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ダンゲロス二次創作スレ
271
:
仲間同志
:2012/05/01(火) 03:25:01
>>270
の続き
――――――
「で、結局見つけたのがこれだけ……と」
地上に戻った葦菜が、戦利品を改めて見直しながら、そう言った。
場所は迷宮から移って夢追の屋敷。姦とも別れ、いつもの三人による今回の探索の反省会であった。
あの騒ぎの後、お前達には見所がありそうだという堕天使の像の先見(?)によって、最後の部屋への入室に成功した4名。
そこに置かれた宝箱の中から得たもの……それが、葦菜が手に持つ『夢幻の欠片』であった。
――萌えとは欠片のようなもの。欠片を合わせ、掛け合わせ、そうして真の萌えとなる。
頭の痛くなるような、像の台詞を思い出し、葦菜は顔をしかめた。
今回の探索は骨折り損であったものだ……そうため息をついた。
だが、夢追はそんな葦菜を見て、でも今回は凄いものが見れたじゃないですかと口を出した。
「姦崎君のドラゴン縛り!凄かったですよねぇ!」
「ああ……えっと……」
「うーん……」
凄かったというより酷かった、とは流石に言い出せない葦菜とまほろ。
互いに顔を見合わせて苦笑するより他なかった。
「だってドラゴンですよ!あのドラゴン!ドラゴンを止めるなんて……えへへ」
「はいはい、あんたがドラゴン好きだってのは分かっているから」
「確かに言葉だけで聞けば凄い事をやっていますよね」
浮かれる夢追の様子を見ながら、葦菜とまほろは再び苦笑した。
しかし、その笑顔は先程よりも暖かく、穏やかであった。
明らかに楽しそうに笑う夢追の笑顔にほだされ、細かいことなどどうでも良い気分になってしまったのだ。
――まあ、楽しめたのならそれはそれで、今回の探索も成功ってことで、いいかな。
声に出さず、それでもお互いの考えを見通し、頷きあうふたり。
「ほら!それじゃ夕ご飯にしましょ!」
反省会はこれまで。ここからは祝勝会に切り替えよう。
はーいと元気良く返事をして、食事の準備に取り掛かる夢追。
手伝いますよとその後を追って土間へと向かうまほろ。
そんなふたりを見送りながら、葦菜はふと手に持った欠片に目線を落とした。
「もしかして、こんな結末も、あんたのせいだったりするの?」
ぼんやりと色を変えて、夢のように、幻のように揺らぐ欠片は何も答えなかった。
「ま、あたし達にはあんたなんて必要ないけどね」
――どうせ、こんなものが無くても、仲良くやっていけるのだから。
葦菜は無造作に欠片を荷物の山へと放り投げると、土間へと向かっていった。
――――――
静かに囲炉裏の火がゆらめく板張りの客間。
一角にまとめられた荷物の上で、夢幻の欠片が淡い彩光を放っている。
土間からは、せめて盛り付けくらいは手伝うわよ、それは助かります、などと、仲の良さそうな少女達の笑い声が響いていた。
仲良き事は美しきかな。<終>
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