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ダンゲロスSS3幕間SSスレ

1メインGK:2013/04/06(土) 00:25:24
溢れ出る創作欲をぶつけよう。

2ロケット商会:2013/04/06(土) 13:50:07
【ノートン卿の栄光・幕間SS(1/2)】

 都内には、私の写真が無数に貼られていた。
 千駄木、谷中、神保町といった古書の聖地では、賞金稼ぎどもが跋扈していることだろう。
 これも偉大なる宿命を背負った主人公のさだめか。

 ユキオの阿呆ヅラさえ私の写真の横に添付されていなければ、完璧だったが。

「俺は反省してますよ、ノートン卿」
 珍しく、ユキオは殊勝なことを口にした。
 ただしその目つきは陰惨かつ兇猛であり、内心では少しも反省などしていないことは、
 賢明なる私にはたやすく看破できた。

「なんでノートン卿の口車にのって、わざわざ都内にまで出てきちまったのか」
『人聞きの悪いことを言うな』
 口の悪いやつだ。学歴の低いやつはこれだから困る。

『私はきみに道を示したのだ。「導いた」という表現を使え、きみも編集者の端くれならば』
「表現の仕方にこだわるのは、ノートン卿のような大作家にお任せしますよ。
 ……千駄木の古本協会本部の噂を仕入れてみたんですけど、みんな血眼じゃないですか。
 古本屋を千人単位で雇ったって話です」

『よし。ちょうどいい』
 一騎当千、という私の力を証明するのに、実に都合のいい単位といえた。
 民は群れる。
 真の英雄はひとり立ち、それらを断固粉砕するのだ。

「いまさらノートン卿に文句言っても仕方ないんですけどね。
 ――見てください、これ」
 ユキオは手元のトラックボールを操作し、私を画面へと注目させた。
 そこには我々が打ち破ることになった、哀れな対戦相手の情報がディスプレイされる。

 我々がこの街について、まず転がり込んだのは、世田谷のインターネット喫茶だった。
 他に拠点らしい拠点はなく、特に、ユキオがかつての古本屋に捕捉されることは避けねばならなかった。
 このクズはほかの古本屋への営業妨害行為、ならびに傷害・暴行などで起訴されているため、
 そうした古本屋の勢力の強い土地は避ける必要があったためだ。
 英雄というのは、道化の従者によって足を引っ張られるようにできているのだから仕方がない。

「まず一人目。弓島由一。どう思いますかね」
『無理だな。ユキオが編集者ではまず勝てん』
 私は冷酷に告げた。

『まさに攻城兵器級の能力を持った魔人だ。
 この大会に参加しており、なおかつ一回戦で当たることになろうとは』
「ですよね。やっぱりこれって」
『私の主人公力が強すぎるためだろうな』
「違いますよ」
 ユキオは無礼にもうんざりした顔をした。

「いいっすか、二人目。こっちの、こいつ――ほら。倉敷 椋鳥。
 ヤバイ顔してるでしょう」
『無理だな。こちらもユキオが編集者ではまず勝てん』
 私は再び冷酷に告げた。

『城塞の天敵となる、例の戦術を使う可能性が極めて高い』
「それだけじゃなくて、似てませんかね。
 こいつのこのプロフィール、能力――」

3ロケット商会:2013/04/06(土) 13:50:46
【ノートン卿の栄光・幕間SS(2/2)】

『あんなやつの名前を口に出させるな』
 私は、私の宿敵であるオレイン卿について思いを馳せた。
 やつの編集コンセプトは『携帯する神殿』。
 人間の精神を操り、《天使》と呼ばれる存在を扱う殺戮文書。
 あのいけすかないクズ以下の冒涜的かつ邪悪――

『確かに似ていないこともない。
 この相手が、オレイン卿の精神汚染を受けていると言いたいのか?』
「もしかしたら、ですよ。いや、一人目の弓島だって。
 都合が悪すぎるぜ。千駄木古本協会が雇った、古本屋かもしれねえ」
『だとしたら、なんだ』

 私はまったく、断固として、軟弱なユキオの精神を糾弾する。
 正義は私にあり、私はこの物語の主人公だからだ。

『逃げ出すというのか? 追放者のように? こそこそと?
 恥を知れ! 私がきみに同行を許したのは、逃げ回るためではないぞ!』
「――わかってますよ。でも、小細工はします」
『策と言え。表現がよくない』
「どっちでもいいですけど。まずは、金かな。あと、コネも必要だ。
 忙しくなってきたぞ……おっと」

 ユキオは手早く画面を閉じ、シャットダウンの操作をした。
 その兇猛な目が、こちらのリクライニングシート付き個人席に近づいてくる、
 複数人の人影を認識していた。

「行きましょう。あいつらを相手にしてる暇はないし」
『よろしい。転身だ!』
「便利な表現があるよなあ」
 ユキオは感銘を受けたように呟いて、立ち上がり、私を開いた。
 乱暴な編集。
 スペルをかき集め、強引に固めるような力ずくの。

 そして、ユキオは周囲の客にも、向かってくる数名の人影――
 恐らく古本屋だろう、片手に魔導書と思しき本を持っている――にも聞こえるような、大声で怒鳴った。

「いいか! あんたらに今すぐ死なずに済む方法を教えてやる!」
 ユキオの影はうごめき、床を這い、壁を伝う。
 古本屋らしき男たちのひとりが、魔導書を開いて何かしようとしたが、遅すぎた。

「いますぐ武器を捨てて金を出せ! そして俺たちの言うとおりにしろ!」
 影が立体化し、私の攻撃が開始される。

 それにしてもユキオの言い方は人聞きが悪すぎる。
 まるで強盗か何かではないか?
 これはあくまでも徴発行為であり、我々に何もやましいことはない!

(以上)

4夜魔口赤帽&砂男:2013/04/11(木) 01:24:44
【幕間SS・『探偵』は推理する生物である】

ザ・キングオブトワイライト開催当日。

「それではっ!命知らずの参加選手たちのご紹介ですっ!」
実況の佐倉・解説の埴井コンビが暫定的に司会を務めながら、選手紹介が行われていた。

会場に設けられたモニターに、参加選手の姿と名前が映し出されていく――そんな中。
夜魔口赤帽の姿は、何故か映されることはなかった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
数時間後、大控室にて。
選手全員を集め、試合に関する子細をスタッフが説明している最中のこと。

「……あー、ちょっといいか」
「ん、なんでしょう内亜柄選手」
「確か、夜魔口とかいうチンピラ……コンビでの参戦、とか言ってやがったのに
 さっきの映像も、そこにいんのも『一人』じゃあねえか。こりゃあ、反則失格退場モンだろ?」

魔人犯罪専門の検事・内亜柄影法が指摘した通り。
今、選手の集まっているこの会場には――夜魔口赤帽と思しき人物の姿は、どこにもなかった。

「あー…… 一応兄貴は幹部っちゅー立場上、姿をホイホイ見せるわけにいかねえんですよ。
 姿を覚えられると、色々と面倒があるっつーか……俺はチンピラなので構わないんですがね?」

頭を掻きながら、砂男が面倒そうに答える。
彼には珍しく、どこかトゲのある言い方なのは――チンピラ扱いに対しての、彼なりの抗議といえる。

「ま、別に構わんだろ。幹部が顔も晒さんような組織なんざ弱小に違いあるまいよ」

横から口を挟むのは、マフィアの首領・儒楽第。
彼自身組織のトップであるが故に、その言葉には内容以上の重みがある。

「……すいませんね、まあどうせ戦うことになりゃ嫌でも拝めるツラです。
 遅いか早いかの違いってことでカンベンしてつかーさいな。
 一応、ルール違反じゃあないってコトでしたし……
 どうせ、こん中にも色々伏せ札してる人はいるでショ。だーったら不平不満の言いっこなしでお願いしやす」

気怠げに答え、肩を竦める砂男。
結局、内亜柄も儒楽第も、他の者もそれ以上の追求はしなかった。
しかし、追求されなかっただけで――それを観察している者は、確かにいた。

――『探偵』達である。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

5夜魔口赤帽&砂男:2013/04/11(木) 01:27:57

「ん〜……な〜んで姿隠してんだろうね〜……
 案外『姿がない』魔人とか〜?いやいや、それなら多分スペクターとか〜
 透明っぽい名前をつけるよね〜……なんで『レッドキャップ』なのかな〜?」

偽名探偵こまね。
目を半分閉じながらも、間延びした独特の口調で呟く。
その頭脳に宿る『探偵』の本能に逆らうことなく、推理を進める。



「……姿を見せない……見せたくない。
 ――as a mock? (欺く、という意味の英語)」

ラーメン探偵・真野事実。
ラーメンと探偵、そして英語の巴調和による独自のスタイルは、異端ではあるが――
彼もまた、紛れもなく『探偵』なのだ。



「……何故、魔人能力や武器を明かしたのでしょうか」

そして――最も年少ながら、最も『探偵』らしい、『本格派』の少女。
遠藤終赤もまた、推理を始めていた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「いずれにしても、次の対戦相手である以上……
 答え合わせはすぐ、ということになりそうですが」

試合の組み合わせが発表された後、遠藤はさらに推理を続けていた。
『本格派探偵』であるとはいえ、遠藤はまだ14歳。
探偵塾で叩き込まれた知識はあっても、裏社会の事情には――まだ、さほど明るくはない。
あの場で砂男が言った理由も、あながち間違ってはいないのだろうが……

(……あるいは。わざと『伏線』を張っている?何のために?
 『探偵』である拙や、他の選手に対する牽制……?)

「……サン、遠藤サン」

「えっ!?」

声をかけられ、大袈裟に驚く遠藤。
推理に没頭していたが故に、些細な呼びかけに対しても無防備になっていたのだ。

(不覚――! これが『現場』なら、私は死んでいた――)

己の迂闊を恥じながらも、感情を押し殺しながら声の主に向き直る。
声を掛けた相手は、他ならぬ次の対戦相手――夜魔口砂男だった。

「や、考えゴトしてた途中ですんませんね。
 ちょーっと相談事っつうか、お願いがありまして」

「お願い、ですか……先に断っておきますが、共同戦線はお断りいたします」

緩んだ表情の優男相手に、やや過剰とも言える警戒心で望む遠藤。
しかし、魔人ヤクザ相手に警戒心抜きで会話や交渉を行うことは、取り返しのつかない悪手であることを彼女は学んでいる。

だが、そんな彼女の警戒は肩すかしに終わる。

「や、それよりも。 戦闘の海上が海水浴場でしょ?
 もし良かったら、水着に着替えてくんねっスかねーとか思っちゃったりして」
「……はい?」
「だって海水浴場ッスよ?バトんなきゃいけないのはわかってんですけど、
 ただボコスカやるだけじゃー面白くないッスよ。勝つにしろ負けるにしろ、どうせなら
 潤いっつうかー、オアシスっつうかー、オニイサンちょっとした役得が欲しいなー、って」
「……申し訳ありませんが、拙は探偵としてこの戦いに挑んでおります。
 貴方と拙は敵であり、暴力団員と探偵でもあります。……馴れ合うことは、できません」

呑気に欲望丸出しの“お願い”をする砂男に、呆れるような溜息を思わず漏らしながら。
遠藤は、それでも年長者への礼儀を忘れぬよう、丁寧な言葉で断りを入れた。

「……ま、そりゃそうッスよねー。
 んじゃ、もしアンタが俺達に負けたら、そん時は水着姿拝ませて下さいな」
「……」

なおも食い下がる砂男に、遠藤は怒りや呆れを通り越し何か憐れめいた感情を抱き始める。
話を変えようと、遠藤は話題を切り替えにかかる――砂男が答えに詰まるであろう話題を。

6夜魔口赤帽&砂男:2013/04/11(木) 01:30:03
「砂男さん。パートナーの赤帽さんは何故、姿を晒さないのでしょうか」

その言葉が、遠藤の口から放たれた瞬間。砂男から、余裕が消えた。
引きつる口角、まばたきの回数の減少。
その一瞬の変化を見逃さず、遠藤は指を突きつける。

「……やー、それならさっき説明した通りで」
「いえ。きっと『真の理由』があるはずです」

取り繕う余裕は与えない。探偵術の初歩だ。
そんな初歩の探偵術に、あっさりと砂男は――折れたように見えた。

「あー……じゃあ、言いますけど……兄貴の面子にも関わるコトなんで、ご内密に。
 ……兄貴、身長が15cmしかないんですよ」
「……はい?」

深刻そうな表情を浮かべながら、兄貴分・赤帽について語り出す砂男。
対照的に、またも呆気にとられる遠藤。

「人斬りの悪鬼・夜魔口赤帽の正体がそんなちっこいのだってバレたら、威厳とか台無しでショ?
 なんで、伏せられるウチは伏せておきたかったんスよねー……あっはっは」

ケラケラと笑う砂男に、今度は遠藤が食い下がる番となる。

「身体的特徴がコンプレックスになっている、というだけでわざわざ隠すわけが――」

しかし、その食い下がりは――ここでは、無為に終わる。

「……あ、スンマセン兄貴、いや別に兄貴を笑いものにしたかったワケじゃ」

砂男の挙動が、急に不審なものとなる。
遠藤の探偵眼を発揮するまでもなく、その原因はすぐに解った――

砂男の喉元に、緋色の刃のドスがつきつけられている。
ドスは砂男の懐――ジャンパーの影、内ポケットの辺りから生えるように突き出ている。
おそらくは、あそこに居るのだろう……夜魔口赤帽が。

「と、とにかく! お互いガンバりましょうや、チャオ−!」

血相を変えたまま、砂男が踵を返して立ち去る。
おそらくは――この後、赤帽に叱責されるのだろう。口頭注意で済むかはともかくとして。

「……推理は『現場』で、ということですかね」

砂男を遠目に見ながら、遠藤は――改めて『探偵』の顔に戻る。
この戦いに望むことを諦めた『兄弟子』に恥じぬ推理をせねば、と決意を新たにしながら。

7ゾルさん:2013/04/11(木) 11:14:24
【異世界人ゾルテリアの挑戦ソシーズ カップラーメン編】

「ふむ、これが、『らあめん』か…」

どこかのお嬢様系アイドルかとばかりにゾルテリアは初めて見る
カップラーメンに興味津々だった。

参加者の一人にラーメンの使い手がいると聞かされた彼女はそのラーメンなるものが
自分の防御膜にどのように作用するのか試す必要があった。
果たしてラーメンとは性属性を持つのもか否か。
控え室に置いてあった選手用のカップラーメンを手にゾルテリアの挑戦が始まる…!

「…よ、読めない」

カップラーメンの側面に書かれた小さな字、ゾルテリアにはこの説明が読めなかった。
こちらの世界に来る際に転送魔法の補助効果で自動的に読み書きは習得していたが、
こればかりはどうしようも無い。

「おお、これは便利ね。私の居た世界にはこんなの無かったわ」

スタッフが貸してくれた老眼鏡を掛けると手元の小さな字がハッキリと見えた。

「蓋を開けて湯を入れ三分待つ。思ったより簡単だわね。それじゃあやってみよう」

ゾルテリアはカップラーメンの底をレイピアでくり抜き、そこから水道のお湯(45度)を注ぎ
三分間上手くできる様祈って待っていた。

「これで合ってるのよね?じゃあ実験開始」

カップラーメンをこぼさないように慎重に持ってトイレに入り、
タイツを脱いで準備完了。

「我が名は元女騎士ゾルテリア!この世界の悪を討ち再び騎士の証を取り戻す為、
いざっ勝負だカップラーメン!」

名乗りを上げた後、カップラーメンを傾けて中身を一気に股間に注ぎ込んだ。

「ふぁぁぁぁぁん!凄いぃぃん!!!!!らめぇおかしくなっちゃうのぉぉぉぉ!」

三分後、あっという間にイッてしまったゾルテリアは体型が崩れるより早くトイレを出て、
誰にも見られない様に自分用の個室に猛ダッシュで帰った。

「こ…これがらあめん…。技術の無い私が手探りで行なってこうなのだ。
あのらあめん使いが本気で来たら何秒持つだろうか…。くっ、奴と当たらない事を祈るしかないのか…」

ベッドに寝転がり、腹肉を揺らしながらゾルテリアはラーメンの恐ろしさに震える。
股間には底に穴の開いたカップラーメンが棒で固定してあるかのようにぶら下がり、
シーフードヌードル故かイカ臭を発していた。

こうしてゾルテリアはラーメンについて盛大な勘違いをしたまま、その対策に頭を悩ませたのだった。

おしまい

8聖槍院九鈴:2013/04/12(金) 08:29:37
【幕間SS・贖罪の天使#1】

「ドーモ、ロブスターです」
弟の九郎が両手のトングをカチカチと鳴らしている。
これは、小説『ニンジャスレイヤー』に登場する忍者の物真似である。
このロブスターというのは主人公ではなく悪役忍者だが、かなり人気が高いそうだ。
生体改造によって両腕が巨大な鋏になっており、暗黒神の手下として時空を超えて暗躍するらしい。
忍者の枠を超えすぎてると思うが、バルタン星人みたいなものだろうか。

だが、今は朝練前の大事な清掃活動中だ。
どうも弟は精神修養がなっていない。
あとで母さんに怒ってもらおう。
「まじめにやって」
練習用の竹トングで九郎の鼻をふにっと優しく挟む。
「アバーッ!サヨナラ!」
九郎は爆発四散した。

9聖槍院九鈴:2013/04/12(金) 08:32:36
【幕間SS・贖罪の天使#2】

九鈴は夢から目覚めた。
(フユコ……と……チノキ……)
九鈴は布団の中で、虚空に向けてチョップを繰り出した。
父と母が死んだのち、九郎が眠れぬ夜によくやっていた動作の真似だ。
小説『ニンジャスレイヤー』の主人公・フジキドは家族を失った孤独な男だ。
弟をも失った九鈴も、天涯孤独の身である。
だが、自分はフジキドとは違う……九鈴は自らの額にチョップした。

(わたしのせいだ。ごめんね……本当にごめんね)
九鈴は静かに泣いた。
核を落としたのは。
ウィルスを解き放ったのは。
自分なのだから。
彼女は狂っていた。

(幕間SS「贖罪の天使」おわり。第一回戦「雪山」に続く)

10猪狩誠:2013/04/12(金) 21:49:19
【幕間SS・試合前夜】

関東有数の指定暴力団、炭夜紫会。
その由来は江戸時代からの博徒の流れを汲み、今時珍しく任侠の志を残す組織である。
彼らは闇市の管理統制や、略奪行為からの市民の保護など、自警組織として核投下後の関東の秩序を裏から支えてきた存在であった。
しかし続くパンデミックにより組織の力は衰え、大陸や関西などから流入しようとする外部勢力の台頭に押され始めていた。
表立った組織的対立を避けたい彼らは、今回の大会「ザ・キングオブトワイライト」を、その威を示す一種の代理戦争の場として利用することを考えた。
猪狩誠にトーナメントの話を持ってきたヒイラギ組はこの炭夜紫会の傘下であり、よって誠は炭夜紫会の代表としてその威信を背負うことになる。
トーナメント前夜、壮行会へ呼ばれた誠は炭夜紫会本家へ向かっていた。

送迎のリムジンを運転するマサが後部座席の誠に声をかける。
「まさか本当に選抜を勝ち抜くとはな。推薦した俺も今日は鼻が高いってもんだ。改めて礼を言わせてもらう。ありがとうな、誠」
「やめてくださいよ、水臭い。マサさんも俺の家族じゃないですか」
「な、何言いやがる。よさねえか馬鹿野郎」
慌てたマサは思わずハンドルを切り損ね、危うくガードレールにぶつかりそうになる。
「俺みたいなヤクザと家族だなんて、冗談でも口にするもんじゃねえ」
「関係ないですよ、そんなこと。だって俺、世界中のみんなと家族になれたらなって、そう思ってるんですから」
バックミラー越しにマサを見つめる誠の眼差しは、どこまでも深く澄み渡り、マサは思わず視線を逸らした。
(誠。おめぇはやっぱり…)

11猪狩誠:2013/04/12(金) 21:51:18
「あのよ。俺の立場で今更こんなこと言うべきじゃないんだが」
マサはそこで言葉を切り、逡巡してから後を続けた
「今からでも辞退することはできないか?」
「マサさん…?」
「選抜だけで13人が殺されたってな。その現場の片付けをしたのが俺だ。
俺も極道の世界に足を踏み入れてから十年以上たつ。修羅場もそれなりに潜ってきたつもりだ。だがよ、あれは…」
<正気じゃねえ>マサは喉元まで出かかった言葉をなんとか飲み込んだ。
「俺は魔人の戦いってのがどういうものだかまるでわかっちゃいなかった。
本番がこんな程度じゃすまねえくらいバカな俺にだって想像がつく。
お前みたいなガキによ、これ以上こんなことに関ってもらいたくないんだ。
…俺は昔、ドンさんに随分と世話になった。
その縁で、ドンさんが孤児院を開いてから陰でずっと手伝ってきた。
だからよ。俺にとっちゃ、お前らみんな…
……いや、なんでもねえ。やっぱり忘れてくれ」
「あはは。なんだ、マサさんも俺と同じ事思ってるんじゃないですか」
「かっ、勘違いすんじゃねえ!俺はおめえみたいな糞ガキの心配してんじゃねえんだよ。ただ、試合でお前の身体に何かあったら、チビどもが…」
「ご心配ありがとうございます、マサさん。でも、ここまで来て後に引くわけには行きません。それに、縁が」
最近になって入院中の縁の具合が急変したのだ。折しも選抜試験中だった誠にもそれは力の流入と言う形で伝わった。
現在は小康状態に落ち着いたものの、しばらくは絶対安静とのことで、いつまた発作が起きるかわからないらしい。
組から誠に前渡しされた報酬のほとんどを病院に支払ってなんとか手術の段取りをつけてもらってはいたが、術後のことも考えればまだまだ相当な費用が必要になる。
(待ってろ、縁。俺が必ずなんとかしてやるからな)
静かに決意を燃やす誠の瞳は、先ほどとは違い鋭利な光を宿していた。
「誠。変なこと言っちまって悪かったな。こうなったら俺も一蓮托生だ。俺に手伝えることがあったらなんでも言ってくれ」
「そう言ってもらえると助かります。実はマサさんにお願いしようと思っていたことが…」

一回戦に続く

12トリニティ:2013/04/13(土) 02:43:03
【プロローグのような幕間SSのような何か】

ザ・キングオブトワイライト 〜夕闇の覇者〜参加者のひとりであるトリニティの宿泊するホテル。
水色の髪の少女―――トリニティを名乗る女性たちのひとりである栗花落三傘(つゆり みかさ)が備え付けられた机に向かい座っていた
正体を隠すためのフードは外している。

「ですけど」
(まさか、夢追さんがいらっしゃるとは思ってもみませんでした)
岩名が集められた会場を思い出しながら言う。
岩名と奏―――三傘と同じトリニティである彼女たちは三傘の中にいる。
そして同時に表に出ることはできない。
何も知らない人間がこの光景を見たならばただ三傘が独り言をしゃべっているだけに見えただろう。

(あれは正確には佐倉光素、夢追中とはまた別の存在)
岩名の言葉を奏が訂正する。
(そうでございましたね。私はあの方が復活した時にはすでに卒業していましたものですので)
岩名が言う。
(ふふ、それにしてもあの方は特にお変わりはないようで)
「そうですね。相変わらず、魔人能力観察が好きなようでした」
(インタビューにいつここに飛び込んできてもおかしくはない)
「雨弓さんがいることも考えれば思っていたより早く素性がバレるかもしれないですね」
雨弓が参戦していることで彼の妹の畢や傘部にいた雨竜院家の誰かが試合を観戦するかもしれない。
そうなったならかつて傘部にいた三傘のことに気づいてもおかしくはないだろう
(別によいでしょう。もとより長く隠し切れるなどと思っていなかったではありませんか)

戦いが始まれば、いずれ自分たちも能力や姿を見せることになるのだ。
そうなればわかる人間はどうせ出ただろう。
それが早くなるというだけの話だ。

「それにしても―――」
三傘が言葉を一度止めたあといった。
「この大会で何か元に戻るヒントが得られればいいのですけどね」

かつて、パンデミックの時にひとつになった身体から元に戻る方法を探す中、トラブルに巻き込まれた三人はその結果として招待状を手に入れた。
世界中から強者が集まるこの大会、何か情報をを得られるのではないかと考えた三人はトリニティと名乗り参加することにしたのだ。

別にひとつになったことでメリットもないわけではない。
身体はひとつだが命は独立している。故に表に姿を顕した誰かが殺されても、それだけで死ぬことはない。
それにこの身体になって命が長らえたことに感謝してもいる。

だが、友人同士であるとは言え元は別々の人間なのだ。
元に戻りたいという欲求が出てくるのは自然なことだろう。

(優勝で戻れるなら理想的)
副賞として可能な範囲なら願いを叶えるという。それで元に戻れるなら一番良い。


もしそうでなくても勝ち進む方が情報は得やすいだろう。

(ふふ、難しく考える必要はないではありませんか。ただ勝てばよいのですから。そしては私たちは十分な実力を持っているでしょう)
「そうですね」
(とてもシンプル)
(まずは目の前の敵を破りましょう)
「ええ」

決意を新たに三人の夜は更けていく。

13ゾルさん:2013/04/13(土) 07:34:57
【幕間SSゾルテリアの説明〜女騎士とは】

「ゾルさん、あなたのプロフィールについて質問いいかしら?」

今大会のマネージャーであり、こちらの世界にワープしてきた
ゾルテリアをスカウトした銘刈耀は書き込みの終わったプロフィール用紙を
見ながら疑問を口にした。

「職業元女騎士とあるけどそちらの世界ではどこかの国に仕えていたの?」
「えーと、国に仕えていたというのは正しくは無いですね。
国の為に害獣や異教徒や盗賊を倒すといった善行を積み、
その結果女騎士の資格を得て装備や給料が支給される形式でした」
「成程ね」

銘刈はRPGの冒険者の上級職の一つとして女騎士があるようなものだと理解する。
そしてもう一つの疑問を聞き出すことにした。

「それでゾルさん、あなたはこの大会で何を求めるの?
ああ、この質問は参加者全員に聞いてるもので、無回答でも構わないわよ」
「この大会には多くの悪がまぎれていると聞かされました。
ヤクザ・マフィアと呼ばれる暴力により存在を黙認されている賊、
破壊衝動に身を任せた危険人物、そういった存在を打ち倒す事が巡り巡って
私達の世界の平和にも繋がるのです」
「そういう建前はいいの、ゾルさん。私が聞きたいのは副賞に何を望むかって事」

ゾルテリアは少し考えてから答えた。

「良くある話ですが…、家族を一人生き返らせたい。
私達の世界の人達に気づかれぬ様に蘇生を行なってもらう事は可能ですか?」
「状況によるわ、優勝後に応相談ね」
「分かりました、ならばこのゾルテリア、大会に参加する全ての悪を打ち払い
主催者の為勝利する事を誓いましょう!」
「そんな事言っても贔屓はしないから」
「…言ってみただけです。結果的に私が悪を倒した事になって
女騎士の資格と大会の賞品が貰えればそれでいいんです」

それでいいのか元女騎士。そう思いつつも、こちらの世界とのしがらみの無い
ゾルテリアは運営側に都合の悪い選手を潰すのにもってこいの戦力ではあるなと
銘刈は思うのだった。

おしまい

14ふきゅう:2013/04/13(土) 18:18:16
【幕間SS・落葉の暗躍(1/2)】

「行方不明?」


七葉樹落葉は女の言葉をそのまま繰り返した。
スーツ姿のエージェント、銘刈耀が告げた内容は次の通りである。


昨夜未明、試合会場の一つである「図書館」の警備部隊「槐」が行方不明となった。
消えたのは警備に当たっていた者全て。
定時連絡が途絶え、交替のため詰めていた者たちが現場に急行。
会場外周で人数分のIDカードと破壊された通信機を発見した。

戦闘の形跡は一切なし。

一回戦では使用されない会場であるため、大会運営に支障なし――

……だが。

「まさか集団脱走ではないでしょう。何者かの攻撃によるものとみるのが妥当かと」
「でしょうね」

ぞんざいに同意して、落葉は時計を取り出して眺めた。
報告を吟味する。


銘刈は言葉を続けた。

「もっとも所詮『槐』は魔人能力も使えない末端にすぎません。
 この程度、我々にとってはたいした損害では……」
「お前たちにとってはそうだろうな。
 せいぜい遺族補償を負担するホエール・ラボラトリへの
 顛末書の内容でも考えていればいいのだから」
「……お言葉ですが、まだ彼らが死亡したと決まったわけでは」
「心にもないことを」

その鉄面皮の女が心中をけっしてのぞかせないというのは落葉も知っていた。
が、確信している。
……七葉の名のもとに雇われた一般人の安否など、どうとも思っていまい。

「……それで?」
「損害は軽微とはいえ、これは大会への敵対行為です。看過はできません。
 以降、機関の人員が事態を引き継ぎます」
「そう」





(骨の髄まで狗ね)
他にも二、三の報告をした後に退出した銘刈の様子を思い返し、
落葉はそんな感想を抱いた。

つまるところ、銘刈にとっての周囲は、
機関にとっての敵か、敵ではないかの二つでしかないのだ。
それで問題は生じない。
裏にどんな思惑があろうと、機関に仇なす行為は潰す。

明快な原理だ。
覆すのは容易ではないが、単純だとも言える。
そこに付け入る隙がある。

(自分たちが世界を相手取っているという思い上がりが結局は命取りなのよ――
 私も、あなたたちも……誰にもそこまでの力はない)


落葉は手元にある資料のことを思った。
森田が拾ってきた情報内容――
銘刈は『好戦的な選手同士の小競り合い』と評したが。

一つ一つの情報内容は些細でも、繋がりを見出すことは落葉には可能だった。

弱冠9歳という幼さで七つの財閥を束ねる長として君臨した落葉が、
五年もの長さにわたって表は優れた経営者として部下を導き、
裏は目高機関に気付かれぬよう牙を研ぐ――それを可能にした能力の一つ。

『未来予測』……魔人のような特殊能力ではない。
イギリスの元首相ウィンストン・チャーチルは、政治家に不可欠なのは第一に
「将来なにが起きるかを予言する能力」だと発言した。
(第二に必要なのは「予言が外れたとき、それを弁解する能力」だと続いたが)
情報を収集し洞察力をはたらかせることについて、落葉は稀有な才覚がある。

その感覚が指し示す。

痕跡を残さない組織的な攻撃――
しかし、被害を考えると、奇襲のアドバンテージを有効活用したとは言い難い。

……襲撃者たちの目的が「目高機関」への攻撃だと考えるなら、だが。

15ふきゅう:2013/04/13(土) 18:18:45
【幕間SS・落葉の暗躍(2/2)】

(ねらいは……陽動)

落葉は静かに結論づけた。
資料を再び開帳する。
「槐」の件と同時期に世田谷で行われた戦闘行為。

参加者同士の小競り合いではなく、参加者に対する外部からの攻撃。
そこで起こったのは「書物」使い同士のぶつかり合い。

古書業界における昨今の人事異動の激しさと合わせて考えると……答えは見えた。

襲われた参加者の相川ユキオという男。
彼の手にする書物はおそらく「魔導書」――それも写本ではないだろう。
襲撃者の正体は、魔導書を求める古本屋。

グレードの低い「槐」への襲撃は、古本屋のねらいを悟られぬための目くらましだ。
彼らの本当のねらいは、機関に干渉されずに魔導書を回収すること。
しかしそれは叶わなかった……相川ユキオへの襲撃者は返り討ちに遭った。
ついでに相川ユキオがその場の不特定多数を相手に窃盗をはたらいたのが気になるが。


「……」
落葉は唇を噛む。

現時点ではいざ知らず、
銘刈が敵の正体に気がつけば――必ず気がつくだろうが――規模の大きさから見て、
必ず七葉の擁する戦力まで動員して古本屋の殲滅に動き出すだろう。

冗談ではない。
落葉の目的のためには、七葉の力をいたずらに損耗させるわけにはいかない。

かといって魔導書を七葉で回収するわけにもいかなかった。
相川ユキオと魔導書を確保したところで、古本屋の標的が変わるだけだ。
表立っての敵対は望んではいないというだけで、
実際に相手が目高機関になろうとも古本屋は撤退も容赦もしないだろう。

ならば。

「……森田」
「ここにおります」
落葉の声に、隣室に控えていた秘書はすぐに応じる。
満足して、落葉は立ち上がった。自ら扉を開く。

「お嬢様?」
「移動するわ。運営本部に、私が挨拶に出向くと通達して」




(相川ユキオを味方につけるしかない……か)
大会を運営するスタッフ、特に実況役と審判役には会っておく必要がある。
相川ユキオの邪魔をしないよう、それとなく誘導しておいたほうがいい。


古本屋が血眼になって魔導書を求めるのは、それだけの価値があるからだ。
――さながら千の軍勢に対抗するポテンシャルを秘めるほどの。

彼を暗にバックアップして古本屋を壊滅させる。
機関としても、利害が一致している以上は邪魔はしないだろう。

それは元々の落葉の思惑にも沿うものだった。
有望な参加者とのコネクションを作ること――機関へ復讐するための戦力として。



「……先手は譲ったから、今度はこちらの手番よ」


ウィンストン・チャーチルはこうも言っていた。
曰く、
「復讐ほど高価で不毛なものはない」――と。

落葉の目的の終わりに何が待つのか、本人ですら知らない。


(了)

16聖槍院九鈴:2013/04/13(土) 19:43:37
【幕間SS・残された者達】

「ひさしぶりです。雨弓先輩」
食堂で知り合いを見つけてしまった九鈴は意を決して話し掛けた。
雨竜院雨弓は九鈴より一学年上で、以前は雨竜院家と聖槍院家の間でそれなりに交流もあった。
「おう、九鈴じゃないか。久し振りだな。いつ以来か――」
そう言いかけて、雨弓はしまったという顔で固まった。
それは核の落ちた日。
九鈴の両親が亡くなった日以来であることを思い出したからだ。
九鈴の弟と親族も、新黒死病で亡くなったと聞いている。
雨弓も、大切な人を喪った悲しみについてはよく理解できる。
(だが、なんと切り出すのが良いか――)
雨弓の手が、無意識に胸のロケットペンダントを掴んでいた。
その手の動きを見た九鈴は、雨弓の考えていることをおおよそ理解した。
九鈴もまた、雨竜院家で起きた悲劇について知っているからだ。
しばしの優しい沈黙の後、二人は近況を述べ合い、お互いの一回戦の健闘を祈って別れた。

(――どうやら俺を避けてた理由があるみたいだな)
雨弓の顔が魔人警官の表情になった。
九鈴の持つ黒いトングから漂う血の匂いに気付いていたからだ。
だが、今の雨弓は魔人警官ではない。
雨弓は素の顔に戻り、ザンバラ頭をわしわしと掻いた。
トング道の殺人術としての側面はまだ見せてもらったことがない。
九鈴と戦うことになったらば、それは楽しい戦いになるだろう。
その前に、倒すべきは第一回戦の相手――黄樺地セニオとハレルア・トップライト。
激戦の予感に熱くなる体を鎮めるため、雨弓は冷たいアルコール飲料を一気に飲み干した。

17紅蓮寺工藤:2013/04/17(水) 03:50:06
【アンナウンスンー】

■登場人物紹介
防府野屠(ぼぶの・ぼぶ):観客の少年。自販機の前で困っていた紅蓮寺工藤に
小銭を貸したところ、雷が降ち『フィクション・ファンクション』を受ける。
あだ名はボブ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「みなさん……僕はいま、秘密のアジトにきています」
ボブは匍匐前進で会場の裏に忍び込んでいた。選手や運営など関係者以外は
立ち入り禁止のエリアだ。

「写真もいくつか手に入れました……後でみなさんにもお見せします」
なんたる違法行為! だが彼の写真の大半はピンボケで何も写ってはいなかった。

彼は先ほど、世界を手に入れた。真実を手に入れた。
世界は物語だ。ここでは物語を競っている。票が勝敗を決める。
同時に、むくむくとわき上がる疑問もあった。彼には強い使命感があった。
この疑問を、運営に確かめなければ!

「そうだ……みんなが、勝ち残らせたいほうに票を入れるだって? どうなってしまう?
戦いたくない相手に票は入れない! 奇抜なSSは認められなく、無難なものが……
コワイ、課金な……?」
「君は何を呟いているんだね」
「アイエッ!?」

突如、上から声がしてボブは悲鳴を上げてしまう。
声の主は耳の長い人影であった。その者は後光をまとっている。コワイ!

「『消去法の判断は必要ない』……積極票を投じろとwikiも言っている。キミは
wikiも読まないで投票に参加するのかね?」
「ヒッ」
「それと、ダンゲロスは全て無料のコンテンツだ。参加するのも読むのもすべて。
当然お金を払ったって勝利を買うことはできない。正々堂々だ。わかったね?」
「アッハイ」

そうしてボブはひかる人影に連れ帰られ、一緒にホームパーティーをしました。
よかったね!

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

■登場人物紹介
エルフの戦士(えるふのせんし):ゾルテリアと同郷から流れ着いたエルフ族。
属性は光でジョブは戦士。同じエルフが戦うと聞いて見物に来たところ、トイレ待ちの
紅蓮寺工藤に順番を譲った関係で『フィクション・ファンクション』を受ける。

18遠藤終赤:2013/05/02(木) 02:59:58
*肥溜野さんがフリー素材になったので勝手に書かせていただきました。


「いや!あああぁ……う……いや……ぁ、またッ」
『――ビタンッ!』

「ぁ……う……いや……あ、ぁぁぁっ」
『――ビタンッ!』

「や…ぁっ、いつまで……っ」
『――ビタンッ!』

「いつまで、続くの……」

 ビタン、ビタン、と何度も激しい痙攣を起こす女性。
 スーツに締め付けられた胸のヘドバン。豊満のヘヴィ・メタル。
 その観客ならぬ演奏者の肥溜野森長は愉悦の表情を浮かべていた。
「ぐふふふ……どうですか、どうですか、『銘刈』サン、…」懐中電灯代わりの携帯で照らされた女性のヘソ部分。彼はそこを凝視することで能力を使用している。

 ヒーローものにおいて、黒ずくめの全身タイツがアジトにしていそうな廃工場。その一室で、銘刈と呼ばれた女性を相手に、肥溜野はその能力『千年悪夢』を発動させている。
 ヘソを通じて、対象に最悪の敗北を幻視させる、凶悪な精神攻撃。
「や……ぁぁぁっ」肩をおさえる女性。
「何でしたっけ……魔人の大会……ですか。ぐふ、可愛い子がいるなら良いんですけどねェ、そうでないモンとぶつかったら、……嫌じゃあないですか。棄権ですよ。それが駄目ならそもそも参加したくはありませんねェ」彼は『銘刈』に大会の参加者として勧誘されていた。肥溜野に戦闘能力は無い。大金を手にするチャンスとはいえ、痛みを伴うリスク。自分のリビドーを満たせない仕事を積極的に受ける肥溜野ではなかった。

「う……あっ あっ」
「ぐふふ、なかなか時間がかかりますね。素晴らしい」『千年悪夢』は、その対象が『屈服』の言葉を放つことで、ようやく解放されることができる。それは、心からの屈服でなければならない。
 ここで彼女が屈服の言葉を発していれば、肥溜野が大会に参加することは無かっただろう。しかし、彼女の口からその言葉が発されることは『無かった』。
「しかし僕も興味をそそられます、見えてくる幻視の中で、アナタをいじめているこの女性は――」

「興味を持っていただけるとは光栄です」

「おわ!?」肥溜野の後頭部につきつけられた金属筒。思わず携帯を取り落とし、両手を挙げる。そのような状況にありながらも、前方に倒れた女性のヘソは凝視し続ける。「アナタは?」
「銘刈と申します」と背後の女性は言った。「そこに倒れているのは、私がスカウトした私の『代理人』。名を『綿谷』。肥溜野様の能力を警戒して、私のふりをさせ、接触させました」
「ではアナタも豊満なのですね」
「大会勧誘の件ですが」銘刈は続ける。「受けて、頂かないと困ります。現参加者中、精神攻撃能力者の層が薄く、これでは大会の意図した選抜が機能しません」
「はぁそうですか」と、肥溜野。「それじゃあ。僕も、困ります。受けて、頂かないと――」眼を伏せた。「――アナタにも僕の能力を受けて頂かないと、ほら、もう」口元が卑しく歪む。「我慢できない」

「ハァッ……ハァッ」二人の目の前に立ち上がったのは、『代理』と呼ばれた女性、綿谷だ。「うあ……あああああああああああああああっっ!!」

「――この人は銘刈サンを『愛して』いたのに、さっきまで銘刈サンに酷い目に『あわされていた』んです」肥溜野は冷静に告げた。「かぁわいそうに」
「あああああっ!銘刈さん!銘刈さん!ああ……信じていたのにッ!」
 対象にとって最悪の幻視を見せるという『千年悪夢』。
 もはや彼女は、幻視と現実の区別がつかなくなっていた。綿谷はそばに落ちていたガラス片を掴み取ると、二人に向かって駆け出す。

「……っ!」銘刈は肥溜野の上半身を組み伏せると、拳銃を取り出し発砲。

「――あッ」綿谷の肩に銃弾が当たり、ドサリ、と倒れる。
「……何とも浅慮な」銃を片手で構えた銘刈は大きく息をし、肥溜野を取り押さえた。
「ぐふ……ふふふ」
「ああ……あああっ」綿谷は肩をおさえて、泣き叫んでいる。
「ぐふ……。これで、近くにきました」下を向き、綿谷が取り落としたガラス片の反射を視る。「アナタの姿さえ、これで、見えれば……」
「…………」

「ヘソの位置さえわかれば。……能力も、使え――ガファッッ!!」言葉が中断される。「?ァ……が??」肥溜野の顎が銃弾で破壊された。

19遠藤終赤:2013/05/02(木) 03:00:15

「大丈夫よ、うちの医者が治してくれるから」肥溜野の両眼を蹴り潰し、ガラス片を踏み砕き、銘刈は言う。
 綿谷に向き直る。「貴女いま、『銘刈さん』って呼んだ?」倒れた彼女に近寄る。「いつもは『プロデューサーさんッ』って呼ばせているのに、おかしいわね……?」
「あ……ぁぁ」
「それに、私の『偶像崇拝(アイドルマスター)』の効果が、こんなに簡単に切れるとは思えない……」綿谷の顎を手に取り、顔を近づける。「頭に針でも埋め込まれた?……あの手芸者か、それとも、別の派閥かしら?」

 かの大災害、パンデミックを引き起こした『魔人』。それを支持し、匿う組織がかつて存在した。綿谷はその組織に所属し、パンデミック事件の片棒を担いだこともあった。事件収束後、綿谷を銘刈が見つけ、情報を引き出そうとしたが、……すでに関連した記憶は人為的に消去されていた。銘刈は彼女を匿い、顔を変えさせ、手足として使うことにした。綿谷の敵はあまりにも多い。

「ぁ……ぅぅう」
 綿谷の精神はまだ完全に壊れてはいない、綿谷が『屈服』の言葉を放つ前に、肥溜野が能力の使用を止めたからだ。しかし、それは綿谷にとって不幸なことだった。
「例の『記憶』のこともあるし。やっぱり、一度、ぜんぶ、壊さなきゃだめね」綿谷の首を指でなぞる銘刈。特殊金属の縄を取り出し、綿谷を縛る。
 悪堕ち――肥溜野の能力を『何度も』使えば、あるいは、失われた情報を、彼女の海馬から引き出せるかもしれない。と、銘刈は考えていた。今回の勧誘の半分は、それが目的だ。
 ――しかし、もういい。綿谷を壊すなら、せめて、自分の手で。「残念。……貴女のことは、愛していたのに、本当に、残念」

 言いながら、かすかに疑問を感じる。あの時、肥溜野はガラス片で背後の銘刈を見ようとした。この暗い工場内。下を向き、真っ先に眼に入るのは懐中電灯代わりの携帯の光だ。角度から考えて、銘刈の姿は肥溜野の影に隠されてどっちみち、見えなかったのではないか……。
「――ああ」


「影が…… ないわ」


 試しに綿谷の姿をライトで照らしてみると、『この世界』で、影はできなかった。



「いや!あああぁ……う……いや……ぁ、またッ」
『――ビタンッ!』

「ぁ……う……いや……あ、ぁぁぁっ」
『――ビタンッ!』

「や…ぁっ、いつまで……っ」
『――ビタンッ!』


「いつまで、続くの……」

20トラック野郎・等々力縁寛:2013/05/02(木) 08:27:13
妻も子も新黒死病で死に、職も我が家も失った。自分には何もない。
そして中年男性は、彼を社会的存在たらしめている最後の砦――衣服を破り捨てた。
「新黒死病に対抗して――チンコこすろう!」
極限大露出! しかしその怒張に手が添えられるよりも速く、制御を失ったトラックが轢殺!
制御を失った? いや、奪われたのだ。
少し離れたトラックヤードから事故現場を見守るひとりの魔人の能力によって!

彼の名は等々力縁寛(とどろき・ぺりかん)。能力はトラックを遠隔操作する『とらっく!とらっく!とらっく!』。
トラックに関するあらゆるミッションをこなすエージェントにして、全中男ハンターS級ライセンス保持者である。
縁寛は『我、奇襲ニ成功セリ』を意味する暗号通信で手短に任務完了を報告した後、背後の物陰に向けて声をかける。
「――コソコソ隠れてねぇで、出て来ねーか? ア?」
声に応じ、仕立ての良いスーツ姿の着衣中年男性が現れた。

「さすがは等々力縁寛さんですね。私の名は中無羅漢三郎。ひとつお手合わせ願えませんか」
「ハッ! トラックヤードで俺に挑むとは馬鹿な奴だ! 大量のトラックに轢き潰されて死ギャー!」
等々力はトラックに轢かれた。
「え? 俺のトラック……、あれ?」
さすがに魔人なんともないが、等々力には何が起こったか解らない。
等々力を轢いたトラックはひとりの黒子によって運転されていたが、それは誰にも見えないのだ。
認識不能の黒子を召喚して使役する『黒子がいるダンディー』、それが中無羅漢の能力だ。

「なるほど見事なタフネスです」
中無羅漢の身体が宙に浮き、一階建て事務所の屋根に着地する。
黒子が運んだのだ。
等々力はトラックを激突させて事務所を破壊することもできたが、しなかった。
不可解な能力によるトラック制御奪取を恐れたのだ。
そしてそれ以上に、事務所を破壊した場合の修理費を恐れた。
中無羅漢は続ける。
「しかし対応力に欠け、能力運用可能な地形も限られている。大会に招待できる実力はないようですね」
そして中無羅漢は忽然と消え失せた。
黒子の持つ黒い布がその姿を隠したのだ。

「糞がッ! なんなんだよ畜生ッ!」
等々力は4tトラックを殴りつけ横転させた。
それでもトラックが大破しない程度に加減しているのは、彼の高いコスト意識によるものか。
「『大会』だと? やってやろうじゃねぇか! 俺が優勝して奴に吠え面かかせてやる!」

21聖槍院九鈴:2013/05/04(土) 20:27:24
ほそくをします……。
上の奴は私(九鈴)の幕間で、【トラック野郎・等々力縁寛】は題名として扱ってください。

22ラーメン探偵・真野事実:2013/05/05(日) 16:22:16
『クロックタワーインフレイム』のエピローグSS、
「インタビュー・ウィズ・スズハラ」を投函します(正確には削った後編最後部分からデス)

トムジェリ話、約5000文字(長っ



======================================


その男は高みにいた。
戦いの舞台となる場所よりもはるか上空に、そして直立不動で眼下の喧噪を感じとっていた。

彼が動いたのはザ・キングオブトワイライト1回戦第一試合の決着がついたときであった。
モニター越しに確認した後、ゆっくりと彼は眼下にある標的に眼をやった。

我々は、彼を知っている。
空高く舞うVTOL(垂直離着機)の上、直立に立つその男の名を知っている。
その男の名は―

「第1試合の勝敗を確認した。
敗退者は速やかにXXX…問題ないこのまま業務に当たる。」

男は感情を感じさせぬ声で呟くとエンジン音を響かせるVTOLの機体から、
ゆらりと身を踊らし虚空へと踏み出したのだ。

その男の名はモリタ・イチロ―。またの名をダーク・シュゲイシャという。


――
そして時は僅かばかり遡る。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――


【幕間SS】
”クロックタワーインフレイム・エピローグ”
         〜インタビュー・ウィズ・スズハラ〜


(注意事項)
このエピソードは小説「飛行迷宮学園ダンゲロス」のトテモ重要どころかもしれないネタばれを含みます。
未読の方は実際危険、回避というか、そういってる時点で既読者にはもうオチが見え…(察し
貴方方は何も気づかない。そこは大人の対応が必要。イイネ。


†††


―都内、某所のラーメン屋―

時刻は正午を少し回ったお昼時。カウンターの席の前に一杯のラーメンがおかれた。
対象は女性の客だ。

かき入れ時にも関わらず、店に客はその一人のみ。閑散とした有様だった。
女性はこちらからは顔はうかがい知れないか、赤いスカーフに黒のスーツという後ろ姿。
その井出達からかなりスタイリッシュな性分であろうことが伺える。
TVではトーナメント・トワイライト第一試合「時計塔」のゴングが打ち鳴らされ、
対戦結果が表示されているところだった。女が感想を口に出す。

「ふむ、そういう結末になりましたか。丁度組織のアンプルが手元にあったので、
本家をまねてコピー&ペースト、混ぜ合わせて代理の人工魔人くんを作成してみたのですが、
なかなか上手くいかないものです。」

―いや逆に上手く嵌りすぎたというべきか、成長すれば面白いことになったんですが。
女は軽く肩をすくめる。
そのどこか人を喰ったような動きは先ほどまでTVに映っていた試合の男と被るところがあった。
雰囲気も、どことはいえないが似ている。

パリッ。箸を割る音。

ずるずる、そしてラーメンをすする音。
似た雰囲気?を喰ったような?ラーメン?
そうこの女性は画面に映るラーメン探偵と同類の、どこか同じ匂いを漂わせていたのだ。

そして今この場はラーメン屋と言う舞台設定である。
まさか、彼女もまたラーメン屋だと言うのか…!

ラーメンをすする音が止まる。
はぁと、謎の女性は一息おくと
「DA-MA-RASSHAI(何時までもパロネタ引っ張ってると殺しますよという意味の英語)」
地の文にくぎを刺しにきた。ア、ハイ。どーもスイマセン、コウケツ=サン。実際コワイ。
謎の女性は続ける。
「ん、ああシツレイ。わが社は組織ぐるみで”世界転覆屋”や”世界の敵”をこなしてまして、
僕はそこのトップセールスのような位置づけなんですよ。
今回の不幸な事件、そもそも発端はうちの会社に目高から招待状が来たところから始まりました。」

え、なんでこの人、いきなり自己紹介や解説し始めてるんですか。え、いいんですか
名探偵特典?しかも今さっきこっち干渉してきましたよね。この人。

23ラーメン探偵・真野事実:2013/05/05(日) 16:30:51
「そうそれは極めて不幸な偶然の重なりから発生した悲劇。」

構わず続ける謎の女性。まず人差し指を一本立てる。

1:目高組織からヒール役としてか否か”組織”にも世界大会の招待状を送られてくる。
2:世界最強を決めるというこの世界大会に組織も当然、参加を前向きに検討したのだが
3:組織の主力戦士総がかりで行う期間イベントに運悪く期間がバッテング、参加を断念(注1
4:それで名探偵という特殊性故、単独行動が多い自分にお鉢がまわってきた(注2
5:自分は参加者名簿を一目見るなり『重要な懸念事項』を発見し放り出すことに決定(注3

後ろ向きのまま人さし指から一本づつ順番に指を立てていき最後で手をひらひらとやる。
「最後。なので組織の『代理』が必要だった。」

あとは調達だった。
彼女は希望崎学園に向かい適当な人材を発見・登用・虐殺。そして現在に至る。
三姉弟が予選もなく決勝に即出られたのも『ズズハラ機関の戦士(代理)』という位置づけが
あったからということなのだろうか。

ずるずる、ラーメンをすする音。

「しかし、義理で第一試合、最後まで見ましたが。興行的にはこれ大失敗、大空振りですね。
内実を知ってる僕達のような人間ならともかく
一般人にとっては単にしょっぱい試合以外の何物でもないでしょうから」

しょっぱい=つまらない という意味の業界用語だ。さり気なく衝撃の事実が明かされた瞬間であった。

「黒田くんやミツゴ君達はそれぞれいい仕事していました。
問題があるのは受け側の某探偵のほう。TV生で見てれば誰だって気がつきます。
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
彼が結局この試合1回も対戦相手を攻撃していないこと
相手にラーメン作って食べさせただけで試合を終わらせたことに。

しかも後半は温泉回でもないのに湯気で非常に試合が見ずらくなっているときている。
ラストの黒田くんの機転はそういう意味では非常によかったですね、あれはよい仕事(リカバー)でした。」

ハイそんな謎試合、見せられたら視聴者怒りますね。
女は慣れた手つきでスタイリッシュホンを嬲る。

「やはり。時計塔の試合に関して、ネットでかなり炎上していますネ。煽りがいがあります」

各方面からのクレーム

炎上。

……クロックタワー・炎上。

ここでまさかの題名回収である。なんと戯言遣い滅いた詐欺師的逃げ口上論法であることか。
近年まれにみるほどの酷いオチの付け方であった。

「しかも真野くん、―真実の配達人―とかカッコつけてますけど。
ある意味相当、事実ネジ曲げてますからね。
本来、光吾くん、精神的にも肉体的にも助からないはずでしたのに。無理やり存命にしてしまいました」

犯人の自滅や自殺といった展開は彼女の(もっといえばミステリーが)良く使う常套手段だ。
そして、その時点で真の黒幕である彼女へと繋がる糸が、論理能力によってぷつりと立ちきられる。
論理的にではない論理能力的にだ。

今回、彼女はミツゴ達に自らの『登場人物を殺し物語を改変する能力』のアンプルを与えた。
そして同時に偽名を名乗り、彼らに一つの方向性をも与えていた。

それは優しく諭して3匹の子ブタ達を崖下に転がるトロッコにのせる様な
僕と契約して魔法少女になってよと次々勧誘する淫獣のような
「世界の敵」であることを自覚した彼らが最終的には自らの能力「世界の敵の敵」を
発動し、自らを消し去り、自滅するような

そんな方向性を。

そんな方向性を、あの場、
誰かさんが適度に都合のいい真実を伝え、自らが敵意の矛先になることで
誰かさん達が毒素と瘴気のほとんどを引き受け、無言の覚悟で愛する者元から立ち去ることで
そして誰かさんが「ドンと来いコイツ引き受けるぜ」というほどの底抜けのお人好しであることで
捻じ曲げた。

あの場で行われていたのは三つ巴の戦いだけではなかったのだ。
ただ一人の少年の命を救うための、皆が皆、綱渡りめいた無言のバトンリレーを実施していたのだ。

「曲がりなりにも論理能力である僕の能力を”打ち破った”わけですから、寧ろ見事でしたと
称賛するべきでしょうか。奇跡と評してもいいレベルで」

蠍座の名探偵は冷たく微笑む
「なにせそもそも“La Amen”とは―――――――アレこない――少しタイ…」

“La Amen”とは――意味深な言葉の続きは、突如巻き起こった轟音にかき消された


― 轟 ―― 轟 ―― 轟 ―

24ラーメン探偵・真野事実:2013/05/05(日) 16:32:16
店内に巻き起こる塵煙。上から降ってきた『ソレ』により。
遥か上空「VTOL」より飛来した『ソレ』は、見事、目標を捉え、屋上から内部一階まで
轟着陸。建物の天上に群青色めいた青空を提供していた。

まさに自らの一手(一足)によって。

―ダイナミック・お邪魔します―

「3姉弟の一回戦敗退を受け、事後処理にお邪魔しました。子の責は親が担うが道理。
潔く保護者同伴してもらおうか、スズハラの赤ネズミめ。」

男は空手の構えを取る。
そのネズミの尻尾を掴むのがどれほどのことなのか。ましては捕縛など。
その困難さを知ってか知らずか捕縛宣言を行う男。
男の名はモリタ・イチロ―、またの名をダーク・シュゲイシャ。

周囲は完全包囲、退路も封じてある
そして、この時点で彼と女性との間、即ちカウンター席の距離は僅か畳一枚半。
まさに袋のねずみだ。
だが謎の女性はこの状況下にあってまだ振りむかない。口を尖らせたような声でクレームを入れる。
「流石に子持ち扱いは酷い。」
「Foo!」

シュゲイシャが、その一枚半の間合いを詰めるのに要した時間は、僅か0.4秒。
20cmの鋼鉄板をも貫く電撃的な手刀が謎の女性を席毎、後ろ向きに貫通する。
背から胸にかけ飛び出るモリタの手。そして彼女のその胸は平坦であった。

その一撃に女性は大きくぐらつき、衝撃でじゅるりと音を立てて首が落ちる。
カランコロンと乾いた音を立てて転がる首。乾いた? イヤというか捕縛するのではかったのか。

「…クグツか」
パチパチパチ。
そう呟くモリタの呟きに、応えるようにカウンターに置かれたスタイリッシュホンから拍手が
聞こえてきた。端から彼女本人はここにはいなかったのだ。
恐らくは彼を引きつけ、その間に逃走を図るためのトラップなのだ。

「ムチャンコ・ツヲイ級手芸者である貴方とまともにやり合う気はないですよ。
ただ、この未来探偵(ボク)の尻尾を捕まえかけたことは事実ですし、ご褒美に
今回のスズハラ側の事情をお伝えしましょう。
上層に伝えれば貴方へのお咎めはないはずですよ。
ただ、お約束で暗号文は機ごと自動消滅しますから、解析するのならお早めに
それでは〜」

BOMB!

女の形をした傀儡はその言葉を合図とするかのように紅色の薔薇の塊と化し、
バラの花弁は咽るほどの香りと共に火の粉のように舞い上がり
男を包み込む。

「…」
モリタは、いまだTVに映ったままの時計塔を一瞬だけ見やると携帯を掴み、
素早くラーメン屋を後にした。

†††

―時計塔1km付近の丘―

紅いシャツに黒のスーツの女は、『虐・殺』と裏にデザインされたスマホを
くるりと回すと華麗にポケットに仕舞いこんだ。

「登場人物は皆、殺すべし。イヤー、なんちゃって」

そう冗談めかして言い放つ”5人目”の探偵、未来探偵・紅蠍は軽やかに
時計塔へと至る道を歩み出す、いや、歩み出すはず予定だったのだが…

「…嘘でしょ。」
その足が信じがたいモノを見たように僅か数歩で止まった。彼女をしての驚愕。

「”彼”…こっちに一直線に向かって来てますよ。ひょとして、
あれだけの情報で、
今、僕がどこにいるのか―当たり付けてきましたか。地獄の猟犬ですか。本当に怖いヒトだ。

やれやれ、これでは時間も充分にとれないようなので。今回はこれにて勘弁を」

彼女はそういうと時計塔に自前の携帯を向けると包み込むようなアングルで一輪の薔薇を差し出した。
まるで炎に包まれているような時計塔がフレームに収まる。

僅かなシャッター音。
クロックタワー・イン・フレーム。

「それでは。今度こそ御機嫌よう。いやーここまで熱烈なアプローチは久しぶり。大変。大変。、」

女は帽子を押さえると言葉とは裏腹にどこか楽しそうに疾走しはじめた。
彼女の名は未来探偵・紅蠍。
十三の殺害属性の一つ「虐殺」を司る上級戦士。遅れてきた名探偵であり、諸悪の根源でもあり、
トムとジェリーでいえば明らかにジェリー側の存在である。

25ラーメン探偵・真野事実:2013/05/05(日) 16:39:47







(ザ・キングオブトワイライト1回戦・第一試合終了結果追記)

「真犯人」未来探偵・紅蠍   (喰い逃げ成功。後、最終的にも喰い逃げ、ギリ成功)
「闇手芸者」モリタ・イチロー(信じがたいことにインタビュー失敗。)



(注釈)
注1:スズハラ恒例の『温泉旅行』のこと。世界の命運と測りにかけた結果、彼らは社内行事を優先した。
注2:彼女は団体行動・集団行動がまるで出来ない。実際2回に1回は社内行事をバックレル。
注3:探偵四天王問題のこと。探偵が既に3名エントリーしていたため、これはキャラ被りしかねない
  と逃げの一手を打った。「この状況でノコノコ(赤)でていくわけにはいけない。ノコノコ(赤)と(キリ」。


以上、
話自身は前半・後半・エピローグも入れひとまとまりです。
なお、このエピローグにでているスズハラ機関はダンゲロス東西戦の設定準拠となっております。嘘いつわりのない

26稲枝田:2013/05/06(月) 01:30:09
現時点で投票終了した全キャラの
イラストを描きました

tp://inaeyunomi.blog.fc2.com/blog-entry-114.html

冷泉院 拾翠さんには申し訳ないのですが、
容姿が想像し辛かったため、今回は描いていません。
良かったら簡単にビジュアルについて教えていただければーとおもいます。

27あやまだ:2013/05/07(火) 02:57:43
【逆襲の『ドキドキ!光素ときららの試合場下見ツアー!』】

≪シーン1.これまでのあらすじ≫

「「大会参加選手たちが激闘により試合場を荒らす前に、楽しそうなところを
  取材という名目で一足先に堪能しつくしちゃおう!!」」

 そう考えた大会実況・佐倉光素と大会解説・埴井きらら。
 手始めに第一回戦の試合場へ下見と称し遊びにいこうと画策する二人だったが、
 海水浴場以外の十箇所は取材費(アイデアというルビ)が降りてこず、計画は頓挫した。

「しかし、我々の野望はこれからです! 第一回戦投票中の今こそ、幕間SSという手段で
 キャンペーンを盛り上げる格好の機会ではないでしょうか!?」

「そーだそーだ! 誰もプロローグに出してくれないなら、こっちから動くまでだー!」

 だが、二人は諦めていなかった! 逆風に晒され燃え上がる反骨心!

「という文を書いたのが、確か投票期間が始まってすぐのことでしたね!
 まさか猛烈なスランプにより遅々として進まず完成が投票期間終了後になってしまうとは!」

「ここでこんなとは!」

 まあ、そんなこともあるよね!
 なお数日前に大会参加者の紅蓮寺工藤選手と接触していた模様。道理でメタメタしい。

「というわけで、取材費(アイデアのルビ)が降りてきたので『温泉旅館』に行ってみましょう!」

「ウェーイ! 温泉ガチデ!」

 なお数日前に大会参加者の黄樺地セニオ選手とも接触していた模様。道理でチャラい。


 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


≪シーン2.温泉堪能編≫

「はーい、やってきました! こちらが試合場ナンバー16『温泉旅館』です!」

「ほほおー! なんだか、歴史を感じさせますな!」

 蝶ネクタイの晴れ着姿が眩しい光素とスタンダードな制服姿が可憐なきらら。
 二人を待ち構えていたのは、所謂『ザ・老舗』といった趣きの温泉旅館であった。
 ちなみに温泉旅館内に女将等の従業員はいない。試合場にNPCはいないらしいのだ。

「温泉だー! 旅館だー!」

「さて、まずは何をしましょうか」

 はしゃぎながら旅館にあがりこむきららに対し、彼女が脱ぎ散らかしたローファーを
 揃えつつ、光素はそう問うた。
 きららはくるりと振り返り、スカートの裾がふわりと躍る。

「温泉入りたい!!」

 そう答えた少女は、待ちきれぬとばかりにその場でトットットッと足踏みをしている。
 光素はにこりと笑い、

「ふふふ、私もです! では、お部屋に荷物を置いたら、浴衣に着替えてレッツゴー!」

28あやまだ:2013/05/07(火) 02:58:21
 ・
 ・
 ・

「ふわあー、極楽極楽……」

 視界いっぱいに日本の美しい景色を睥睨する露天風呂がこの旅館の持ち味である。
 かぽーん、という音が聞こえてきそうな安らぎのひと時を過ごす光素ときらら。

 タオルは浴槽にひたすことなく、もちろん下湯も済ませたよ!
 マナーを守って楽しく温泉!

「本当、いい御湯ですねえ」

 日頃の疲れを癒すように、ぐっと伸びをする光素。
 きららは肩まで湯に浸かりながら、そんな光素の身体――主に胸元を、じぃと見つめる。
 視線に気付いた光素はさっと胸を隠し、

「な、なんですかきららちゃんっ」

「光素ちゃん……あたしより年上なのに、あたしよりおっぱいちっちゃいね……」

「んまっ!」

 そう、哀しき胸囲の格差社会だったのだ。

 きららは先の海水浴場での取材中、マイクロビキニに包まれた光素の胸の慎ましさに
 密かに衝撃を受けたのだった。
 うわっ……光素ちゃんのおっぱい、小さすぎ……?

 もちろん控えめとはいえその胸は女性的な曲線美は有していたし、そもそもきららも
 他人のこと言えるほど胸が大きいわけではなかったが、それはそれとして二人の間には
 厳然たる勝敗の差が存在していた。

「た……確かに事実ですが、胸の大きさがどうとか、私は別に気にしてませんし……」

「うん……でもなんかごめんね……」

「むむむっ……!」

 本当にそこまで気にしてなかったのに、本人に悪気はないとはいえここまで
 憐憫の情を剥き出しにされては、光素としても釈然としないものがある。

(……はっ!) ぴきーん!

 そのとき、光素の頭に仕返しの妙案が閃く。
 元来イタズラや悪だくみの好きな彼女である。きららには少々悪いと思いつつ、

「では――――!」

 どっぱーん! と、突如として光素の両脇に大きな水柱が立ち上る!
 能力かはたまた技術か、いずれにせよ、光素は完全に呆気に取られたきららの背後へと
 水柱を目隠しにしつつ一瞬のうちに回り込み――――

「――――将来有望なきららちゃんのお胸に、御利益を分けてもらいまーーっす!」

「わひゃあああっ!」

 その胸を、掴む! 揉む!!

「や、やあぁーっ! こらーっ!」

「ふははははー! ここがええのんかー! ここがええのんかー!」

 きららの発展途上の微乳を弄ぶ光素!
 なんたる悪辣! 代わってほしい!

 なお、ここで光素がきららの不覚をとれた点について釈明しておきたい。
 いくら世界有数の武術家たるきららでも、先刻は露天の温泉に弛緩しきった状態であり、
 また光素自身も武術の心得があり、というか普通に『やる』人間である。
 これは当然の帰結であって、決してきゃっきゃうふふのためにキャラの格を不当に
 落としたりしてるわけではないということをどうかご理解いただきたく候。

「ちょっ……もーっ! やめなさーいっ!」

 顔を真っ赤にして腕をぶんぶん振り回し抵抗するきらら。
 攻撃20に殴られては敵わない、ということで光素はあっさりと飛び退った。
 荒い息で胸を押さえる少女と満足気に笑む少女の視線が、淡い湯煙の向こうで交差する。

「もおおーっ! きららも仕舞いにゃ怒るよっ!」

「あらら、自分のことは『あたし』って呼ぶんじゃなかったんですかー?」

「っ!! ぐぬぬ……!」

 動揺に付け込み、精神的な優位を逆転した両者。
 このままでは収まりがつかないきららは光素にやり返そうと思い、しかし二人が
 全力で追いかけっこをすればこの美しき露天温泉も無事では済むまいと考え――。

「…………よしわかった! この決着、温泉名物・卓球勝負でつけようじゃないか!」

「いいでしょう、臨むところです!」

29あやまだ:2013/05/07(火) 02:58:43


 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


≪シーン3.卓球激闘編≫

 古式ゆかしい卓球台をはさみ、光素ときららが睨み合う。
 二人はともに浴衣姿。死地に臨む卓球闘士に相応しい戦装束であった。

「それではいきますよ! PING!」

 光素が右手のラケットを振り抜く! ZOOOOOM! 超音速でピンポン球が射出される!
 温泉旅行者同士がしばしば遊興に用いる浴衣卓球は、ピンポン球を弾き返せなければ
 まあ普通に相手に1点入り、11点先取された場合は相手のゲームになってしまう!

「PONG!」

 きららも負けじと右腕を振るう! そして激しい死のラリーが始まった!

「PING!」「PO、」「きららちゃん襟が肌蹴て胸が見えそう!」「わわっ!」がばっ

 慌てて襟を正すきららの横を、ぱしゅーーんとピンポン球が通り過ぎていく。
 あっ、ラリー続かなかった。

「え、えええーッ!?」

「ふっ……油断大敵!」

 なんという恐るべき精神攻撃であろうか!
 しかも浴衣も特に肌蹴ちゃいなかった。それは惜しい。実に惜しいが、ともあれ1点。
 光素のクスクスという笑い声を受け、きららの頬が屈辱色に染まってゆく。

「ふふん、この調子で次もいただきます! PING!」

 光素の強烈なサーブ! ちなみに卓球のサービスは2本交代である!
 きららは左手で襟を押さえながら俊敏な動きでコースに先回り!
 その右腕に縄のような筋肉が浮き上がる!

「PONG!」

 きららの渾身のレシーブ!
 光素の動いた方向と逆のコーナーへの痛烈な打球! これは返せないか!?

「残念でしたね! PING!」

 着弾の寸前、光素は右手のラケットを左手へとパス! 彼女は両利きであった!
 そのまま流れるようにライジングショットで返球!
 虚を突かれたきららは反応できず、打球は少女の後方へ! これは返せないか!?

「まだまだーっ!」

 きららは後方へと驚異的なスピードで空中回転移動! 物理法則を無視したかの如き跳躍!

「おおーーっ 何だあの動……」

 打球を追い越して遊興室の壁へと着地したきららはその勢いのままに壁を蹴り、返球!
 呆然とする光素は反応できず!

「ワイルド!」

 光素が叫ぶ! きららの勝ち誇ったような笑み!
 これでポイントは1−1! この二人、まったくの互角!

「次はこっちのサービスだね! PING!」

「負けませんよ! PONG!」

 ――――勝負はまだまだ分からない!!

「PING!」「PONG!」「PING!」「PONG!」「PING!」「PONG!」
「PING!」「PONG!」「PING!」「PONG!」「PING!」「PONG!」
「PING!」「PONG!」「PING!」「PONG!」「PING!」「PONG!」
「PING!」「PONG!」「PING!」「PONG!」「PING!」「PONG!」

 ・
 ・
 ・

「ぜえっ、ぜえっ……!」

「はあっ、はあっ……!」

 筆舌に尽くし難き人智を超えた卓球対決は一時間以上にも及んだ。
 光素もきららも汗だくであり、温泉に入った意味を数多の哲学者が考えかねない惨状だ。
 浴衣も肌蹴に肌蹴きっており、うん、それはまことに眼福である。

「もう、やめましょっか……」

「そ、だね……」

 激闘の決着は、ピンポン球と卓球台が衝撃に耐えられず爆散するという形で訪れた。
 ポイントは99−99。引き分けであった。
 二人はもう一度、揃って温泉に入った。仲良きことは美しき哉。

30あやまだ:2013/05/07(火) 02:59:17


 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


≪シーン4.少女夜話編≫

「おっふとーんっ! どーん!」

「もう、はしたないですよ、きららちゃん」

 畳の上に布団を並べ、飛び込むきららと嗜める光素。
 卓球勝負の後、二人は二度目の温泉を今度こそゆったりと堪能し、夕食に舌鼓を打ち、
 三度目の温泉をまったりと経て今に至る。
 なお、板前たちも当然いないので夕食は光素が作った。きららもお皿とか洗った。

「でも寝るには少し早いですし、お喋りとかしましょうか」

「お喋らいでか! 温泉旅館の夜といえば、そう! がーるずとーくですYO!」

 きららは枕をばっしんばっしん叩きながら力説する。テンション高えなこいつ。
 まあ、光素とてそういった与太話は望むところである。
 姦しい盛りの女子二人が布団に並ぶ。

「じゃあねえ、じゃあねえ! 光素ちゃん、ズバリ、好きな人いる!?」

「んー、……いますよ!」

「きゃーっ、きゃーっ! 誰、誰!?」

「それはですねえ…………きららちゃんです!」

「えへへへー! あたしも光素ちゃん大好きー! ……ってそうじゃなくてー!」

 ぺちーん! とスナップの利いたノリツッコミ! 仲ええなあこいつら。
 一拍置いて、きららはぷうと頬を膨らませ、つんと唇を尖らせる。

「まったくもー!! いくらあたしだって、そんな見え透いたはぐらかしには
 引っかからないよ! 観念して白状しろー! 貴様は完全に包囲されているー!」

「あはは、ごめんなさい。でもそういった話、特にないんですよー。ええ、本当に……」

「むうー……」

 光素は心から申し訳なさそうな調子で、というか自分で言っててちょっとダメージ
 負ってそうな雰囲気だったので、きららは大人しく引き下がった。
 そして、先手を譲った分、次はこっちの番だと言うかのように光素は目を光らせる。

「そう言うきららちゃんこそ! 真野さんとは最近どんな感じなんです!?」

「えへへへへー! 訊いちゃうかー! それを訊いちゃうかあー!!」

 自分に水を向けられると、途端「待ってました!」とばかりに目を輝かせるきらら。

 ちなみに、ここで言う『真野さん』とは、ダンゲロスSS3参戦キャラクターである
 『ラーメン探偵・真野事実』ではなく、ダンゲロスホーリーランド3という
 キャンペーンに投稿されたキャラクター『真野八方』のことを指す。
 同じ一族(厳密には違うらしいけど)のキャラがキャンペーンや投稿者の壁を越えて
 出てきたりするのもダンゲロスの魅力のひとつだぜ!(新規さん用コメント)
 で、そいつがどんな奴かと言うと――――、


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