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ダンゲロスSS3幕間SSスレ

73冥王星:2013/05/22(水) 13:29:20
すみません!「鎌瀬戌幕間SS 〜負けちゃったよシロ姉〜」ですが一部抜けてました。
「〜〜白との思い出の場所を襲撃した。」と「なぁ戌・・・そろそろ休んだらどうだ?」の間の丁度区切れてる所に以下の文章が入るはずでした。

※   ※   ※

「・・・どこかに、どこかに無いのか・・!」

結果だけ述べると、拍子抜けする程に事は上手くいった。
仇討ちの一端を成し遂げたのだと、僅かな達成感を味わう。
―――――しかし、そこで戌は気づいてしまう。
制圧した後、彼がまず取った行動は施設内の探索だった。
・・・・監禁されているかませ犬達の開放を差し置いて。
『鎌瀬白』を知らずの内に求めてしまっていた。
白がここにいたという痕跡。遺体でなくとも髪の毛や服の切れ端、あるいはPC内のデータでも何でもよかった。

「・・・結局俺は商会の被害者を救うなんてのは建前で、本音では白の『何か』を求めていただけだ。情けねぇ、情けねぇなぁ。クッくく、ハハハ、アハハハハハハハハッッ!!」

大会の一回戦で負けたのも当然だ。
各ブロックの参加選手を思い浮かべる。抱えるものも、勝利に求めるものもそれぞれ違えど彼らは『本気』だった。
内亜柄影法と紅蓮寺工藤、対戦相手であった彼ら二人は我欲の強い人間だったが、自分自身に対しては清々しい程に正直だった。
それに引き換え自分が掲げたものはなんだ?「強くなったことを示す」?「かませ犬派遣商会の被害者を救うために商会を潰す」? とんだ笑い種だ。
前者はいつしか天国の白に褒めてもらうためだけの目標となっていた。後者はいざ達成してしてみれば、白の残骸をみつけたいが為の目標だったと分かってしまった。
ただ自分の名誉と心の安寧を求めるという我儘な欲求を、「弱者を守る、救う」なんて大層な美麗字句を並べて着飾っていた。
己すらも偽り、ヒロイックな感傷に浸ったガキの妄言。そんなものを掲げて勝てるはずもなかった。

「無い、か。・・・いや、どこかにあるハズだ!シロ姉はどこかにいるはずだ。そうだ、そうにきまってる!!アッハハ、そうだよ・・・絶対、どこかにッ・・・!」

結局、探し求めた物は見つからなかった。
名前さえ、彼女と思しき人物のデータさえ残っていなかった。
それでも諦めきれなかった。
開放したかませ犬達を信頼出来る知人に預け、すぐさま別の商会の拠点を潰しに行った。
白の居た研究所でなかったものが、他の研究所ではある訳ないと分かっていながらも諦めきれなかった・・・。


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