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リョナな長文リレー小説 第2話-2

789名無しさん:2020/10/10(土) 18:07:38 ID:???
「っひぎああああああああぁぁぁっ!!」
幻覚に苦しみ、のたうち回る瑠奈の姿が、フウコとフウヤの前に映し出される。
両胸から母乳を、口から吐瀉物を吐き出し、絶叫しながら虚空に手を伸ばし、大きく背中をのけぞらせ……
やがてぱたりと倒れ込んだ。

「クックック……無様だねぇ。運命の戦士ともあろう者が」
「そんな……瑠奈さんっ!!……フウヤ……どうしてこんな、酷い事を…」

「人の心配をしている余裕があるのかい?……
苦しみ悶える少女の姿は美しい。そして、僕にとっての一番は………あくまで君だよ。姉さん」

ババババババッ!!
「う、ぐっ……!!」

フウヤの手から黒いイバラが伸び、フウコの身体に絡みついていく。
毒で動けない今のフウコに逃れるすべはない。
強い力で締め付けられ、弱体化した骨が今にもへし折れそうなほど軋むのを感じた。

「そのイバラも、トーメントの技術を参考に、僕が新たに開発したものだよ。
全身に食い込んだトゲから獲物の血を吸い、毒の花を咲かせる。」
ズブッ……ずちゅっ……じゅるるるっ…!!
「ぐうっ……!!……なん、ですって………う、あぁぁんっ……!!」

イバラに生えた無数のトゲが、まるで意志を持っているかのようにフウコの肌に食い込み、血を吸い上げていく。
やがてフウコの顔のすぐ横で、小さな黒いバラの花を咲かせた。
そして……

「げほっ……げほっ!!……っぐっ!?……あ、っぐあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!?」
「その黒い花の花粉は、人間の神経に直接作用して純粋な『苦痛』を与える。
……その神経毒は魔力の循環をも狂わせ、やがて変身さえ維持できなくなる。まさに魔法少女殺しの毒さ。
名付けるなら、そう……『シュメルツ・ブルーメ』とでも言った所か」

全身を貫くような激痛で、狂ったような絶叫を上げるフウコ。
この異様な感覚は……初めてではなかった。
かつて、ミシェルと名乗る怪しげな女研究者が使っていた特殊能力を喰らった時の痛みに近い。
だがそれについて深く考える余裕などなく、フウコは自身の風の魔力の暴走によって、全身をずたずたに切り裂かれていく。

「っぐぅ!!ああああぁぁっ!!!……い、っぐああああああ!!!」
黒い花が二つ、三つ、次々と咲いていく。
そのたびにフウコの全身の苦痛は二倍、三倍に跳ね上がり、
悲鳴のトーンがさらに大きくなっていく。

「変身が解けても、この苦痛は終わらない。魔法少女はひとたびこのイバラに囚われたが最後、
絶え間ない苦痛に悶えながら、全身の血を吸いつくされる事になる。
もちろん今度の戦場となるリケット渓谷にも、至る所にこの花の根が張り巡らされている…今から楽しみだよ」

「でも、姉さんにはこんな物じゃなくて、もっと素晴らしいフィナーレが用意してある。
……見えるだろう?あの鋭い尖塔の十字架が。
僕はいつも思っていたんだ。あの鋭い槍のような先端で姉さんの心臓を串刺しにしたらどんなに素敵かって……」

「あっぐっ……そん、な……こと……うぐ、ぁあああああぁっ!!」

「姉さんは覚えてないようだけど……前回のルミナス侵攻の時、その夢は叶った。
……でも、僕は思ったんだ。
十字架に姉さんを真っ逆さまに堕として、脳みそと心臓と子宮をいっぺんに串刺しにしたら。
……きっともっと、美しいんじゃないかって」

「っぐ、……フウ…ヤ……あなたは……どこ、までっ……!!」
「姉さんのことは、後で王様に復活させてもらうよ。
そして今度こそ……姉さんの存在を永遠のものにして、僕の愛[ドク]を注ぎ続けてあげよう」

黒い花がまた一つ咲き、断末魔のような叫びと共にフウコの変身が解けた。
フウコの身体が、フウヤに抱きかかえられたまま自由落下を始める。
その先には、赤い月の光を受けて輝く十字架の先端があった。


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