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リョナな長文リレー小説 第2話-2

864名無しさん:2021/05/09(日) 22:12:56 ID:???
スケルトンの骨に黒いスライムの肉体の怪人へと合体したヴァイスとクェールは、
右手を鉈、左手をチェーンソーに変化させて猛然と襲い掛かる。

「クックック……貴女のその赤い鎧、どれほどの強度なのか確かめてあげましょう」
ガキンッ!! ガキン!!

「はぁっ……はぁっ……ゲホッ…ゲホッ……こ、のぉっ……!」

すぐにでも撃退して逃げたボーンドを追いかけたいエリスだが、次第に防戦一方に追い込まれていく。
瘴気を纏った骨の粉がエリスの体内に大量に入り込んで、肺腑を冒され、呼吸を阻害され、体力を削り取られ、
その槍さばきは先ほどまでよりも明らかに鈍っていた。

ヴァイスの戦闘スタイルは攻撃一辺倒、防御をまったく考えない。
しかしそれが無限に再生可能なスケルトンの身体と見事なまでに嚙み合っている。

更にクェールの万能武装スライムによって、装備の差は縮まり、
エリスのアーマーでも攻撃を防ぎきれるか怪しくなってきた。

「クックック……そろそろ限界みてえだなぁ?『ナルビアの神風』ちゃんよぉ…!」
「それに、その鎧も。ナルビアの技術で作られただけあって、さすがに大した強度でしたが……」
ガキッ!!………ベキンッ!!
「し、まっ……!」

エリスの防御を掻い潜り、脇腹に鉈が直撃する。
鉈の刀身はへし折れたが、レッドクリスタルスーツにもわずかな亀裂が走った。

「装甲の弱い部分に集中攻撃すれば、この通りってわけだ……
ま、こっちの武器は折れようがいくらでも再生できるがな!」
「それに、スライムの身体は変幻自在。ほんの僅かな亀裂からでも………自由に中に入り込める」

……じゅるるるっ!!
「っ………!!」
スライムの一部がエリスに飛びついて、アーマーの中に侵入してきた。
スライムが直接肌に触れる不快感に、エリスはバイザーの奥で端正な顔を歪ませる。

「ヒヒッ!今度は肺だけじゃ済まねえぜ……前も後ろも上から下まで、ぐっちょぐちょに犯してやる!!」
「フフフフ……私としては、鎧を剝がして、無防備なお腹をボコボコに変色させてあげたいですねえ」

スケルトンに両腕を掴まれ、両脚はスライムに絡め取られ、動きを完全に封じられてしまった。
絶体絶命の危機に陥ったエリスに、反撃の手段は………

「……あれしか、ないか。……バーストモード、起動っ……!」
……残っている。たった一つだけ。

…………

<残念ねぇ〜、私の改造を受けてくれないなんて。
これじゃ、せっかくのスーツの性能を半分も引き出せないじゃない>

<まぁ今更オミットもできないから、機能だけは残しておくけど……
このモードだけは絶対に、使わないでね>

<……今のあなたが使ったら、命の保証はないわよ?フフフ……>

…………

ゴゴゴゴゴゴッ……

「ぐっ!?なんだ……!?」
「一体これは……アーマーが‥…!?」

スーツが赤く輝き、高熱の炎を発生させる。
二本の長槍テンペストカルネージがアーマーと合体して、炎を纏った一本の巨大な槍へと変形した。

……ジュウウウウウゥウゥゥッ……

「う、っぐ……熱………だがっ……アリスの受けただろう苦しみに比べれば、この程度……!」
激しい熱気が、肺の中の骨粉塵を焼き尽くす。
だがあまりに膨大な熱量は、使い手であるエリス自身をも呑み込みかねない勢いで燃え盛っていた。

「構う…ものかっ………全てを、焼き尽くせっ!!
……『クリムゾン・カルネージ』!!」

「「ぐわあああああぁっ!?」」

超高熱の炎を帯びた竜巻で、スライムとスケルトンが一瞬にして蒸発する。
活動限界を超えたレッドクリスタルスーツが、赤い光の粒子となって消えていく。
後に残ったのは、二本の槍を天高く掲げて立つ、エリスただ一人。

「はぁっ……はぁっ……こんな所で……倒れていられるか…!
早く、逃げたスケルトンを……いや、その前に……アリ、ス……」

一歩踏み出した瞬間、膝から崩れ落ちるエリス。
長槍を杖代わりになんとか立ち上がると、妹の名をうわごとの様に呟きながらその場を立ち去った。


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