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ぶれますスレwwww

1名無しさん:2006/02/19(日) 01:21:42 ID:1eG5HblU
ごめんwwwwwwwww衝動的に立てちまったwwwwwwwwでも反省はしてないwwwwwwww
内藤スレに内藤でてこないからwwwwwwぶれますこっちでやってwwwwwww

274ヤマチ:2006/12/04(月) 18:29:03 ID:aar7Y8oo

HE「例え一人でも、他軍への攻撃を始めたら、もうその同盟は崩壊する・・・。
トラップなどなくとも、結果は変わらなかったかもな。」
リン「くっ・・・・・・・。」
HE「―――人の絆なんて脆いもんだ。こんなにも容易く壊れてしまう。」
・・・必要なのは仲間ではなく、PCのもつ戦力そのものなんだよ。」
リン「・・・・HE?」
HE「それなら、初めから仲間なんて要らない。力が必要なら複垢なりすればいい。」
リン「――――HE・・・・それは違う。」
HE「違わないさ。目の前の現状を見てみろよ。お互いに足を引っ張り合い、醜く争っている奴らをさ。
それなら初めから協力なんてしようとしなければ、幾らかマシだったろうに・・・・無様だなw」
リン「そうじゃない、HE!!それは―――――

――――ドオオオォォォンッ!!!

屋上から一際大きな爆音が響き渡る。
一瞬見えた黒い雷に、私は二人の敗北を予感する。

HE「さて・・・これで上も片付いた。」
リン「ヒカルとアカリは?」
HE「二人は負けたよ。2対2だっていうのに、余裕だったぜ?w
・・・まぁなにしろ、妹の方が足引っ張ってたからな。人数もレベルも同じでも、それじゃあ勝てるわけ無いw

―――なぁ、リン?やっぱり仲間なんて必要ないだろ・・・。
仲間がいったって、足を引っ張るか、引っ張られるかしかないんだ。
なら初めから一人で複数のPCを操っていた方がいい。
それなら誰かに疎まれることもないし、誰かに腹を立てることも無い。
・・・・・違うか?」

リン「違う。」
HE「・・・・そうか。」

私は断言する。そんなことはないのだと。
HEは屋上から降りてきた、分離していた2体のHEとの再憑依を済ませると、じゃあな、と一言残して立ち去ろうとする。

リン「―――待て、HE。そっちは追手の方向だぞ?」

だというのに、彼の歩みは止まらない。
間違えたわけでもなく、彼は確固たる意思をもって、追手の方へと向かっていく。

HE「演習終了まで後2分・・・・・お前があてにしていた主力部隊、それにお前の仲間達が、この先にいる。」


「―――――ラスト2分、そいつら全員ぶっ倒してきてやるよ。」

275名無しさん:2007/02/10(土) 23:07:55 ID:z9P/qme6
続きマーダー(・ω・`)?

276コーヒープリン:2007/02/17(土) 09:21:57 ID:trpLokBY
レス増えたから期待したのに…orz

277芽依:2007/02/24(土) 13:39:01 ID:ShtLSSB6
うまくかけるかな?

こちらでは初めましてw
ご存知芽依です(ぁ
前々からここに書き込みたくてうずうずしてました。
斬られたいと思ったり斬られたいと思ったり斬られたいと思ったり。。
まぁ今一番言いたいのは、
ヤマチさんの続き期待してまs!w

今ならヤマチさん返り討ちにもできそうだなぁ…w

278名無しさん:2007/03/20(火) 22:41:58 ID:L20VUrtM
ちょwwwぶれますスレ過疎り杉wwwwww
内藤が攻めてくるぞwwwwwww

そういえばヤマチさん内藤Wikiに出張してたね。
俺は見たぜ。
キーワードはふぁーふぁーのカレー。

279名無しさん:2007/04/03(火) 23:20:07 ID:Z//xqJTA
さりげに過疎ってる(;A;)
見なくなってから、俺が
仕方ない…また人が集まるのを待とう
いつか来るよね?w

280名無しさん:2007/04/15(日) 07:16:35 ID:9.hiLS0c
110レス過ぎたあたりから別のスレになっちゃったからねえ

281小さな勇者と、堕ちた騎士:2007/04/27(金) 15:39:01 ID:aar7Y8oo
■プロローグ

あるところに理想に敗れた騎士がいた。
騎士はある日、自分と同じ理想を掲げる“勇者”と出会う。
それはかつての自分の姿。
輝ける理想を胸に秘め、未だ理想に敗れていない頃の自分…。
騎士は勇者に告げた。
その理想、その願いは決して叶うことは無いと。
しかし、勇者はそれでも自分はこの理想を叶えるのだと答えた。
堕ちた騎士は思った。
その姿のなんと愚かなことか…と。
そして―――
その姿のなんと美しいことか…と。

騎士は勇者の姿に、自身の願いと理想を取り戻す。
騎士は勇者に仕え、共に理想を叶えることを誓う。
それから“二人”は数々の出会いと戦いを経て、
あらゆる試練を乗り越えていった。

だが、哀しいかな―――
勇者がかつての騎士の姿だというのなら、
彼女が理想に敗れ、絶望という闇に囚われるのもまた“必然”なのだ。

皮肉な話だ。
自分を闇から救い出してくれた人が、
今度は同じ闇に囚われているのだから―――

さぁ騎士よ。
今こそ清算の時だ―――。

―――救い出せ。
どこまでも醜悪な“人の心”に…
尊いと信じたはずの“絆の歪さ”に…
そして、自らの“理想”に絶望した『彼女』を、心の闇から救い出してみせろ。

相対するのは、汝の仕えると誓った主にして、“堕ちた勇者”。
…そしてそれは“己の過去”そのものだ。
故に対峙せよ―――自らの闇と決別するために。

282小さな勇者と、堕ちた騎士:2007/04/27(金) 15:40:11 ID:aar7Y8oo

「はああああっ!!!」
【ディバインスピア】/【居合い・壱の太刀】
――――ギィィィイインッ―――――
渾身の一撃は、無常にも“黒の大剣”に阻まれる。
槍を戻す間に、返す太刀【弐の太刀】が俺の首を刎ね飛ばさんと迫る。
それを紙一重で身を捻ってかわす。
廻る勢いをそのままに、振り向きざまに槍を薙ぎ払う。
【ディミソリースピア】/【居合い・参の太刀】
双方の攻撃がぶつかり合い、衝撃が地面を抉り、砕き、吹き飛ばす。
【ダークワールウィンド】/【真空波】
――――ドオオオォォォンッ――――――
闇の刃と、無の刃が相克し合い、大気の爆ぜる音と共に相殺される。
【ストライクスピア】/【ストライクブロウ】
爆風によって濛々と立ち込める土煙にも構わず、俺たちは再び切り結ぶ。

絶え間なく奏でられる金属と金属の衝突音。
幾度も繰り返される剣と槍のダンス。
勇者は剣を振るい、騎士は槍を操る。
斬る/突く
払う/弾く
捌く/薙ぐ
断つ/穿つ
それは止まることを知らず、際限なく速度を上げていく。
繰り出すのは全て必殺の一撃。
どれも相手を致命傷に至らしめる威力を秘めた攻撃。
されど、それらが互いに届くことは無く、
ことごとく防がれ、かわされ、相殺される。
その攻防は一見“互角”。
だが―――
「……随分と頑張るね。もう武器を握っているのも辛いんじゃない?」
「ハハハ、出来の悪い“ご主人様”をもつと苦労が耐えなくてね」

彼女の振るう黒の大剣―――『黒狼』は、常に“紫電”をその刀身に纏っている。
たとえ斬撃を槍で受け止めようとも、その紫電によって武器を握る手を焼かれる…。
幾十、幾百の攻防の末、もはや俺の手は焼き爛れ、見るも無残な状態となっていた。
「もう諦めなよ。キミではもう、ボクには勝てない…」
「それがなぁ…。ここ数ヶ月で、どっかの“勇者様”に感化されてしまったみたいで、
どうやら俺もすっかり“諦めの悪い”性格になってしまったようなんだ」
俺は“いつものように”意地悪くニヤリと笑ってみせる。
「悪いが…この身が朽ち果てるまで、俺は諦めるつもりは無い。
―――絶対にお前を取り戻すまで、諦めたりしないっ!!!」
「五月蝿い――――ッ!!!」
【グラビティ】
強力な重力波が、彼女の周囲に展開される。
俺はそれに弾き飛ばされるようにして、大きく後ろに跳躍した。
≪“SixガーディアンズランスⅡ”―――展開≫
“機械槍”の穂先が4つに解離し、高速回転を始める。
≪マルチロック完了―――射出≫
標的に向かって、撃ち出される4つの矛先。
しかし、それらはことごとく【グラビティ】によって弾き返される。
それはまるで―――彼女の『心の壁』を象徴しているかのようだった。

283小さな勇者と、堕ちた騎士:2007/04/27(金) 15:41:13 ID:aar7Y8oo
「人の気も知らないで…。ボクの気持ちも知らないでぇーーーっ!!!!」
【殺界発動――――居合い・百鬼哭】
≪“ビームシールド弐式改”―――最大出力・広域展開≫
―――――バチィバチィィイイイッ!!!?
展開される防御壁に、“黒の刀身”が紫電を纏いながら幾度も打ち付けられる。
≪シールド負荷―――90%≫
目にも留まらぬ速度で繰り出される“斬撃”が、防御壁を削っていく。
それはまるで…彼女の荒ぶる感情そのものだった。
「みんな嫌いだ!!みんな汚い!!みんな平気な顔して嘘をつく―――!!!」
≪シールド負荷―――100%≫
「見えるんだっ!!みんな笑顔の裏で、いつも人を嘲笑っているのが!!!」
彼女が見たものは何だったのか。
彼女はどれほどの絶望を浴びたというのか。
≪シールド負荷―――120%:臨界点突破≫
「…もう嫌だ…」
彼女は泣いていた。
泣きながら…剣を振るい続けていた。
それはなんて哀しい姿なのだろう。
―――なら、せめて……その哀しみを、俺が受け止めてやらないと――――

≪危険:防御壁展開・強制終r―――終了処理“中断”―――防御壁展開・継続≫
≪シールド負荷―――160%≫
≪危険≫≪危険≫≪危険≫
手荒い扱いに盾が抗議の叫びをあげる。
(ごめん…でも、もう少しだけ付き合ってくれ)
盾を支える左手の感覚は、既に消失。
もはや痛みさえ感じない。

「もう誰も信じられない……」
≪シールド負荷―――180%≫
≪危険≫≪危険≫≪危険≫≪危険≫≪危険≫
痛みは感じない…だけど、重かった。
ただ、ひたすらに重かった…。
盾を支える手が、まるで石にでもなってしまったかのようだ。
その重さはきっと―――彼女の“嘆き”の重みなのだろう…。

「もう誰も―――救えないっ!!!!」
【“黒狼”固有スキル:紫電一閃】/【ダークフレア】
黒の刀身が瞬間的に爆発的なエネルギーを帯び、“紫電の雷槌(いかずち)”となって放出される。
俺はとっさに“漆黒の炎”を呼び出すが、相殺かなわず炎は吹き散らかされ、
紫電が過負荷に軋むビームシールドに突き立った。

≪シールド負荷―――200%≫
≪危険≫≪危険≫≪危険≫≪危険≫≪危険≫≪危険≫≪危険≫
≪オーバーヒート―――防御壁・消失≫
ついにビームシールドは、熱量過多によって吹き飛び、
障壁を貫いた“紫電の雷槌”が、俺の身体を容赦なく貫いた。

284小さな勇者と、堕ちた騎士:2007/04/27(金) 15:42:28 ID:aar7Y8oo
――――混濁する意識の中で、誰かの声を聞いた。
それは俺の“眼帯”の奥から聞こえてくるようだった。
『懐かしいな…』
“声”は「人は汚い」と嘆く彼女を見て、そう呟いた。
あぁ、確かに―――
…昔の俺も、あんなだったんだよな…。
『そうだな』
“声”は苦笑する。
きっと俺も、心で苦笑していただろう。

―――どこまでも醜悪な“人の心”に絶望した。
―――尊いと信じたはずの“絆の歪さ”に絶望した。
そして、自らの“理想”に―――絶望した。
現実は冷酷で、世界は理不尽だった。
この“願い”は叶わぬものなのだと悟った。

『だが、彼女と出会った』
…初めは変なヤツだと思った。
すごい無茶するし、おまけに“勇者”になるんだとか言い出すし…
『…ぶっちゃけ、正真正銘の変人だな』
ぶちゃっけた!?
『―――だが同時に、正真正銘の“勇者”だったな』
………うん、そうだね。
彼女のおかげで、俺は再び理想を取り戻せた。
そんな彼女だから…俺は“騎士”として仕えると誓ったんだ。

『ならば今こそ、その責務を果たせ―――“勇者の騎士”よ』
言われるまでも無い…
―――今度は俺が、彼女を“絶望の淵”から救う番だっ!!



「―――ねぇ、なんでまだ立ち上がるの?」
「……ぐ……ぁ……」
それは、まさに“満身創痍”だった。
既に“四肢”は満足に言うことを聞かず、立ち上がるだけで膝がガクガクと震える始末。
特に“左腕”が酷い状態で、これでは“予備の盾”を握ることなど到底出来そうに無い。
…既に勝敗は決しているも同然。
このまま戦っても、俺に勝機は一片たりとも無いだろう。
―――まぁ…“勝てないと分かったくらいで”諦められるなら、俺も苦労しないわけだが。

「もうボロボロじゃない。…諦めなよ……もう諦めてよぉ…」
「―――――諦めないっ!!!」
“諦めろ”と心が挫けそうになる度に思い出す。
彼女と出会ってからの数ヶ月の“記憶”…。
決して楽しいことばかりじゃなかったけど、
それでも振り返れば、とても大切な…かけがえの無い宝物のような日々。
…そしてそれは、これからも続いていくのだ。
―――絶対にこんなところで終わらせるわけにはいかないっ!!

「…やめてよ。…もうボクは『ご主人様』でも『勇者』でもない…。
ボクのために、ここまでする必要なんて無い。…ボクにそんな価値なんて無い。
本当に一番汚いのは、“みんな”じゃなくて――――――“私”なんだ…」

俺はボロボロの身体に鞭打って、再び槍を構える。
全身に激痛が走るが、そんなものは知ったことではない。
―――目の前で、大切な“ご主人様”が泣いているんだ。
そんなの放っておけるわけないじゃないか―――っ!!!!

285小さな勇者と、堕ちた騎士:2007/04/27(金) 15:43:49 ID:aar7Y8oo

「“ヒト”で在る以上、俺たちの心は綺麗でなんかいられない…。
誰かを妬み、誰かを憎み、誰かを裏切る事もある…」
「―――――さい……」
「だけど、俺たちが笑い合っていた幸せな時間は、確かに存在して…
たとえ、その関係が壊れることになったとしても、それが消えることは無いんだ」
「―――うるさい……」

「なんてことは無い…。
俺たちの理想は、ちょっとしたすれ違いや、些細な諍いで
簡単に壊れ、崩れ去ってしまう“儚い”ものだ。
だけど―――手を伸ばせば、いつだってそこにあったんだ…」

「うるさい!!うるさい!!!うるさいッ!!!!」

「壊れた絆は直せばいい。
それが叶わなくとも、新たに絆を紡ぐことは出来る。
大切なのは、悲しくても、苦しくても…
――――決して絶望し、全てを“諦めない”ことだ」

「黙れよっ!!キミが“それ”を口にするかああああ――――ッ!!!!」
【“黒狼”固有スキル:紫電一閃】

一際強大な紫電の雷槌が、黒の刀身より放たれる。
過剰な負荷により、黒の刀身はその身を、本来ありえない紅で染めていた。
それほどの出力で放たれた紫電は、もはや只の雷槌では在りえない。
それはまるで意思を持つ【龍】のように地面を這いながら、
獲物へと飛び掛らんと、その牙を剥いて迫ってきた。

…偉そうなことを言ってみたはいいが、
既に満身創痍の俺には、槍を構えるのが精一杯で、この攻撃に抗う術など無い。だが―――
(―――それでも諦めるわけにはいかないっ!!)
激痛を伝える脊髄からの電気信号に脳を焼かれながらも、
俺は槍を握る手に力を込める。
―――策も無ければ、その行為の意味さえ無い。
俺が“紫電の龍”の前に、この身を焼き尽くされるのは必至で、
どう足掻いたところで、その結末に変わりは無い。
ならば、せめて無駄に苦しむのは止めて、大人しく身を焼かれるのを待てばいい。
その筈なのに―――
俺の手は、槍を構え…未だに抗うことを諦めていなかった。


その時―――
鈴の音のような澄んだ金属音と―――
猛威を振るっていた紫電さえ眩むような、“強烈な閃光”が瞬いた。

≪顕現せよ――――雷光の剣“カラドボルグ”≫

閃光と共に現れたのは“硬き稲妻”。
その激しくも神々しい輝きは、全ての闇を切り裂く。

―――こんな剣は知らない。
―――こんな剣は持っていなかった。
だけど…
それは何故か、当然のように俺の手に収まっていて、
それを不思議と思わない俺がいる――――。

(ありがとう)
俺は突如現れた光剣に、心の中で礼を述べる。
剣は一層、力強く輝くことで応えてくれた。

【“カラドボルグ”固有スキル:■■■■■■■】

“雷光”と“紫電”が激突する。
光は暴風と化し、大気は鳴動し、大地は割れるように激震する中―――

『……覚えているか?“ヒナタ”。
―――俺とお前が、初めて出会った日のことを――――』

―――俺は彼女との邂逅の日に、思いを馳せていた。

286小さな勇者と、堕ちた騎士:2007/04/27(金) 15:44:49 ID:aar7Y8oo

■小さな勇者と、堕ちた騎士■

【数ヶ月前―――】

―――何故“俺”は此処にいるのか。
どうして戻ってきてしまったのか。
あれほど苦しんで。
あれほど悲しんで。
もう二度と戻るまいと思っていたのに…
なのに何故、俺は再び“この世界”に戻ってきてしまったのか。

習慣で仲間のIN状況を見ようと、無意識にフレンドリストを呼び出す。
しかしフレンドリストには、誰の名前も記されていなかった。
…当然だ。
俺がこの世界から逃げ出した“あの日”、全て消去したのだから…。
本当は、このPCごと消去するつもりだった。
だけど消去するには“このカラダ”には思い出が多すぎて…
結局、踏ん切りがつかずにPCは消去されないままに、
そして、こうして再びログインしているのだから、未練たらしい事この上ない。
新着のメールが入っていることを知らせるサインが出ているが、
今の俺にはメールボックスを開く勇気さえない。
まったく…
“未練”と言いながら、それを果たすつもりも無いというのに、
こうして未だに、この世界から離れられない自分を自嘲する。
これでは、まるで“亡霊”ではないか。
「――さて、これからどうしようかな」
わざわざ再インストールして戻ってきたはいいが、
特に目的があったわけでもない。
だから俺は、あてもなく歩き出す。

それは本当に…さまよえる“亡霊”のようであった。



【Interlude】
ただ守りたかった。
失いたくなかった。
そのリングはオレにとって、かけがえの無い、自分の居場所だったから。
だから…
嘘の“仮面”に、更なる嘘を重ねて…
弱い自分を覆い隠し、ひたすらに強い自分を演じてきた。
誰かを救い、皆を守れるような、そんな存在に…。
…全てが上手くいったわけじゃない。
何度も失敗し、挫折し、絶望を重ねてきた。
だけど、諦めるわけにはいかなかった。
今まで皆で楽しくやってきた―――その場所を失いたくなかった。
自身を偽り、“仮面”を被ることになっても、
皆と築いてきたこの場所を、守りたいと思った。
…守り抜くと誓った。

偽善だ…。
守りたかったのは皆ではなく、孤独を恐れる自分の心。
それでも…
偽善と知り。
傲慢と知り。
それこそが自分の弱さなのだと知りながらも、
俺は“仮面”に手を伸ばす。

…強く。
もっと強く。
皆を守れるように。
自分の居場所を失わないように。
どんな脅威も…
どんな絶望も…
全ての闇を退けて、希望の光で照らせるように。
皆が笑い合える、幸せな場所を守れるように。
強い自分になろう。
負けない自分になろう。
挫けない自分になろう。
それが“嘘”の自分であろうと…
それが“偽り”の強さであろうと…
守りたいという願いに、嘘偽りは無く。
強さを欲した心は、不屈の信念に。

故に…俺は“仮面”を被り続ける。
傲慢と罵られ、己の無力を突き付けられ、幾度も心を砕かれようとも。
仮面の下の傷が…、嘘で覆った傷が…、心を蝕んでいこうとも。

…その果てに、自己の“破綻”が見えていようとも…。
【Interlude out】

287小さな勇者と、堕ちた騎士:2007/04/27(金) 15:45:56 ID:aar7Y8oo

アクロニアの林で、ベアに襲われていたノービスを助けた。
別にヒーローを気取りたかったわけじゃない。
ただ目の前にいて、邪魔だったから倒しただけのこと。
御礼を期待していたわけでもないし、言われても無視して立ち去る気だった。
だが、少女から投げかけられたのは予想外の言葉だった。
「助けてくれなくたって勝てたもん!!勝手に他人の獲物を横取りするなよ!!!」
…思わずカチンときた。
未だにスモック姿のノービスが、ベアなんかに勝てるわけがない。
現に今だってHPぎりぎりで、辛うじて生きている状態だ。
あと一秒でも助けるのが遅れていたら、彼女の命は無かっただろう。
「まだ回復アイテムあったもん。やっと半分まで削ったのにぃ〜」
はいはい、そうですか。
その回復が間に合ったかどうか知りませんけどね……って“半分”?
そういえば、確かにベアのHPは半分まで減っていた。
しかし、未だにレプリカソードを振り回している無知なノービスが、
ベアのHPを半分も削れるものだろうか?
「…お前がベアのHPをここまで削ったのか?最初から減っていたのではなく?」
「勿論だよ!」
「本当に?」
「うっ……」
もう一度たずね返した途端、彼女の自信満々な様子が崩れる。
ほら、やっぱり嘘だった。
レベル10にも達していないノービスに、ここまで戦えるわけが―――
「う〜…そりゃ何回か死んだし、その度にセーブポイントから走ってきたけど…」
彼女は恥ずかしそうに付け加える―――って本当にやったのか!?

…思わず眩暈がした。
なんてことだろう。
こいつは今のレベルでは敵いっこない相手を倒すために、
いったい何度セーブポイントから往復してきたのだろうか。
一撃加えてはやられて…
セーブポイントからまた林まで戻ってきて、また一撃…
ヒット&アウェイならぬ“ヒット&ダイ(死)”。
そうして少しずつHPを削ってきた成果が“アレ”だったのである。
最早ゾンビも真っ青な、執念と根性である。
唖然とする俺に、彼女はなんでか誇らしそうに胸を張っている。
断言しよう。
…こいつはバカだ。
ベアなんて普通のザコモンスターだし、倒したって精々毛皮が手に入るくらいだ。
現に、先ほど俺がトドメをさしたベアからは何もドロップしなかった。
そんな無駄な努力をするより、さっさと他のモンスターを倒してレベルを上げるべきだ。
どうせベアなんてレベルが高くなれば、嫌というほど倒すことになるのだから。

『―――だけど諦めなければ、いつか願いは叶うかもしれません』

ふと…昔、誰かに言われた言葉が蘇る。
何度失敗しても、
何度挫けそうになっても、
それでも諦めずに願いを叶えようと足掻き続けること。
それは無様で、みっともないけど……“尊い”。

この少女はどんな思いでベアに挑み続けたのか。
どうして諦めようとしなかったのか。
――いや、そんなことしても無意味だと知らなかっただけだろう。
………。
だけど彼女なら……。
もし何も手に入らなくとも、最後に笑っていたのだろうと、理由もなく思った。

288小さな勇者と、堕ちた騎士:2007/04/27(金) 15:48:41 ID:aar7Y8oo

「すまなかった」と、俺は素直に謝ることにした。
彼女の努力を、俺は台無しにしてしまったのだ。
確かに非は俺にあっただろう。
なので、素直に頭を下げる。
「フッ、仕方ない。特別に許してやるか」
――やっぱり謝るんじゃなかったと、激しく後悔した。
「だが、一つ条件がある」
しかも、なんか条件つけてきたし…。
無視して立ち去ろうかとも思ったが、
曲りなりにも悪いのは俺なので、一応聞くだけは聞いてやることにする。
「え〜と、ね…」
「なんだ」
「…わ、笑わないでよ?」
「分かった」
「…本当に笑わないね?」
「分かったから早く言え」
「………」
「………」
「…アップタウンに入る方法を教えて―――ってこら!!笑わない約束じゃないかぁ!!?」

―――これが俺と“ヒナタ”の出会いだった。



【Interlude】
癒せぬ心の傷…。
流した涙は拭えても、傷が癒えぬ限り、血は流れ続ける。
傷を“仮面”で覆っても、傷が消えることは無い。
少しずつ…
少しずつ…
それは“澱”のように、降り積もっていった。
自身の手さえ届かぬ、心の深淵…。
そこに…
■■■が産まれようとしていた。
苗床は、自身の闇。
与えられるのは清き水ではなく、流される紅い鮮血。
差し込む光は無く、
代わりに…砕かれた弱い心が、雪のように降り積もっていった。
そして遂に、■■■が芽吹きの時を迎える。

『痛い』
『苦しい』
『辛い』
『もう嫌だ』
『ごめんなさい』
『ごめんなさい』
『殺してください』
『死にたい』
『消えたい』
『消えて、全てを終わらせたい』
『あぁ…それが叶わぬのなら… 』

『全てを壊して、殺して、滅ぼして、消し去って、“この手で、何もかも終わらせてやる”』

望むのは終末。
願ったのは消滅。
仮面の下の傷は化膿し、もはや病巣と化していた。
膿が仮面を“侵食”する。
信念が、矜持が、理想が…
今まで自分を構成していた全てが、
仮面の内側から犯され、穢されていく。

≪ギシギシ―――≫
どこで間違えて/しまったのか。
いつから歪んでいた/のか。
≪ギシギシ/ギシギシ―――≫
いや…
そ/もそも“仮面”に手/を伸ばした時点で/
最初か/ら間違え、そして歪ん/でいたのだろう。
≪ギシギシギシギ/シギシギシ/ギシ―――/―――≫
故に、これ/はその当/然の末路…。
≪ギチ/ギチギチ/ギチギチギチ/ギ/チ//ギチギチ/ギチ/ギチギチ≫
――崩壊の時がき/た。
≪ギ//チ/ギチギチギチ/ギチギ/チ/ギチギチギ――――――■■■ッ!!!!!≫
“仮面”は、耳/を劈くよう/な異/音と共に、砕け/散/った//。/

……この瞬間、何もかもが終わったのだ。


“仮面”を失った自分には、何の力も無かった。
何もかもが怖くて、逃げ出すことしか出来なかった。
皆の差し伸べる手にさえ、恐怖した。
怖くて、怖くて、消えて欲しかった。
無くなってしまえば良いと思った。
だけどリングから…皆から、逃げてしまった途端、
途方も無い喪失感が、心を苛んだ。
深い後悔と、果ての無い自己嫌悪。
守護と破滅…
自身の中で矛盾していた、二つの思い。
いつの間にか、捻じれ、歪みきっていた信念。
…今更になって気づく。

―――俺は狂っていたのだと。
【Interlude out】

289小さな勇者と、堕ちた騎士:2007/04/27(金) 15:51:22 ID:aar7Y8oo

「じゃーん!ソードマンの証GET〜♪」
赤形で構成されたアクセサリーを自慢げに見せびらかすのは、
元ノービスのヒナタ。
彼女の胸元で輝く“剣士の証”―――
このたび彼女は、めでたくソードマンへと転職することに成功したのだった。
「はいはい、おめでと」
「いえーい☆」
俺のやる気のない祝福に、満面の笑みで応えるヒナタ。
余程ソードマンになれたのが嬉しかったのだろうか。

…というか、何で俺は転職試験にまで付き合っているのだろう?
もともとアップタウンに入るまで付き合う約束だったが、
入ったら入ったで道が分からないから案内してくれと頼まれ。
案内中、ギルド元宮で転職できることを説明したら、
「じゃあ転職してくる〜」と飛び込んでいって、
「“肉”取ってくるから待ってて〜」と今度は飛び出していった。
待てと言われた以上、動くわけにもいかないので、
こうしてギルト元宮のロビーで待っていること30分…
肉を手に入れたらしいヒナタが戻ってきた。
「これから転職するから一緒に行こ」という誘いをやんわり断って、
部屋の外で待たせてもらう。
(…だって転職となると、例の“通過儀礼”があるし…)
「セクハラだーっ!!?」という叫びを壁越しに聞きいてから暫し、
ソードマンの証を手にした得意満面のヒナタが出てきたというわけである。
―――以上、これまでの経緯の説明おわり。

「ところで、何でソードマンになりたいと思ったんだ?」
「え?」
「お前、迷わずソードマンになること決めただろう。
他の職も色々あったのに……初めからソードマンと決めていたのか?」
「えっと…決めていたというか…」
ヒナタはちょっと言い難そうに、もじもじしている。
しばらく迷ってから、意を決したように俺を見上げる。
「……笑わないで聞いてくれる?」
(―――そんな恥ずかしい理由で、ソードマンになると決めたのかっ!?)
俺は“絶対に笑う”と心に誓った上で、彼女の問いに答える。
「―――あぁ、勿論だ」
「………」
「………」
「…絶対に笑う気でしょ?」
「笑わないぞ」
「だって、さっきも笑ったし…」
「今度は絶対に笑わない」
「……ホント?」
「本当だ」
「……あ、あのね……」
「わっはっはっはっは」
「まだ何も言ってないのに笑うなバカーーー!!!?」
―――鋭いボディブロウが、鳩尾に突き刺さる。
その後、拗ねてしまったヒナタを宥めるのに、しばし時間を要した。


「ボクはね…“勇者”になりたかったんだ」
「ゆうしゃ?」
ようやく機嫌を直したヒナタは、ソードマンを選んだ理由を話し始める。
だけどそれは少々意表をつくもので、俺は思わず聞き返した。
「そう―――RPGとかの主人公でお馴染みの“勇者”。
だから、イメージ的にはやっぱり“剣”を使えるようになりたかったんだ。」
「ふーん…なんでまた“勇者”に?」
「…あれ?笑わないんだね」
「別に…」
「えっとね―――ボクは昔から憧れていたんだ。
信頼できる仲間に支えられて、だけど絶対に仲間を守りぬき―――
そして……
どんな強大な悪からも。どんな深い絶望からも。
全てを救い出して、物語をハッピーエンドへと導く―――そんな勇者に」

――――ぞくり、とした。

鼓動は早鐘を打つように高まり、
胸が引き絞られるように軋みをあげる。
動揺のあまり、呼吸が正しく刻めない。

彼女は語る…己の夢を。
彼女は詠う…己の理想を。

≪だがそれは―――― “誰の願い”だったか≫

―――ふと展開したままのアイテムリストに目がとまる。
そこには、故障した“ファントムマスク”があった。
俺が、この世界にきた最初の日に手に入れた、“騎士の証”。
そしてそれは“あの日”―――俺の心の仮面と、期を同じくして壊れた。
……なんて皮肉。
たしかに“騎士の証”を失ったあの瞬間、俺は“騎士”ではなくなったのだろう。

290小さな勇者と、堕ちた騎士:2007/04/27(金) 15:53:05 ID:aar7Y8oo

「(“皆を守る騎士になるんだ”……か)」
俺は乱れた呼吸を調えながら、吐き出すように小さく呟いた。
それは小さな…とても小さな独白。
誰にも届くことないはずの、感情の吐露。
だがそれに―――隣にいる少女は反応した。
「…今、何か言った?」
俺は動揺を押し隠し、何でもない風を装う。
だが、内心とても心穏やかな状態ではなかった。

「もぉ〜、人が夢語っているのに全然聞いてないね。自分から聞いたくせに…」
「いやいや…なかなかに恥ずかしい夢だったのでね。まともに聞いていられなかった」
「なーーーっ!?そういうこと言うかなぁキミはっ!!!」
「今どき小学生でも口に出来ないぞ。“勇者になる”なんて……くくくっ」
「う〜、別に“勇者”って言うのは喩えだよ。そんな風になりたいっていう…。
『誰かを助けたい』。『誰かを守れるようになりたい』。
…そういう風に思うのって、割と普通でしょ?」

誇らしげに自分の理想を語るヒナタ。
それを俺は、かつての“自分の姿”とダブらせる。
あの…愚かで、救いようのない莫迦であった、かつての自分と…。

「あぁ普通だな。誰もが一度は願うことだ。―――だが何故ヒトは“それ”を願うと思う?」
「……え?」

―――待て。
俺はいったい何を言おうとしている……?

≪…壊せ≫

「―――“偽善”だよ、ヒナタ。
『誰かを助けたい』と願うのは、誰かに自分を認めて欲しいから。
『誰かを守りたい』と願うのは、自分の居場所を失いたくないから。
―――その願いは“孤独”を恐れる自身の心から生まれるものなんだ。故に―――」

≪壊せ。壊せ。壊せ≫

感情の抑制が効かない。
心の奥のほうから、ドス黒い感情があふれ出してくる。
だが“仮面”を失った俺には、それを塞き止める術がない…。

「そんな我が身可愛さから生まれた感情では、人は救えやしない。
最後の最後で、自分を守るために誰かを裏切る。
―――何より…“その理想”を抱いた自分自身を裏切ることになるだろう」

≪壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。コワせっ!!!≫

吐き出すのは、かつての自分に対する“否定”の言葉。
俺はそれを“同じ願い”をもつ少女にぶつける。
それは、なんて醜い八つ当たりなのだろう。
莫迦莫迦しい…
こんなことして、どうしようというのか。
しかし、俺はそれを抑えられない―――――否、“抑えない”。

この少女の無垢な願いを、俺は穢そうとしている。
彼女の美しい翼を、絶望の泥で穢して、地べたで這い蹲らせてやりたいと思っている。
その…愚かであるが故に、美しきその理想を―――俺の手で“犯したい”。
あぁ―――この感覚はきっと――――

≪壊れろ。壊れろ。こわれロ。壊れろ。壊レろ。壊れろ。コワれろッ!!!≫

―――かつて仮面を侵食した“闇”が―――
あの日、失われたはずの“同じ願い”に反応して――――【覚醒】する。

『そんな間違った願い、壊れてしまえ』と“闇”が狂気の叫びをあげる。
…そして、それに共感する自分がいるのもまた事実。
何故なら―――

≪壊れロ。壊レろ。オマエも絶望しロ。間違っタ願いヲ抱イタまま狂ッテしまえ!!!≫

―――この叫びは俺の“本心”なのだから――――

291小さな勇者と、堕ちた騎士:2007/04/27(金) 15:54:18 ID:aar7Y8oo

【Interlude】
―――かつて望んだものは何だったのか。
いったい何を求め、何を守ろうとしていたのか。

欲したのは小さな幸せのカタチだった。
誰もが当然のように持っているもの…
それを守るために、弱い自分を“仮面”で隠し、
ずっと強い自分を演じながら、戦い続けてきた。

…だが、何かを成す為には、“代償”が必要だ。
何かを守るために、他の何かを失うこともある。

俺は、自分の“守りたいと思うもの”を守るために、
―――『友』を傷つけ、
―――――『大切な人』を斬り捨て、
最後には―――――――『自分』さえも殺した。

そして…何もかも失って、
もはや何を守ろうとしていたのかさえ、分からなくなった…。

俺は一体―――何が欲しかったのだろう…?
【Interlude out】



≪ギシギシ―――≫
“仮面”の軋む音/がする。
それ/は“懐かし/き絶望の音”…
≪ギシギシ/ギシ―――≫
…いや、もはや俺に“仮面”は無い/のだ。

じゃあ、これは―――――いったい何が/軋ん/でいる【音】な/のだろう…?

≪ギシギシギ/シギシ――/――――/≫
―――ドッと、冷たい汗が噴きだ/す。
今度こ/そ、何か/“致命的な”ものが壊/れ/て/しまう予感。
“それ”はきっと――――/―――
≪ギシギシギシギ/シ…ギシギシギシ…ギシギシ/ギシギシギ/シギシ/ギシ/ギ//シ/ギシ///


「―――ボクを助けてくれた人は、自分のことを“偽善者”だって言っていた…」
「ぇ―――――?」

ヒナタの声に、俺は正気を取り戻す。
……【声】はもう聞こえない。
何かの軋む【音】も聞こえなくなった。
顔をあげると、そこに―――――“強い意志の光をたたえた、少女の双眸があった”。

「だけど…その人のおかげで、ボクは救われたんだよ。
その行動が、偽善だろうと、自己満足だろうと、
ボクがそれによって救われたのは事実なんだ」

彼女は何かを懐かしむ目で、遠くを見つめている。
…きっとそこに彼女の“信じるもの”があるのだろう。

「…全てが上手くいくとは思っていない。
どうしても助けられない人もいるだろうし、ボクが裏切ることもあるかもしれない。
でも…だからって全て諦めて、投げ出してしまったら、救えた筈のものも救えなくなってしまう」

彼女には届かない―――。
怨嗟も、嘆きも、絶望も、
彼女の“信念”を呑み込むことは叶わない。
(まぶしいな…)
それは、かつて自分も持っていたはずの宝石のような輝き…。
しかしその宝石は、長い月日の中で、いつしか傷だらけになり、
もはや輝くことはおろか、今にもひび割れて、砕けてしまいそうな始末。
だから彼女の輝きが、今の俺には眩しかった…。
それを“美しい”と感じた…。

292小さな勇者と、堕ちた騎士:2007/04/27(金) 15:55:49 ID:aar7Y8oo

「偽善と蔑まれ、傲慢と罵られ、己の無力を嘆くき―――
…それでもお前は、その理想を叶える為に、突き進むだろう…。

だが、幾重もの絶望を乗り越えた先にあるのは…
“積み重なる救えなかったモノの怨嗟の声”と、
“後悔の果てに歪んでしまった自己の破綻”だけだ。

お前の願いは届かない。
お前の努力は報われない。
…そこに、お前の望んだ未来は無い…」

―――だからこそ、その“願いの末路”を知る俺には、
彼女の輝きが失われてしまうことが、哀しかった。
……出来ることなら、この少女には無垢なままでいて欲しいと思った。

「それでも―――“諦める”なんて選択が、正しいとは思えない」

―――否、彼女はまだ知らないだけだ。
現実の冷たさは、“諦めたくない”なんて意地が通用するほど甘くはない。
その冷たさを肌で感じるまでは、彼女は“絶望”の本当の意味を知りえない。
結局、彼女の言っていることは、未だ何も知らぬ無知なガキの“戯言”だ。

「ボクは…ボクを救ってくれた人に、“憧れていたんだ”。
だけどその一方で…自身を“偽善者”と哂う、あの人が“哀しかったんだ”。

だから証明するんだ―――
誰かを助けたいと…
誰かを救いたいという思いは…
―――決して“偽善”なんかじゃないんだって」

それでも――――……

「あからさまな“正義”は疎まれ、
偽悪を善しとするそんな世の中だから…
ボクはあえて“勇者”になろうと思う。そして―――――」

あぁ、それでも――――……

「―――たくさんの人を助けて、たくさんの人を守って…
みんなが幸せでいられる…そんな“やさしい場所”をつくるんだ」

この愚かしくも美しい少女の“願い”を、見届けたいと…
彼女なら叶えることが出来るのではないかと…

―――そう思ってしまうのは、何故だろう――――

293小さな勇者と、堕ちた騎士:2007/04/27(金) 15:57:10 ID:aar7Y8oo

【Interlude】

≪かつてお前が欲したものは、何だったのか…≫
“砕けた仮面”が、問いかけてくる。

≪…何を尊いと信じ、何を守ると誓ったのか…≫。
俺は―――何のために“仮面”を手に取ったのだったか…。

≪思い出せ……≫
俺は―――何のために強く在ろうとしたのだったか…。

≪思い出せ……お前の“本当の願い”を―――≫

…そうだ…
初めから、多くのモノを望んでいたわけじゃない。
俺はただ、皆との楽しい時間を守りたかっただけなんだ。
だけど、それを大切にするが余り、愛しいが余り…
いつの間にか、俺は欲張りになっていた。

みんなが、楽しくないと嫌だ。
全ての人が、幸せじゃないと嫌だ。

―――両手いっぱいに幸せを抱えていたのに、
抱えていた一つの幸せが転がり落ちた時、
それを拾おうとして、全ての幸せを落としてしまった。
―――仮面を被った強い自分なら、全て救えるものだと思い上がっていた…。

皆を守りたい―――
誰かを救いたい―――
…その願いは間違いではないけれど、
いつしかその願いは“使命感”に…
いつしかその願いは“責務”に…
いつしかその願いは“己を縛る鎖”になっていた。

それでも目指すものがあって、信じるものがあるから―――
俺は立ち止まるわけにはいかなかった―――否、立ち止まることなど“許されなかった”。

“理想”のために…
“願い”を叶えるためにと…
一歩、踏み出したその足は――――何かを踏み潰す。
だから…その踏み潰してしまったものの為にも、その踏み出した足を引くわけにはいかなくなる。
しかし再び踏み出した足は、更に多くのものを踏み潰してしまう。

故に―――“もう止まれない”。
この時点で、何があってもその信念を貫かなくてはならなくなった。
…そうでなくては、今まで踏み躙ってきたものに対して、顔向けできないから…。

前へ…前へ…
邪魔なものは振り払って、立ち塞がるものは斬り倒して、
ひたすら何かを踏み潰しながら、前へと歩み続ける――――。

しかし、前へと進めば進むほどに、己の“咎”は増すばかり…
際限なく増え続ける重圧に、歩みが止まりそうになる。―――心が挫けそうになる。

だけど―――
どんなに苦しくても、どんなに悲しくても、
たとえその道が間違えていると気づいたとしても…
―――今更、自分を“枉げる”ことなんて出来ないのだ。

それは最早、“願い”ではなく“贖罪”。
それを果たすことのみが、過去に対する唯一の“免罪符”。
そして“罪の意識”と“強迫観念”に衝き動かされた、その道のりの果てに――――

――――俺は■■を失った。


…だけど、違うんだ…。
俺の本当に欲していたのは、
“守る”とか“救う”とか、
そんな大それたものじゃなく――――
それはあくまで“手段”でしかなく――――

……俺が本当に願ったのは……

『―――たくさんの人を助けて、たくさんの人を守って…
みんなが幸せでいられる…そんな“やさしい場所”をつくるんだ』

あぁ…やっと思い出した…

…みんなが、笑っていて欲しかった。
…みんなと、笑っていたかった。
―――ただ“それだけ”で良かったんだ…。

【Interlude out】

294小さな勇者と、堕ちた騎士:2007/04/27(金) 15:58:18 ID:aar7Y8oo

「転職まで付き合わせてゴメンね。色々ありがとう」
「いや、もともと俺が悪かったんだし…気にするな」
ヒナタの転職を終え、俺たちはギルド元宮から出てきた。
アップタウンの入り方を教えるという約束だったが、
いつの間にかタウンの案内まで加わって、更に転職にまで付き合わされてしまった。
もう、これで充分だろう…。
…これ以上、ヒナタと一緒にいる理由はない。
「えっと、ここでお別れかな…?」
「あぁ、そうだな…」
「………」
「………」
ヒナタは、なかなか別れを言い出さない。
それは俺も同じで、何か言わなきゃいけないのに、何を言えばいいのか決めかねていた。
お互いに無言のまま、時間が過ぎる。
―――先に口を開いたのはヒナタだった。
「…あの…」
「……ん?」
「キミは……後悔しているの?」
―――『何を』とは問わない。
そんなことはお互い承知の上…。
だから、俺は迷わず答える。
「―――あぁ、後悔しているとも」
「……そう……」
ヒナタは何か言いたげに…だけど何も言えず、うつむく…。
まったく…なんでお前が哀しそうにするんだよ。
俺は内心で苦笑しながら、言葉の続きを紡ぐ。
「…振り返れば後悔ばかりの日々だった。」
「………」
「今でも、思い出すだけで胸が締め付けられる。自己嫌悪で死にたくなる」
「―――っ!」
「いっその事…そんな“過去”消えてしまえばいいのにと思う…」
「そ、そんな―――!?」

「それでも…俺はまだ“未来”にまで絶望したわけじゃない」

「―――――え…?」
ヒナタが、顔をあげる。
その呆気にとられた顔が可笑しくて、俺は思わず頬が緩むのを感じる。
「“あの日”―――何もかも失い、捨て去った時―――全て終わったのだと思っていた」
…あぁ、実際に全ては終わっていた。
俺は“俺”であるべき“仮面”を失っていたし、
もはや守るべきものなく、叶えたい理想さえ見失っていた。
…それで“御終い”の筈だった。だけど―――
「だけど俺はまだ此処にいて、まだこの手に成せることがある。
そして、お前のおかげで忘れていた“本当の願い”を取り戻せた。だから―――」

「―――もう一度、この“理想”を叶えるために頑張ってみようと思う」


【“仮面”は問うた】
≪かつてお前が欲したものは、何だったのか…≫
≪…何を尊いと信じ、何を守ると誓ったのか…≫
≪思い出せ……お前の“本当の願い”を―――≫

【“小さな勇者”は語った】
―――たくさんの人を助けて、たくさんの人を守って…
みんなが幸せでいられる…そんな“やさしい場所”をつくるんだ。

【“堕ちた騎士”は思い出した】
…みんなが、笑っていて欲しかった。
…みんなと、笑っていたかった。
―――ただ“それだけ”で良かったんだ…。

295小さな勇者と、堕ちた騎士:2007/04/27(金) 15:59:19 ID:aar7Y8oo

「……俺はね“皆を守る騎士”になりたかったんだ」
「―――――何のために?」
ヒナタは、ふわりと…やわらかな笑みで問いかけてくる。
その笑みが、あまりにも美しくて、不覚にも見とれてしまった。

≪何のために≫
―――それこそが“答え”。
守りたいと思ったのも、救いたいと思ったのも、
皆を守る騎士になりたいと思ったのも、
彼女が勇者になりたいと思うのも、
所詮は“手段”に過ぎなくて…
全ては“本当の願い”のために――――

「―――どっかの“小さな勇者様”と同じだよ」
見とれていた手前、素直に答えるのが癪で、
俺は揶揄するようにニヤリとした笑みで返す。

「そっか。じゃあボクたちは“同じ理想”を抱く『同士』だね」
しかし、そんなことお構いなしにヒナタは嬉しそうに笑う。
その笑顔が…あまりに嬉しそうだから、俺まで思わず嬉しくなってしまう。
―――今まで、心の底で蟠っていた“闇”が霧散する。
まったく…大したものだ。
ある意味、コイツほど“勇者”と名乗るのに相応しいヤツもいないだろう。
…少なくとも俺にとって彼女は“勇者”なのだ。
あれほど苦しみ、悩んでいたのに、コイツのせいで全部どこかに消えてしまった。
もはや俺の中に巣食っていた“闇”の気配はない。
畏るべし…勇者パワー(笑)

「なにニヤニヤしてるの?」
「いや…“素敵な勇者様”に出会えたことを、神に感謝していたのさ」
「―――え?えぇ?!おだてても何も出ないよっ!?」
予想外の反応だったのか、ヒナタが顔を赤くして慌てている。
…随分と、かわいい勇者様だと苦笑する。
「しょうがないなぁ…。そこまで言われたら仕方が無い…」
「いやいや、何が“仕方ない”のかサッパリ分からん…」
「仕方が無いから、この“勇者ヒナタ様”の“最初の仲間”にしてあげる」
そう言ってヒナタは、俺に手を差し伸べた。

―――それは、なんて魅力的な案なのだろうか。
かつて叶えることが出来なかった願いも…
二人なら……彼女となら、叶えられるかもしれない。
絶望しか見出せなかった“あの結末”を、今度こそ―――――

「ほら、“勇者の騎士”だよ?…なんか問答無用でカッコよくない?」
「あぁ、確かにかっこいいな」
「でしょでしょ〜♪」
「―――だが断るっ!!!」
「えぇーーーーーっ!!?」
「………」
「………」
「うそ」
「もぉ〜〜〜〜〜っ!!?」
ヒナタはむくれて、胸をポカポカ殴ってくる。
全然痛くないけど、何故だか“涙”が出た。
凍てついた心が、じんわりと溶けていくのを感じる。
「―――?」
ヒナタが異変に気づいて顔を上げようとするが、
泣き顔を見られたくないので、頭を押さえた。
「え?ちょっ…あの?えぇ!?」
結果的にヒナタを抱きしめるような格好になってしまったが、
俺は構わずそのまま腕に力を込める。
「…み…みんな見てるよ…?」
それはそうだろう。
アップタウンの大通りでこんなこと、バカップルでもしない。
道行く人の視線を感じるが、俺にはそれを気にする余裕が無かった。
「…もう少し…このままで…」
「……むぅ」
もう“泣き顔を見せたくない”という当初の目的を忘れて、
俺は失っていた幸せを、力の限り抱きしめる。
今度こそ見失わないように…
今度こそ手放さないように…
強く…強く…
「……ちょっと、くるしぃ……」
「…もう少し頑張ってくれ」
「……がんばる〜……」
俺はしばらくそのまま、この小さな勇者を抱きしめていた。

296小さな勇者と、堕ちた騎士:2007/04/27(金) 16:00:48 ID:aar7Y8oo

「まったく…ボクすごく恥ずかしかったんだからねっ!!」
「…すまん」
あれからヒナタはご立腹だった。
こればっかりは全面的に俺が悪いので、謝るしかない。
正直、自分でも恥ずかしいマネをしたと、後から羞恥心が湧いてきて困っている。
「本当に反省してる?」
「あぁ、反省している」
「二度としない?」
「二度としない」
「そんな力いっぱい断言するほど、ボクには女の魅力がないかぁーーーっ!!!」
「一体どう答えろというんだーーーっ!!?」
「嫌がるボクをあれほど熱く抱擁したのに、いらなくなったらポイなの!?サイテーだよっ!!!」
「じゃあ、また抱く」
「抱くなっ!!?このエロ騎士――――っ!!!!?」
本日二度目のボディブロウ(威力1.5倍)が、鳩尾に突き刺さる。
しかもそれでは飽き足らず、うずくまったところで“股間を容赦なく蹴り上げられた”。
―――“股間を容赦なく蹴り上げられた”。
…思わず二度も言ってしまうくらい強烈な一撃だった。
俺は声も無く、地面に崩れ落ちる。
激しく理不尽な仕打ちに、思わず変な趣味に目覚めてしまいそうになった。
「って、“変な趣味”って何だーーーっ!!!?」
「自分のモノローグに突っ込んでも、分からないよっ!?」
その後も俺たちはそんな感じで、バカなやりとりをしながら時間を過ごした。

それは、かつて当然のようにあった日常で―――
それは、今まで失っていたモノで―――
それを取り戻した今、そんな“何でもないこと”が、どうしようもなく幸せで―――
だから俺は―――――


「えと……な、なんで“聖堂”なんかに来たの…?」
「―――“誓い”のために」
「えぇえぇぇぇ!!?いや、ほら!!私たち今日知り合ったばかりだし、もっと相手の―――」
「―――――ヒナタ」
「な…なに?」
俺は何も言わず、彼女の前に片膝をついて屈む。
困惑する彼女に、抜き放った細剣の柄を差し出す。
彼女は俺の意図を察して、剣を受け取る。
なんか赤くなったり、何か言いたげな表情していたが、
結局何も言わずに、俺の肩に剣をあてる。
「えっと…誓いの文句は、私が考えていいのかな?」
「―――主の仰せのままに」
そう…これは騎士の“誓いの儀式”。
騎士とは仕える主に任命されることで、初めて騎士となれるのである。
―――勿論、俺は本当の騎士ではない。
所詮これはゲームで、これは只の“ままごと”だ。
だけど―――この誓いを守ろうという意志だけは、“本物”だ。
ヒナタは誓いの言葉を紡ぐ――――

「…ボクを支えろとも、仲間を守れとも言わない。
常に正義であれとも、絶対に裏切るなとも言わない…。
―――キミが誓うのは“ひとつ”だけ…」
「…はい」


「―――汝、“己の願い”を叶えることを誓えるか」


…あぁ、やっぱり…
コイツなら俺の誓いたいことを、必ず言ってくれると思っていた。
なぜなら…この小さな勇者様は、俺と同じ理想を抱く“同士”なのだから―――

≪みんなが幸せでいられる…そんな“やさしい場所”をつくるんだ≫
≪ずっと、みんなと笑っていたかった―――ただ“それだけ”で良かったんだ…≫

誓いの文句を唱え終わると、ヒナタは剣を、俺の肩から離し、
今度はその鋭い刀身を、俺に差し向ける。
―――俺は、そっと剣に“口づけ”をした。


…誓いが成立する。
ここに―――小さな勇者様の“騎士”が誕生した。

297小さな勇者と、堕ちた騎士:2007/04/27(金) 16:02:14 ID:aar7Y8oo

■エピローグ

【数ヵ月後――――】

黒衣をまとった、黒髪のエミル族の騎士が、
気持ちよさそうに陽だまりで寝そべっている。
その…あどけない少年のような寝顔。
大人びた青年だと思っていたけど、彼の寝顔は意外と幼い…。

―――ここはファーイースト街道。
海岸沿いに広い平原が広がっており、小川も流れている長閑なフィールド。
その小川のほとりで、“私の騎士”は気持ち良さそうに昼寝をしていた。

「まったく、こんなとこで寝落ちて…アクティブmobに襲われても知らないんだからね」
私はため息をつくと、彼の隣に腰を下ろす。
それにしても、何て無防備な姿だろう。
これがあの“黒の騎士”だとは、とても思えない。

彼の顔にかかっている黒髪をどけてやる。
…こうして見ると彼は、本当に少女のような顔立ちだ。
今までまじまじと見る機会が無かったので、思わず彼の寝顔に見入ってしまう。
「なんか…意外とカワイイかも…」
次第に、私の胸の中に、なんとも形容しがたい感情が、湧きあがってくる。
「……本当に…襲われても文句は言えないんだから……」
私はもっとよく見ようと、彼に覆い被さるように身を乗り出す。
「だいたい主を守るのが騎士の仕事でしょうに、
ボクのこと放って、昼寝しているのが悪いんだからね」
少しずつ彼の顔が近づいてくる。
「だからこれは、その…ご主人様からの悪い騎士への“おしおき”なんだ…」
やわらかそうな彼の唇…。
きめの細かい肌…。
整った眉…。
長いまつげ…。
そして―――“眼帯”と対になる、彼の“黒い瞳”……――――って、あれ???
“瞳”が見えるってことは、彼は眼を開けていて…
眼を開けているということは、つまり――――
「起きてたのーーーーっ!!!?」
「たった今、起きたとこだ」
「いや!!あの…ぼ、ボクは!!…その…き、ききキスしようとしていた訳じゃなくて――――」
「では何をしようとしていたんだ?」
「えーと、えーと……」
私は必至に考えた。考えた末に―――
「……ず、頭突き?」
「―――それはマジで、事前に目が覚めて良かった」
私の幼稚な“いいわけ”に、彼は呆れたように半眼で応じる。

「……ところでヒナタ、あっちに一本だけ、
一年中咲いている“桜の木”があるのを知っているか?」

そう言って彼が指差す方向を向くと―――

チュ♪

―――頬にやわらかい感触を感じた。
…次第に何が起きたのか、頭で理解してくる。
要するに、私は“まんまと騙された”のだ。
指差した方向に首を回した途端、
このエロ騎士は、私の無防備になった頬に口付けをした…と。
うんうん、なるほど。よーく分かった。
なんかやたら顔が熱いが、それは怒りで頭に血が昇っているからだろう。
というわけで――――
「ははは、ひっかかったなヒナタ♪
これが“小学生”と“大人”の違いってヤツだ。
―――って、あれ?なんで“黒狼”なんて構えてるの…?」

【“黒狼”固有スキル:紫電一閃】

298小さな勇者と、堕ちた騎士:2007/04/27(金) 16:13:06 ID:aar7Y8oo

――――思うに。
私たちは悪いことばかりを意識し過ぎてしまうのだ。
だから、当たり前のようにある幸せを意識できず、
失ってから初めて、その幸せを追い求めるのだ。

だから私たちは、みんなが笑い合えるやさしい場所を求めた。
…だが、理想を追い求める過程で、何か一つでも大きな失敗をしてしまうと、
そればっかり意識してしまって、
その追い求めた過程に、たくさんあったはずの幸せを忘れてこう言うのだ。
「あぁ、やっぱり理想は叶わなかった」…と。
「絆なんて嘘だ。人は汚い生き物だ」…と。
「どうせ傷つくだけなら、孤独のほうがいい」…と。

それはある一面において真実だし、
嫌なこと、悪いことを軽視しろというわけではなくて―――

ただ私たちは、不幸と同じくらいに、
この当たり前のようにある幸せと、
今は失ってしまった過去の幸せを、
しっかりと受け止めないといけないんだ―――。


「―――ところで、ヒナタよ」
「何かな?エロ騎士くん」
「人を足蹴にしながら、その幸せな持論を語るのは如何なものかと…」
「………」
「………」
「あぁん♪大好きな人を虐げるのって、し・あ・わ・せ♪」
「なーーーーっ!!!?」


<END2:ハッピーエンド☆>

299小さな勇者と、堕ちた騎士:2007/04/27(金) 16:31:53 ID:aar7Y8oo
■あとがき

【へんじがない ただのしかばねのようだ】

300コーヒープリン:2007/04/28(土) 08:52:04 ID:S7dONHQU
ヤマチさん生きてたーーーー!!!!!

301コーヒープリン:2007/04/28(土) 13:10:15 ID:S7dONHQU
ヤマチさん乙です〜!
しばらくいなかったから、ECO卒業したのかと思ってた。
…SS出来なくても、連絡ぐらい欲しかったよ〜。
読ませてもらって感想は〜感想は…え〜と……
ヤマチさんが苦労しているのがマジマジと伝わってくる作品でした〜(笑)
(もはやSSの感想ではないな^^;)
>>281-285の話がメインの話だと思うが、ソコに至る過程と結果がよく分からん。
(いや、言いたい事はなんとなく分かるのだが…つながりが…ねぇ)
逆に>>286-298だけでストーリーが完結している様に見えた。
>>298ラストの夫婦ケンカが>>281に繋がるというならそれはそれでアリかも?
…と思ってみたりも…無理か?
うわっ、俺なんか偉そうに批判してるっ!
だったら自分でSS書けとか言われるとマズイから話題逸らさないと!

………。(考え中)
で、>>274の続きはどうなったの?まさか、逃げるつもりでは?
ヤマチさんがそんないい加減な人間である訳がないし、続きを楽しみに待ってますよ〜^^
それにあとがきも書いてないぞ〜!
>>299で「しかばね」になって逃げようとしても、
俺が責任を持ってニフラムで光の彼方へ…じゃなかった、
ザオリクで生き返らせてあげるから安心してあとがき書いてね〜!

(オマケ)
俺の考える勇者様の外見イメージは、シャナ確定
(うるさい!!うるさい!!!うるさいッ!!!!→>>285の10行目くらい)
性格的にはアルル・ナジャ(ぷよぷよ・魔導物語)かな?

302ヤマチ:2007/04/29(日) 13:40:34 ID:aar7Y8oo
スレ汚し失礼しました。
実は失敗作なんだけど、改修する気力も無かったので、
こっそりココに投稿したんだ。
捨てるには勿体無い量だったからね;
どうせ誰も見ていないと思っていたので、ちょっと驚いたw

【オマケ】http://pc.gban.jp/?p=8874.jpg

303コーヒープリン:2007/05/01(火) 16:03:00 ID:0r18xkAs
スレ汚しなんてとんでもない!それなりに面白かったよ。
(エロくなかったけど…エロ読みたかったけど…エロ(以下略)…)
そういえばECOSSに掲示板出来たのは知ってる?
あそこにココのSSを無断転載してもらうよう頼んでみよっか??
ヤマチさんの赤面する顔を考えると…面白そうだな〜^^;

304ヤマチ:2007/05/02(水) 11:16:52 ID:aar7Y8oo
やめぃ;
今、SSスレ用の作品書いてるから、少し待て;

それにしても、せっかくSSの掲示板できたのに、
あんまり人利用してないんだよね…。(←毎日チェックしてる)

305コーヒープリン:2007/05/02(水) 12:23:29 ID:MarjZRUM
SSスレ用という事は…
   ↓
全然エロくない
   ↓
そんなものは『却下』します!!

306ヤマチ:2007/05/02(水) 14:05:50 ID:aar7Y8oo
≪登場人物紹介≫
サヤ…エミル♀のソードマン。名前は『鞘』に由来。クールでカッコいい女性…の筈だったんだ;
ユミ…エミル♀のアーチャー。名前は『弓』に由来。おっぱいは人類の宝です(`・ω・´)b
カイ…タイタニア♂のタタラベ。クールで爽やか…そしてエロい。名前は適当w

ユミ「―――人生って何が起こるかわからないよねぇ」
サヤ「どうした唐突に。……私は願わくば平穏な人生を歩みたいのだが」
ユミ「うん、それはボクも。―――でもね、本当に何の事件もない人生だったら、きっと飽きてしまうと思うんだ。」
サヤ「それもそうだな。」
ユミ「だから人生には、時にアクシデントも必要だと思わない?」
サヤ「―――言いたいことは分からなくもない」
ユミ「そっか。分かってくれてボクは嬉しいよ」
サヤ「……ユミ。」
ユミ「ん、なに?」

サヤ「それは現状に対する言い訳の『前振り』だろうか」

ユミ「あはは、なんのことか分からないなぁ」
サヤ「この状況でとぼけるつもりか―――いいだろう。では現状確認からいこう。…私たちは現在どこにいる」
ユミ「うん。ボク達は今、アクロポリスシティから南西のところにある果物の森にいるよ。
    果樹がいっぱいあって、狩りの合間なんかに食べられるから嬉しいね」
サヤ「その通りだ。だが果物の森には危険もある。…それが何か答えてみろ」
ユミ「え〜と、『クイーンビー』っていう強いモンスターがいることかな?」
サヤ「―――正解だ。だがクイーンビーは温厚なモンスターで、自分から襲ってくることは決してない」
ユミ「うん……そうだね」
サヤ「さて、では次の質問だ。私たちは先程から全力で走っているわけだが―――それは何故だ」
ユミ「え…えと、果物食べ過ぎたから、ダイエットとか?」
サヤ「―――違う。いや、確かにキミはダイエットが必要なくらい食べていたかもしれないが……」
ユミ「ひどっ!?ボクよりサヤちゃんの方が、絶対いっぱい食べてたよ!!」
サヤ「私は太らないタイプだからいいんだ。それより何なのだ、キミの胸は。
    さっきから視界の端でユッサユッサと目障りなのだが…。
    だいたい、アーチャーとしてとしてその胸囲はいかがなものだろうか」
ユミ「む、胸は関係ないだろう!?」
サヤ「―――ユミ。胸を押さえながら走っていると、速度が落ちるぞ」
ユミ「サヤちゃんが変なこと言うせいだよ!?」
サヤ「…では、話を元に戻そう。現在、私達が走り続けているのは『あるもの』から逃げているためだ。
    ユミ、それが何か答えてみろ。」
ユミ「………クイーンビー」
サヤ「その通りだ。だがクイーンビーは自分から襲ってこない筈だ。では、私達はなぜ追いかけられているのだろうな?」
ユミ「……う」
サヤ「う?」
ユミ「……うわあああんっ!!?ごめんなさあああいっ!!!ボクが誤射しましたあああっ!!!」
サヤ「―――泣くな。それより足を動かせ。さもなくば追いつかれるぞ」
ユミ「サヤちゃん、置いてかないでええぇ〜!?」
サヤ「それに、後ろをよく見ろ。」
ユミ「うわっ、キラービーがたくさん!?」
サヤ「クイーンビーが呼び集めたのだろうな。さすがは女王蜂といったところか」
ユミ「冷静に分析している場合じゃないよ!!」
サヤ「あれに追いつかれたら、まさに『蜂の巣』にされるな。ハッハッハッ」
ユミ「そんなシャレにならない冗談はやめてーーー!?」

307ヤマチ:2007/05/02(水) 14:06:53 ID:aar7Y8oo
サヤ「む、前方に人影があるぞ。このままだと巻き込んでしまう。ユミ、進路を変え……」
ユミ「―――よし!!あの人を囮にして、ボク達は逃げよう!!」
サヤ「……ユミ。私は時々、キミが恐ろしく感じる」
ユミ「あはは冗談だよ。でもあの人、これだけ大量のビーに追われているのに、一向に逃げる気配が無いでしょ?」
サヤ「そうだな。この距離で気づいていないということも無いはずだ」
ユミ「それにあの人、タイタニア族の男性だね」
サヤ「フム……スペルユーザーの可能性が高いということか」
ユミ「うん。もしそうなら範囲魔法でビーの群れを一掃できるし…
    そうでなくとも、わざわざ待ち構えてるのだから、倒しきるだけの実力があるのは確かだよ」
サヤ「なるほど。では心苦しいが、彼に助けてもらうことにしよう」
ユミ「あ、よく見るとあの人カッコいいかも。なんかシチュエーション的に白馬の王子様みたいでドキドキしちゃうね」
サヤ「キミの乙女チックな趣味は置いといて。……彼はスペルユーザーにしては体格が良過ぎないか?」
ユミ「じゃあ、ファイター系かな。うんうん、騎士様や剣士様も憧れるよね。
    うわ〜、金髪サラサラだし、目もキリッとしててカッコいい〜。
    ……ボク、本当に恋しちゃうかも……」
サヤ「ユミ、心なしか走る速度が上がっているぞ」
ユミ「サヤちゃん、あの逞しい胸板に受けてもらうのはボクだからね!こればっかりは譲れないよ!!」
サヤ「全力で譲ってやるから安心しろ。―――というか、なんで彼は上半身ハダカなのだろうな?」
ユミ「………」
サヤ「………」

男性「諸君!!ナゲットは如何かねっ!!」
ユミ「って、タタラベかーーーー!!!?」
サヤ「うむ……タタラベだな」

308ヤマチ:2007/05/02(水) 14:07:56 ID:aar7Y8oo
サヤ「危ないところを助けていただき感謝する。えーと、キミの名前は…」
カイ「私の名前は『カイ』だ。気安く『カイ様』と呼んでもらって構わんよ」
サヤ「フフフ、キミは面白いな。ともあれ有難う。私の名前は『サヤ』だ。ソードマンをやっている。
    大した額ではないが、これは礼だ。受け取ってくれ。」
カイ「さりげなくスルーしたな。見事だと言っておこう。―――ともあれ当然のことをしたまでだ。礼には及ばない」
サヤ「だが、それでは……」
カイ「こんなに美しい女性を助けられたのだ。男としてこれほど名誉なことはあるまい」
サヤ「フフ、お世辞でも嬉しいよ」
カイ「お世辞のつもりはないのだが―――おっと、それより怪我はなかったかね」
サヤ「あぁ、キミがストーンウォールでビーの群れを遮ってくれたおかげだ。
    タタラベにこんなスキルがあるとは知らなかった。今後は認識を改めることにするよ」
カイ「それは光栄だな。ところで、キミの連れの方は大丈夫だろうか…?」

ユミ「……うぅ……タタラベは……タタラベだけは、王子様じゃないんだぁ………」

カイ「何か酷く病んでいるようだが―――精神を」
サヤ「あぁ、別に気にしないでくれ―――あれが通常だ」
ユミ「なんかダブルで失礼なこと言われたーーー!!!」
サヤ「(現実に)おかえり、ユミ」
カイ「ふむ、なにやら魘されていたようだが、大丈夫かね」
ユミ「―――あぅ!」
カイ「む、どうした?顔が赤いぞ。熱でもあるのではないか…?」
ユミ「うわあ!?だだ大丈夫だから、おでこくっつけて熱確認しようとしなくていいって!!」
カイ「おっと、これはレディ対して失礼だったな。すまなかった」
ユミ「い、いえ…。(うあ〜顔も中身もバッチリなのに、なんでよりによって『タタラベ』なんだよぉ!?)」

サヤ「……それにしても、タイタニア族のタタラベというのは初めて見たな。」
ユミ「そうだね。エミル族以外のバックパッカーも珍しいけど、タタラベのタイタニアは極め付けかも」
カイ「確かに私も、同郷の者でタタラベを志す者はあったことがない―――信じ難いことにね」
サヤ「いや、普通かと」
ユミ「でも、羽があるから大型のバックパックも装備できないし、けっこう苦労も多いんじゃないかなぁ?」
カイ「フッ……関係ないな。私は岩を叩く―――それは、そこに我が『使命』を感じたからだ。
    ならば!たとえ他種族と比べて向いていようが、向いてなかろうが、私が岩叩くことに変わりはないっ!!
    ―――そして、それはキミとて同じではないのかね!!巨乳のアーチャーよっ!!!」
ユミ「また胸のこと言われたぁ!!?」
カイ「苦労というのならば、キミも大変だっただろう。何しろ弓を引くたびに、その大きすぎる胸が邪魔をする。
    時には誤まって、弦で乳房を弾いてしまった事もあるのではないかね?
    もちろん何かしらの備えはしてあるだろうが、その衝撃は完全に殺しきれるものではない。
    その敏感な乳房には強すぎる衝撃に、身悶えた経験があるのではないかね。
    だが、次第にそれの痛みに快楽を見出し、キミは夜な夜な――――」
ユミ「って、なに勝手にボクで妄想してるんだよ!!?」
カイ「ぐはっ!!」
ユミ「―――この通り、ボクはボウガンを愛用してるから、胸とかは関係ないんだよ」
サヤ「って、ホントに撃ったのか!!?」
カイ「フフフ……これは失礼した。岩の話となると、つい我を忘れて熱く語ってしまったよ」
ユミ「うわ、額に矢が刺さってるのに爽やかな笑顔!?……というか、岩の話じゃなかったしっ!!」
サヤ「むぅ…。カイ、キミは巨乳の女性が好みなのだろうか?」
ユミ「って、サヤちゃん!?なにイキナリ突拍子なこと聞いてるんだよっ!?」
カイ「――無論だ。」
ユミ「って、こっちも即答したっ!!?」
カイ「巨乳はいい。世界の宝と称しても差し支えあるまい」
ユミ「差し支えありまくるよっ!!」
カイ「もちろん巨乳とは、胸囲があればいいという問題ではない。
    その人の身長とウェストの相対的なバランスによって、はじめて『巨乳』という至宝は確立される。
    その点……ユミ。キミの胸は素晴らしい。この私が保証しよう。
    ―――ビーの群れに追われているときのキミの胸の揺れ具合は、そう……非常にダイナミックだった。
    さすがの私も、思わずキミの暴れる胸に、視線が釘付けになってしまったよ」
ユミ「あの時の、自信に満ちた余裕の表情は、ニヤけてただけかーーーっ!!?」
カイ「ところでナゲットは如何かね」
ユミ「うるさい氏ね」

309ヤマチ:2007/05/02(水) 14:09:01 ID:aar7Y8oo
ユミ「うー、今日は変な人に会っちゃったよぉ。というか、いつの間にかフレンド登録しちゃってるし…。
    あの人、じぃーって胸見つめてくるんだよ?あれはもうセクハラだよぉ」
サヤ「…その割には随分と喜んでいたじゃないか。いや、悦んでいた…の方が適切だろうか。
    男に胸を視姦されて悦んでいるなんて……とんだ淫乱女だな、キミは」
ユミ「なんでだよ!?というか、そのドス黒いオーラは何っ!!?」
サヤ「…キミは良い友人だったがね――――キミの『乳君』がいけないのだよ!!」
ユミ「そこは『父君』だろ!?…というか、また胸かっ!!!」
サヤ「フン……その人類反則のデカ乳でまた一人、男を誑かしてご満足かね―――このエロ巨乳」
ユミ「ひどっ!?なんで今日はそんなに噛み付いてくるんだよ!!
    ボクが…その…む、胸のことで男の人の関心を集めちゃうのだって、いつものことだろ!?」
サヤ「フッ……今度は胸自慢か。あぁ、どうせ私は貧乳だとも。女性の魅力なんて欠片もないガサツな女だ…」

ユミ「もしかしてサヤちゃん。――――妬いてるの?」

サヤ「………………」
ユミ「え?……えぇ!?―――そうなの?サヤちゃん、本当にあのタタラベさんに惚れちゃったの?」
サヤ「…………うるさい」
ユミ「きゃー、顔赤くしちゃって可愛い〜!!へぇ〜、ホントに惚れちゃったんだぁ。あのサヤちゃんがねぇ〜…ウフフフ」
サヤ「……なんでそんな嬉しそうなんだ……」
ユミ「だって、サヤちゃんって全く男の人とか興味無さそうだったし、
    実はボクのこと、狙ってるんじゃないだろうかって心配するくらいだったんだもん」
サヤ「……さりげに失礼な。今までは、私の眼鏡にかなう男がいなかっただけだ」
ユミ「う〜ん、でもさぁ…あのタタラベさんのどこか良かったの?その辺に惚れちゃったわけ?」
サヤ「自分の信念のままに突き進む、あの生き様に……」
ユミ「あはは。なるほど、サヤちゃんらしいや。―――うん、そういうことならボクも応援するよ!」
サヤ「―――だが、私は彼の好みではないようだ……彼は巨乳が好きだというのに、私の胸は起伏に乏しい形状をしている……」
ユミ「そんなの気にしなくても大丈夫だよ。胸が無くても誤魔化す方法はあるし、
    サヤちゃんは素で充分クオリティ高いし、あとはちょっと可愛くオシャレしたら、男なんてイチコロだよ!!」
サヤ「……そうだろうか……」
ユミ「大丈夫!サヤちゃんは充分魅力的な女の子だよ―――ボクが保証するよ」
サヤ「……ありがとう、ユミ」
ユミ「親友として当然だよ。よーし早速、サヤちゃんを可愛い乙女に改造しちゃうぞ!!」
サヤ「え……いや、もう遅いし、明日からでも……」
ユミ「何言ってるの!明日はカイさんとデートするんだから、今晩から準備しないと!!」
サヤ「で、ででで……でーとぉ!?明日っ!!?」
ユミ「そうだよ〜、善は急げ!恋は先手必勝!!―――あ、サヤちゃん。これ着てみて〜」
サヤ「うわっ、既にタンスから色々と服が!?というか、少し落ちつけ!!」
ユミ「えぇい、めんどくさいっ!ボクが直接着せてやる!!」
サヤ「わっ!?こら!!勝手にボタンを外すな!?―――ひゃあ!!?へ、へへ変なところを触るなっ!!!」
ユミ「サヤちゃんが暴れるからだよ〜」
サヤ「嘘だっ!?今、絶対にわざと―――んぁあっ!!?」
ユミ「ウフフ……サヤちゃん可愛いぃ〜」
サヤ「ーーーーーーっっっ!!!?」

310ヤマチ:2007/05/02(水) 14:10:20 ID:aar7Y8oo

サヤ「や…やぁ。こんにちわ、カイ。こんなところで会うなんて奇遇だな」
カイ「うむ。こんにちわだ、サヤ君。
    しかし我々はここ、アップタウンの聖堂前の噴水広場で待ち合わせしていたのだから、奇遇でもなんでもないだろう」
サヤ「む…言われてみれば、その通りだ。―――いや、すまない。今日の私は少し変だ」
カイ「私は普段のキミを知らないので、なんとも言えないが……たしかに今日のキミは昨日と印象が違うな」
サヤ「え……や、やはり変だろうか!?一応、友人のアドバイスのもとでオシャレしてみたのだが、
    やはり私にはこのようなフリルのついた服は似合わないだろうかっ!?」
カイ「いや、問題はフリルではない。むしろキミのような清楚な女性にこそ、そのゴシックワンピースはよく似合うと思う。」
サヤ「う……キミにそう言われると、なんだか嬉しいな」
カイ「だが…」
サヤ「だが?」

カイ「――――だがっ!!その違和感たっぷりの胸は一体なんだっ!!!」

サヤ「なっ!?な、なななんで分かった!!?」
カイ「貧乳だった子が、一晩で巨乳に変わっていれば誰でも気づく。
    …だがそれ以上に、キミにその豊満な胸はひどく不自然だっ!!!」
サヤ「そ、そこまで言うかあっ!!?」
カイ「―――言う!!胸パッドなど、乳に対する冒涜であると知れっ!!!」
サヤ「……わ、私はただ…キミが胸は大きい方が好きなのだろうと思って……君の好みに合わせようと……」
カイ「問答無用!!そのような偽りの胸など、この世に在ってはならない『悪』だっ!!
サヤ「悪とまでっ!!?」
カイ「悪は滅せねばならない―――――よって、その胸パットを破壊する」
サヤ「……え?今なんて……いやっ、待て!?その手は一体なんだっ!!?」
カイ「質問の答えは至ってシンプルだ。――――私はこの手で、君の胸に巣食う『悪』を抉り出すっ!!!」
サヤ「待て!?とにかく待てっ!!こ、こんな人目のある場所で、キミはなんて破廉恥な事をしようとしているんだっ!?」
カイ「破廉恥?フッ、何を莫迦な………これは正義だっ!!!」
サヤ「馬鹿はキミだーーーっ!!!?」
カイ「やれやれ、正常な判断力さえ失ったか。だが、今から私が直々にその悪しき存在から解放してやるので安心したまえ」
サヤ「なっ!?手を蠢かせながらこっち来るな!!え、あ……ちょっ……お願いだから、やめ――――


ぁー


カイ「――――悪は必ず滅ぶ。それがこの世の理なれば……」
サヤ「うぅ……もうお嫁にいけない……」

311ヤマチ:2007/05/02(水) 14:22:28 ID:aar7Y8oo
■あとがき

エロをご所望とのことで、昔の作品をもってきた。
会話文オンリーで、読みやすいエロをモットーに書いてみた作品。
そして試作段階のまま放置プレイ^^;

“リザポ口移し”とかネタはあるんだけど…
問題はブレマスがいないので、このスレには不適切だし、
現段階でも微エロなのでSSスレにも出せなかったりするorz

312コーヒープリン:2007/05/02(水) 15:46:51 ID:MarjZRUM
…エロくない…エロくないぞーーー!!!!!(魂の叫び?)
ヤマチさんの作品は肝心な部分は、なぜスルーされるんだ〜!(バカ全開中)
大体、あの部分は○○が△△△して××する様に…クドクド…(熱暴走中→色んな意味で危険レベル!)

…プチッ。
ガスッ!ドカッ!!ズガガガガッ!!!…ザシュッ!(?)
(しばらくお待ち下さい)

しかしヤマチさんは、結構隠しネタ持ってるね。(正気に戻った)
まだ隠してるのなら、正直にココに投下しなさい。
どうせ俺以外見てないんだから…多分。

追伸、このスレはすでにぶれますスレではないよね…!?

313芽依:2007/05/03(木) 13:24:15 ID:dbFcZ5ms
きっとヤマチさん専用スレだよ。うん。

実は私も見てますw
でもネカフェからじゃないと投稿できないんだ。
隠しネタとやら、私も見てみたいですw

あ、それと…、私との会話でエロネタがはさめるって、
どういうことですか!w
気になって夜も眠れないんですが!!w
早いところ教えてくださいww

314ヤマチ:2007/05/05(土) 02:19:27 ID:aar7Y8oo
>気になって夜も眠れない
なに?俺のことを考えて夜も眠れない?
フッ…俺ってば罪な男だぜ(キラーン)
どうしても身体が火照って、眠れない夜は相手をしてあげよう。
遠慮はいらないよ。さぁおいで。さぁ…さぁ!!SAAAA!!!

…と、まぁこんな感じで、
芽衣さんの言葉のあげ足を取るように、エロネタに引きずり込むわけだw
あぁ、心配しなくていい。
本当にそんなことしたら、芽衣さんに
チェインソードで解体されるのは目に見えているから(苦笑

しかし二人とも…これは隠しネタというか、没ネタでな。
後から使いたくなったり、新しいネタと組み合わせたりすることもあるから、
迂闊に公開すると、もう使えないから、後で困るんだよ(^^;

ネタだけは色々あるんだけどねぇ…
メイオウ(擬人化)VSネノオウ書きたいなぁ(ぼそっ



追伸、コーヒープリン様へ。

貴様っ!!俺に18禁小説書かせる気かっ!!!?
しかもECOはファンタジーだぞ!?
ファンタジーでエロといったら、触手とか触手とか触手とかあああっ!!!!
あぁもうっ!!書いていいですかコンチクショーっ!!?(マテ;

315コーヒープリン:2007/05/05(土) 09:46:22 ID:Yqn6Q.6k
>>ファンタジーでエロといったら、触手とか触手とか触手とかあああっ!!!!
あぁもうっ!!書いていいですかコンチクショーっ!!?(マテ;

→許可する。

316コーヒープリン:2007/05/08(火) 12:49:15 ID:J.ODmpMw
ヤマチさんがSS投稿スレに浮気した…OTL
っつ〜か、ココの流れそのままなのがワロタ^^;

317名無しさん:2007/05/08(火) 17:59:53 ID:iwrK.2PI
>>ヤマチさん

おかえり〜!

318エビマヨ先生:2007/05/08(火) 18:19:36 ID:nFrd9RO6
・・・・。

319ヤマチ:2007/05/08(火) 23:47:03 ID:aar7Y8oo
>>コーヒープリンさん
浮気って・・・;;;
あの内容はなるべく多くの人に投げかけたかったから、SSスレのほうに投稿したんだよ。
しかし、あまりに暗い話だから『あとがき』にまとめとギャグを盛り込んだら、
化学反応起こして、あんな作品になった(滝汗
ちょっと際どいとは思ったんだけど悩んだ末、投稿^^;
ブレかSSかは分からないけど、次は口直しにライトな話を書くつもり。
>>317
ただいま。
飽きっぽいし、ろくな文章書けないヘタレだけど、これからも宜しく。
頑張ってエロ書くからっ!!!(マテ
>>エビマヨ先生
・・・・。

320蒸しちゃわん:2007/05/11(金) 23:09:42 ID:nNvew3mQ
ドバッと新作ktkr
ぁー別所の絵板ではどうもですー。まさかあんな場所に出没するとわ

321コーヒープリン:2007/05/12(土) 07:45:31 ID:uyI1lrWk
>>319
頑張ってエロ書くからっ!!!
頑張ってエロ書くからっ!!!
頑張ってエロ書くからっ!!!

…『記憶を完了しました』

それはさておき…
そういえば今まで何してたの?
数ヶ月間連絡なかったけど…?
…受験か?転勤か??

322ヤマチ:2007/05/13(日) 14:35:29 ID:aar7Y8oo
リアルもだけど、ECOの方も忙しかったんだ。
小説書く暇なんて勿体無いくらいに、毎日が楽しく・・・そして苦しかった。
笑って、泣いて、悩んで、後悔して・・・それでも頑張ろうって思えたリングがあった。
だけど・・・もう無い。
俺が・・・壊したんだ。

誰も欠けることなく、みんなにとって幸せな場所を目指した。
だけど、自分の力では、何も変えられないと思い知らされて・・・
最後の最後に、俺は『リングの害』となる人間を切り捨てた。

それは・・・今まで貫き通してきた、自分の“信念”に対する裏切りで・・・
誰かを切り捨てて解決するくらいなら、今までの努力も意味も無くて・・・
切り捨てた時点で、俺は・・・所詮、それは叶わない夢だったのだと悟った。

何一つ変えることの出来なかった、無力な自分に失望して、
何一つ変わることの無かった“みんな”に・・・絶望した。

・・・こんな筈じゃなかった。
最初は、ただみんなが幸せでいられたらいいと思っただけなんだ。

別に大層なことをしようとしたわけじゃない。
チャットを盛り上げるために、ジョークを言うようになっただけ。
リングに馴染めずにいる人に、手を差し伸べただけ。

でも手が足りなくなったから、俺は他の方法を考えた。
すなわち、自分が話題の中心になればいいと。
みんな巻き込んで、みんなで笑って、みんなが楽しければいい。
・・・そのために、俺は道化を演じた。

仲の悪い人がいた。
リングを抜けるという人がいた。
俺はみんなが好きだから、それが嫌だった。
だから、なんとかしたいと思った。
・・・そう、たったそれだけの単純な理由。

まっすぐ向き合って、腹を割って話せば、分かり合えると思っていた。
自分が仲介すれば、足りない部分は補えると思っていた。
自分なら助けられると思い上がっていた。
・・・だから俺は、ヒーローを演じた。

いつしか俺は『このリングを守ろう』と思うようになった。
同時に、一つの自戒を胸に刻んだ。
・・・これはみんなのためではなく、自分のためだ・・・と。

本気でヒーローを気取るつもりだったつもりはない。
そんな思い上がりは、身を滅ぼすことくらい分かっていた。
これは、あくまで自分のため。
自分が好きでやっている行動なのだと。

・・・でも何で気づかなかったのだろう。
“本物のヒーロー”でなければ、何も救えはしないということに・・・。

たしかに俺は、思い上がりによる自滅は避けられたかもしれない。
だけど、それだけだ。
助けようとして伸ばした手が、逆に相手のことを傷つけた。
誰かに構いすぎて、他の誰かが泣いているのに気づけなかった。

・・・何度も失敗した。
何度も後悔して、何度も挫折して、何度も泣いた。
そのたびに、弱い自分を殺して、強い自分をロールしてきた。

みんなが楽しめるように道化を演じた。
誰かを助けられるようにヒーローを演じた。
リングのためなら悪役だって演じた。

だけど・・・上手くいくはずがない。
表面上はみんなのために行動していても、根底にあるのは自分の幸せ。
そんな汚い感情では、全体の幸せなんて望めない。

323ヤマチ:2007/05/13(日) 14:37:15 ID:aar7Y8oo

気になる女性がいた。その人の悩みを聞いていたのは本当に相手のため?
場を盛りあげるために下ネタを覚えた?嘘つけ・・・本当は自分が一番楽しんでいたくせに。

・・・ようやく俺は気づいた。
いつだって俺の邪魔をしていたのは、自分のエゴだということに。

俺はまた自分を殺した。
今度は、徹底的に殺した。
・・・感情が潰れて、無くなってしまうくらいに。

欲したのは、全てを救い出すための答え。
求めたのは、それを導き出す客観的視野。

代償に差し出したのは、自身の感情。
芽生え始めていた、誰かを特別に思う『好き』という醜い執着心。

・・・あぁ、そんなものはいらない。
俺の願いは只一つ・・・。
誰一人欠けることなく、みんなが幸せでいられる場所の実現。
それこそが俺の求める理想なのだから。

・・・なんて愚か。
全てが終わった後に、自分の軌跡を省みて思う・・・。
おそらく、この瞬間・・・俺は“致命的に”間違えたのだと。

俺は勝手に背負い込んでしまった。
小さな願いの・・・その途方も無い“重さ”も知らずに・・・。
ただ目指すだけで良かったんだ。
それは背負ってはいけなかったんだ・・・。

いつしか『願い』は果たすべき『責務』へと変貌した。
・・・この時から俺は、もう後戻りできなくなってしまっていた。

客観的視野を手に入れた俺は、もう自身の感情によって、道を過つことは無くなった。
自分のエゴをことごとく切り伏せて、正しい判断を貫けるようになった。

みんなの求める“自分”を正しくロールすることが出来たと思う。
ただその結果、ディスプレイの中の『熱い自分』と、それを眺める『冷めた自分』に温度差が生じた。

輝いていた毎日は、色褪せて・・・、
『汚いもの』も沢山見えるようになったけど、リングはとりあえず平穏を取り戻した。
・・・だから、これでいいのだと信じた。

それからリアルの方が忙しさを増してきて、
しばらくしたら、今までのように夜INできなくなることが分かった。

今までのように常にリングの状態や、“問題児たち”の動向を監視できるのも、そう長くは無い。
俺はみんなが心配だった。
だから今のうちに、残っている問題点の見直しや、アフターケアを行っておこうと思った。

『自分が守らないといけない』・・・そんな自負が、俺の判断を誤らせた。
俺は刻々と迫るタイムリミットに“焦り”を感じていた。

・・・そこに至って、俺はようやく知ることになる。
平穏に見えていたのは表面だけで、蓋を開けてみれば酷い惨状だった。

ここで具体的に、誰がどうだったとそれぞれに言及するのは憚られるが、
ただ結論として言えるのは・・・俺は何も救えてなどいなかったし、何も変えられやしなかったということ。

そもそも人間なんて、そうそう変われるものではないのかもしれない。
どんなに話し合い、幾度も言葉を投げかけようとも、
結局口先ばっかりで、少し目を離したら、また元に戻っている・・・。
弱いヤツは弱いままだったし、腐ったヤツは腐ったままだった。

見え透いた彼らのエゴ・・・
いつだって自分を誤魔化して、自身の弱さから逃げ続ける・・・
そんなもの・・・救えるはずが無い。

どんな人とでも、きちんと話し合えば分かり合えるのだと信じていた自分が、
あまりに滑稽で笑ってしまった。

そう・・・きっと何一つ変わっていなかったのは、自分も同じなのだろう。

あぁ・・・殺したい。

324ヤマチ:2007/05/13(日) 14:38:42 ID:aar7Y8oo

俺はリングを抜けることにした。
リアルの都合というのも、あながち嘘ではない。
それに、俺に依存することで弱くなってしまった人がいる。
・・・俺の存在が、リングの分裂を招く恐れがある。

今までの俺なら、それらに対策を考えることもできただろう。
だけど、今の俺にはそんな力は無かったし、リアルの都合で時間も無かった。

何より・・・こんなリング、壊れてしまえばいいと思う自分がいた。

リアルとネットの板挟みで、心に余裕が無くなっていたのかも知れない。
今まで降り積もってきた暗い感情が、堰を切って溢れ出してきた。

どうせ分かり合えないというのなら・・・
どうせ何も変えられないというのならば・・・
邪魔なヤツは切り捨ててしまえばいい。
馴染めないヤツなど見捨ててしまえばいい。
そうして自分にとって理想のリングにしてしまえばいい。
・・・いっそ自分を裏切った全てを壊してしまうのも悪くない。
“どうやったらリングが壊れるか”なんて、誰よりも俺がよく知っているのだから・・・。

あぁ、それでも・・・
「ありがとう」と言ってくれた人がいたんだ。
たった一人だったけど、
簡単なありふれた言葉だけど、
何があったわけでもないのに、わざわざ俺をつかまえて、伝えに来てくれた。

それが本当に嬉しくて・・・
失敗ばかりだったけど・・・、何も変えられなかったかもしれないけれど・・・、
それでも「ありがとう」と言ってくれた人がいたのなら、
今まで俺のやってきたことは無駄じゃなかったんだって信じられた。

だから俺はリングを去った。
決してリングを壊すことなく・・・。恨み言を残すことなく・・・。
それが俺にできる最後の良心からの行動。

去り際は、割と綺麗だったと思う。
でもだからこそ、みんなの引き止める声が痛かった。
本当はもっと汚い理由なのに、俺はヒーロー面して、ここから去ろうというのだ。
否。
去るのではない。
全てを投げ出して、逃げ出したのだ。
だからこそ、みんなの声が・・・痛かった。

すべて忘れたかった・・・。
すべて忘れて欲しかった・・・。

だけど去った後も、俺のことをしつこく追いすがるヤツがいた。
同時に俺自身も、去った後もリングのことが気になっていた。

・・・だから思わず、厳しいことを言ってしまった。
それは、リングのためを思っての言葉だった。
それは、その人のためを思っての言葉だった。
だけど・・・そんな俺の真意とは関係なく、その言葉はまるで『刃』のように鋭くて・・・

後日、その人がECOを辞めることを知った。

・・・こんな筈じゃなかった。
こうならないためにリングを去ったのに・・・

「最後に少しだけ話がしたい」と、その人からメールがあった。

俺はそのメールを無視した。
今更、話すことなんて無い。
合わせる顔なんて無い。
引き止める気なんて無い。

・・・さようならだ、クソ野郎。
出会ったばかりの頃の、泣き虫だけど、ひたむきで、強かった貴女に・・・俺は、憧れていたんだ。


あれからリングは再編成されたらしい。
“あの人”なら、きっと上手くみんなを纏めてくれるだろう。
俺なんか及びもつかない人格者で、信頼できる人なのだが、
いつも忙しいと言っていたから、色々押し付けるカタチになってしまったのが心苦しい・・・。

結局抜けたのは3人だったそうだ。
俺が切り捨ててしまったあの人は、今では元気にやっているのだと聞いた。
もう一人は、もともとリング放浪癖のあるヤツで、こうなることは予想していた。
今も彼は自分を誤魔化しながら、多くのものから逃げるようにして生きているのだろう。

・・・まぁ、人のことは言えないか。
俺もこうして、“この場所”に逃げ帰ってきたようなものなのだから・・・。

さぁ、物語を紡ごう。
叶わなかった願いを、物語に託して・・・
今まで見てきた、汚い人間の内側を、鮮明に描こう・・・

その先に・・・幸福な結末を用意して・・・

325ヤマチ:2007/05/13(日) 14:53:12 ID:aar7Y8oo
・・・自分で言うのもなんだが、
綺麗な文章のようで、やっていることは悪魔のようだ;
こういうの偽善者って言うんだろうなぁ(苦笑

それにしても長々と愚痴ってしまって申し訳ない。
次こそはエロ書くので見逃してくれw

>>蒸しちゃわん
まさかあんな場所で、俺を知っている人に出会うとは思わなかったよ^^;
・・・ん?待てよ・・・
あそこにいたということは、キミもロリコンかねッ!!!?www(爆

胸が無いのは『0』ではない。
『無い』という事実がそこに『在る』のだ!!
つるぺた万歳ヽ( ´ー`)ノ

326名無しさん:2007/05/13(日) 23:44:37 ID:nNvew3mQ
>>325
見事に鯖も同じっぽいので、会えたらなーなんちて。

私はツクール作品探してて流れ着いたんですよねー。
ロリコン?まさかそんな……はははh
/(^o^)\

327コーヒープリン:2007/05/14(月) 12:59:01 ID:mqPd6tQg
>>322-325
…どうコメントして良いのやら…
ECOをやっていない俺には返答しようがないです><
まあ…次は何か良い事あるさっ!(超適当〜^^;)

追伸
ECOしてる奴でロリコンでない者がいるのか?…いや、いる筈がない!(反語)

328名無しさん:2007/05/14(月) 13:26:58 ID:iiOSIPbs
以前からここを覗かせていただいていたのですが、ヤマチさんがお元気そうでよかったです。
某所ではほっんとにもう、お世話になったナマモノです。
小説楽しみにしてます。頑張ってエロ書いて下さい…。

ゲーム内にて連絡取る機会がなくなったので、私信書き込み失礼しました。

329ヤマチ:2007/05/15(火) 00:09:08 ID:aar7Y8oo
ようこそ、腐りきった“ナマモノ”さん。
どうやらオマエも、リングを抜けたそうだな。

これで4人目のリング脱退者だ。
ほらな・・・やっぱり何も変わっていなかった。

オマエは何かあったとき、自分がリングを抜けることでしか対処できない。
・・・オマエの悪い性癖だ。

どうせオマエが、ここを見に来ていることは分かっていたからな。
これを読んだオマエが、リングを抜けようとするであろうことは、容易に想像できた。

あぁ・・・オマエのことはよく分かっている。
だがオマエは、俺のことは理解し切れなかったみたいだな。
それも当然か・・・。
オマエは出会った頃から何も変わらないのに対して、俺は随分と変わってしまった。
盲目的に人を信じ、全てを救おうとしていた『かつての俺』はもういない。

・・・俺は自分がリングを壊さないために、あの場所から去ったんだ。
それを何も分からずに、俺の影を追おうとするから、こういう事になるんだ莫迦め。

あぁ本当にくだらない・・・。
やっぱり俺は、何も変えられなかった。
何も救えなかった。

『しばらくリングを抜けます』だって?
・・・あの時と、全く同じじゃないか。

俺のしてきたことは・・・いったい何だったんだよ・・・。

この数ヶ月、オマエとは本当に色んなことがあった。
みんなを巻き込むほどの大騒動から、
マナー一つで、本気で口喧嘩した些細なことまで。
気づいたら朝まで話し込んでいた日もあった。
ある意味で、オマエほど本気でぶつかり合った相手はいなかった。
何度もすれ違って、いがみ合って、仲直りして・・・
その度に、悩んで、苦しんで、泣いて・・・強くなった。
数え切れないほどの言葉を交わして、たくさんの思い出を築いて・・・
お互いにより良い方へと、変わっていけるのだと・・・信じてた。

だけど・・・
それは俺だけが感じていた錯覚で・・・

何も変えられなかった。
何も分かり合えてなどいなかった。
何もかも無駄だった。
何もかも無意味だった。
こんな事なら・・・初めから、何もしなければ良かった・・・。

だから、やり直そう。
あの日・・・リングを抜けるというオマエを、俺は止めるべきではなかった。

もうオマエを引き止めた『ヤマチ』という少年はいない。

勝手にするがいい。
俺はもう止めはしない。
いつか戻って来いとも言わない。
何もかも同じこの状況で、俺はただ『何もしない』という選択を選ぶ。

唯一、あの日と違うことがあるとすれば・・・それは年月の経過だろうか。
今やオマエの存在はリングの中で、決して小さいものではなくなっている。
そのオマエがリングを抜けたら、リングはどうなってしまうだろうな?

・・・別に俺は構わんよ。
俺はいっそリングなんて壊れてしまえばいいと思っているし、
その程度でどうにかなるようでは、どのみち救いようなんて無かったってことだ。
むしろどこまで壊れるか興味すら覚える。

これによって抜けるべき人は抜け、残るべき人は残るというのなら万々歳だろ。
だが・・・『彼女』はいなくなるべきではなかった。

俺やオマエがいなければ、彼女がいなくなることも無かっただろうにな・・・。
今も、みんなと一緒に笑い合えただろうにな・・・。

俺もオマエも・・・あそこにいるべきではなかったんだ・・・。

330ヤマチ:2007/05/15(火) 00:27:58 ID:aar7Y8oo
私信失礼したね。
だが、これが“現実の物語”だ。

人は変わらない。
人は救えない。
人は理解し合えない。

俺たちに出来ることは、お互いに傷つけ合わない距離を見極めて、上手く付き合っていくことくらいだ。

あぁ・・・くだらない


ところで俺はつるぺたも好きだが、巨乳も好きだ。・・・中くらいも捨てがたい。
ちなみにストライクゾーンは5歳〜45歳まで。
フハハハ!!世界は萌えで満ちているぞおおおッ!!!
全新!系裂!天破!侠乱!見よ、東方は!!赤く“萌え”ているッ!!!!
(↑魂の叫び)

331コーヒープリン:2007/05/15(火) 10:05:04 ID:RPV82sJU
(チョイマジ話)
ヤマチさんが壊れていく…というか大人への一歩だな。
まあ確かにこれが現実だろうな。
まだネットで経験できただけでもマシかも?
関係を絶とうと思えば、データ削除で全てが終わる訳だし…。
もしリアルだと暴行事件です!親戚だと殺傷沙汰にすらなります!!(オイッ!)
深く考えるとドツボにはまるので、(多分)年上の俺からプチアドバイス。

人の為と思ってやっても、相手は気付かないか、気付いても逆に相手の負担になるのがオチ。
所詮ゲームなんだし、自分がやりたい事をやるのが一番!
相手に対して見返りを求めるのは、ただの押し付けに過ぎないって事。
(見返りがないと、ドンドン相手が憎らしくなってくるしね^^;)
自分の行動に対し相手が感謝すれば、その内お返しがくるかも…ぐらいで考えとけ!
(所詮やってる事は自己満足に過ぎないんだから!)
会社も一緒だぞ〜!(笑)
社員が辞めても、幾らでも代わりがいるぐらいしか考えてない。
自分のスキルアップの為の場所として認識し、無理と感じたらさっさと辞めるべし!
(でも最低数年は勤めるくらいの努力はしろよ!)
もし、会社にとって必要なら無理にでも引き止めてくれるぞ!
(俺も以前辞表出した時、それで部署異動したぞ!…見てる人は見てるって事)
簡単に辞めれたら、それは自分の実力不足って事だけ。
競争社会は恐ろしいぞ、マジで!
今の内に耐性付けとけ!

>>ストライクゾーンは5歳〜45歳
…広過ぎだろ!
俺は贅沢言わないからせめて、15〜30歳くらいで、可愛くてor綺麗で、性格良くて、
背が低くて、お金持ちでetc…くらいが良いな^^;

332ヤマチ:2007/05/16(水) 14:17:15 ID:aar7Y8oo
見返りか・・・確かにその通りだ。
俺は自分の行動に対する見返りが得られなくて、子供みたいに暴れているだけだな。
まったく・・・なんて浅ましい行為だ。

でも、だからこそ俺はみんなから距離をとったんだ。
それでも近づいてくるのだから・・・別に好きにしても構わないだろう?(ニヤリ

どの道、決着は必要だったのかもしれない。
俺は自分の分身たるPCを削除できなかったし、
みんなに対しても全てを告げずに、逃げるようにして去った。

やはり最後はきちんと『決別』しないと・・・。


あ、それと恒例のヤツだけど・・・
俺は7歳から〜14歳で、背が低くて、お人形さんみたいに綺麗で、
フリフリの服を着て、「おにーちゃん♪」って甘えてくるカワイイ≪弟≫がいいなぁw

そして兄は、女装癖でブラコンの弟に頭を悩ませつつも、なんだかんだで弟には甘々で、
ぶっきらぼうだけど、面倒見が良くて、料理が得意な、やさしいお兄さんで><b

うはwwwwおkwwww

333名無しさん:2007/05/16(水) 17:12:29 ID:vQo0DC7Q
>>332
その割にはその人に対して今も執着してるような気がするんですけど…。

>どうせオマエが、ここを見に来ていることは分かっていたからな。
>これを読んだオマエが、リングを抜けようとするであろうことは、容易に想像できた。

この辺りのくだりとか。見方を変えれば抜けたリングの相手に嫌がらせするただの陰湿な人間だぞ。
偽善者以前にストーカー…距離を取って「分かっていて」嫌がらせして、それに反発したのをさらに「好きにしていい」とか。

さらに言うなら、人が変わらないのなら君も変われないのではないだろうか。
それとも自分は「特別な人間だから」変われるのかな?

さて…空気読まず否定的な意見すいませんでした><

334ヤマチ:2007/05/17(木) 00:17:05 ID:aar7Y8oo
う〜ん…
このスレ、彼女も見てるから今は全部話せないんだけど、
とりあえず、記念すべき333の方へ返答な^^;

まずは『俺が特別だから変われた』って言っているけど…
>>323の下から二行目。
逆説的に、結局俺だって同じで…何も変われていなかったってことだ。
自分では色々変わったつもりでも、そんなものは主観ゆえの錯覚だ。
ほら、自分の髪型って気になるけど、他人から見ると大差ないっていうのと同じで(苦笑

それと、彼女が俺のことを未だに引き摺っていると知ったのは、つい最近のこと。
俺がリング抜けたのは、もう一ヶ月以上前だけど、
リング抜けた時点で全て分かって行動していたというのなら、確かにストーカー並みの執念だな;

それにしても、次の「反発」っていうのが、よく分からないのだけど…?
反発って…>>328のこと?

俺は、わざわざリング抜けて、やっと落ち着いてきたというのに、
そこにWISなんてしてきて、傷口を抉ってくれるような大バカは、
手荒く追い払ってもいいだろう…という、つもりで言ったんだけど…

うーむ、もともと身内ネタとはいえ、上手く伝わってないなぁ^^;
込み入った文章書くとき、いかに上手く相手に伝えるかって重要だよな。
熟読すれば分かる…ではなく、半分流し読みのようにしていても、
話の要点が伝わる文章というのが、重要。

文字の持つイメージや、カギ括弧などによる強調などで、文章を演出する。
それは文を書くのではなく、むしろ絵を描くのに似ている。
…ただそれで伝えられるのは漠然とした雰囲気や臨場感だけで、
こういった説明の長くなるものは上手く伝えられない…う〜む、今後の課題だな;

あ…それとなメジェ。
このスレで『マジレス』する時は、
最後に“オチ”をつけなくてはならないという『鉄の掟』がうわなにをすrあks@ふじklp

335コーヒープリン:2007/05/17(木) 14:21:39 ID:5.H9Bmqk
そうなのかオチ!
それはしらなかったオチ!!
こんどからそうするオチ!!!

…これはダメですかオチ?

336ヤマチ:2007/05/17(木) 18:10:15 ID:aar7Y8oo
語尾ギャグかよっ!!?
もはや衰退して久しいが、
むしろ懐かしいのでセーフッ!!!www

337328:2007/05/17(木) 20:11:11 ID:iiOSIPbs
WISで声かけただけで傷口抉ったのか…スマソ(´・ω・`)
そっちみたいに酷い言葉は投げかけてないのにこの仕打ちに、
ヤマチクオリティの高さを知りました。

常にヤマチ様の話題がリング内に出てて、いつまでも忘れられなかったさ!
こっちも落ち着いてきたとこにそっちの情報入ったから、
マジでまだいるのかー!?と思ってWISしてしまいましたヨ〜。

あ、ゲームでキャラデリまでしておいたんで、後は任せた(><)b
色々責任ある立場だったけど、そっちの予測どおり?に捨ててきたからー。

きっとこれで色々満足されたと思うので、私めの書き込みは最後です。
まだ満足できないなら、別のことで晴らして下さい〜。
お陰で精神安定剤手放せなくなったぜ!!w

あ、335の書き込みだけど、せめて相手の名前ぐらい伏せるとかしようね、ヤマチさん(オチ)

338ヤマチ:2007/05/18(金) 14:18:20 ID:aar7Y8oo

実は、表紙のこと聞いたんだ・・・。
すごく嬉しかった。
―――でも、苦しかった。

あの日、キミの気持ちを断ったことを・・・後悔している。
でもあの時は、みんなが幸せでいるためには、どっちかを選ぶなんてできなくて・・・

それでも、仲間として側にいてくれるのなら・・・それで良かった。
みんなが一緒にいられて、もどかしくも、今までどおりの関係を続けられるなら、それで俺は満足だったんだ。

だけど、キミのそばに彼が現れた。
彼は俺なんかより、ずっとキミと長い付き合いで・・・俺の知らないこと知っていて・・・。

俺がキミの闇に立ち入ろうとするのを、彼が阻んだ。
別に人間的に優れていたわけじゃない。
独占欲と執着心の塊だった。
だけど、確かに彼はキミのことを知っていた。
そして、その好意は本物だった。

俺は嫉妬していたのだろう。
どの道、キミの気持ちに応えるわけには行かないというのに―――。

その後、ご存知の通り、俺は大失態を犯した。
二人を応援しようとしながらも、未練を捨て切れなかった俺の弱さ。
そのために、リング全体を脅かした。

―――こんなことでは何も守れない。
そればかりか、自分でリングを壊しかけたのが許せなかった。
だって、それじゃあ・・・何のためにキミの気持ちを拒んだのか、分からなくなる。

だから殺した―――弱い自分を。

こんな感情はいらない。
こんな弱さはいらない。
こんな・・・辛い思いだけをするなら・・・誰かを『好き』と思う感情なんて無くなってしまえばいい。

俺は守るんだ。
キミも“彼”もひっくるめて・・・全て守ってやるんだ。

誰一人欠けることなく、みんなが笑いあえる場所を―――。
・・・それこそが俺の求める『幸せ』なのだから。


欲したのは、全てを救い出すための答え。
求めたのは、それを導き出す客観的視野。

代償に差し出したのは、自身の感情。
芽生え始めていた、誰かを特別に思う『好き』という醜い執着心。

・・・これが俺が感情を殺した日の、真相だ。

339ヤマチ:2007/05/18(金) 14:21:03 ID:aar7Y8oo

それから俺はリングを元の雰囲気に戻すために奔走した。
努力のかいあって、リングにはみんなの笑顔が戻った。

それでも問題はたくさん残っていて・・・
独断で進めてしまったサブマスターの件や、
“彼”を含めてリングに未だ馴染めてない人たちへの対策、などなど・・・

正直、全て投げ出したくなることもあったけれど、
それでも自分の捨ててきたものが大きければ大きいほどに、俺は諦めるわけには行かなくて・・・

―――だけど、彼と一緒にいるキミを見るたびに、胸が締め付けられるようだった。

捨てたはずの心が、痛みを訴えた。
殺したはずの心が、軋みを上げた。

―――消せなかった。
殺しても、消せなかった。
キミへの思いが、どうしても完全に消せなくて・・・
だから俺は、ただ耳を塞いで、自分に言い聞かせるしかなかった。

これは俺が選択したことだと。
それでキミが・・・みんなが幸せならそれでいいと。
結果として、誰も欠けることなく、こうしてみんなが笑い合える日が来たのだから・・・。

あの日、心に誓った。

俺は全てを守る。
キミも“彼”もひっくるめて・・・全て守るのだと。

誰一人欠けることなく、みんなが笑いあえる場所を・・・。
・・・それこそが俺の求める『幸せ』なのだから。

―――だから、今更この信念を枉げるわけには行かない。
・・・そうでなくては、今までの俺の苦しみも、キミの涙も無駄になる。


あぁ、それでも・・・『俺は何も救えなかった』。


彼のせいで、あの日一緒に強くなると言っていたキミが、彼を“逃げ場”とすることで弱いままで・・・
キミさえいれば満足だった彼が、リングに馴染めないわけで・・・。

まるで傷の舐め合いのような、廃退的な・・・されどお互いを補完しあう“強い絆”。
―――そんなもの、救えるはずが無い。

だけど・・・
だけどそれなら・・・
・・・今までの俺の選択は、いったい何だったのだろう・・・。

340ヤマチ:2007/05/18(金) 14:22:13 ID:aar7Y8oo

それはあまりに致命的な疑念。
それが、危うくもここまで俺を支えてきた行動理念を、根底から崩した。

何も変わっていなかった。
何も変えられなかった。
人は汚い・・・それ故に、人は救えない。
俺のやってきたことは全て―――意味を成さなかった。

どんなに話し合い、幾度も言葉を投げかけようとも、
結局口先ばっかりで、少し目を離したら、また元に戻っている・・・。
弱いヤツは弱いままだったし、腐ったヤツは腐ったままだった。

見え透いた彼らのエゴ・・・
いつだって自分を誤魔化して、自身の弱さから逃げ続ける・・・
そんなもの・・・救えるはずが無い。

どんな人とでも、きちんと話し合えば分かり合えるのだと信じていた自分が、
あまりに滑稽で笑ってしまった。

そして、なにより・・・
未だにキミへの思いを捨て切れていない自分を哂った。
キミの事を奪っていった彼を、恨んでいる自分を哂った。
結局、俺はあの日から変わらず、自分のエゴにまみれていて・・・

―――何も変わっていないのは、自分も同じなのだと思い知らされた。

それは夢の終わり。
かつて尊いと信じたものは、ひどく醜悪に思えて・・・
そんなものを必死に追っていた自分が、あまり滑稽で・・・

全てが憎かった。

何も救えなかった自分が憎かった。
誰も救ってくれなかったみんなが憎かった。
そして、誰よりも彼の存在が憎んでいる自分がいた。

だけど、叶わないと知った今も・・・
『みんなが幸せでいられればいい』という思いは消えてなくて・・・
―――そうやって何でもかんでも憎んでいる自分が、どうしようもなく許せなかった。

好きだけど、嫌い。
憎いと思うのは、愛しさ故に。
自身の中で、矛盾する二つの感情。

『守護』と『破滅』・・・
自身の中で矛盾していた、二つの思い。
いつの間にか、捻じれ、歪みきっていた信念。
・・・今更になって気づく。

―――俺は狂っているのだと。


この後は前述したとおり、
俺は自分をどうすることもできなくて、逃げるようにリングを去った。

・・・そして現在に至る。

341ヤマチ:2007/05/18(金) 14:24:52 ID:aar7Y8oo

この前、リングマスターにあった。
実は、内緒で教えてもらったんだ・・・表紙のこと。
それが本当に嬉しくて・・・だけど、その分だけ苦しくて・・・

俺はね・・・
キミの事を、殺したいほどに憎み・・・そして愛している。

だからその後、WISが来たとき、我慢できなくなったんだ。
そもそも、もはやキミに対する好意を禁じる理由は無かった。

今の俺にとって、彼の存在は問題にならないだろう。
あらゆる枷から解き放たれた俺は、ただ欲するがままに求め、手に入れ、喰らい尽くせばいい。

・・・もう守るものも無ければ、正しく在る必要など無いのだから・・・。

キミの心を追い詰め、殻に閉じこもったところを抉り出し、無茶苦茶に切り裂いて、
『自分のもの』にする気だった。

あぁ、そうだ。
決別するために追い払うなんて、とんでもない嘘だ。
最初から、キミを壊すために仕掛けたんだ。

だけど、力加減を間違えたようだ。
キミはあっさり壊れてしまった。
かつて唯一、俺と本気でぶつかり合うことのできたキミが・・・こんなにも弱くなっているなんて・・・。

キミはこんなちっぽけな存在だったか?
くだらない事でいっぱい口喧嘩して、何かと意見を違えては互いの主張をぶつけ合い、
理解し合えなくとも、どこか心地よかった『あの頃』のキミは・・・もういないのか・・・。

・・・或いは、何度も俺を挫けさせたキミならば・・・俺を止められるのではないのかと思っていた。
今までのように、俺の思い上がりを打ち砕いてくれるのではないかと・・・少しだけ期待してた。
それが叶わないようならば、そのまま俺の手でキミの心を切り裂いて、自分のものにしてしまう気だった。

―――その結果がこれ。

なんだよ・・・これからが本番という時に、勝手に壊れやがって・・・。
自殺未遂だって?
なんでそんなに追い込まれているんだよ。まだ、これからだろ?
やっと布石を終えたというのに、こんなところで終わるなよ。
俺はまだ、キミを壊し足りないのに・・・。
     /俺はまだ、キミに伝えたいことが沢山あるのに・・・。

くだらない・・・。
本当にくだらない・・・。

かつて・・・
あらゆる手を尽くし、あらゆる策を巡らし、
全力を以って挑もうとも、キミを救うことができなかったのに・・・。

あぁ・・・キミを壊すのはこんなにも容易い。

342ヤマチ:2007/05/18(金) 16:35:45 ID:aar7Y8oo

「まだ誰かを再起不能にしたいのか」だって?
・・・今更だな。
最低でも、この状況で出てくる人間は三人いるはずだろ。
キミと彼・・・そして、『彼女』だ。

彼女もまた、この状況を知って、俺にメールをしてきたよ。
だけど、ダメだよなぁ・・・。
悩んで、悲しんで、泣くことしかできない彼女に・・・何かを変えられる力が在るはずが無い。
彼女はただ、自分の希望や期待を、俺に押し付けることしか出来ない。

一緒に悩んで、悲しんでいれば、俺と一緒に頑張っているのだとでも勘違いしていたんじゃないだろうか?
圧し掛かりながら、俺を支えているとでも勘違いしてたんじゃあるまいか?

誰かに頼って、圧し掛からなくては、立つことさえ出来なかった人間が・・・
奇麗事だけを並べて、自分の弱さを謝ることで全て誤魔化していた人間が・・・

―――自身の『汚い部分』を直視して、心が耐えられる筈が無い。

まさに1ターンKILLだったぜ?w
なにやら気合の入った様子だったが、一回の返信であっさり壊れたな。

―――言ったろ?
俺は壊したくて、壊したくて、しょうがないんだ・・・。

今更、罪の意識なんてない。
そんなもの感じていたら、こっちがもたない。

やれやれ、これでもう・・・
・・・これでもう二度と、彼女が俺の前に現れることは無いだろう。


これで、やっと楽になれる。

343ヤマチ:2007/05/18(金) 16:38:52 ID:aar7Y8oo
ところでな・・・

>>337の書き込みだけど、最後の番号間違えているオチよ?

344コーヒープリン:2007/05/22(火) 12:50:27 ID:sJlqmKC6
う〜ん…。
ヤマチさんは少し過去を引きずり過ぎかも…。
かつての仲間なんだからもうちょ〜っっと普通に会話できないか??
別に正面向かって言う訳でもないし、活字入力なので幾らでも修正が利くだろうし…。
そこまで一生懸命だったという裏返しにもとれるが…。
…部外者の俺が言うのも何だがかなり暴走気味かも?

                                   by オチ

345名無しさん:2007/05/23(水) 14:42:47 ID:iwrK.2PI
>>344
ムリ。
この手の話は、当事者じゃないと分からない気持ち。
過去に似た経験がある俺から言わせれば、まだリアルで会ってないだけマシな方。
こうなってしまって、全てを断ったのはヤマチさん正解。今後、彼らとは一切関係を断つのが一番いい。

そんな俺からアドバイス
・いままでのことを忘れて新たな恋をしろ!忘れることが無理なら、そんなことを思い出さないほど何か打ち込める忙しい毎日を過ごせ!
 少なくとも今よりはラクになるはずだ。(しばらくは、そんな気持ちにはならないだろうが・・・)

346コーヒープリン:2007/05/23(水) 16:11:57 ID:T42o9QzY
それならリアルでその状態にある俺はどうなるんだ…。

所々で書いてるが、支店で上司(役員)とケンカして辞表出して本社に異動になり、
(仕事は数段楽になった…ココにこんな事書く暇あるし…^^;)
支店からは嫉まれ、本社では(支店のゴタゴタから)かなり浮いた状態。
それでも一応、上司とは(建前で)普通に会話し、仕事してるぞ。

会社なんてそんなものだし、
いちいち気にしてたら俺は確実に「うつ病」で死んでるガナ。

    _, ,_  パーン
 ( ‘д‘)
  ⊂彡☆))Д´)>>345
オチが全く無いぞ!やり直しだオチ!!

347名無しさん:2007/05/25(金) 21:20:16 ID:8YghSAcw
the FIELD OF VIEWの Last Good-Byeを聞くことをおすすめする、かな
なんとなく、ヤマチさんの置かれている(た)状況に似てるんじゃないかな

ま、アレです。人間、酸いも甘いも経験して大人になるですよっと。
「壊す」のは容易いけど、「創る」のは難しい・・・ことを知ったり
何らかの自分を、「演じる」・・・

そうしておっさんになるんですよw
と年寄りがたわごとを言わせていただきましたw

348名無しさん:2007/05/25(金) 21:30:08 ID:8YghSAcw
状況というか、心境、だなぁ
ごめん、酒はいっててちと読み返してなかった・・・

349名無しさん:2007/05/25(金) 23:06:26 ID:k3dUWUU2
>>345
自分も一時大喧嘩した相手がいて、しばらく音信不通になったけど
結局解決してくれたのは時の流れなんだよな
人物評価って一瞬で覆るけど、それまで積み重ねてきた印象は拒絶できない事実なわけで

>>346
うつ病より先に胃潰瘍か情緒不安定が来るぜ、と経験者が言ってみるテスト
悪化したらおまいらに泣きつくからよろしく

>>347
嫌なことって一瞬忘れても、年を取って突然思い出して、ため息をつくことがある
そういう内省を繰り返すから人間って大人になるんだよねと


今の自分が厨房の自分を見たらぶち殺してるなとか、
工房の自分を見たら今の自分はぶち切れてるなとか(以下略

もしタイムマシンがあったら自分は未来の自分に殺され続けるに違いない

350コーヒープリン:2007/05/26(土) 08:20:52 ID:zk.SqABs
…うげっ…ageられてもうた…でもマジレスだし…困ったね、こりゃ…

351yamachi:2007/08/03(金) 11:56:32 ID:aar7Y8oo

These hands will never hold anything.

―――yet,

352コーヒープリン:2007/08/04(土) 10:50:54 ID:fb7CIFhM
うむ、お疲れ〜^^;

353芽依:2007/08/20(月) 16:29:29 ID:dbFcZ5ms
−前書き−

初めましての方初めまして。芽依と申します。
前後の流れを読まずに投稿する事をお許し下さい。。
今回小説の投稿に至ったのはは、
「私もぶれますスレの荒波に揉まれたい!」
と言う私のマゾ気質で投稿が決定しました。

ちなみに、当方ネカフェからの投稿なので、
感想を頂いても返信出来ないのが心苦しいです。
ですが、閲覧することは出来るので、
感想を頂いたら大喜びします。
そして励みにして頑張ります!

実在する人物を一名モデルにしております。
勝手に借りてしまった事をお詫び申し上げます。

それでは、長くなりましたが、
『花の名前の世界にて』の開演です。
皆様お楽しみくださいませ^^

354芽依:2007/08/20(月) 16:30:55 ID:dbFcZ5ms
−花の名前の世界にて−

私がこの世界に降り立ったきっかけは、ある人の日記帳だった。
その人の日記帳を読んだとき、私は無性に同じ世界へと行きたくなった。
そしてその人と同じ、花の名前を冠する世界へと降り立った。

私は時代劇の侍や、中世ヨーロッパの騎士に憧れていた。
なので、転職する際に剣を使う職か槍を使う職か悩んだ。
結局日本人な私は侍――ソードマンに白羽の矢を立てた。

綺麗な世界に感動し、凶暴な敵に吃驚し、
街中で行き交う人々に興奮し、敵を倒し経験値を稼ぎ、
全てが新鮮だった。独りでも楽しかった。

355芽依:2007/08/20(月) 16:32:19 ID:dbFcZ5ms

そしてレベルもそれなりに上がり、職専用装備をつけて満足して街を歩いていると、
ある男の人に声を掛けられた。
その人は金髪の男の人で、見るからに爽やかそうな人だった。
「そこの君、今、暇かい?」
声を掛けられたことの無かった私は焦って、
「ひゃい?」
と言ってしまった。
「うん、ひゃいと言った君だよ。」
「く、繰り返さないでください。恥ずかしいです…。」
「で、暇かい?」
「一応暇ですけど…。」
「なら、僕の話を聞いてくれるかい?」
「あ、はい…。」
この人は私を捕まえて愚痴でも言う気なのかと思った。
「実は今、リングメンバーを募集しているんだ。」
「はい。」
「それで、君に入って欲しいんだよ。」
「え…何故?」
「よく街で君を見かけるけど、何時も独りじゃないか。」
「…。」
「だから、君にもっとこの世界の魅力を教えてあげたいのさ。」
「はぁ…。」
「で、入ってくれるかい?」
「うーん……まぁ、ここで誘われたのも縁だし、入ってみます…。」
「そうかい!それじゃあ、宜しく!」
「あ、はい…アヤネです。よろしくお願いします。」

356芽依:2007/08/20(月) 16:34:01 ID:dbFcZ5ms
リングには沢山の人が所属していた。
みんな面白くて優しくて、色々な事を教えてくれた。
私もその話を聞き、みんなの役に立つように強くなろうと頑張った。
毎日が新鮮だった。前よりももっと楽しかった。
だけど、変わってしまったのは何時からだっただろう。
みんながみんなして効率を求めだし、競うようにレベルを上げた。
私も、効率を求めた。もっと強くなる為に。
経験値の美味しい敵を狩り、狩り、狩り。
反復作業。
何時しか、大切なものを失ってしまった気がした。

―――認められる為にレベルを上げる?
―――違うよ、みんなを見下したいからだよ。

357芽依:2007/08/20(月) 16:36:00 ID:dbFcZ5ms
不安になった私は、リーダーに相談しようと思い立った。

「アヤネ君、何だい?」
「リーダー、相談したいことがあるんです。」
「うん?」
「私は、ちゃんとみんなに認められていると思いますか…?」
「何を言っているんだい?」
「私もみんなと同じレベルにならないと認められてないような気がして…。」
「アヤネ君、それは考え過ぎじゃないのかい?」
「え?」
「心配しなくても、認めてくれる人はちゃんと認めてくれる。」
「…。」
「そうですね…リーダー、ありがとうございます!」
「お役に立てたみたいで良かったよ。」

一ヶ月たったある日、このリングに新人が入った。ソードマンの子だ。
私は、私の二の舞にならない様に、この子に色々な世界を見て回らせたい。
―――願わくば、「アヤネ」の後継者になる事を。

358芽依:2007/08/20(月) 16:37:27 ID:dbFcZ5ms
−後書き−
はじめに、スレ汚し失礼しましたm(_ _)m
良く分からない終わり方ですいません…。

アヤネのモデルですが、実は私自身なのです。
最初の部分…日記帳と転職は私の実体験です。
某イカさんブログを読んでECOに迷い込んだ子羊です。
最初の実在の人物をモデルというのは、この某イカさんの事です。
転職も剣か槍か悩みました。
あ、関係ないですか。
リーダーは、FF11の内藤列伝に出てくるリーダーをモデルにしました。
似ても似つかないですが…w

ちなみにですね、もう一人実在の人物をモデルにしようと思ったのです。
実力不足で見送りましたがね…。
「三人目の彼」をモデルにしたキャラを出そうと考えてました。
ECO内で色々付き合いがある彼ですからキャラは把握出来てますが…、
でもやぱり、他人のキャラを出すのは非常に難しいです。。

今回はアヤネ視点でモノローグを展開していきましたけど、
モノローグもなかなか難しいですね。
話が破綻しないように頑張ったのですけどね。
もし次回を書くとしたらもっと楽しめる話にしたいと思います。
それでは、最後までお付き合い頂き、ありがとうございました^^

359コーヒープリン:2007/08/21(火) 13:26:34 ID:oYYyC/KU
スレ汚しって…ココ過疎スレだし!
でも俺以外にココ見てる奴いるのかな?
今週末にでも感想書くよ〜!(まだ読んでないし…^^;)

360ヤマチ:2007/08/21(火) 23:41:36 ID:aar7Y8oo
久しぶり芽衣さん。
そしてようこそ、カオス空間へw

話の要点がまとまっていて、
読み手の共感をよぶ、ステキな文章だと思うよ^^

多分、MMOを遊ぶ誰もが、
一度は感じたことがあるんじゃないかな。

『何のために自分は、必死にレベルをあげているのだろう』と。

その自問に対する解答は、人によって様々だし、
中には解答を得られなかった人もいるだろう。

俺も昔、
リングのみんなの足手まといにならないように、
みんな共に肩を並べて戦えるようにと、
独りで北限に篭っていた時期があったよ(苦笑)

361ヤマチ:2007/08/23(木) 15:40:12 ID:aar7Y8oo
『レベル』はゲームをする上で重要な要素だけど、
それだけじゃゲームは楽しめない。
ことMMOにおいては、その特性が顕著に顕われる。

レベルは所詮、薄っぺらなデータに過ぎない。
強力なスキルも、レアな武器も、また然り。
そう、このECOの世界もまた―――。

だけど、
この仮想世界にも一つだけ“現実”がある。
―――それは【人の心】だ。
たとえ世界がニセモノでも、これだけは本物だろう。

……さて、芽衣さんに因んで
俺も“実在の人物”をモデルに、一つ語ろうか。

362ヤマチ:2007/08/23(木) 15:41:21 ID:aar7Y8oo
昔、当時はまだ学生だった、一人の“少年”がいた。
その少年はある日、父親とケンカした。
原因は、進路や学業に関することだったと思う。

父親は言った。
そんなネットゲームばかりしているのが悪いのだと。

所詮はバーチャル。
そんなもので、何が『友達』だ。
一体そこで、何が得られるというのだ。

―――ゲームと勉強。
それは、とても在りがちな親子のケンカ。



そう……【きっかけ】はそんな“在りがちな”出来事だった。

363ヤマチ:2007/08/23(木) 15:42:23 ID:aar7Y8oo

それから少年の胸に、一つの思いが生まれた。

自分は自由時間の大半をネットゲームにつぎ込んで、
いったい何をしたいのだろう?何が得られるのだろう?


『それは、このゲームが楽しいから……』

―――本当に?

毎日、毎日…
まるでそれが『義務』であるかのように
クエポイントを消費し、レベル稼ぎをした。

退屈と感じながらも、ストレスを貯めながらも、
それでも必死にレベルを上げるために狩をし続けた。

―――それは“楽しいこと”なのか?


『………違う。
オレはただ電子データの数値を、上下させたいがために
自分の時間を、削ってきたわけじゃない』

―――では、何のため?

『それは……』

それは“誰か”に、追いつくため。
それは“誰か”と、共に戦うため。

それは“誰か”を、下すため。
それは“誰か”に、自慢したいがため。

それは“誰か”に、認めてもらうため。
それは“誰か”に、必要とされたいがため。


―――そう、MMOには普通のゲームのように
ストーリーがあるわけでも、“終わり”があるわけでもない。
自分は勇者ではなく、自分がボスと戦う必要性も無い。

それでも、この世界に意味を見出したのは
きっと【誰か】という存在があったからだ。

たとえ世界がニセモノでも、
そこに集った【人の心】だけは“本物”だろう。

故に―――

『初めて彼らと話しかけたとき、ドキドキした。
みんなと一緒にダンジョンを冒険して、ワクワクした。

その感情は、確かに自分の胸の中にあって、
それは【幻】なんかじゃない。

…そうだ。

みんなといるのが、楽しくて、嬉しくて、あったかくて…
寝るのも惜しいくらいに、毎日が輝いていたんだ。

―――だから、オレは此処にいるんだ。』

364ヤマチ:2007/08/23(木) 15:43:29 ID:aar7Y8oo

…こうして少年は一つの【解】を得た。

今まで、過度にレベルに執着していた彼は、
それからは、みんなとの時間を大切にするようになった。

効率の良いソロ狩りよりも、
野良PTに参加して、色んな人と交流するようになった。

…そして同時に、
彼は戦う以外のことで、
みんなが純粋にこのゲームを楽しむ方法を、模索し始める。


『さて、今日は何しようか。
タイニーランドでかくれんぼ?
イーストDで鬼ごっこ?
…それとも“微妙にいやらしいものシリトリ”にする?

よーし、完全にいやらしいものは即アウトだからね〜w
じゃあ、オレから……―――“座薬”!!!』



…こうして彼は全ての【スタート地点】へと至る。

その頃彼は未だ、
SSスレにも、ぶれますスレにも出会っていなかったし、
当時は創作リングの存在も知らぬままだった。



そう…、ここから全てが始まったのだ。

365ヤマチ:2007/08/24(金) 14:02:25 ID:aar7Y8oo

ずっと一緒だったリア友の引退。

無力を嘆き、力を欲していたレンジャーと、
皆に必要とされたかった、さみしがりの巫女。

平原で拾った『よく喋る剣』。

闘技場で幾度も闘ったナイト。

ストーカーが原因でやめていったドル。

「もっと早く出会いたかった」と別れを惜しんだ
引退前日のブレマスとの出会いと、たった二日間の思い出。


出会いと別れ…そして再会を、幾度も繰り返しながら、
彼はこの世界を歩んできた。


たくさんの【人の心】があった。
さまざまな【人の心】に触れてきた。

それは勇者でない自分の、…自分だけの物語。
楽しいことばかりじゃなかったけど、
振り返れば、どれも大切な宝物のような思い出。

その輝きが、いっぱい自分の心の中に詰まっている。
その思い出たちが、今の自分を形作っている。

そう思うと、今まで歩んできたこの道のりが、
とても誇らしかった。

366コーヒープリン:2007/08/25(土) 09:06:09 ID:KMjzoOhA
>>353-358
感想は…ってこれプロローグしか書いてない様な気が…^^;
しかも>357の最後で、

―――願わくば、「アヤネ」の後継者になる事を。

つまり「アヤネ」はもうすぐ引退しますよ…という感情がすでにあるって事だし。
伏線を作るのは良いけれど、きちんと回収はしましょうね(笑)
終わり方がもどかし過ぎます!

>>360-365
ヤマチさんお帰り〜。
前のSSと微妙にカブっとる、カブってますよ〜^^;
感想…というか、明らかに途中なので期待待ちという事で感想は無しで!

二人とも自己の経験をSSにした様ですが、
同じリングにいた二人と部外者の俺では、見えてるものが違うんだろうなぁ…。
かなり上の方のレスで何があったか、大体の察しは付くが
想像でしか語れない俺には、それについて何かを言う資格も無いですしね。
…ま、二人ともまた暇な時にでも顔を出して下さいな♪

367ヤマチ:2007/08/25(土) 12:26:23 ID:aar7Y8oo

■なかがき

うあ〜、やっぱり指摘された〜!?orz
俺も、前のと被るから>>364でストップしとこうと思ったんだけど、

話を【現在】に持っていきたかったから、
なるべく被らないように、
改良しつつ書き込んでたんだ><;
(↑途中で止まっていた理由)

まぁ、バレたんなら誤魔化す必要は無いな。
さっさと話を閉めて、近状報告といきますかw(開き直った)



ちなみに芽衣さんとは別リングだよ。
同じリングだったら、とても挨拶なんて出来ないって(苦笑

368ヤマチ:2007/08/26(日) 08:36:51 ID:aar7Y8oo

そして、些細な偶然から見つけた創作リング。
みんなが絵描き、または文字書きだった。

絵描きさんの作品に触発されて、
初めて挑戦してみたマウス絵。
絵を描きながらチャットをする絵チャットは、
とても新鮮な楽しさだった。

みんなレベルや強さとか、
そんなゲームシステムから外れたとこに
視野を置いていたから人たちばかりだから、
たとえレベルがバラバラでも一緒にいられた。

いつもくだらない会話ばかりして、
だけど話題は尽きることは無くて…
リアルの話をすることもあったし、
マジで語り合うこともあった。

―――“彼”は最高にこのゲームを楽しんでいた。

369ヤマチ:2007/08/26(日) 08:37:57 ID:aar7Y8oo

だから―――

ECOに興味を持ちつつも人見知りゆえ、踏み出せずにいた弟。
人間関係の崩壊からリングを失った、自分と似た剣士。
リングの過疎化に悩んでいた、かつての仲間。

自分の目の前で、暗がりに居た彼らの手を、
むりやり引っ張っていった。

彼らにも、このステキな世界を見せてあげたかった。
…このステキな世界を、彼らと共有したかった。


―――歯車が狂い始めたのは、いつからだろう?


こんなはずじゃなかったのに…。
自分はこんな醜い結末を、
彼らに見せたかったんじゃないのに…。


輝かしかった“彼”の物語は、
あまりに見苦しい、無様な結末を迎え、その幕を下ろす。

370ヤマチ:2007/08/26(日) 08:40:58 ID:aar7Y8oo

―――2007年8月20日。
“俺”は再び、この世界に足を踏み入れていた。


…別に目的があったわけでもない。
リアルの方が一段落して時間が出来たら、
不思議とここに足が向いていた。

アカウントは、少し悩んだが
やっぱり今まで使っていたものに課金した。

使用PCは『ヤマチ』。
消したくても消せない
見苦しく、汚らわしき過去を負った“自分の分身”

…リセットはできなくとも、
別PCを使って、【別人】としてやっていく事もできただろう。

だけど、それをしなかったのは、
きっと―――

「いや〜、人に『逃げるな』と説教した手前、
自分が逃げ出すわけにはいかないんだよなぁ〜…あはは」

―――わりと情けない理由だった。
もはや過去の自分の言動を、呪うしかない。



それに…このPCを捨てるには、
あまりに【思い出】が多すぎたから。

きっと戻ってきた理由も同じことで…

その【思い出】たちの結末があんな形では、
あまりに自分の過去に対して、申し訳ないと思った。


だから―――

「―――よし、リングをつくろう」

それは、この世界とお別れするための卒業制作。
今までこの世界で学んできたものの集大成。

みんなにとって優しい場所をつくろう。

371ヤマチ:2007/08/26(日) 08:43:58 ID:aar7Y8oo
■あとがき

というわけで、久々にECOにINしたんだけど、
何も変わってないようで、随分変わっていたね。

まず驚いたのは、値段表示に色がついてたことだ。
かえって分かりにくくなった、気がするのは俺だけかっ!?

あと、相変わらずECOはチケ品に力はいってるね。
そんな余力があるなら早く天界と冥界、実装しろよな。
…とか言いつつ、ジンベイと海賊服はちゃっかり購入w

もちろんブリーダーもやった。
これはSSのネタになりそうだと妄想しつつ、
リュック背負ってペットとぶらり旅〜♪

マイマイ遺跡もいってきた。
バオバブの森でシャインビーに追いかけられたり、
なんかでっかいドラゴンに追いかけられたり…

…って、俺追われてばっかじゃん!?ΣT□T

まぁそんな感じで、
数ヶ月ぶりのECOを堪能してきましたw


リングの方も、だいたい方針は決まったから
そろそろメンバーの募集にかかろうと思う。

今俺は、深夜と日中しかINできないんだけど、
この時間って人少ないんだよね。

だからPT募集もなかなか見つからないし、
これだとリング所属しても皆と時間合わないしで、
結局、誰かと遊びたくてもソロするしかない人って、
割と多いんじゃないかと思う。

どのくらい集まるかも、
どんな人が来るのかも分からないけれど、
そんな人たちが気軽に集えるリングにしたい。

よっしゃ、がんばるぜ!!>w<b

372ヤマチ:2007/08/26(日) 09:01:14 ID:aar7Y8oo
■あとがき2

駄文失礼しました。
なんか、こんなのばっかで申し訳ない。

ただ、ここに書き込んでしまうと、
もう自分に【誤魔化し】が効かないからさ。
こうして自分を追い込むのに使ってるんだ^^;

でもそろそろ本来の用途でスレを使おうか。
何を訴えるでもなく、
ただ読んだ人が笑える、そんなバカ話がいいな。

ではこんなスレを見に来ている奇特な読者の諸君、
また会う日まで、さらばじゃ〜>w<ノシ

373コーヒープリン:2007/09/01(土) 14:17:47 ID:L0gADH8o
    _, ,_  パーン
 ( ‘д‘)
  ⊂彡☆))Д´)>>367-372
会社員は月末忙しいので感想は後程…。


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