したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

FFDQかっこいい男コンテスト 〜ドラゴンクエスト2部門〜

268二重人格【2】:2006/07/15(土) 07:17:06

その日丁度夕食時に俺達はムーンペタにたどり着いた。

未だ地平の果てには赤みを宿した空が薄く残っていたが、柔らかく灯った街燈と
民家から漂う暖かな食事の香りに幾分落ち着いた。

宿で部屋を借り装備を解き、軽くはたいたものの幾分埃まみれなまま夕食を取った。

「相変わらず君はおいしそうにたべますねぇ。」
「そー言うお前は相変わらず遅いのな。」

2人で旅をしているので自然と食事を共にする回数も増え、何よりも
同年代の者とこうして共通の時間を過ごすのが楽しく心地よかった。

とうに食べ終えた俺を待たすまいとしているのかさっきよりもスピードを上げて
がっつき始めた。
本など気の利いた物は持っていないのでそれなりに頑張ってるサマルを観察。
スプーンでパセリとクルトンの浮くポタージュを啜っている。
元々少しツンとした唇が更にとがり、まるで幼い子のそれにそっくりな様子に
吹き出しそうになるのを何とか堪える。

連日続く戦闘。気を抜いたが最後、生きるか死ぬかのそのやり取り。
血を浴び、肉を骨を断つ感触、断末魔の絶叫になれつつある日々の中
幼顔の相棒のふとした一面に酷く癒される。
腹が満たされると微かな眠気を覚え、野営続きでさすがにバテ気味になっていたことを
自覚した。

今日はもう湯を浴びて寝よう。おそらく相当間抜け顔で俺は大きく欠伸をした。

勿論、そのわずか後に悪夢のような災難が俺に降りかかるとは
夢にも思うはずがなかった。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板