた。

だが、それが勘違いであると思わされる事になる。



ひとつ、例え話をしよう

蚊やノミといった動物は、他の動物から吸血行為を行うことによって生命維持を行う。
その範囲は人類を含む哺乳類や鳥類、特定の種にいたっては両生類や魚類などにも及ぶ。

蚊やノミは自身の習性に従って獲物を追い求める。
もし、この時、蚊やノミに人類並みの知性があったらどうなるだろうか?

少なくとも人を獲物には選ばなくなるのではないだろうか。
相手はその気になれば、気まぐれで自分たちを明確に殺す力と知性がある。
ならば、リスクを最低限にするためにも他の動物を選ぶだろう。

五十鈴真紀は知性を持ったノミであった。
不良やDV男等に寄生して暴力を甘受する。
寄生対象に飽きたらさっさと乗り換える。
依存することもされることもなく、コントロールする。
今まで後腐れなく、うまく『やってきた』

だが、その時、五十鈴真紀が出会った存在は
自分がコントロール出来る範疇を超えていた。
どちらかと言えば「自然災害」に近いものであった。


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