したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

ぶれますスレwwww

1名無しさん:2006/02/19(日) 01:21:42 ID:1eG5HblU
ごめんwwwwwwwww衝動的に立てちまったwwwwwwwwでも反省はしてないwwwwwwww
内藤スレに内藤でてこないからwwwwwwぶれますこっちでやってwwwwwww

109名無しさん:2006/07/18(火) 12:52:58 ID:h0VaiHkU
なんかぶれますwwwwスレなのに最近ぶれます出てこないね

110名無しさん:2006/07/20(木) 11:26:00 ID:/JZRzljE
埋もれているせいで知名度が無くなってきたのでは?
……というわけでage

111ヤマチ:2006/07/24(月) 10:09:49 ID:aar7Y8oo
僕はいつも独りだった。
僕には友達と呼べる人がいない。
学校の中には沢山の人がいるのに、
僕に声をかけてくれる人は誰もいない。
僕はいつも教室の中で一人、孤独を感じていた。
誰も僕の事を見てくれない。
誰も僕のことを分かってくれようとしない。
僕は寂しさを紛らわす為、手元の本に集中する。
本を読むのは楽しい。
友達とお話しするより、ずっと楽しい。
だから、僕が一人なのは好都合だ。
誰にも邪魔されずに本に集中できる。
だから、寂しくなんか無い。
そう自分に言い聞かせた。
そう自分に言い聞かせないと、
とても平気でなんかいられなかった。

そんなある日、僕はネットゲームというものを知る。
ゲームの中でなら、誰かとお話できるかもしれない。
ゲームの中でなら、友達だって出来るかもしれない。
この時僕は、人との繋がりに飢えていた。
本当はとても寂しかったのだ。
僕は数あるネットゲームの中からECOを選択した。
理由はただキャラクターが可愛かったから。
実のところ、どれでもよかった。
ただ、現実というこの世界から抜け出したかった。
現実の弱くて臆病な自分を捨て去りたかった。
そして、皆のように友達と呼べる人達と
普通に他愛の無いお喋りをしてみたかった。

「おい、そこのお前。」
ECOに始めてログインした日、
酒場を探してダウンタウンを散策していると、
突然知らない人から声をかけられた。
「お前、初心者だろ。なんなら俺が色々と教えてやろうか?」
その人は真っ黒な鎧と、背から同じく黒い羽を生やしており、
一見してまさに悪人といった感じだった。
関わるとろくな事が無さそうなので、
僕は聞こえなかったフリをして、早々に立ち去ろうとした。
「って、おいコラ!シカトしてんじゃねぇ!!」
しかし、あっさり首根っこを掴まれて捕らえられてしまう。
「初心者のクセにいい度胸してんじゃねぇか。」
片手で吊り下げられたまま、
真正面から血色の瞳に睨まれて、僕は怖くなった。
思わずログアウトして逃げ出したくなった。
しかし、ある思いが僕を踏みとどまらせる。
――逃げていいのか?
――強くなるんじゃなかったのか?
・・・そうだ。ここで逃げたらリアルと何も変わらない。
僕は強くなるんだ。
ここにいるのは弱くて臆病な自分じゃない。
僕はなけなしの勇気を振り絞って、相手を睨み返した。
「生憎と、お前にやるような金なんか持ち合わせていない!!」
まさか抵抗されるとは思っていなかったのだろう。
呆気に取られている相手を蹴っ飛ばし、
僕の首根っこを掴んでいた手から逃れる。
相手は一歩後ろによろめいただけで、特にこたえた風もなかった。
だけど、これで隙は出来た。
僕は反転して、全速力で逃げようとし――――
「痛だだだだだだだだっ!!?」
なんという速さだろう。
相手は一瞬で僕の前に回りこみ、再び僕を吊るし上げた。
――今度は顔面鷲掴みで。
頭蓋骨が割れそうである。
「バカか、お前?何勘違いしてるのかしらねぇけど、
初心者相手にカツアゲしたって、一文の得にもならねぇだろうが。」
「痛い痛い痛いっ!!とにかく僕はお前みたいな悪党と関わる気はない!!
いい加減、この手を放せええええっ!!!」
「誰が悪党だ、コラ。見た目だけで決めつけんじゃねえ。
いつ俺がお前に危害加えたよ?」
「今まさにーーーーっ!!!」
「・・・あ〜、まぁ気にするな。つべこべ言わず、大人しくついて来い。」
「せめてこの手を放せええええっ!!わーれーるーーーーっ!!?」

―――ぎぃぃぃバタン。

「ほら、着いたぞ。」
「あーくそっ、まだ痛い。全く何しやがるんだ!
お前は一体何がしたいんだよ!?」
「だから、ほら・・・ここ酒場。
お前、ここ探してうろついてたろ?」
「―――え?」
改めて見回すとここは確かに酒場だった。
じゃあ、なんだ?
コイツは僕が道に迷ってるのを見て、
親切に酒場まで案内しようとしてくれたのか?
そして案内しようとした結果、アイアンクローに至ったと?
―――なんだよ、それ。
「・・・・・・・・・・礼なんて言わないからな。」
僕はなんだか釈然としないので、憮然と言い捨ててやったが、
コイツは「何だ、そんなことか」とばかりに肩を竦めやがった。
「別に。俺が好きで勝手にやってることだからな。
ほら、さっさとマスターと話せ。とっとと次行くぞ。」
コイツの中ではもう僕を案内することは決定事項らしい。
まぁ、自分一人では何も分からないし、
別に騙されたとしても、失って困るようなアイテムもお金も無いので、
素直に案内されてやることにした。

112ヤマチ:2006/07/24(月) 10:14:50 ID:aar7Y8oo
意外なことに、コイツは強引で乱暴なヤツだが、割と面倒見が良かった。
何も知らない僕に、一から親切にこの世界のことを教えてくれたばかりか、
いくらかのお金と装備品をプレゼントしてくれた。
・・・さっきのことを許してやる気は無いけど。
ちょっとくらい感謝してやってもいいかもしれない。
渡された装備品を手にしながら、そんなことを考えていると
「なんだよ?別に、無理に礼を言ってくれなくてもいいぞ。
さっきも言ったが、これは俺が勝手にやっていることだし、
そんな顔で礼を言われても、ちっとも嬉しくないしな。」
「・・・・・・・・・・・。」
なんなんだコイツは!
せっかくお礼くらい言ってやろうかと思ってたのに!
やっぱりコイツは嫌なヤツだ!!
ちょっとは良いヤツかもって思った僕がバカだった!!
僕は自らの認識力の甘さと、コイツの性格の悪さに腹を立てながら歩いていると、
ふと、視界の端に大きな塔が映った。
思わず立ち止まって、まじまじと見つめていると、
横から性悪ドミニオンがご丁寧にも解説をしてくれた。
「あぁ、あれはギルド元官だ。中には格ギルドマスターがいて、
大半の転職試験はあそこで受けるんだ。」
「へぇ、どんな職業があるの?」
「はぁ?お前そんなことも知らないのか。
そのくらいゲーム始める前に調べとけよ。」
「・・・悪かったな。」
「しょうがない。どんな職業があるか回りながら説明してやるよ。
まだ転職には早いけど、何になりたいか決めておけばステ振りの指針にもなるしな。」
・・・全く。
なんでコイツは口が悪いのだろう。
それさえなければ、素直にお礼も言えるっていうのに・・・。
そんなだから、僕もつい憎まれ口を叩いてしまう。
「そういえば、お前は何の職業なんだ?」
「ん?俺はソードマンの上級職、ブレイドマスターだぜ。」
「ふ〜ん、じゃあソードマン以外に転職しよう。」
「おいコラ。それはどういう意味だ・・・。」
「ぎゃーーーっ!?痛い痛い痛いっ!!放せバカーーーっ!!!」

その後もなんのかんのあったが、
結局、コイツは最後まで付き合ってくれた。
「それじゃ俺はそろそろ落ちる。縁があったらまた会おうぜ。」
「・・・僕は二度と会いたくない。」
僕は一日で何度も痛めつけられたこめかみを押さえながら憎まれ口を叩く。
―――それにしても、コイツは一体何なのだろう?
一日中、初心者の僕に付き合ってくれて、
挙句、何の代価を求めることなく去ろうとしている。
そんなことしてコイツに何のメリットがあるというのだろう。
「・・・ねぇ、最後に一つ聞いてもいい?」
「あん?なんだよ。まだ分かんないとこあるのか?」
「・・・・えーとさ、その・・・たいした事じゃないんだけど・・・」
「なんだ?」
う〜、何でもないことのはずなのに、
いざ聞こうとすると無性に恥ずかしいのは何故だ!?
「おーい、どうした?」
くそぉ、人の気も知らないで・・・。
「だから・・・さ。つまり・・・
なんで見ず知らずの僕に親切にしてくれるかなぁって思って・・・。」
だあああああっ!?
何故っ!!何故そこで顔が赤くなるんだ僕っ!!!?
そうだ!これは夕日のせいだ!夕日のせいで顔が赤く見えるだけだ!!!
もうとっくに日は沈んでるけどなっ!!
・・・あ〜、ダメだ。ごまかしようが無い。
これは完全に笑われるな。
もう観念して顔を上げると、意外にもヤツは笑っていなかった。
むしろ、いつに無く真剣な面持ちで僕を見つめていた。
意味もなく僕の心拍数が跳ね上がる。
思わずその澄んだ紅い瞳に見入る。
――そこで気づいた。
コイツは僕を見てるのではなく、僕を通してもっと遠くのものを見ているのだと。

113ヤマチ:2006/07/24(月) 10:16:26 ID:aar7Y8oo
「―――あれは、俺がECOに初めてログインした日のことだ。」
彼は唐突に語り始めた。
「今まで他のネットゲームをやったこともなかったし、
ろくに下調べもせずに始めたものだから、
開始早々、右も左も分からなくて途方に暮れていたんだ。」
彼は僕を通して、過ぎ去りし過去の思い出に思いを馳せる。
「――そんな時だった。
あの人が俺に声をかけてくれたのは・・・。
その人は見ず知らずの俺に、この世界での生き方を教えてくれた。
あの時、俺は本当に嬉しかったんだ。
今の俺があるのは、あの人のおかげだ。
是非とも恩返しがしたかったが、名前も覚えていなかったし、
あの人とはそれっきりだ。
だから、せめて他の誰かに俺の受けた親切を返すことで、
あの人への恩返しとしようとしたんだ。」
彼の瞳に僕の姿が映る。
「―――すまなかったな。
実は今日付き合ってもらったのは俺の方だったんだ。」
彼はそれだけ言うと、僕に背を向け立ち去ってゆく。。
―――待てよ。
何だよそれ・・・。
なんでお前が謝ってるんだよ・・・。
それじゃあ、お前の方が僕に一方的に付き合ってもらったみたいじゃないか。
僕がどれだけお前に感謝してるかも知らないで、勝手に一人で完結するなよ。

―――本当は嬉しかったんだ。
第一印象は最悪だったけど、
リアルではあんな風に遠慮なく話せたことなかったから・・・
いつの間にかお前とのやり取りが楽しくて仕方が無くなってた。
今思えば、お前があんなことしなければ、
人見知りの僕は畏まって、まともに話せやしなかっただろう。
僕はホントは臆病で、弱虫で、
今だってこんなに感謝の気持ちが溢れてるのに、
一つだってこの気持ちを言葉に出来やしない。
さっきは二度と会いたくないなんて言ったけど、本当はまた会いたい。
できることなら今だって別れたくないんだ。
もっと・・・もっとキミと一緒にいたい。
でも、僕は臆病だから・・・キミに拒絶されたらと思うと、
とてもそんなこと言えやしない。
―――だけど、これだけはちゃんと伝えないと・・・。
でないと僕は絶対に後悔すると思うから・・・。

「――――待って。」
臆病になる自分の心を叱咤して、僕は立ち去ろうとする彼の背中に声をかけた。
彼は返事はしなかったが、足を止めてくれた。
・・・それでいい。
面と向かうと、ちゃんと言えない気がするから。
さて、これが最後のチャンスだ。
「・・・一つ言い忘れていたことがあった。」
今日何度も言おうと思って、それでも言えなかった言葉がある。
でも、今なら言えるだろう。
僕は精一杯の気持ちをこめて、感謝の言葉を紡いだ。


「―――――ありがとう。」

114名無しさん:2006/07/25(火) 08:21:48 ID:EWQGB65Q
うはwwwwなんかいつの間にかSSがのってるしw

>>ヤマチ
GJですw何気なくブレマスが出てるのに笑ったw

115ヤマチ:2006/07/25(火) 23:35:10 ID:aar7Y8oo


僕がECOを始めた日―――あの人との出会いから、一ヶ月の月日が過ぎた。
あの日分かれて以来、僕はあの人とは会っていない。
後になって、フレンド登録しておけば良かったと後悔した。
でも、あの人のおかげで僕は人を信じる勇気を得た。

あれから数日後、僕は思い切ってメンバーを募集していたギルドに入団することにした。
とても緊張したけど、幸いギルドのみんなは僕のことを歓迎してくれた。
そこのギルドはとても大所帯で一人一人の名前は覚えられなかったけど、
みんな優しくしてくれるので僕は安心した。
僕はここでようやく、狂おしいほどまでに切望していた
人との繋がりを手にすることが出来たのだと思った。
こここそが自分の望んでいた場所なのだと信じて疑わなかった。

だけど、あれほど求めた僕の理想郷は、ある日あっさりと無くなってしまった。
いや、無くなったのではなく、
それが自分の求めた理想郷でないと気づいてしまっただけ。
初めこそ新人だと皆からちやほやされていた僕であったが、
また一人、また一人と、新たに新人が入団するごとに僕の影は薄くなっていった。

―――そして、同時に気づいてしまった。
大所帯のギルドではあったが、普段会話に参加しているのは、
ログインしているメンバーでも半分程の仲の良いグループだけであることに。
僕はここを知っている・・・。
なんてことだろう・・・。
理想郷と信じて疑わなかったこの場所は、
僕が教室の隅で孤独を感じていたリアルのあの場所と同じなんだ。
クラスに溶け込めず独りでいた僕と、
ギルドに溶け込めず独りでいる僕に、何の違いがあるというのか。
僕は怖くなった。
ゲームの中でさえも結局、自分が孤独であることに。

皆から話しかけてきてくれれば僕も自然と会話できるようになったが、
まだ自分から話題をふったり、皆の会話の輪に飛び込んだりすることは僕には出来なかった。
――皆の邪魔にならないか心配。
――皆に拒絶されるんじゃないか不安。
そう思うと心が竦んで、前に進めなくなる。
「はぁ・・・何やってるんだろ、僕。」
思わず溜息が出てしまう。
そんな時、思い出すのはあの人の事―――。
乱暴だけど優しくて、不思議と本音で話すことのできた唯一の人―――。
「レイドさん・・・。」
それが、あの人の名前。
フレンド登録はしなかったけど、名前だけはしっかり覚えていた。
「あの人は今頃何してるんだろう・・・」
会いたい―――と、そう思う。
もう一度会って、話がしたいと思う。
名前さえ知っていればメールを送ることは出来る。
でもあの人にとって僕は、偶々出会って一日案内しただけの、ちっぽけな存在でしかない。
きっと僕のことなんて、とっくに忘れているだろう。
そう思うと、怖くてメールなんて送れない。
「はぁ・・・。」
二度目の溜息―――自分で自分が嫌になる。
結局、僕はこの世界に来ても怯えて逃げてばっかりだ。
僕は腰の剣の柄に指を這わす。

―――レイドさん、
あなたのように強くなりたくて剣を手にしたのに、僕は未だ弱いままです。

116ヤマチ:2006/07/25(火) 23:38:51 ID:aar7Y8oo
「―――こんにちは。」
不意に声をかけられる。
不貞腐れて寝転がっていた僕は慌てて起き上がった。
「マ、マスター!?」
「ふふっ、お昼寝の邪魔をしちゃったかしら?」
そこには純白の翼をもった美しい金髪の女性が立っていた。
彼女こそ僕の所属する大人数ギルドを治めるギルドマスターである。
しかし、そんな彼女がなんでここ――ウテナ湖なんかにいるのだろうか?
「隣り、座ってもいいかしら?」
「はい。」
彼女は僕の隣りに腰を下ろすと、
湖のほとりから望める風景を懐かしそうに眺めた。
「綺麗な場所ね・・・最近来ること無かったから、すっかり忘れていたわ。」
「そういえば、マスターは何故ここに・・・?」
「近くまで来たから、ちょっとキミに会いにね。」
「―――え。」
「ふふっ、こうして直にキミと会うのは久しぶりね。元気だった?」
「・・・はい。」
「・・・・・・・そっか・・・。」
――会話が途切れる。
当然だ。
さっきからマスターから話しかけてくれるばかりで、
僕は素っ気ない返事しかしていない。
なんか会話のネタはないかと慌てるが、
不意に目に入ったマスターの横顔を見て、
今は何も喋らない方がいいのだと悟る。
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
どのくらい無言の時を過ごしただろうか。
不意にマスターが僕の名前を呼んだ。
振り向くとマスターが哀しげな瞳で僕を見つめていた。
「―――ごめんなさいね。」
「・・・・・。」
「私が不甲斐ないばかりに、あなたには寂しい思いをさせてしまいました。」
「・・・マスターは悪くないです。」
――そう、マスターは悪くない。
マスターはさり気なく僕を会話に参加させようとしてくれていたのを知っている。
悪いのは僕だ。
マスターが折角計らってくれたのに、
僕はそれに気づかないフリをして逃げていた。
「――ごめんなさい。」
マスターは僕の言葉に構わず、再度謝る。
全ては私の責任だとでも言うかのように・・・。

117ヤマチ:2006/07/25(火) 23:41:06 ID:aar7Y8oo
――彼女は本当に責任感の強い人なのだなと思う。
そして、とても善良な人なのだなと思う。
なるほど、たしかに彼女のような人格こそタイタニア族に相応しい。
だけど・・・その穢れ無き天使の翼は、時に彼女の重荷となる。
一体彼女はその小さな背に、どれ程のものを背負い込もうというのか。
僕はそんな彼女の姿を見るのが居た堪れなくなって、なんとか彼女を励まそうと試みる。
「マスターは全然悪くなんてないです。
・・・悪いのは僕の方です。
マスターが僕にも皆と仲良くできるよう色々してくれたのに・・・
僕は臆病だから、それに気づかないフリをして逃げていました。
―――本当にごめんなさい!」
そうだ・・・それがマスターを苦しめているなんて夢にも思わなかった。
僕はいつも自分のことばっかりで、人の気持ちなんて考えようともしなかった。
―――本当に・・・最低だ。
「それに僕、ちゃんと知っています!
マスターは僕以外にも独りでいる人を見かけたら、
その度になんとかしようとしていたのを!
他にも、場の空気が悪くなったら、さり気なくフォローしたり、
会話が続かなくなったら、すかさず他の話題を提供したり、
喧嘩になりそうになってもマスターが来ると、
たちどころに険悪な空気を吹き飛ばしてくれるし、
他にも、いっぱい、いっぱい、マスターが頑張ってるの僕は知っていますから!
・・・だから、自分を責めないでください。」
―――これが僕の精一杯。
普段の僕には、こんなに喋ることはできなかっただろう。
それを可能としたのは、ひとえにマスターへの感謝と贖罪の気持ち故だろう。
これが少しでもマスターの心を軽くしてくれればいいのだけど・・・
「・・・・。」
「・・・・。」
マスターは鳩が豆鉄砲でも食らったかのような顔をして固まっていた。
・・・やっぱり僕、変なこと言ってしまっただろうか。
途端、恥ずかしさが込み上げてくる。
あー、バカバカッ!やっぱり慣れないことするんじゃなかった!!
「す、すみません、突然変なこと言って!やっぱり、さっきのは忘れてくだ――――」

「ありがとう。」

「―――――――――――え・・・・。」
気がつくと、彼女はボロボロと涙を零していた。
「ちゃんと、見ていてくれたんだ・・・。」
「マ、マスター?」
「あ、あれ、変だな。私、すごく嬉しい、のに、涙が、止まら、ない―――。」
彼女がどんな思いで日々を過ごしていたのか、僕には分からない。
彼女の涙にどれだけの思いが込められていたのか、僕には知る由もない。
―――だけど、彼女に胸を貸すくらいはできるだろう。
僕はそっと彼女を抱きしめる。
「―――あ、・・・あぁ・・・・・あぁぁぁあああっ!!!」
彼女は堰を切ったように泣き出した。
きっと、今まで彼女の中で張り詰めていたものが切れたのだろう。
僕は腕の中に収まった彼女の肩の細さに驚いた。
・・・今まで、こんなか細い女の子に全てを背負わせていたのかと自分を恥じる。
何故、もっと早く気がつかなかったのだろう。
皆の輪から離れたところから見ていた分、
僕は誰よりも彼女が頑張っているのか知っていたというのに、
彼女の力になってあげなかったどころか、
僕自身が彼女の負担になっていた。
僕は・・・救いようのない莫迦だ。

118ヤマチ:2006/07/25(火) 23:43:00 ID:aar7Y8oo
ひとしきり泣いた後、彼女はとつとつと胸の内を語りだした。
「実は私、このギルドを抜けようと思っているの。
ギルドマスターは今のサブリーダーに引き継いでもらってね。」
それは、僕にとっても衝撃の事実だった。
「正直、気疲れしてしまうの。
皆と仲良くしなきゃとか、場を盛り上げなきゃとか、
気づいたらいつも周りばっかり気にしてた・・・。
皆の顔色ばっかり窺ってた・・・。
――可笑しいよね。
昔は皆、気兼ねなく話すことのできた友達同士だったのに・・・。」
そう言って彼女は力無く笑った。
その儚げな表情を見ていると本当に消えてしまうのではないかと、
僕の心を不安にさえた。

「最初は三人で始めた小さなギルドだったの。
その時は私もギルドマスターじゃなかったのよ。
その内、一人、二人と、メンバーも増えてギルドらしくなっていったわ。
今思えば、あの頃が一番楽しかった・・・。
でも、ギルド単位で行動し始めると、だんだんギルドの職バランスが問題になってきたわ。
それで回復役が足りないとか、前衛が足りないとかでメンバーを補充していったの。
おかげでギルドの戦力は充実していったけど、
なんだか初めの頃と比べると、私たちのギルドはおかしくなってしまった。
最初に集まった三人のうちの一人は、
ギルドが戦力強化を図りだしたころ抜けていってしまった。
今思えば、彼にはこうなることが分かっていたのかもしれない・・・。」

119名無しさん:2006/07/26(水) 00:13:05 ID:O3PCb60s
なんかよくある話だけど実際物語り読んでると切ない(´ω`;)

120名無しさん:2006/07/26(水) 03:07:01 ID:keHoZt8o
水を差すようで非常に申し訳ないけど、ECOはギルドじゃなくてリングです・・・。

自分リングマスターですが、一時期この状況にはまりかけました。
自分が今どうしたいのかが気がつけるかどうかが大事ですね。
$と鳥いないPTでムリヤリ光の塔で狩りしてますが幸せです(*´ω`)

リングマスタースレに投下するといろいろ反響がありそうですね。
・・・あれ?このスレはぶれますwww(ry

121名無しさん:2006/07/26(水) 09:37:28 ID:z3WL60Q6
うはwwwぶれます出てきてないw
まぁ前の奴の続きと考えて主人公がぶれますってことに脳内でしておこうww

122ヤマチ:2006/07/26(水) 11:42:07 ID:aar7Y8oo
―――その後はキミの知っての通りよ。
と、そう言って彼女は話を区切った。
僕はなんと言葉をかければいいのか分からず、
ただ彼女を抱きしめる腕に力をこめた。
「・・・でも、もういいの。
彼の言うとおりだったわ。
あそこはもう私たちのギルドじゃない。
これからはどこか小さなギルドにでも所属して、
ささやかに生きることにするわ。」
そう言うと、彼女は僕の腕から抜け出した。
そこにはもう弱々しい少女の姿はなかった。
代わりにあるのは、力強く咲くヒマワリのような彼女の笑顔。
綺麗だな――と、素直にそう感じる。
どこか見る人に安心感を与える、そんな笑顔だった。
・・・『強い』っていうのは、そういうことなのかもしれない。
「今日は本当にありがとう。
謝りに来たはずなのに、君に慰められちゃったね。」
「いえ、別に・・・。」
「うふふ、不思議な子・・・。
リングを抜けることは、今晩サブマスターに最初に言うつもりだったのに、
先にキミに喋ってしまったわ。
――それじゃ、これでお別れね。
できることならキミともっと話してみたかったけど・・・残念ね。」
「僕も・・・マスターともっと話したかったです。」
「ふふっ、ありがと。―――それじゃ、元気でね。」
彼女は湖に背を向けて、歩き始める。
その背には彼女を縛る重荷ではなく、
新しい世界へと羽ばたくための翼があった。

だけど、この広い世界を一人で羽ばたくのは寂しくないだろうか?
僕には彼女と共に飛ぶことは出来ないけれど、
それでも、彼女が羽を休める場所を用意するくらいのことは出来るだろう。
・・・何より、彼女と別れたくないと思う自分がここにいる。

―――さぁ、今度は僕の番だ。
いつも怯えて逃げていた。
逃げて逃げて逃げ続けた。
・・・だから、もうげるのは充分だろう?
なら、今度は踏み出さないと・・・
彼のような―――そして彼女のような強い人になるために。

「―――僕と一緒に来ませんか。」
彼女が振り返る。
あぁ・・・言ってしまった。
心臓が五月蝿いほどバクバクいってる。
でも、頑張らないと。
ここが正念場だと自分に言い聞かせる。
「いいリングを知っているので良ければ紹介しますよ。
今はまだマスター一人しかいないんですけどね。」
僕は軽くおどけるてみせる。
でも実際は、心臓の音で自分が何を言っているのかすら聞こえない。
というか、僕はちゃんと喋れているだろうか?
「あらあら、それは本当に小さなリングね。」
彼女は片手を頬にあて、考えるそぶりを見せる。
―――やっぱり、ダメかな?と僕の心に諦めが広がっていく。
「でも・・・今の私にぴったりだわ。ふふっ」
そう言って、彼女は悪戯っぽく笑った。


是非、私に紹介してはくれないですか。―――新しいマスターさん。


―――こうして僕はようやく自分の居場所を手に入れた。
いや・・・手に入れたのではない。
自らの手で作ることにしたのだ。

これから新しい日々が始まる。
そう思うだけで、世界はいつもより綺麗に見えた。





「・・・あ、でもリングってどうやって作るんでしたっけ?」
「あらあら^^;」

―――しかし、まだまだ前途は多難のようである。

123ヤマチ:2006/07/26(水) 12:23:34 ID:aar7Y8oo
≪あとがき≫

まず最初に、ごめんなさい。
主人公まだソードマンです。
一話目に至ってはノービスでした。
でも、一話目は先輩のブレマスがいたんですけど、
二話目は完全にブレマスいません。
・・・・そろそろ、転職させないとこのスレ追い出される(滝汗)

そもそも、主人公視点で語っているので、
つい説明が不足になりがちです。
解説しないと分からないのは、どうにかしなくてはと反省してます。

それと、もう一つ・・・
『リング』じゃなくて『ギルド』になってます!
マジでごめんなさい!!(土下座)
実はリアル事情でECO休止しているので、だんだん記憶が・・・orz

それが、なんでSSなんて書いているのかというと・・・
ある日サイトを見たら、いつの間にかSAGA4も始まっていて、
また遊びたいと思いつつも叶わぬ毎日が続き、
気がついたらブレマスの話を考えていたという次第です(妄想癖)

初めは、強いけどいつも一人ぼっちなブレマスの話を考えていたのですが、
この子の過去の話も入れたいなぁとか考えているうちに、
こんな長いものが出来てしまいました。
・・・実はプロローグだったなんてとても言えません(冷汗)
しかも書いているうちに色々思い浮かんでしまって、
当初のストーリーとは大分かけ離れてます。
だいたい、なんでハッピーエンドなのさっ!?(←想定外)

ともあれ、お話も一段落したとこで格キャラの設定を確認してみようと思います。

■主人公
名前:未定
種族:未定
性別:未定 (♂?)
職業:まだソードマンorz

■レイドさん
名前:レイド (ブレイドから『ブ』を抜いただけ)
種族:ドミニオン
性別:♂
職業:ブレイドマスター

■リングマスター(仮称)
名前:未定
種族:タイタニア
性別:♀
職業:未定

こうして見てみると、自分でも驚くくらい『未定』ばっかりですね。
―――特に主人公。性別すら決まってません!(笑)
いやぁ〜、バトルなかったし、一人称視点だとその辺いくらでもぼかせるしで、
まだ決まってないんですよね。
今後の展開で必要になり次第、順次決定していきます(かなり適当)

さて、名もなき主人公君も自分の居場所を見つけられたみたいだし、
心機一転して、次からはギャグとか萌えとかエロとか狙っていこうと思います。
気分次第でエロも書けるからこのスレは素晴らしい・・・(恍惚)

これで≪あとがき≫というか作者の反省会を終わります。
長々と失礼しました。

124名無しさん:2006/07/27(木) 01:13:18 ID:PEiwMbFI
おつかれ〜
ちょっとこの話好きかもwww俺も前書いたキャラ引っ張り出して
新しく書こうかな・・・

125名無しさん:2006/07/27(木) 11:56:10 ID:hInOJVsM
          ‐-;-.,_ "''=;- .,_\ \\
             "‐ニ‐-> "`"'-' \
      ______二)          ヽ
         ̄"'''─-、        ∩_  ヽ
__   ____-─        [|__]   ヽ,
   ̄ ̄ ̄ ̄    三  ⊂二二二( *‘ω‘ *) 二⊃ ヽ
  ――=                  |    /      |<スレの速度をあげるでおじゃる
        ――         ( ヽノ         |
    _____          ノ>ノ       !
 ̄ ̄ ̄ ̄     ̄ ̄ ̄ ̄ヾ、 _、 レレ         |
                 ヾ./_     _   //
                、ー`、-、ヾ、、,  、, /i/
                 // ./// /
                 /  / / /

126名無しさん:2006/07/27(木) 12:56:46 ID:plVQOqbs
>>110を読んで
ageんなよ

>>111を読んで
おまっ、ガンガレ、超ガンガレ
ガンガンageようぜ

できればエロなしの純粋路線で行ってくれると嬉しかったりするorz

127名無しさん:2006/07/27(木) 15:03:40 ID:1QEM0J6w
エロなしはこっち↓のSS投稿スレに
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/23423/1133360680/1

128名無しさん:2006/07/28(金) 09:47:52 ID:JJXjSLTo
別にエロなしだからってSS投稿スレに行かなくてもいいのでは?

129名無しさん:2006/07/29(土) 09:23:24 ID:1qrsLDQc
こっちだと、「ECOSS」に載らないから
多くの人に読まれるのに抵抗ある人はコッチで良いと思うが?

参考(ECOSSのホームページ)
http://ecoss.michikusa.jp/

130ヤマチ:2006/07/29(土) 13:17:02 ID:aar7Y8oo


自分のリングを結成してから一ヶ月の月日が経過した。
初めは僕とドルイドのヒカルさんの二人だけで始めたリングだったが、
新たにエレメンタラーのアカリも加わり、三人で楽しくやってきた。
そして今日、僕は遂にブレイドマスターに転職を果たしたのだった。

「ブレイドマスター転職おめでとう、ヒィ君。」
「ありがとうございます、ヒカルさん。」
「アタシのおかげよ。感謝しなさい、ヒィ。」
「はいはい、アカリもありがとう。」
「む、微妙に誠意が感じられない。――やり直し!」
「アリガトウゴザイマス、アカリ様。」
「うむ、三倍返しで宜しく!」
「なんでさっ!?」
「あらあら、仲が良いわね二人とも。」

ともあれ、これで僕も二人と同じ二次職になることが出来た。
まだまだ上級プレイヤーである二人には及ばないけど、
これで少しは僕も戦えるようになっただろう。

「それでは転職祝いにサウスダンジョンに挑戦しますか!」
「うふふ、前に行った時は大変だったわねぇ、ヒィ君が。」
「そうそう、いきなり汽車に突っ込んでいくんだものビックリしちゃったわ。」

―――そう、前に好奇心から少しだけサウスDに潜ったことがある。
二人にはまだ早いと言われていたけど、ちょっと見るだけという条件で、
比較的安全な一階の中央まで探検することになった。
初めて見るダンジョンは新鮮で、汽車が線路を走ってきた時には思わず・・・

「だって・・・乗れると思ったんだもん。」




サウスダンジョンを三人でうろついていると、一人の傷ついたエレメンタラー♂に出会った。
ヒカルさんがそれを見てヒールをかけてあげた。
「ありがとうございます。」
「いえいえ、気になさらないでください。」
――ごく日常的に行われるハートフルなやり取り。
こういうのを見ていると心が和む。
僕も「頑張れ〜。」とエールを送ると彼は「応っ。」と快く返してくれた。

「――おや?」
そこで彼の足元について走るニンジンの姿に気づいた。
「マンドラニンジンだ。可愛いなぁ・・・。」
「ふふふ、そうね。」
僕とヒカルさんが彼を追うマンドラニンジンの姿に心を和ませていると、
アカリが横から水を差してきた。
「でも、ペットとしては最弱よ。正直、足手纏いだわ。」
―――やれやれ、分かってないなぁ、アカリは。
僕は親切にもアカリにゲームの極意を諭してやる。
「いいんだよ、可愛ければ。
時には遊び心も大切だよ。アカリも、少しはあの人を見習ったら?
うんうん、あの人はよく分かってる。
やっぱり強さに拘ってばかりじゃ面白くないもんね。」
と、僕的にはイイこと言ったつもりだったんだけど、
アカリは相変わらず冷めた眼で、彼らを見ていた。
「ふーん・・・それはどうかしら?」
「・・・?」
「―――ヒィ君、そろそろ私たちも先へ進みましょ。」
どういう意味だろうとアカリに尋ねようとすると、
ヒカルさんが珍しく急かしてきた。
・・・いつもはのんびりするのが好きなはずなのに。
「あの、ヒカルさん。彼、一人みたいですしPTに誘ってみませんか?」
「ヒィ君がそうしたいなら、反対はしないけど・・・。」
なんかヒカルさんは微妙な表情だ。
変だな・・・人見知りするような人じゃないのに。
「じゃあ僕、さっそく誘ってきますね。」
なんか引っかかるけど、とりあえず彼を見失わないうちに追いかけることにした。

そういえば・・・と、過去の自分を振り返る。
今までの僕からは、進んで知らない人と話しかけようとするなんて、
とても考えられないことだ。
ヒカルさんたちと行動を共にするうちに、いつの間にか人見知りな性格もなくなっていた。
そんな自分の変化に今更ながら気づく。
―――この世界に来て良かった・・・と、心からそう思った。

131ヤマチ:2006/07/29(土) 13:18:44 ID:aar7Y8oo
僕が彼に追いついた時、彼はブリキングに襲われるところだった。
あ、危ない!――と、思った時には既に遅く、
彼のマンドラニンジンはブリキングに襲われてやられてしまった。
しかし、その間に詠唱を完了させた彼が、強力な魔法でブリキングを一撃で葬り去った。
それでも、マンドラニンジンはやられてしまったし、
一人ではやっぱり大変だろうと、声をかけようとした時だった。
「――――あっ!?」
彼はその場にマンドラニンジンを捨てて、先へ進んでしまった。
たぶん操作を間違って捨ててしまったんだろうと思い、
彼にマンドラニンジンを落としたことを伝えようとした。
「おーい、マンドラちゃん落としてますよー!」
「―――え?」
彼は振り向いた。
そして「おっと、危ないところだった。教えてくれてありがとう。」とか言いながら
慌てて取りに戻ってくるものと思っていた。
―――だけど・・・

「あぁ、それ。それはもう使えないから捨てて置いてください。」

何を言われたのか理解できなかった。
何かの聞き間違いだと思った。
いや、聞き間違いだと思いたかった・・・。
だけど、非情にもログには確かに聞いたとおりの言葉が残っていた。

―――ソレ―――

―――ツカエナイ―――

―――ステテオイテ―――

「わざわざ、教えてくれてありがとう。」
そう言って、彼は何でもないことのように去っていった。
僕は何もかも理解できなくて、しばらく呆けていた。
もうとっくに見えなくなった彼の背中から視線を外すと、
地面に転がったマンドラニンジンの姿があった。
僕は莫迦になった頭で、ただ助けなきゃと、その子を拾い上げた。

親密度:0/30 ≪休眠状態≫

―――それを見た瞬間、僕は心が凍る思いがした。
どうして、こんな酷いことが出来る?
何のために、こんな事をしなけりゃならない?
・・・停止していた思考は、更なる衝撃に再び廻りだす。
いや、考えるまでもない。
さっきから解っていたんだ。
ただ、それを認めたくなくて、結論を保留にしていただけ。
だけど今、その確認が取れた。
故に・・・この腹の底から煮えくり返る感情こそがその結論。

「オイオイ・・・」
それは自分の声とは思えないほど低くかった。
「何なんだよ――――何なんだよ、これはっ!!?」
全て理解していながら、問わずにはいられなかった。
・・・なんで、こんな酷いことをするのかと。
・・・どうして、こんな凶行を行えるのかと。
「――――答えろよっ!!!」
誰に問うたわけでもない。
こんな凶行を犯した彼にでさえなかった。
――ただ、問わずにはいられなかっただけ・・・。

しかし、そんな問いに答える声があった。

「そういう戦術なのよ。」

だけど、その答えはあまりに非情。
そんなことが聞きたくて問うたわけじゃない。
なのに、それが現実だと知らしめるかのように回答は続く。

「アンタも目の前で見ていたでしょ。
ペットが敵にやられている間に、主人が魔法を唱え、敵を倒す。
要するに、ペットを利用したデコイというわけ。」

―――なんだよそれ・・・。

「ペットなら何でもいいんだけど、
最弱とはいえ、入手が簡単なマンドラニンジンは、
まさにこの戦術にうってつけなの。」

―――もういい・・・聞きたくない・・・。

「アンタ・・・自分が異常なの気づいてる?
ペットは私たちPCとは違う。
感情を持たない、ただのプログラムなの。
そんなものに何マジになってるのよ。」

「―――うるさいっ!!!」

僕は思わずアカリに怒鳴り返した。
アカリは間違ったことは言っていない。
・・・分かってる。
そんなことは分かってるんだ。
―――でも・・・

「でも、可哀想だと感じたんだっ!!
それを哀しいと思ったんだっ!!
なら、仕方がないじゃないかっ!!!」

僕は彼を追って走り出す。
このまま見過ごすことなんて、とても出来なかった。

132ヤマチ:2006/07/29(土) 13:23:14 ID:aar7Y8oo
「―――おいっ!お前っ!!!」
ようやく彼に追いつく。
彼は今しがた戦闘を終えたとこなのか、
彼の足元には壊れたブリキングの残骸と・・・

力尽きた『二匹目』のマンドラニンジンが横たわっていた。

「ん?さっきの人か。どうしたんだい?そんなに慌てて・・・。」
だが、彼はそれを何とも思っていない。
―――当然だ。
彼にとってそれはただの消費する道具でしかないのだから。

僕は怒りと共に吐き気まで込み上げてきた。
それらを必死に抑えながら、彼に問いかける。
「お前・・・そんなことして何とも思わないのかよ・・・。」
通じるとは思わなかったが、一応聞いてみた。
だが意外にも、彼は僕の視点の先を見ると、
それだけで何のことか理解したようだ。
「あぁ、なるほどね。・・・キミはこれを許せないというわけか。」
莫迦か?コイツは。
そんな当たり前のこと、聞くまでもないじゃないか。

「そうだね・・・キミの言っていることは正しい。」

―――いきなり肯定されて僕は言葉に詰まった。
てっきり嘲笑われるものかと思っていたから、思わず固まってしまった。

「そして、キミはとても優しい子だ。」

彼は尚も続ける。
彼は僕を尊いものでも見るかのような目で見ていた。
――わけが分からない。
僕はすっかり最初の勢いを失い、毒気を抜かれてしまった。
「だけど・・・一ついいだろうか?」
彼は自分の足元を指し示す。
「ここに倒れているのはマンドラニンジンだけじゃない。
確かにマンドラは私が殺したようなものだが、
私が殺したのはマンドラだけではないだろう?」
僕は彼の言わんとしている事にようやく思い至る。
「―――それについては、どうとも思わないのかい?」
確かに倒れているのはマンドラニンジンだけじゃない。
だけど・・・
「だけど、このブリキングは敵だろう!?」
彼は残骸の中からブリキングの頭部を、
そっと大切なものでも扱うかのように拾い上げる。

「敵なら許されるのかい?
確かに襲い掛かってくる以上、私たちは自分の身を守るために戦わなくてはいけない。
そのためには相手を『殺』すことも仕方がないだろう。」

彼に抱えられたブリキングの眼が僕の姿を映す。
―――それは、酷く歪んだ姿だった。

「だが、キミが『殺』してきたのは、アクティブモンスターばかりではあるまい。
中にはノンアクティブ――こちらから襲い掛からねば決して害のないモンスターも
『殺』してきたのではないかね?」

彼に抱えられたブリキングが突然発火する。
彼が炎の精霊の力を行使したのだろう。
それに何の意図があったのかは分からない。
ただ、炎に包まれたブリキングの表情は、憎悪で歪んでいるかのように見えた。

「考え方を変えてみれば、アクティブであるこのブリキングも、
私たちがわざわざ彼らのテリトリーに足を踏み入れなければ、
襲ってくることもないだろう。
彼らはただ、自分達の住処を守りたいだけだというのに・・・」

―――可哀想なことだ。

彼の言葉が脳に直接響き渡る。
それは僕が言うべき言葉ではなかったのか・・・?
どこで間違ってしまったのか。
何が間違えていたのか。
僕は混乱した頭で必死に答えを捜し求める。

「だけど・・・だけど仕方がないじゃないか!
だって、これはそういうゲームなんだからっ!!」

しかし、出てきたのは子供じみた言い訳のような言葉だった。
僕の答えに彼はとても哀しそうな表情をした。

「そう―――そういうゲームなんだ。」

言ってから気づいた。
今まで僕の言っていたことは、自分にとってのみ都合のよい酷い偽善であることに。

「――改めて問う。
キミは彼らを殺すことを、何とも思わないのかね?」

「――――僕は・・・・ぼく・・・は・・・・・・・。」

結局、僕には答えることが出来なかった。
だって・・・炎の中から出てきたブリキングの表情は、まるで泣いているかのようだったから。

133ヤマチ:2006/07/29(土) 13:24:19 ID:aar7Y8oo
―――アイアンサウス郊外の展望台。
僕はここで何をするでもなく手すりに寄りかかって、
雑多な町並みを見下ろしていた。
彼の言葉と、傷つき倒れたマンドラニンジンとブリキングの姿が、
いつまでも僕の頭から離れない。
「僕は・・・間違っていたのかな?」
僕は分からなくなって、後ろのベンチに腰掛けているアカリに聞いてみる。
「当然ね―――アタシに言わせれば、大間違いもいいとこだわ。」
アカリの物言いは容赦がない。
でも、それが今はありがたく感じた。
「でも、彼はアンタのことを『正しい』と言っていたわ。」
・・・言っていた。だけど・・・
「だけど、僕は――」
「うるさい。話は最後まで聞きなさい。」
「は、はい・・・。」
彼女は「――いい?よく聞きなさい」と前置きして話を続ける。
「この世界には、いろんな人が、いろんな価値観をもって生きている。
ううん、この世界だけじゃない・・・それはリアルでも同じこと。」
彼女はベンチから立ち上がると、こちらに歩いてきた。
「それらは時としてぶつかり合うけど、だからってどちらかが間違っているとも限らないの。
大切なのはね。それを相手に押し付けないこと。
―――その点、今日のアンタは最低だったわ。
いつもだったらラーヴァフロウものね。
ま、今日は勘弁してあげるけど、次はないと思いなさい。」
「・・・ごめん。」
僕は本当に申し訳なく思った。
「――だけど、同じようにアンタが彼の意見を鵜呑みにする必要もないわ。」
「・・・え?」
「だから、アンタがあのニンジンを可哀想と思ったことは
間違いなんかじゃないって言ってるの!」
―――そんなわけない。
「・・・間違ってるよ。だって僕は数え切れないほどのモンスターを殺してきた。
なのに、ペットのことだけ殺すことは可哀想なんて・・・偽善もいいとこだ。」
彼女は僕と同じように展望台の手すりに寄りかかると、
やれやれと深い溜息をついた。
「――アンタ、莫迦じゃないの?
アンタが自分で言ったんでしょうが!
『それでも、可哀想だと感じたんだ。』って!
たかがゲームに現実の道徳観念なんて持ち込んでどうするのよ!
ならっ!アンタが可哀想だって感じた気持ちが重要なんじゃないのっ!?」
――どういう意味だろう?
とても大事なことを言われたのに理解が追いつかない・・・。
「アンタ・・・今まで敵を倒すことに抵抗を感じた?
それを『命を奪う行為』と認識しながらやってきたとでも言うの?
違うでしょうっ!?
なら、それがアンタの基準っ!この世界におけるアンタの道徳観念っ!
それを否定することは誰にも許されない。
だけど同時に、それを誰かに押し付けることも許されない。
そういうものなの!―――わかった?」

あぁ、それで・・・彼は『キミは正しい』と言っていたのか。

「うん・・・わかった。―――ありがとう、アカリ。」


―――ぱちぱちぱち

唐突に現れた拍手の音に驚く。
音のした方を振り向くと、いつの間にかヒカルさんが立っていた。

「い、いつからいたのよ・・・。」
「荷物取って行ってただけだから、かなり最初から。――うふふっ。」
にこやかに答えるヒカルさんに、アカリは「うあ〜」と頭を抱えて呻いている。

「さて、ヒィ君。貴方に質問します。」

ヒカルさんはいつに無く、真剣な表情をしていた。

「貴方がペットをモンスターと同じただのプログラム――あるいは唯の道具と思うのであれば、
さっき拾ったマンドラニンジンは今すぐここで破棄しなさい。」

そういって彼女はすぐそこのゴミ箱を指差す。
それはもう使えないゴミでしかないと言わんばかりに・・・。

「――ですが、もし貴方がそれを哀れに思い、助けたいと願うのであれば・・・」

ふと、ヒカルさんがいつもの優しい笑みを浮かべる。

「これを・・・貴方に差し上げます。」

そして差し出された手には、ペットの親密度を回復させるキャンディーがあった。

134ヤマチ:2006/07/29(土) 13:25:20 ID:aar7Y8oo
≪あとがき≫

完成しました第四話!
なのに現時点では第三話はまだ完成していません!
なんでやねんっ!!(笑)
――ですが、特に問題ないようなので第四話から先に投稿してしまいました。
いつの間にかツンデレ巫女のアカリが登場していますが、
彼女については第三話で語られることになります。
そこで彼女の意外な設定が明らかに・・・ってもうバレてるかもorz

キャラクターについては今回は色々ありますね。
やっと名前も決定しましたので一通り紹介。

まず、主人公の名前は『ヒィ』になりました。
物語を考えている時、仮の名前として『He』と呼んでいたら、
いつの間にか自分の中で定着してしまったので、そのまま採用。
ちなみに今回めでたくニンジン剣士―――じゃなくて、ブレマスに転職。
・・・これでもう、ブレマスがいないと言われないで済む(涙)

二人目は、前のリングから主人公とカケオチのような形で失踪した『ヒカル』です。
職業はドルイド。
属性は近所の綺麗なお姉さん。でも、実は―――

三人目は、いつの間にか登場しているツンデレ巫女の『アカリ』。
なんか説教好きなキャラになってしまった。
・・・ちょっとS。

そして、今回ゲストキャラのエレメンタラー♂(名無し)
――通称、麻呂!!
実は職服がけっこう好き。
キャライメージは知的で優しいお兄さん。
語尾は普通にしました―――大人の都合ってヤツです。
何気に今回一番目立ってたりします。
再登場もありえるかも・・・。


今回の物語のテーマは『にんじんデコイ問題』。
ある者は人でなしと罵り――
また、ある者はエゴイストと嗤う――
一時期、よく議論されていました。懐かしいなぁ・・・。
物語中では無難な結論でまとめましたが、あなたはどう思いますか?
それと、派生させてRPGにおける道徳性についても語っています。
現実の理屈を適用すると、
日夜、町の近隣の生物を何百と殺害してるなんて言ったらホラーですからねぇ^^;

こんな感じで、この物語はECOをプレイしているプレイヤー達に
焦点をあてて描かれています。
自分如きには正しい解なんて出せませんが、
みんなが悩んだこと、思ったことを、物語として収めていこうと思います。

ちなみに第一話と第二話では、主人公の孤独をメインテーマに置きながらも、
味付けに『初心者案内人』や『リング』を混ぜ込んでいます。

―――さて、次は何について詠おうか・・・。
リアル性別、横殴り、職バランス、辻ヒール、詐欺行為、そしてネット恋愛―――
人の数だけ物語があるとは、よく言ったものです。
尤も・・・自分の技量では、満足に語れるものも限られてしまうんですけどね(苦笑)


相変わらず長いあとがきで申し訳ありません。
読んでくださった方、どうもありがとうございました。

135ヤマチ:2006/07/29(土) 13:51:01 ID:aar7Y8oo
追伸:
SSスレは知っているんですけど、
敷居が高いというか、レベルが高いというか・・・(汗)
投稿するならするで、もう少しまとまった量を書いて
一つの物語として完成してから投稿したいと思っています。

136名無しさん:2006/07/29(土) 14:08:25 ID:1qrsLDQc
このID(aar7Y8oo)どこかで見た様な?
・・・って、>>26の人じゃないか〜!

なんか、話が全く違うから別人かと思った^^;

137名無しさん:2006/07/29(土) 15:38:34 ID:5PiSvkOY
言われて気づいた
実はこのスレのぬしだったわけですね

ともかくヤマチさんGJ

138名無しさん:2006/08/01(火) 16:59:59 ID:beOZHlmc
このスレ大好きですょ〜
頑張ってくださいねb

139名無しさん:2006/08/04(金) 06:39:35 ID:keHoZt8o
>>ヤマチさん
SSスレのコテの1人ですが(ってかIDで1発でわかるけど
向こうでもなんら問題ないクオリティの作品だと思いますよ。
最近向こうで投稿されるSSが減ってきて一同寂しがっております故、
ここの作品をそのまままるごと転載しても全然大丈夫だと思います。
ついでに向こうにうpすれば告死天使さんがSSサイトに保管してくれますし。

あ、でも2話目のギルド→リングの誤植は直した方がいいかも・・・w

140名無しさん:2006/08/05(土) 16:17:24 ID:2f4Xi1vE
ヤマチさんの第3話に期待sage
・・・ageると>>100-102みたいになるからsageで!

141名無しさん:2006/08/08(火) 16:04:57 ID:QMAN1zSo
なんか「ヒカル」のイメージが「.hackの志乃」に
異様にカブるのは俺だけ??

142ヤマチ:2006/08/09(水) 19:14:53 ID:aar7Y8oo
少し離れている間に、たくさんレスが・・・
皆さん、ありがとうございます。
人に自分の作ったものを認められるのって
凄く幸せです。
これからも宜しくお願いします^^

>>139
えーと、keHoZt8oで検索っと・・・・・なっ!?
す、凄い人が来てる(滝汗)
その件ついては、実は密かに準備を進めてまして、
1〜5話の完成および修正が完了次第、
投稿しようと、命知らずにも目論んでいます^^;

>>141
あー、なるほど・・・たしかに口調は似てますね。
でも、実は彼女の口調はアリシアさんをイメージしてます。
「あらあら」とか「うふふ」がポイントですw
性格は、志乃というよりアトリが近いですね。

ちょっと近状報告と次回予告。
実は最近、ECO復帰しました。
三ヶ月ぶりでしたが、リングの人に忘れられてなくて良かったです。
復帰の祝いに、皆にインスDに連れて行ってもらったりしました。
あの時は本当に嬉しかったです。
偽りの世界の中で生まれたモノだけど、
人と人との繋がりは確かに残っていて・・・。
今までECOにINできなくなってから
埋めることの出来なかった心の隙間が、
暖かく満たされていくのを感じました。

というわけで、
今度、ネットゲームにおける人と人との繋がりをテーマに描こうと思います。
・・・我ながら無駄のない人生だ^^;
でも、とりあえず次回は『力に囚われた者』の話にするつもりです。
何故かって?・・・今の俺がまさにその状態だからですorz

皆と共に肩を並べて戦いたくて・・・
皆を守れるようになりたくて・・・
そう思って力を求めたはずなのに・・・
いつしか力を欲した意味すら忘れ、
ただ独り、貪欲に力を求めて戦い続ける日々・・・

最近、島で狩り続けてるんですけど恐ろしい場所ですね。
・・・色んな意味で^^;
でも、その場所から離れられない自分がいたりして・・・orz
レベルって・・・『強さ』って何なんでしょうね?

そんなわけで第五話をお楽しみに〜。


・・・え、三話?ななな何のことかな?HAHAHA(冷汗)

143141:2006/08/10(木) 12:49:43 ID:B9ZqsITs
ARIAかぁ・・・。
アニメも見てみたいけど、深夜アニメは地方じゃなかなか放送されない・・・OTL。
(放送されても半年後とか;-;)
大都市が羨ましいよ〜!

あと、SSスレに載せるのは良いとして・・・
もちろんアッチにも>71以前のエロ話も載せるんだよね〜♪
(どういう反響が来るか楽しみだな〜♪)

144ヤマチ:2006/08/11(金) 00:46:21 ID:aar7Y8oo
>>143
え、そうなの?
あれも「向こうでもなんら問題ないクオリティの作品」に含まれていたのか。
なら、準備しておかないといけないですね^^b

145名無しさん:2006/08/11(金) 12:27:40 ID:UVUiPcng
・・・で、第3話は(笑)?

146ヤマチ:2006/08/11(金) 14:07:21 ID:aar7Y8oo
ぱっと思いついたシーンを衝動的に書き上げてるだけだから、
俺の書きかけの原稿は非常に断片的です。
それでもいくつか揃うと、パズルみたいに全体像が見えてきて、
今まで書き上げたピースを繋げていくことで物語を形作ります。
・・・・・・で、なんで第三話が書けないかというと、
その肝心のピースが足りないので物語が形になってくれないんですorz

以上、第三話のいい訳でした。

ちなみに現在執筆中の第五話は、逆にピースが多すぎて困っています;
こうなると、どのピースを削って、どう繋げていくかで悩みます。
くそ〜、メンテ中に書き上げようと思っていたのにぃ〜(泣)

147ヤマチ:2006/08/21(月) 19:57:35 ID:aar7Y8oo
第五話 その1 ≪アカリの思い≫


私たちは今、東に向かってファーイースト街道を歩いている。
視線の先には我らがリングマスターの姿がある。
彼も努力の末、ようやくブレイドマスターに転職したが、
アタシ達と比べるとまだまだレベル不足は否めない。
アタシとしてはこのままガンガン彼を鍛えて、
一人前のマスターにしたかったのが―――

「はぁ・・・足手まといが足手まといを連れてるよ。」

思わず溜息をついてしまう。
今、彼の足元には最弱のペット――マンドラニンジンがテクテクとついて歩いている。
本人はアタシの気も知らずに「可愛い」「可愛い」と
二足歩行型ニンジンを愛でている―――いいかげん、ウザい。
一体どこが可愛いというのか。
だいたいサウスにいた私たちがイーストまで行かないといけないのも、
このニンジンのせいである。
ヒィがこの子に名前をつけたいと言ってきかなかったのである。
そんなわけでネームプレートを買いに、
私たちはイーストに向かっているというわけである。
「まったく、今日はヒィをみっちり鍛えてやろうと思っていたのに・・・。」
私は不気味生命体を睨みつけていると隣でクスクス笑う気配がした。
「――なに笑ってんのよ。」
「うふふ、マンドラちゃんにヒィ君とられて、
ヤキモチ焼いてるアカリちゃんが可愛くて・・・ふふっ、青春ね。」
「なっ・・・そんなわけ無いでしょうがっ!!
なんでアタシがニンジンなんかにヤキモチ焼かないといけないのよっ!?」
「あらあら、素直じゃないわねぇ〜。」
「あのねぇ、アタシはただヒィのレベルを―――」

「―――ねぇ、アカリちゃん。こうしてのんびりするのも悪くないと思わない?」
「――――――っ!」

しまった。
ついアタシのここにいる意味を忘れるところだった。

思い出すのは最強と謳われた、かつて所属していたリング『黄昏』。
別に、そこでの毎日が楽しくなかったわけではない。
皆と力を合わせて強敵を倒すのは、とても達成感あったし、
それ故に仲間同士との信頼関係も良好だった。

そりゃ、仲の良くない人も多かったし、わけ分かんない奴もいたから、喧嘩も度々あった。
実際にリングとして活動しているのは半数ほどだというのも分かってる。
それをヒカルは心を痛めていたようだけど、それがどうしたというのだろう。
人間同士なんだから皆が仲良くできるわけが無い。
そんなこと一々気にしていたらキリがないだろう。

何より、普段は気に入らない奴らも、一度戦闘になれば最高に信頼できる仲間だ。
お互いに連携をとって敵を討つ。
この団結感が堪らなくアタシは好きだった。

148ヤマチ:2006/08/21(月) 19:58:45 ID:aar7Y8oo
そう――アタシはあのリングに満足していた。
それなのに、なんで最強の名を捨ててまで、こんなショボいマスターのリング『蒼天』に入ったのかというと、
やっぱり大切な姉妹だからヒカルを放っておけなかったのと・・・

―――『あの人』が何を思ってアタシ達の前から姿を消したのか知りたかったから。

おそらくヒカルと『あの人』が感じたことは同じ。
なら、その意味を私は知りたいと思った。
あのリングに何が足りなかったのか知りたかった。

そしてヒカルの指した答えは『ヒィ』だった。

最近、リングに入ったソードマンのヒヨっ子。
早い内から鍛えれば良い戦力になるだろうと思ったが、期待外れだった。
リングに馴染めない落ちこぼれの一人。
――当時の私はヒィのことをそう認識していた。

・・・別に独立した今も、その認識はあまり変化していない。
相変わらずヒィはレベルも低いし、特に人間的に優れているわけでもなかった。

正直、なんでコイツなのか分からないけど、仕方ないので今も観察を続けている。
ついでに少しは鍛えてやろうかと思っていたのだけど、思わず気合が入り過ぎていたようだ。
必要なのは今のヒィであって、アタシが彼のスタイルを潰してしまっては元も子もない。

「そっか・・・そうだよね。」
空を見上げる。
雲がゆっくりと流れていった。
・・・そういえば、いつも狩りと演習ばかりで最近あんまりのんびりした記憶が無い。
「うん・・・偶にはこうしてのんびりするのも悪くないか・・・。」
私は視点をおろして、我がのんびり屋のマスターを見やった。
そこには移動速度の遅いニンジンにあわせて、ゆっくりゆっくり歩いてくるヒィの姿があった。 

「でも、だからって、お前はのんびりしすぎだーーーっ!!!」 ※昔のニンジンは歩くの遅かった;

コイツのおかげで、唯でさえ遠いというのに、ますます時間がかかっているのである。
「え〜、でもマンドラちゃんが・・・。」
『・・・・・・・。』
「置いてきなさいっ!どうせWHで転送されるわよ。」
『・・・・・・・。』
「置き去りにしたら可哀想だよ・・・ねぇ?マンドラちゃん♪」
『・・・・・・・♪』
マンドラちゃん♪――じゃないでしょうがっ!
ニンジン相手に気色悪い!
何なのよ、あの溺愛っぷりはっ!!
アタシよりニンジンなわけ!?
「だったら、せめて荷物に戻しておきなさいっ!」
『・・・・・・・。』
「えぇ〜、それも可哀想だよ。」
『・・・・・・・ヤキモチ・・・・・・・ぷっ・・・・。』

―――おい・・・。
今このニンジン、何か言わなかった?
なんか物凄く腹立つこと言われた気がするんだけど?
気のせいかな?
気のせいだよね?
―――どの道、燃やすことに変わりはないけど。

「ちょ――ちょっと待ったアカリ!?何か分からないけど落ち着いたほうが良いぞ、きっと!!」
「フフフフ、じゃあ第三の選択肢ね―――燃えなさい。」
「わーーーっ、荷物に入れとくから止めてーーーっ!!?」
「却下。燃やすことは既に決定事項となりました。」
「なんでさーっ!!?」
『・・・・嫉妬・・・・かっこ悪い・・・・。』
「なんですってえええええええっ!!!」
「助けてヒカルさああぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!?」

「仲間が増えると、やっぱり楽しいわね・・・うふふっ。」



―――そう、なんだかんだ言って、アタシはこの日常を楽しく感じていたのだ。

149ヤマチ:2006/08/21(月) 19:59:49 ID:aar7Y8oo
第五話 その2 ≪ヒカルの思い≫


「ねぇ、トール君。この前入った子のこと覚えてる?」
「ヒィ君ですね。なんですか、その『絶対忘れてるだろ』みたいな質問は。」
彼はとても心外そうな表情をした。
「あの子、まだリングに溶け込めないみたいだから、心配だなぁと思って・・・。」
「なにも溶け込めてないのは、あの子だけではありませんよ。」
「・・・・・・そう、なのよね。」
そう――リングに馴染めない人間はヒィ君だけではない。
他にも何人もいるのだ。
・・・だからこそ、なんとかしなくてはと思う。
「はぁ―――こればっかりは本人の問題ですからね、貴女がそのことを一々悩んでても仕方がありませんよ。」
「でも、私達がもっとあの子を受け入れてあげれば―――。」
「無駄ですよ。皮肉にも、そのことは貴女自身が一番良く知っているはずです。」
「そんなことは・・・・・・。」
――ない。とは言えなかった。
「なんとかしようと貴女が何度誘っても、彼らは輪の中に入ろうとはしなかった。
貴女の助けがあって一時的に会話に参加する人も、
会話が進むごとに発言の回数は減り、知らず輪の中から遠ざかっていった・・・そうですね?」
―――驚いた。
無関心のフリをしてよく見ている。
「ダメなんですよ。結局、本人達が自ら歩み寄る勇気を持たなくてはね。
誰かから声をかけられるのを期待して待っているだけで、自分からは何もしない。
そして誰からも声をかけられないから、自分は皆に必要とされていないと一人でいじけているような人が、
どうして皆と馴染めるというのですか。」
わかってる。
そんなことは分かっている・・・でも―――
「ここでもリアルでも同じです。
他人と心を交わすには、自ら踏み込む勇気と同時に、
他人を自分の中に踏み入らせる勇気が必要なんです。
そんなことも分からない奴はもとより、このゲームをやる資格なんてない!」
・・・なんで?
なんでトール君は彼らに対してこうも否定的なのだろう。
そして見限っている割には、妙によく見ているし・・・
――あぁ、そうだった。
すっかり忘れていたけど、出会った頃のトール君はまだ・・・・・・
「なら、その勇気を分け与えてあげることだって出来るんじゃないかな。
・・・・・・トール君のときみたいに。」
「―――っ!
で、でも、それができたら初めから苦労はしません。
実際、貴女のそういった努力は報われていないじゃないですか。」
・・・そう、私では駄目なのだ。
トール君の時と今回の件・・・一体何が違うのか。
「『あの人』がいれば―――。」
「・・・・・・・ヒカルさん・・・・。」
そう――決まっている。
トール君に勇気を分け与えたのは『あの人』だ。
だからこそ、トール君は今の姿でいられるのだ。
「私じゃ、無理なのかなぁ・・・・・・。」
―――無力だ。
私には何の力も無い。
何も変えられない。
何も救えない。
「どうして、いなくなってしまったの・・・・・」

―――レイド。

150ヤマチ:2006/08/21(月) 20:01:06 ID:aar7Y8oo
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「―――あら?」
いつの間にか寝落ちしてしまったらしい。
といっても1時間ほどだが。
「昔の夢か・・・。」
そう、さっきのは私の過去の記憶だ。
あの後、私は自分の無力を嘆き、リングを抜ける決意をする。
その前に、結局救うことの出来なかったヒィ君には、一言謝っておきたくてウテナ湖に向かったのだ。
そこで私は彼の本心を聞くことが出来た。
結局私には何も出来なかったけど、
それでも、私の気持ちがきちんと伝わっていたことが嬉しかった。

『僕と一緒に来ませんか。』

そして彼は勇気をもってくれた。
私に踏み込んできてくれた。
自分の中に踏み入ることを許してくれた。
―――嬉かった。
望んだ形ではなかったけれど、それでも嬉しかった。
何も救えなかった私の唯一の希望。

『あの人』の望んだ場所を目指してリングを抜けたけど、
それは、こんなにも早く見つかってしまった。
あのリング『黄昏』には無かったものが、ここにはある。
いや、『黄昏』にもあったのだろう。
だた当然のようにそこにあって、誰も気づけなかっただけ。
何?って聞かれると上手く言葉に出来ないけど、それは確かにある。

『そうだ!リングの名前は『蒼天』にしよう。』

夕日の沈みゆく黄昏は、たしかに輝かしく美しい。
でも、輝かしいからこそ見えないものもある。
蒼天――いつだって見上げればそこにある青空。
いつだってそこにあるが故に、忘れてしまいがちな美しい空。

誰もが何でもないことのように歩む一歩。
人と人とが心を通わせるための一歩。
その一歩のなんと尊いことか。
誰もが迷わず踏み出せる一歩を、彼は悩み、苦しみ、努力の果てにやっと踏み出せた。
だからこそ、それを尊いことなのだと意識できる。

『いつだってそこにあるのに、いつの間にか忘れてしまう美しいもの――うふふ、ぴったりね。』
『―――え?何か言いましたか、ヒカルさん?』

実際のところ、彼が何を思って『蒼天』としたのかは知らない。
もしかしたら、何も考えてないのかもしれない。
それでも、これ程このリングにぴったりな名前は無いだろうと一人納得した。


≪こんばんわ。≫

突然WISが入る―――トール君からだ。
「こんばんわ。トール君。」
彼とはリングを抜けた後も、こうして時々話をしている。
≪最近どうですか、そちらは。≫
「もうマスターでもないし、リングの仲をフォローしたりする必要も無いから、とても気楽よ。」
そもそも常にリングの仲をフォローするのに気を張らなければならなかったこと事態が、すでに異常だったと最近気づく。
私はいささか肩に力が入りすぎていたのだろう。
だから、その重みに耐えることができなかった。
≪やれやれ、そのマスター役を押し付けられた、私のことを忘れないでくださいよ。あぁ、胃が痛い。≫
「あらあら、ごめんなさいね。」
その重荷を今度は彼に背負わせてしまっている。
本当に彼には悪いことをした。
≪悪いと思っているのなら、戻ってきてください。≫
「イ・ヤ・よ♪」
――しかし、それとこれとは話が別だったりする。
≪あぁ〜、やっぱりあの時、出て行くの賛成するんじゃなかった・・・orz≫

―――あの時。
リングを抜けることを告げに行った時、彼は最後まで私の話を黙って聞いてくれた。
『分かりました。後のことは任せてください。
・・・貴女には自分に後悔の無いように歩んで欲しいですから――。』
彼は最後にそう言って、黙って私を見送ってくれた。
もしかしたら一悶着あるかもしれないと覚悟していた私は、彼を信じきれていなかったことを恥じた。

「―――あの時のこと、本当に感謝してるわ。ありがとう。」
≪ははは、急にマジにならないでくださいよ。仲間として当然の選択です。≫
「あら?照れてるのかしら。」
≪照れてません。まぁ私は同意の上だからいいのですが、リンが貴方たちがいなくなって寂しがっていましたよ。≫
「じゃあ、うちに誘っちゃおうかしら。」
≪是非そうしてください。私としてはじゃじゃ馬が一人減ってくれると負担が軽くなるので助かります。≫
「あら、ホントはリンちゃんがいなくなると寂しいくせに。」
≪―――その真偽はとりあえず置いておいて、ただ、それとは別の理由でリンをそちらにやるわけにはいきませんね。≫
「まぁ、トール君がそれほどまでにリンちゃんを愛していたなんて・・・!」
≪茶化さないでください。≫
「うふふっ、ごめんなさいね。」
≪それで、その理由ですが・・・≫

≪リンは、貴方達を奪っていったヒィ君を憎んでいます。≫

「――――え?」

―――嫌な・・・予感がした。

151ヤマチ:2006/08/21(月) 20:04:07 ID:aar7Y8oo
第五話 その3 ≪ヒィの思い≫


「フン、貴様がヒィか。予想に違わずなさけない男だ。」
ここは薄暗くも神秘的な森の中――イーストダンジョン。
滝の音の中、真っ直ぐとよく通る声が印象的だった。
それが、大量のモンスターたちに追われていた僕を助けてくれた騎士の第一声だった。
「私のことなど、どうせ覚えていないだろう。
私もあんなことがなければ、貴様の存在すら知らないままだったろうからな。
改めて自己紹介しよう――」
彼女の動作にあわせて、後ろの尻尾のような三つ編みが跳ねる。

「――私の名前はリン。最強のリング『黄昏』のナイトだ。」

・・・『黄昏』。
かつて僕の所属していたリング。
後から知ったが、かなり強いリングだったらしい。
何故そんなリングが初心者を募集していたのかは知らないけれど、
僕はそこに所属し、暗闇を味わった。
――集団の中の孤独。
力の無いものを必要としない場所だったと、そう思う。
いつだって僕は自分の力の無さ故に、遠慮して声をかけられなかった。
だってそうだろう?
狩りに誘うには実力差がありすぎるし、
強い狩場でPT組んで経験値を分けてもらうのに自分から誘えるわけないし、
そんな方法は僕自身イヤだった。
じゃあ、何の話をすればいい。
皆は上級プレイヤー。
先程から流れるログには理解できない略語を交えて戦術が議論されている。
そんなの、僕についていっけこないじゃないか。
――強くなりたい。
あの時、少しだけそう思った。
強くならないと話すことすら叶わなかったから。

「今日は貴様に交渉があってきた。」
・・・『黄昏』の人間が僕に求めるものなど決まっている。
「単刀直入に言う――彼女達を返してもらう。」
やっぱり、そうなるよな・・・でも、
「二人は自分の意思でここにいるんです。
二人は物じゃないし、僕の所有物じゃないんですから、そういう事は本人達に交渉してください。」
当然の回答。
黄昏に人が僕を恨むのは分かるが、
かといって肝心なのは僕では無く、二人の気持ちなのだ。
それ故に『黄昏』を抜けた後も、僕にそんなことを言ってくる人などいなかったのだが、
この人はそれが分かっていないのだろうか。
――それに、何故今になってなのだろうか。
「分かっている。貴様に交渉して彼女達に戻ってくるよう口添えしてもらおうなどとは思っていない。」
では何を?と視線で問う。

「私が貴様に望むのは、リング『蒼天』の解散と『ヒィ』というPCの削除だ。」

―――なっ!!?
こいつ・・・今、何を言った?
「勿論、タダでとは言わん。前金として15M払おう。」
トレードウィンドに見たことも無い額の金額が表示される。
「リングの解散とPCの削除が終わったら、別キャラで私に連絡してくれ。そしたら更に15M払おう。
たしかに、これまで育てたPCを削除するのは辛いだろう。
だが合計で30Mだ。一般プレイヤーが何ヶ月やろうと集まる金額ではない。
それを考えれば、その低レベルなPCの削除など安いものだろう?」
「金で買おうって言うのか。呆れたな。」
「これは彼女達の帰還を願う者たちの誠意だ。何物にも変えがたいというな。
欲しいレアアイテムがあるというならば用意しよう。金を用意したのは価値として分かりやすいからに過ぎない。」
・・・・・なるほど。この人の彼女を思う気持ちは本物だ。
それが彼女たち自身なのか、最強のリングを支えるための戦力としてなのかは知らないが。
でも、この人に限っては前者のような気がする。
本当に二人のことを切望しているんだなと感じる。
そうでなくては、ここまで必死になれない。
でも――
「だからって、はいそうですかと頷けるわけ無いだろう。」
僕は迷いもなくトレードウィンドを削除する。
「何物にも変えがたいのは僕だって一緒だ!」
やっとできた友達なんだ。
一緒にいて楽しいと感じるなんて本当に何年ぶりか分からない。
それほどまでに切望していた人との繋がりを、ゲーム内通貨ごときで取引できるものか。
――否。リアルの現金積まれたって手放すものか。

たかがゲーム。
架空の世界に仮初めの姿。
全てはデーターの中での出来事。
万が一、サーバーが壊れれば、それだけで全て無に還る幻。
――それでも。
全てが幻で構成された偽りの世界だったとしても、
そこにいる人の心は、そこで通じ合った心の繋がりは、決して幻なんかじゃない!

152ヤマチ:2006/08/21(月) 20:06:09 ID:aar7Y8oo
「――交渉決裂か。」
「当たり前だ。だいたいヒカルさんは僕とは関係なくリングを抜ける気だったんだ。
僕がいなくなっても『黄昏』から去る変わらないし、
やっぱりアカリもヒカルさんを追って『黄昏』を抜けるさ。」
「そんな事やってみなくては分からない。
今は貴様という柵(シガラミ)があって交渉は失敗に終わったが、
もし、貴様がいなくければ結果も変わるかもしれない。」
・・・かもしれないって、そんな不確かな望みのために30Mも用意したのか。
なんでこの子はここまで必死になれるのだろう。
「なぁ、なんでそんなにも二人を『黄昏』に連れ戻したがるんだ?」
「・・・・・・そ・・・れは・・・・・・・。」
「それは?」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
―――だんまりかよ。
「・・・・・・『黄昏』こそが彼女達のいるに相応しいリングだからだ。」
「はぁ?」
「――――ッ!?莫迦か貴様はっ!!
彼女達ほどの実力者がなんで貴様のような雑魚PCの面倒を見なくてはならないんだっ!
いいか?二人は最強を担っていた凄い人たちなんだぞ。
それが貴様と一緒にいるせいでレベル制限も開放されたというのに弱いままだ!
何でか分かるかっ!?―――貴様のせいだっ!!!
貴様なんかに付き合ってるから、彼女達は適正レベルよりずっと下のエリアにしかいけない。
今の彼女達では私にすら敵わないだろう。
全部貴様のせいだ・・・・・
貴様がいるから彼女達は弱くなってしまったんだっ!!!」
目の前には一気にまくし立てて息を切らせて高揚している少女。
今まで冷静に話していた彼女が急に熱くなった理由は、核心に触れたからだろうか。
――つまり、結局コイツも戦力として二人を見ていたということか。
とんだ見込み違いだ。
コイツは本当に二人を必要としてるんじゃないかと思っていたのに・・・
「力が全てじゃないだろ。
それよりも大切なものがあるはずだ。」
「はぁ・・・はぁ・・・フン、ご高説痛み入るよ全く。で、その大切なものとは何だ?」
彼女は息を整えると、また最初の冷たく相手を見下す調子に戻った。
「ん?あぁ・・・え〜と、なんていうか、それは言葉にしにくいものというか・・・・・・」
何かと問われると咄嗟に上手く言葉にできない。
あの温かい感じはどう表現したらいいのだろうか?
「―――フン、話にならんな。
だいたい、貴様は良くても彼女達はどう思っているのだろうな?」

―――ドクンッ

心臓を締め上げられるかのような感覚。

『彼女たちはどう思っているのか』
――考えたことも無かった。
そうだ、二人はどう思っているのだろう。
ただ僕について来てくれる事が嬉しくて、そんなこと考えたこと無かった。
今まで浮かれて、そんなことも思い至らなかった自分に反吐が出る。
――なんて間抜け。

そうだ、いつもアカリは早くレベルを上げろと言っているじゃないか。
それが不満の表れでなく何だというのだろう。
いい加減、いつまでも弱い僕にイライラしているに違いない。
自分はもっと強い狩り場でレベルを上げたいのに、僕のせいでそれが叶わない。
いつも突っかかってくるのは彼女なりのスキンシップだと?――笑わせる。
なんて都合のいい解釈をしていたんだ、僕は。
明らかに現状に対する不満じゃないか。
――では、ヒカルさんはどうだろう?
ヒカルさんはアカリと違ってレベルを上げろと言ってはこない。
なら、不満は無い・・・わけないだろう。
彼女の優しい性格を考慮に入れれば当然じゃないか。
立場上、アカリを諌めてはいるが、ヒカルさんだって強い狩場に行きたいに違いない。
でも、僕に気を使って、それを言い出せないでいるだけだ。
本当は僕なんかの誘いに乗ってついてきた事を後悔していることだろう。
だが、自分からついて行くと言った手前、それを今更撤回するのは気が引ける。
ましてや、自分がいなくなれば僕が一人になることになる。
そんなことを見過ごせるヒカルさんではない。
だから、自分のことは我慢して、文句一つ言うことなく僕に付き合ってくれている。

――少し考えれば誰にも分かることじゃないか。
なるほど、たしかに僕には彼女と共にいる資格などない。

でも、だからって簡単に二人のことを諦められるかっ!
考えろ・・・どうすればいい?

―――決まっている・・・・・・強くなればいい。
アカリに負けないくらい強く。
ヒカルさんを守れるくらいに強く。
アイツ――リンを倒せるくらいに強く!

153ヤマチ:2006/08/21(月) 20:07:19 ID:aar7Y8oo
「―――あぁ、確かに俺は二人に甘えすぎていたのかもしれない。」
「・・・少しは自分の立場を理解したようだな。なら先程の条件は―――」
「断る。」
「だろうな。・・・だが私は諦める気はないぞ。絶対に二人を取り戻してみせる。」
「何故?」
「―――貴様は彼女達に相応しくない。」

「なら、僕がお前を倒したのなら『相応しい』と認めてくれるか。」

――そうだ。
要は僕が強ければ良いだけの話だ。
だけど・・・・・

「なっ!?莫迦か貴様っ!!私と貴様が勝負になどなるはずが無いだろう!」
「そんなの・・・やってみなくちゃ分からないさ。」

いや、分かりきっている。
勝てるはずなど無い・・・なのに、僕は止まる事ができなかった。
それは意地だったのかもしれない。
或いは、今まで二人の気持ちを考えなかった莫迦な自分を罰して欲しかったのかもしれない。
―――そんなことが二人に対する贖罪になるわけでもないのに・・・。

「さぁ、武器を構えろ――リン。」
「・・・いいだろう。そこまで言うのなら相手をしてやらないことも無い。
正直なところ、私は貴様が憎くて憎くて堪らなかったのだ。
これで少しは溜飲を下げられるというもの。」
「もう勝った気でいるのか。あまり自惚れていると、あとで恥をかくことになるぞ。」
「―――そういう台詞は私に一太刀でも傷をつけてから言ってもらいたいものだな。」

―――違うか。
僕は断罪を望んでいるのではない。
試そうとしているのだ―――自分に二人と共にいる資格があるのかどうか。
でなければ・・・彼女に『勝とう』などと思ってはいないだろう。

「いくぞっ!!」
「来い―――貴様の力を試してやろう。」

154ヤマチ:2006/08/21(月) 20:08:41 ID:aar7Y8oo
―――――――バンッ!!!

大気が爆ぜる。
こちらが全力で放った真空波が、いとも容易く相殺されたのだ。
今のは―――衝撃波か。
接近戦では力量の差で押し切られると思い、
あえて不得手な遠距離攻撃を選択したのだが、どうやら予想済みだったようだ。
「なら・・・。」
接近戦を挑むまで!
幸いこちらはAGI型。
いくらレベル差があれど、こちらの回避率が、相手の命中率をを上回れば、勝機はある。
先程の激突で舞い上がった土煙の中を、敏捷パラメーターのアシストを最大限に発揮し駆け抜ける。
無拍子には遠く及ばないが、視界が利かない中、突然の目の前に現れた敵に反応することは叶うまい。
―――土煙を抜ける。
目の前には突然の襲来に驚愕する敵の姿が―――無かった。
「遠距離戦が敵わないと見るや、すぐさま接近戦とは・・・呆れた単純思考だな。」
―――背後っ!!?
やられた。土煙を利用して気づかないうちに回り込まれていたのだ。
≪ストライクスピア≫
ドンッ、と突き出された槍が大気を叩き割って突き出される。
間一髪のところで回避に成功するが、もし当たっていれば一溜まりも無かったであろう。

「休んでいる暇は無いぞ。さぁ、凌ぎきって見せろ。」
≪スピアディレイキャンセル≫
繰り出される無数の槍。
これを盾で防ぎ、剣でいなし、身を捻ってかわす。
成し得る全てをもって回避し続ける。
辛うじて四肢は健在だが、避けきれなかった槍がこの身を削ってゆく。
「―――クッ、このままじゃ・・・・・。」
これでは攻撃に転じられないどころか、いつかこちらが致命打を受けるのは必至。
隙を突いてバックステップで間合いを開ける。
すかさず間合いを詰めて追撃されると警戒したが、相手は槍を引き、こちらの様子を伺っている。
もちろん警戒してのことではない。
侮られてのことだろう。

「どうした。もう降参か?」
敵うはずなどあるまい、と嘲る騎士。
確かに勝ち目は無いだろう。
圧倒的なレベル差。
こちらがVITを捨ててAGIを高めたというのに、相手の速度はこちらと同等。
改めて相手とのレベル差を実感する。
―――悔しいと思う。
―――負けたくないと思う。
そう、初めて思った。
勝ち目が無いことなど百も承知。だけど・・・
「絶対に負けない。」

高速で繰り出される槍の間合いの中に踏み込むのは不可能。
片手剣では攻撃が届かないと判断。
あの槍よりも間合いの長い武器―――そうでなくとも、せめて同等の武器・・・・・・。
≪右手:『エミルの剣』装備解除――『太刀』装備≫
≪左手:両手武器装備により『ヒーターシールド』強制解除≫
「・・・ほぉ、武器を変えたか。」
盾を捨て、代わりに僕の両手に納まるのは一振りの太刀。
この長大な刀身なら、あの槍にも対抗できるだろう。
「面白い。少し遊んでやろう。」
しかし、敵は槍を捨て、片手で扱える突きに特化されたサーベルを引き抜く。
定理は返り、優位は逆転する。
つまり、今度はこちらが間合いの長い武器を有することになる。
更には、相手の空いた左手には盾すら装備していない。
「なにやら不服そうだな。まさかこの程度のハンデで、私に勝てるとは思っていないだろうな。」
完全になめられている。
自分が負けることなど在りえないと思っているらしい。
「別に・・・あとで手加減したから負けた、と言い訳されるのも面倒だからな。」
僕の言葉が癇に障ったのか、彼女の余裕の笑みが引きつる。

―――上等だ。
いい加減こっちも頭にきてるんだ。
散々人を莫迦にしやがって。
今までに無いほど凶暴な思念が、頭の中で渦巻いている。
そのすました顔を屈辱で歪めたいと思っている。
お前の全てをグチャグチャにしてやりたいと思っている。
こんな狂気じみた高揚感は今までに感じたことがなかった。
この心の昂りは・・・悪くない。
あぁ――最高の気分だ。
≪ソードディレイキャンセル≫
「殺してやるよ。」
刀身が月の光を受けて青白く輝いた。
それは、血を求めるかのような凄惨な輝きだった。

155ヤマチ:2006/08/21(月) 20:09:49 ID:aar7Y8oo
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
薄暗い森の中に幾度も火花が散る。
連続する鉄と鉄がぶつかり合い、弾ける音。
一体、幾度剣を交えたであろう。
腕に伝わるのは手応えの無い衝撃ばかり。
受け流されている――それは分かる。
水平、垂直、袈裟、刺突、その全てが通用しない。
敵の細剣は、流星のように視認を許さぬ速度で瞬き、隙あらばこちらの息の根を止めにかかる。
今度こそ―――今度こそと繰り出される必殺の一撃は、ことごとく空振りに終わった。
「こっのおおおぉぉぉおおおっ!!!」
受け流され、勢い余って泳いだ我が身を、強引に立て直す。
足裏を地に突き立て、急制動をかける。
殺しきれなかった慣性を回転エネルギーに変換。
酷使させる軸足が悲鳴をあげる――知ったことか。
≪居合い斬り≫
半ば崩れ落ちるように放った、振り向きざまの一撃。
大地を削りながらも爆進する刀身は、そのまま彼女の身体に吸い込まれ―――


ガッッッ!!


「全く・・・速いばかりで貧弱な攻撃ばかりだ。」

その身を斬り裂くはずの斬撃は、
鉄でも斬ろうとしたかのような手応えを残し停止していた。
―――効いてない!?

「理解したか?」

なんでっ!?
なんでだよっ!!?

「これが、貴様と私の力の差だ。」

ふざけるなっ!!
こんな・・・こんな莫迦なことあって堪るか!!
ただレベルが高いだけでっ!
ただ強い装備を持っているだけでっ!

「己の無力さを呪うがいい。」

―――『力』が・・・『力』が欲しい。

誰にも負けない強い『力』が・・・!



「―――貴様に、彼女たちと共にいる資格など在りはしない。」
≪ホーリーブレード≫
聖なる光を纏った鋭利な刀身が、僕の太刀をいとも容易く打ち砕いた。

156名無しさん:2006/08/23(水) 16:18:07 ID:hInOJVsM
|ω・`)続きが気になってECOできないよ

157エビマヨ先生:2006/08/23(水) 16:22:22 ID:kBvIImeM
(´・ω・`)n 同じく

158名無しさん:2006/09/08(金) 10:32:45 ID:beOZHlmc
は、はやく続きぉ。。。

159名無しさん:2006/09/08(金) 14:57:25 ID:vObBjWOI
力が無いのが悔しかった
俺はこの虎マスクで、すべてをなぎ払う!!

君が立ちはだかるのなら、僕は・・・

あんたって人はーーーッ!!!


ぶつかり合う運命、演習!!!

160ヤマチ:2006/09/09(土) 18:57:39 ID:aar7Y8oo
第五話 その4 ≪崩壊の足音≫

[ヒカル視点]

「おめでと〜w」
「おめでとう、ヒィ君。」
ここは光の塔。
最近私達はもっぱらここで狩りをしている。
「ありがとう、二人とも。まぁカンストはまだまだなんだけどね。」
『あの日』から二週間――ついに彼はベースLvが上限に達した。
今までの彼からは想像できないペースである。
一体何が彼をここまで突き動かしているのだろう。
今の彼はどこか・・・危うい。
―――『力』に対する妄執。
アカリでさえ、初めこそ強くなろうとするヒィ君に気分を良くしていたが、次第に辟易しだした。
「ところでヒィ、いつも狩りで疲れてない?」
「ん?別に疲れてないけど。さっき休憩したばっかりだし。」
「そういう一時的な話じゃなくて、最近同じ場所で狩りばかりしてるから飽きてこないかと思って・・・。」
「たしかに、気分転換に上の階に狩り場を移動してもいいかもね。今ならそれほど混んでないだろうし。」
「そーじゃくて!今度、皆でタイニーランドに行かないかって言ってるの!!」
そこで私達はキリがよくベースがカンストしたところで、彼をタイニーランドで息抜きさせようと計画していた。
私たち自身、レベル上げの毎日に疲れていたし、
もう戦い続ける彼を見ていられなかった―――このままだと彼が彼でなくなってしまいそうで。
「・・・あんなとこで何するの?」
「かくれんぼw友達から聞いた話だと、かなり面白いらしいよ。私たちもやってみない?」
「まぁ素敵ね。ヒィくん、偶には皆で遊びに行きましょう?」
「う〜ん、やっぱり僕は遠慮しておきます。」
――こうなるのは予想済み。
ひたすらに力を求め続けるだけの彼が、こんな企画にのってくるとは初めから思っていない。
だけど、彼は行かざるおえない。何故なら―――
「フフフ、いいのかしら?アタシ達がいないとアンタ一人じゃ狩りできないんじゃない?」
「――――っ!!?」
そう・・・ヒィ君は私達が一緒でなくては戦えない。
私達が遊びに行くといえば、ヒィ君も折れざるおえない―――そう思っていた。

「莫迦にするなっ!!」
――突然の激昂。
知らず、私達は彼の逆鱗に触れてしまった。
「―――え・・・あ、ゴメ・・ン。」
予想外の反応にアカリちゃんはうろたえる。
私だって驚いていた。
あのヒィ君が感情も露わに怒鳴るなんて今まで一度も無かった。
「ごめんなさい、ヒィ君。私達はそんなつもりじゃ―――。」

「僕は・・・一人でも戦える。」

―――この時、私は悟った・・・何かが決定的に壊れたのだと。

161ヤマチ:2006/09/09(土) 18:58:44 ID:aar7Y8oo
[ヒィ視点]


『アタシ達がいないとアンタ一人じゃ狩りできないんじゃない?』

―――昨日言われたあの一言が、どうしても僕の頭から離れない。
「・・・・・くそ・・・・。」
悔しい。
あの日――自身の弱さを否応無く自覚させられて以来、僕は強くなるため努力してきた。
勿論、二人がINしていない時は、自分だけでレベル相応の狩り場でレベル上げをしていた。
だが、二人はいつだって僕に付き合ってくれた。
一人で狩っていた時は、稀といえるだろう。
彼女たちと一緒なら、レベルの高い狩り場に足を運べるので、一人で狩りをするより効率が良かった。
「・・・・・・だけど・・・・。」
僕は彼女達の申し出に甘えすぎてしまっていた。
強くなってから借りを返せばいいと、自分に言い聞かせていた。
「・・・・・だけど、それじゃ意味が無いんだ。」
――そう、二人の力に頼って強くなっても・・・意味が無い。

『―――貴様に、彼女たちと共にいる資格など在りはしない。』

――あぁ、お前の言うとおりだ。
僕は二人の力を利用して強くなろうとしていた。
誰よりも彼女達を戦力としてみるのを否定していた僕が、
誰よりも彼女達の力をあてにしていたなんて―――

「・・・・・・最低だな。」

―――あぁ、やっと気づいた・・・・・。

「―――僕に、二人と共にいる資格は無い。」

162ヤマチ:2006/09/09(土) 19:00:16 ID:aar7Y8oo

[アカリ視点]


西日が差し込みオレンジ色に染まった教室。
黒板の前では先生が延々と喋り続けている。
―――なんで歴史の授業で、先生の愛犬の話を聞かなくてはならないのか。
アタシは教科書に目を落とすふりをしながら、ただ終業のチャイムを待っていた。
「・・・・・・・・・・はぁ。」
思い出すのはアイツのこと。
「まったく・・・・・・別に怒ることないじゃない。」
正直、なんでアイツがあんなに怒りを露わにしたのかは分からない。
ただアイツは最近どこかおかしかった。
余裕が無いというか、何かに急かされているというか・・・・・
「・・・・・やっぱり、あの日か。」
あの日、ヒィがリンと会ったらしいことは分かっている。
その日を境にヒィがおかしくなったのも明白だ。
だが、リンは勿論、ヒィに至っても、あの日何があったのか口を割ろうとしない。
初めは、強くなろうとするヒィの姿勢に不満は無かったので、
特にしつこく追求することも無く引き下がったが・・・・・・。
「やっぱり・・・あのことはしっかり話し合う必要がありそうね。」

「あ〜・・・鈴木 灯。授業中にモノローグ全開は止めなさい。」

―――気がつくと、教室中の人がアタシに注目していた。
どうやら、知らず思考を声に出して呟いていたらしい。
「青春の悩みなら先生が放課後聞いてあげるから。―――しかし今は授業中だ。」
「す、すみません。」

「―――ちゃんと先生の美味しいカレーの作り方について聞いておきなさい。本当に美味しいから。」
「「「歴史の授業はっ!!?」」」



「はぁ〜・・・・・。」
あの後、私は放課後の職員室に呼び出され、美味しいカレーの作り方(補習編)を延々と聞かされ、
おまんじゅうをお土産に渡され(何故?)、ようやく開放された頃には、日はとっくに暮れていた。
「悪い先生じゃないんだけどねぇ・・・・・。」
授業の前半は、要点をまとめた分かりやすい歴史の授業をしてくれる良い先生なのだが、
後半はフリートークタイムになるのと、一度捕まると話が長いのが困りどころだ。
『鈴木さんは、男の子の事で悩んでいるのかな?』
ふと、先生の言葉が頭に蘇る。
「・・・そんなんじゃないわよ。」
まぁ、『男の子のことで悩んでいる』というのは間違ってはいないのだが・・・・。
「でも、あんななさけないヤツ、全然タイプじゃないっ!!」

―――ブルブルブル

「うひゃあ!?」
突然、携帯が振動を始める。
「もぉ〜、だからバイブは苦手って言ってるのに・・・。」
携帯:(知らんがな!?自分でマナーモード解除するの忘れとったんやないか!!)
アタシは激しく振動し続ける携帯を取り出すと、名前を確認した。
≪鈴木 光≫
――ヒカルから?何かしら・・・・・・
「もしもし、ヒカル?どうしたの?」
『・・・・・・・アカリちゃん・・・・・・。』
「リアルでは『お姉ちゃん』って呼びなさい―――ってヒカル?・・・あなた、泣いてるの?」
電話ごしに聞こえてくる妹の声には、確かに湿った嗚咽の音が混ざっていた。
『・・・・アカリちゃん・・・どうしよぉ・・っ・・わたし・・・・わ、たし・・・・・。』
「ちょっと!?いったい何があったの?」
『・・・・ヒィ君が・・・・ひぃくん、がぁ・・ぁ・・・っ・・。』
「ヒィ!?ヒィがどうしたの?なんかしたの?」

『・・・・・・ヒィ君が・・・いなくなっちゃたよぉ・・・・・・・。』

―――頭を後ろから殴られたような感覚がした。

163ヤマチ:2006/09/09(土) 22:38:56 ID:aar7Y8oo
■なかがき

まだ話は続くので『あとがき』ではなく『なかがき』です。
実はこのお話、どういう結末にするのか、まだ決まっていません。
自分自身、この問題の回答を得られていない状況なので、どうしたものかという状態です。
結末が定まらないと、途中まで書いたものも変更がありえるので、投稿を控えていたのですが、
このままでは埒があかないので、少しずつ物語を進めていこうと思います。
・・・ハハハ、もう戻れねぇ(滝汗)
ヒィ君を失踪させて良かったのかと早速悩んでます;
それ以前に文章自体が荒削りだなぁorz

今まで短編しか書いたことありませんでしたが、
長編を書いてみると改めてその難しさを思い知らされます。
キャラの設定に振り回されて、テーマに直接入ることができないし、
伏線とか、矛盾が出ないように設定をぼかしたりとか、色々気を使うとこ多いし・・・
・・・あぁ、短編が書きたい;;

さて、愚痴ばかりではなんなので、次回予告。

――姿を消したヒィ。解散したリング『蒼天』。
悲しみに暮れ、塞ぎ込んでしまったヒカル。
アカリは全ての原因を知るため、リンに『あの日』のことを詰問する。
しかし、明らかになった真相は、アカリの想像を超えるものだった。
―――レベルとは・・・強さとは何なのか。
力を追い求めて、やがて鬼神へと変貌した少年の未来は。
そして明かされる最強の騎士リンの思い。
彼らは無事ハッピーエンドを迎えることができるのだろうか・・・・・。

次回は、アカリがヒィの代わりによく動いてくれるし、リンも本格的にヒロインとして活躍してくれます。
何よりお姉さん系と見せかけて、実は妹属性だったヒカルが、
第一ヒロインとしての真価を発揮する!・・・・・・機会はないかもorz
あぁ・・・甘々ラブラブなお話も書きたいなぁ;;

164名無しさん:2006/09/11(月) 18:19:42 ID:beOZHlmc
ゴクリ・・・
応援してま〜す。

165名無しさん:2006/09/22(金) 16:00:42 ID:LiWMvAjQ
・)テンカイがオモシロスギテネタ投下しずらひw

166名無しさん:2006/09/24(日) 12:13:54 ID:pn5E52eY
リアル都合により一月半ぶりに見たら、物語進んでるっ!
しかも途中で滅茶苦茶気になるし・・・。
頑張れ〜続きを頑張れ〜!!

・・・で、第三話は??(爆笑)

167名無しさん:2006/09/27(水) 10:47:17 ID:LiWMvAjQ
ずっと、私たちはずっとヒィの消息を追っていた。
リンを問い詰め聞いた真実。それは私の価値観の根底を揺らす内容だった。

ー彼を探さない方が互いに幸せなのかもしれない・・・

何度もそう思った。探し出す事で互いに傷つくかもしれなかったから。

と思ったことは一度や二度ではなかった。だけど、きっとこのままさよなら
するのはとても納得が出来なかった。強さとは何か、絆とはなんなのか、と
ずっと探している間も悩んでなかったというと嘘になる
ただ、ヒカルの

ーもう一度逢ってすべてちゃんと向き合ってヒィ君と話し合いたい

とつぶやいた一言でどういう結果になろうと「後悔」しないために探す事に
決めた。

それから三ヵ月後、遂に私たちはヒィを見つけた。

だけどヒィは・・・・・・・・・・・

「居間個々にwwwwww斉京にしてwww霧笛でありwww催促の俺様wwwwww惨状wwwwwwwww」

手遅れだったのかもしれない。だけど
「あんたに私たちの前から消えた後何があったのかは知らない。けど一度話し合わなきゃと思ってきたの、だから」
「うはwwwwwwwww鳥亜絵図wwwwwwおkwwwwwwwww」


ゴメン、つい、出来心で!OTZ
内藤スレの勢いでつい!OTZ

原作者さん、ほんの出来心なんです、やらずにいられなかったんです許してくださいOTZ

168ヤマチ:2006/09/27(水) 16:54:20 ID:aar7Y8oo
>>167
いや、全然OK。実は俺も同じこと考えてたw
一発ネタなので使わない予定だったけど、実現してくれてサンクス><b
もしこんなヒィをヒカルが見たら、ショックでECO辞めそうだ(苦笑

ともあれ、お久しぶりです。
リアルが忙しくて、かなり放置してましたが、とりあえず復帰。
・・・いや、本当はまだ忙しいんだけどね(冷汗
もう長いこと放置してるし、すっかり廃れてると思ったんだけど、
レスがついてて嬉しかったです。
>>164
応援ありがとうございます^^
誰かに見てもらえてるんだ、と思うとやる気が出ます。
「わ、私・・・誰かに見られてると思うと、体が火照ってきちゃうの・・・(///)」
稚拙な文章ですが、これからも宜しくお願いします。
・・・・・・ん?今、変な声が入ったような・・・?
>>165
なんか俺ばっかり使わしてもらってますけど、
全然問題ないので、遠慮しないでいいですよ?^^;
―――むしろ、なんか書いてください。
内藤スレなんて900超えてますよ!!・・・いや、別に対抗しようとは思ってないんですけど;
・・・所詮ここは内藤スレから派生したネタスレの一つでしかないのか・・・orz
>>166
第三話なんて書けるかーっ!?TT
第五話でさえ、終わるかどうか怪しいものだぞ・・・orz
正直、間も空いてしまったし、
次はリハビリも兼ねて、軽い短編でも書こうかと思ってる。

しかし、このまま一時凍結も楽しみしてくれた人達に申し訳ないので、
ちょっとだけネタ帳の一部を特別公開しますw
・・・むしろサボってたわけじゃないんだよ、と言い訳するための公開だったりもするが(冷汗

169ヤマチ:2006/09/27(水) 16:57:37 ID:aar7Y8oo
「―――そこを退きなさい、トール。」
「アカリちゃんには悪いけど、二人の勝負が終わるまでは、ここを通すわけにはいかないな。」
「・・・・何故?」
「リンにも、ヒィ君にも・・・・この決着は必要だと思うから・・・・。」
「こんな馬鹿げた勝負に、いったい何の意味があると言うの?
どっちが勝ったって意味なんてない――いえ、こんなものアタシが認めないわ!」
「意味なんて無いことはリンも・・・それにヒィ君も分かってるんじゃないかな。
――それでも、止めるわけにはいかない。お互いもう後戻りできないとこまで来てしまっているのだから。
むしろ、この決着がつかない限り、二人は次へ踏み出すことはできないだろう――。」
「違うわ。決着がついたら、それこそもう取り返しのつかないことになる。
どちらが強いかなんて・・・強くなくちゃいけないなんて・・・初めから間違ってる。
問いかけから間違っているというのに、その解が正しいなんてことあるはずが無い。
――導き出される解は最悪のものよ。
どちらが勝っても、二人に幸せな結果なんか訪れやしない。」
アタシは杖をトールに向け構える。
それは『退かないのならば戦闘行為も辞さない』という意思表示。

「―――だから、アタシが止める。
この間違った勝負に、決着なんて必要ない。」
既に、杖はアタシの魔力を増幅させ、いつでも解き放てる状態にある。
最早何もせずとも火の精霊が集まりだし、大気が爆ぜ始めている。
それは、アタシの怒りを顕しているようでもあった。

「――やっぱりアカリちゃんは優しいね。」
だが、トールはその炎を前に動じることは無い。
彼はただ優しく、そして少し哀しげに微笑む。
「だけど、心配しなくても二人はそんなに弱くはない。――それに私達もいる。
二人が間違った未来を歩むことにはならないさ。
むしろ――この状況が長引けばヒィ君が危うい。
それこそ取り返しのつかないことになりかねないんだ。」

彼もまた、アタシと同様――あるいはそれ以上に二人のことを思い、それ故にアタシの前に立ちはだかる。
――ままならないな、と思う。
求める願いは同じだというのにアタシ達は戦わなくてはならない。
その方法の差異ゆえに・・・・。
思えば―――この一連の出来事は、全てこんなすれ違いばかりだ。
なんと皮肉な因果なことか――運命を定める神様というものが存在するのならば一言文句を言ってやりたい。

「だから・・・・今はこの状況に、一刻も早く終止符をうたないとならない。
――そのための決着だ。
悪いけど、この勝負――たとえアカリちゃんといえど、立ち入ることは許さない。」

――パチッ
彼が指を鳴らすのを合図に、背後に幾百もの魔力で編まれた剣が展開された。
≪ダンシングソード≫
これだけの剣を呼び出すとは、桁外れの魔力量である。
さすが、『最強』の名は冠するだけのことはある。
だけど――現役でないとはいえ、アタシもかつて『最強』に名を連ねた者達と共に戦ってきたのだ。
これくらい・・・・凌ぎきってみせる!
≪ガトリングブレイズ≫
アタシの周りに12の自動迎撃機能を有する炎が生み出される。
だが、たった12の炎だけでは彼の幾百もの魔法剣を防ぎきれはしないだろう。
悔しいけど、これが今のアタシと彼の実力差。
だが無理は先刻承知。
それでも譲れないものがあるから――アタシは戦う。

170ヤマチ:2006/09/27(水) 17:06:11 ID:aar7Y8oo
以上、クライマックス直前の一コマ(没)でしたw
この後、アカリがフレイムウェポンで錫杖に炎を纏わせて、棒術を披露したりとか考えてますが、
著しくゲーム設定を無視するので、没ネタとなっています。あしからず〜♪
でも、あまりゲーム設定を重視してもバトルシーンが面白くないんですよねぇ。
この辺のバランスは今後の課題です。

171ヤマチ:2006/09/27(水) 17:08:15 ID:aar7Y8oo
「・・・・・本当に消えてる・・・・。」
アタシはことの真偽を確認するため、帰宅早々パソコンを立ち上げログインした。
正直、ヒカルの話を聞いても信じられなかった。
いや、私は信じたくなかっただけなのかもしれない・・・

――私達のリング、『蒼天』がなくなってしまうなんて事を。

だけど、現実は残酷にもアタシに真実を突きつけてくる。
アタシのPC『アカリ』はリング未所属状態になっていた。
これはつまり、蒼天の解散――もしくはアタシが追放されたことを意味する。

「――ははは、これは・・・思ったより、キツイわね・・・・。」
・・・・愛着なんて無いと思ってた。
初めは、ヒカルを追うため仕方無しに加入したリングだけど、
僅か数週間の間に、私は思っていた以上にこのリングに依存していたらしい。
「これは、ヒカルが寝込んでしまうのも、無理はない・・・かな。ははは・・・・。」
アタシが急いで学校から帰宅した時には、既にヒカルはベッドの中で眠っていた。
おそらく泣き疲れたのだろう。
涙の後の残った寝顔が痛々しい。
アタシもできることなら、このままベッドに潜り込んで、朝起きたら全て悪い夢だったことにして欲しいと思う。

――ショックで頭がクラクラする。
何も考えたくないと、脳が思考を拒否する。
「・・・・訳分かんないわよ・・・・・何なのよ・・・・・ばかぁ・・・・・。」
あんな奴、どうでもいい。
弱いし、なさけないし、優柔不断だし、足手まといだし・・・
―――なのに、こんなにも胸が痛いのは何故なのだろう。

この日。アタシは久しぶりに泣いた。


------------------------------------------------------------------------------------------------------


―――ヒィがいなくなって3日が経過した。
リング『蒼天』は解体。
フレンドリストからヒィの名前も消えていた。
それは、本当に初めから何も無かったのではないかと、錯覚させるほど何もかも消えていた。
あの出会いは全て幻で・・・
三人で過ごした日々は、実は全て夢の中の出来事・・・
だから、現実には何も残ってなくて・・・元より初めから何も無かったのだ。
―――そんな錯覚を覚えた。

「・・・・・・冗談じゃないわよ。」
そう考えた方が、喪失の痛みを抱えなくていいのは分かるけど、
それではあの日々が、本当に無に還ってしまう。

「あれは現実。夢うつつなんかじゃない。
――さぁ、休憩の時間はおしまい。そろそろ顔を上げて、現実を見据えなさい、アカリ。
・・・・・アタシは、そんな弱い女じゃないでしょう?」
アタシは椅子の背もたれから勢いよく身を起こし、PCの電源を入れた。
――まずはヒィを見つける。
そして話し合う。・・・全てはそこからだ。
・・・・・問題はヒィが行方を眩ませていること。
彼はもうECOを辞めたのだろうか・・・。
それとも、アタシ達とは決別しながらも、まだあの世界にいるのか・・・。
もし彼がECOを辞めていたら、アタシにはどうすることもできない。
こんなことならリアルの連絡先を聞いておけば良かったと後悔するが、後の祭りだ。
ECOを辞めているのか、そうでないのか・・・・・
それを知るためには彼が、アタシ達のもとを離れた理由を知る必要がある。
ヒィが変わってしまった『あの日』・・・いったい何があったのか、アタシは知らないといけない。
「―――まだ、手がかりはある。」
この細い糸が、彼のもとまで続いているのかどうかは分からないけど、
それでもアタシには他に術などない。
「なら、賭けるしかないじゃない。・・・・これでも運には自信があるんだからね。」
アタシは立ち上がったPCを操作して、ECOを起動させた。
≪―――ログイン。≫

172ヤマチ:2006/09/27(水) 17:32:32 ID:aar7Y8oo
公開その2。
あくまでネタ帳ですから、どれも未完成ですよ?
さっきのは時間が飛び過ぎていたので、
一気に戻って、こちらはヒィがいなくなった直後のアカリです。

――失ってから気づく大切さってありますよね。
それでも王子様が助けに来る前に、自力で立ち上がる王女アカリw
私も彼女のように強くなりたいです。
ちなみにアカリはヒカルと比べると扱いやすくて、作者としても助かってます^^;

しかし、ネトゲにおける『強さ』の意義について書こうと思っていたのに、
キャラの過去などのせいで、五話だけ随分と大きな話になってしまいました。
・・・・・・実は反省していますorz

というわけで、次は一話完結のショートストーリーを書こうと思います。
なるべく早く仕上げるので、楽しみにしていてください^^

173ヤマチ:2006/09/27(水) 18:18:37 ID:aar7Y8oo
おっと、忘れ物だ;
このままだとリンが悪者だから、彼女のモノローグ(作りかけ)も置いときます。

---------------------------------------------------------------

ヒカルさんがリングのことで悩んでいたのは知っている。
――いや、知らされたのだ。彼女が抜けた後、トールさんから。
後悔した。
なんで彼女の気持ちを、察してあげることができなかったのかと。
なんで私は彼女を、助けてあげられなかったのかと。
・・・だから、今度は彼女が戻ってきたら、私が守ってあげようと思う。
皆にも協力してもらって彼女の負担にならないよう努めよう。

――もしあの時、彼女が胸の内を私に打ち明けてくれたのなら、
彼女がリングを去らなくてはならないようなことには絶対しなかった。
だからこそ、彼女がその苦しみを私に打ち明けてくれなかったことが悔しい。
そのことで彼女を責めるつもりは無い。
それは私がそれまでの信用を得られなかった私の不甲斐なさのせいだ。
――悔しい。
やり直したいと思う。
もう一度チャンスが欲しい。
今度は上手くやって見せるから。
だから―――帰ってきてください・・・ヒカルさん。

-----------------------------------------------------------------

―――結局この話には、俗に言う『悪者』というモノはいないんです。
皆がそれぞれ誰かのことを思い行動しているのに、その結果、戦わずにはいられなかった・・・。

ヒカルは皆が幸せであればいいと願うがために。
ヒィは自分を支えてくれる二人の少女のために。
アカリは大切な妹と、未だ気づかぬ恋心のために。
リンはかつて救うことの出来なかった仲間のために。
トールはそんな不器用な4人を助けるために。

どうしようもなくすれ違ってしまった、それぞれの優しい思いは、
その強さ故に、お互いを傷つけあう・・・。
願わくば・・・最後には全ての者に、幸せな結末のあらんことを―――。
(↑バットエンドしか思いつかない作者の切実な願い;;)

174名無しさん:2006/09/27(水) 20:13:10 ID:LiWMvAjQ
>>173

まだストーリ的展開が完全にはみえてませんけども、そのモノローグ見る限り
じゃリンの行動があまりにも性急すぎたのが原因になってる物語のように見え
ますね、個人的見解としては。

バッドエンドというか、この手の問題が題材になってるから、全員がハッピー
エンドはやっぱ難しいのでしょうか?

175ヤマチ:2006/09/29(金) 11:33:50 ID:aar7Y8oo
う〜ん、誰が原因といえば、ヒカルが『黄昏』を脱退が発端なんだよね。
ただし、この時、アカリ、リン、トールの三人は、
ヒカルの心の闇に気づいてあげることができなかったのも原因といえる。
この辺は、まだ伏せている部分があるんだけど、ヒィが失踪してるのも、
きっかけこそリンであったが、実はヒィが一人で悩みこんで暴走している面が強い。
ヒィからリンに勝負挑んでるんだしね;
ただ、ヒカルとアカリは先程と同様、ヒィを救う機会はいくらでもあったのに、
それを逃してしまったから、こんな事体になってしまった、とも言える。

・・・まぁ、こんなこと言い出したらキリが無いけどね(苦笑
責任が誰にあるかは知らないけれど、それぞれにはこの事体を回避する選択肢はあったということ。

あと、どんなハッピーエンドにするかは決まってるんだけど、
そこに至るまでの過程を、それぞれの心情に、矛盾無く構成するのが難しい。
実はこれができなくて筋書きが変更した場面もいくつか・・・orz

もう少し無難な構成にしとけば良かったよ。
要素が多すぎて、読み手にも何を訴えようとしているのか、伝わりにくいだろうしね;

176名無しさん:2006/10/05(木) 12:53:53 ID:X55wBUas
「アカリフラグ」が立ってるけど、メインヒロインの「ヒカル」の立場は?

それはともかく第3h(ウワッナニヲスルヤメロwウkt...)。

177名無しさん:2006/10/07(土) 15:49:51 ID:ItV62RPk
ヒカルの碁かと思った

178名無しさん:2006/10/07(土) 17:00:29 ID:vNdvObj2
私の名前は『Fama』といいます。・・・もちろんPC名ですよ?^^;
今はアルケミストをやっていますが、心はファーマーのままです。
毎日、木を切ったり、草を刈ったりしながら、のんびりECOをプレイしています。
戦闘は苦手ですけど、収集クエストだけでもレベルは上がりますし、
集めた素材で作った、家具や、料理などの販売は、けっこう高収入です。
料理、裁縫、木材加工に薬品作成など、生産系スキルが充実しているのがファーマー系の醍醐味です。

最近は園芸も覚えて、ガーデニングも始めました。
すっかりハマってしまって、飛空庭の庭はもちろん、室内までお花でいっぱいです(笑)
さすがにもう置けないので、露天で販売したところ、たいへん好評でした。
お花屋さんやってるみたいで、ちょっと楽しかったですw

まぁ、そんな感じで、楽しく農家ライフやってる私ですが、一つだけ悩みがあります。

Blade:おい、Fama。いつまで草刈ってるんだ。そろそろ『集う魔物』始めるぞ。
Fama:あ、もうこんな時間でしたか。すみません、すぐにドルイドにCCしますね。
Blade:・・・いや、すでにドルは二人いるから、アルケミで来てもいいぞ。
Fama:二人だけに負担をかけるわけにはいきませんよ。万が一という事もありますし、それに―――

Fama:・・・それに、アルケミストでは逆に、皆の足手まといになってしましますしね。

Blade:あのなぁ、何度も言うようだが、俺たちは別に、お前のことを・・・
Fama:―――分かってます。それでも、私は皆の力になりたいんです。
Blade:〜〜〜っ、好きにしろ・・・。
Fama:はい、好きにしま〜すw

そう・・・アルケミストであるFamaは、戦闘能力が低いという欠点があります。
だからってファーマー系であることを後悔した事は・・・・・えと、ちょっぴりありますけど・・・(汗)
それでも、私はファーマーが好きですし、これからも、ずっとファーマーを続けていきます!
ただ―――仲間と狩りに行くときは、皆の足手まといになってしまうのは悲しいので、
私はいつも、ドルイドにCCすることにしています。


セカンドのドルイドの名前はLight(ライト)。
―――皆の力になりたいという願いから生まれた、もう一つの私のPC[分身]。
何故、私が『力』を欲したのか・・・その日のことを、少しお話しましょうか。

その頃はまだ、私はアルケミストではなく、ただのファーマーでした。
ファーマーは花を植えれたり、様々な生産スキルなどがあって好きなのですが、
皆と狩りに行くには、戦闘向きではないファーマーでは、
どうしても皆の足手まといになってしまうのが悩みの種でした。

ただ、そのことで皆に責められたり、邪険に扱われたことはありません。
助けられるたびに恐縮してしまう私を、皆は嫌な顔一つせずに励ましてくれます。
「仲間なんだから、助け合うのは当然だろ」と言って、私の手を取ってくれました・・・

―――だけど・・・私は皆に助けられるばかりで、皆を助ける力なんて、私には無い・・・。
そんな私は、皆の仲間である資格なんてないんだ―――そう思ってました。

そのことを気に病んでいた私は、いつしか、皆に狩りに誘われても、適当な理由をつけて断るようになっていました。

179名無しさん:2006/10/07(土) 17:01:31 ID:vNdvObj2
「・・・・お前、こんなとこで何やってんだよ。」
―――ところが、そんなある日、皆の誘いを断って一人で草刈っているところを、仲間の一人に見つかってしまいます。
それが・・・当時、ソードマンだったBladeさんです。
Bladeさんは、必死に言い訳する私を、無理矢理引っ張って、狩りをしている皆の元へと連れて行きました。

「お前・・・自分が弱いから、皆と一緒にいる資格が無いとか思ってるだろ。」
皆と合流するべく大陸Dへと向かう途中、ふと、Bladeさんが話しかけてきました。
「―――皆、心配していたぞ。自分達に気を遣って、お前が身を引いてるんじゃないかって・・・・。」

あぁ、なんだ・・・皆には全てお見通しだったのか。
私が皆の力になれないことで、気に病んでいることも・・・・・・
私が嘘の理由で、皆から距離を取っていたことも・・・・・・
―――でも、

「・・・・・・Bladeさんには、私の気持ちなんて分からないですよ。」
Bladeさんは、役立たずな私とは違う。
いつも皆の先頭に立って、皆を守るために剣を揮っている。
そんな彼に、私の疎外感など理解できるはずが無い。

「お前だって、俺の気持ちなんて知りもしないくせに・・・。」
「―――え?」
それは、全く予想していなかった彼の返答。
どういう意味なのか問おうにも、前を歩む彼の表情は見えないし、
その背中は頑なに問いかけるのを拒んでいるように見えて、
・・・・結局、彼の真意を知ることは叶いませんでした。

皆と合流する直前、彼は最後にこう言いました。
「お前にいて欲しいと思っている、皆の気持ちを無視するな。」

―――私は・・・皆にとって必要な存在なのでしょうか?

「これから用事があるので」と皆の誘いを断っていた手前、今更皆と合流するのは気が引けたのですが、
皆は何も言わず、私を歓迎してくれました。
何の役にも立てない私だけど、私はここにいても良いのかもしれない。
―――そんな都合の良い錯覚を、覚えました。

―――だから、この日の事は、後から考えれば、私への天罰だったのかもしれません。
皆の優しさに甘え、ただそれに縋ろうとしていた、バカな私への・・・・・・。


―――大陸D、地下3階。
その日、運悪くWHに溜まっていたモンスターの群れに襲われた私達は、苦戦を強いられていました。
しかし、それだけならば倒すことも出来たでしょう。
案の定、二人ほど戦闘不能者がでましたが、モンスターの数は半分まで減り、殲滅は時間の問題でした。
ところが、新たにそこに、大量のモンスターを引き連れたPCが現れ、皆をトレインに巻き込んでいきます。

―――再び形勢が逆転しました。
既に二人の欠員を出していた私達のPTは総崩れでした。
また一人・・・また一人と、次々と倒れていく皆・・・。
無力な私を引き裂かんと、迫り来る獣の刃――――
「逃げろっ!!」
・・・そして、身を挺して私を庇ってくれた誰かの背中・・・

――――気づいたら、私だけが生き残っていました。

敵を倒す力も無い・・・
皆を癒す力も無い・・・
そんな足手まといでしかない私が、どうして生き残っているのでしょう。

それはつまり、皆が私を守っていてくれたからで・・・
でもそれって『仲間』じゃないですよね。
いつも気を遣われている私は、決して皆と対等の関係ではない。

―――『力』が欲しいです。

皆を守れる力が・・・。
皆の仲間として相応しいだけの力が・・・。

180名無しさん:2006/10/07(土) 17:02:51 ID:vNdvObj2
GUOOOOOOOOO――――!!!!
メイオウが断末魔の叫びを上げ、崩れ落ちていく。

―――ここは、遺跡内部。
私達はクエスト『集う魔物』に挑戦しに来て・・・そして今、達成したところだ。
「おつかれ〜」と皆がお互いを労う。
私も皆と同じ輪の中で「おつかれさま」ということができる。
―――共に、戦った仲間として。
もう私は、昔の力の無い私じゃない。
皆の傷を癒すと同時に、危険な前線に出て、敵の魔法を封じるPTの要ともいえる存在だ。

私が皆を守っている。
皆が私を、頼り、求め、必要としてくれている。
ここに―――私の居場所がある。

皆が今回の私の活躍を、褒めてくれる。
確かに今回は私自身、上手く動けたと思っている。
だからこそ、そのことを誰よりも褒めて欲しい相手のもとへ、早く向かいたかった。

私は早々に会話を切り上げると、彼の姿を探した。
「おつかれ。大活躍だったな。」
ポンと私の頭に、大きな手の感触を感じる。
振り返るとそこには、私の求める人がいた。
「おつかれさま。Bladeさんこそ、最後の一撃、見事でしたよ^^」
「お前が封魔してくれなかったら、為しえなかった一撃だがな。」
そういってBladeさんは私の頭を、くしゃっと撫でてくれた。

褒められる。
感謝される。
それは私を認めてくれるということ・・・。
力の無かったとき感じていた心の空白が、暖かい気持ちで満たされていく。
こういうのを『幸せ』というのだろう。

―――だけど、

「なぁ、お前・・・・・・」

―――彼は時々、こんな質問をする。

「今、幸せか?」


欲しかったものは、全てこの手に・・・。

私は皆の仲間として相応しい力を手に入れた。
私は自分の居場所を手に入れた。
あの日・・・『力』を求めた私の選択は、間違ってなんかいない。

「―――もちろん、幸せですよ。」

嘘偽り無い、私の本心からの言葉―――

―――なのに・・・なんで彼はそんな哀しげな顔をするのだろうか。
彼の何か言いたげな、やりきれないといった表情が―――




何故か、私の心を苛立たせた。


【end…?】

181名無しさん:2006/10/07(土) 17:03:59 ID:vNdvObj2
≪あとがき≫
軽い短編のつもりだったのに、一週間以上もかかってしまったorz
このお話は、第五話で語りたかった『強さ』についてをテーマにしたものです。
今回は、前のような失敗をしないよう、テーマの強調に気を使いました。
キャラの設定は出切る限り簡略化したし、ギャグやラブは思いっきり削っています。
意外とこれが難しくて、時間がかかってしまったんですけどね(苦笑)

最後に、いつも読んでくださる皆様―――本当にありがとうございます。
今後も宜しくお願いします。

>それはともかく第3h(ウワッナニヲスルヤメロwウkt...)。

レスまで頂いてしまって、ヤマチは幸せ者です♪(血の付着したチェインソードを片手に爽やかな笑顔)

182名無しさん:2006/10/08(日) 04:52:09 ID:alFu//8c
このスレって内藤スレと同レベルのエロ主体のアホみたいなスレかと思っていたんだが
かなり真面目なSSスレだったんだな・・・・初めて知ったよ。
ざっと読ませてもらったけどココの書込みのレベルだったらSS投稿スレで
も十二分に読んでもらえると素直に思った。
そんな俺はSS投稿スレに載せる為のSSを現在執筆中です。

183名無しさん:2006/10/08(日) 09:27:33 ID:bc.TEic.
>>178-181名前が書いてないけど、ヤマチさん乙です。

今回は短編という事でこれで終わりかな?
明らかに続きがありそうな雰囲気だけど...。

こういう人確かにいますね〜。
弱い人を守りながら戦っていくのが好きな人。
本人はそれが楽しくてやっているから、良いのだけれど、
守られている方は、その事に罪悪感を感じる。
そして、守られている方が強くなって1人でも戦えるようになったら、
今度は守っていた方はそれが面白くない。
しかも、立場が逆転したりしたらそれはもう・・・(泣)
強い人は、相手の成長を素直に喜んであげる余裕を持って遊びましょうね(笑)

弱い人の盾になる、まさにナイトの為にあるお話でしたね。
あれ?このスレはぶれますスレ・・・。

次は第5話のつづk(ザシュッ!)・・・・・・・・・・・・・・・。

184ヤマチ:2006/10/10(火) 01:54:38 ID:aar7Y8oo
>次は第5話のつづk(ザシュッ!)・・・・・・・・・・・・・・・。

目にも留まらぬ速さで、死神の鎌が一閃される。
振りぬかれた鎌は、その冠された『死神』の名に相応しく、首を胴から跳ね飛ばした。

―――ゴトッ
重々しいリアルな音を立てて、生首が地に墜ちる。
その表情は、初めからこうなることを承知していたかのような・・・
・・・あるいは、己が成すべきことを成したという、達観さえ感じさせる、静かな表情だった。

―――ブシャァァァッ!!!
間をおいて、首を切断された身体から、血が噴き出す。
人の身体の大半は水分である―――そんな場違いなことを再確認させるほどの、血の量だった。
・・・・・・まさに『血の雨』。
その雨は、惨劇の場を、紅く、紅く、染め上げてゆく。

そんな紅(クレナイ)の世界の中で、ひとり悠然と立つ男の姿があった。
この男こそが『死神』の担い手―――この惨劇の犯人。
男は紅い雨に打たれながら、口元を笑みのカタチに歪める。
それはまるで・・・紅い、紅い、下弦の三日月―――。

紅い雨は、男に降り注ぐ。
だが、その漆黒の鎌も・・・・・・
紅の装飾が施された黒衣も・・・・・・
男の長い黒髪も・・・・・・

黒と紅の男は、血の雨の中にあって、何一つとて血に染まることは無かった。

―――当然だ。
この男こそが、この『血』の世界の『創生主』。
ならば・・・それが今更、血に染まることなど、在る筈も無い。

男は赤いリボンを取り出すと、その長い黒髪を、後ろで一本に結った。
赤いリボンは、降り注ぐ血と、男の髪が含んだ血を吸い込み、
赤から朱へ・・・
朱から紅へ・・・
・・・より深く、より鮮やかに、その生地を染め上がっていった。


―――血の雨が止む。
紅く染まった世界が霧散する。

???「さて・・・・・・。」

男はリボンの角度を気にしながら、ポニーテールの乱れを直し、居ずまいを正すと、
腰布をスカートのように両端でつまんで、優雅にお辞儀をした。

ヤマチ「感想ありがとうございました〜♪」

185ヤマチ:2006/10/10(火) 01:55:38 ID:aar7Y8oo

剣「なんで女性形式の礼なんだーーーっ!!?」

―――ギィィィンッ!!!

突如、金属と金属がぶつかり合う音と共に、盛大な火花が弾けた。
完全に不意をついた必殺の斬撃・・・。
だがそれを、ヤマチは当然のように、鎌で受け流す。

それは『ボケれば必ずツッコミが入る』という世界の真理を、
頭ではなく体―――否、『心』で知りえる者のみに許された、神速の反応速度だった。

ヤマチ「いや、だってブレマスの職服ってスカートみたいじゃん。可愛くない?w」
剣  「そういうことは思っても口にするな!開発の人だって頑張ってるんだから!!(涙)」

突然現れた、もう一人の剣士―――その姿はヤマチと全く同じもの。
違いがあるとすれば、得物が『鎌』ではなく『刀』である点か・・・。

剣  「それとレスしてくれた人を斬るなっ!!しかも何であんな描写に力はいってんだよっ!?」
ヤマチ「いや〜、ノリでw」
剣  「ノリかよ!!それと死体は何処にやったんだよ!?」
ヤマチ「あぁ・・・それなら、さっきバウの群れが――――」
剣  「>>183さーーーんっ!!?ΣTT」

≪30分後≫

ヤマチ「おかえり〜。回収した死体は?」
剣  「知り合いの巫女に頼んで火葬した後、アンデット城に埋めておいた。
    $さんに浄化もしてもらっといたから、化けて出ることも無いだろう。」
ヤマチ「・・・ある意味、致命的にトドメをさしたな。今度、花でも持っていくか。」

―――$がいたなら蘇生してもらえば良かった事を、二人は最後まで気づかなかった。

ヤマチ「あともう一人、レスしてくれた人がいるんだよね。そっちもお礼を言っておかないとな。」
剣  「・・・これがレスに対する、お礼のために書かれてたなんて、一体誰が思おうか。」
ヤマチ「アルフさん、レスありがとうございます。
    俺もその内SSスレに投稿しようと思っているのですけど、後日、自分で読み返すと、
    反省点が多く、納得できる作品が無いので、もう少しココで修行してから臨もうと思っています。
    アルフさんの作品を楽しみにして待ってますね^^」
剣  「―――アルフ?」
ヤマチ「>>182さんのこと。ほら、IDが『アルフ』になってるだろw」
剣  「勝手に名前付けるなよ・・・(溜息)」


ヤマチ「さて、次回作の話だけど・・・。」
剣  「どんな話を書くんだ?」
ヤマチ「う〜ん、次はライトにギャグ路線でいこうと思うんだよね。」
剣  「最近、真面目な話ばかり書いてたからな。お前の初投稿の作品なんて―――」
ヤマチ「わーっ!?わーっ!?もう忘れろーーーっ!!?(///)」
剣  「なんだ?エロ話を書いてたのが、そんなに恥ずかしいのか?」
ヤマチ「・・・・・・いや、その頃の文章力の低さが恥ずかしい。」
剣  「さよか;」
ヤマチ「むしろ次回はエロ入れようと思ってるし♪」
剣  「そういう事、堂々と公言できるようになったら、お終いだよな・・・・・・色々と。」

ヤマチ「ちなみに、タイトルは『ファイターズ』にしようと思ってる。」
剣  「何?その職バランス悪そうな名前・・・。」
ヤマチ「だってBP全職そろえる話はあるのに、F系全職そろえたのって今まで無くないか?」
剣  「BPはその専門分野からお互いを支えあえるけど、
    F系は武器や戦術の差異はあっても、やることは結局同じだからな。」
ヤマチ「言い忘れてたけど、君が主人公&リングマスターだから宜しく〜♪」
剣  「聞けよっ!?てか、そんな肉ばかりのような栄養バランスのリング、まとめられるか!!?TT」
ヤマチ「エロも用意するぞ?」
剣  「・・・オマエのことだから、あまり期待しないでおく;」
ヤマチ「ちなみに、君がエロ担当。」
剣  「なんでだーっ!?ΣTT」
ヤマチ「斬新さや意外性を狙ってみようかと・・・。」
剣  「狙うな、そんなもん!!てか、早く《第三話》か《第五話》を完結さs――――」

186匿名希望:2006/10/13(金) 12:47:25 ID:HMBEjTp6
・・・このスレは「いいかけてやめるスレ」ですか?

まぁ、それは置いといてヤマチさんにお願いが・・・^^;
このスレ内で探している人がいるんです。

以前このスレで、書き込み中に後ろからいきなり首を切断されたんです。
その後、フィールド放置されて、
体を切断されて死に戻れる事もできずに傍観していたら、
バウに食われるは、コッコーに突かれるは、
アーチンに踏まれるは、プルルに無視されるは
とにかく酷い仕打ちを受けました。

30分ぐらいして、やっと巫女さんが来て助かったと思ったら、
話す間もなく「ラーヴァフロウ」で炭化させられました。
さらに、近くにいた$に、「ゾンビだから・・・」みたいな事を言って、
「ターンアンデッド」で完全に消滅させられた挙句、
「片付けるのが面倒だから・・・」とか言って、
「アースストーム」でアンデッド城に埋められてしまいました。

その後、気付いたらアカウントまで消去されてしまっていて・・・(泣)

もし、心当たりがあったら是非連絡を下さい。
お願いします。

187匿名希望:2006/10/13(金) 12:57:01 ID:HMBEjTp6
・・・自分で書いておいてアレだが、恐ろしく日本語が変だなorz

188名無しさん:2006/10/14(土) 17:20:58 ID:ePIkUGGI
ヒィ.  :ねぇ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど…
ヒカル:あらあら、なぁに?
アカリ.:なんだ?改まって
ヒィ.  :3話が無い理由を知ってます?
ヒカル:あらあら
アカリ.:えっと…
ヒカル:うふふ。あ、ちょっと用事を思い出しちゃった。またね〜
アカリ.:悪い、私もwisが来たから行かなきゃ。じゃあな
ヒィ.  :あ、はい…

リン:貴様、いい加減ヒカルを返せ
ヒィ :う〜ん、3話が無い理由を教え…
リン:おっと、ボス狩りの時間だ。

ヒィ.  :あ、トールさん。あの、3話……
トール:忙しいので失礼するよ


ヒィ   :ねぇマンドラちゃん。なんかみんなに避けられてる気がするんだ…
マンドラ.:『・・・・・・・。』
ヒィ   :3話の事を聞くとみんないなくなっちゃうし…
マンドラ.:『・・・・世の中には知らなくていいことだってあるんだよ・・・・』
ヒィ   :ん?何か言った? 第五話もどうなっちゃうんだろうね
マンドラ.:『・・・・志村!うしろうしろ!!・・・・』
ヤマチ :・・・・・・・・・ニヤリ


『・・・・・アカリちゃん・・・・どうしよう・・・・ひっく・・・ふぇぇ』
「どうしたのヒカル?・・・泣いてるの?・・・何があったのよ!」
『・・・・・・ヒィ君が・・・いなくなっちゃたよぉ・・・・・・・。』


ごごご、ごめんなさい。か、軽い・・・で、出来心と言うか・・・・ほら、あれですよ!あれ!
えっと、その・・・・・・・て、点火っ に、に〜げろ〜
     ○
    (ヽ =3 3 3 3 3 3 3 3 3
     ((

189ヤマチ:2006/10/14(土) 23:26:29 ID:aar7Y8oo
「ふぁいたーず」

■ぷろろーぐ:あらあら思春期ね♪(仮題)


―――楽しくない。
ある日突然、俺はそのことに気がついた。


毎日、混みあった狩り場に赴いて、睡眠時間を削りながらクエPの消費と、レベル上げ。
敵はMobではなく、周りにいる自分と同じPC。
互いに獲物を奪い合いながら、より早く、より多くの敵を倒すため、効率の良い狩りを行う。
それはまるで、義務付けられた作業ように・・・。

騎士団演習のある日は、リングの仲間達と集まって、いかにして『敵』を倒すか試行錯誤する。
この場合の『敵』とは自分の所属する軍以外の、全てのPCを指す。
―――そう、最早どんなMobだろうと、どのBOSSだろうと、俺達の相手にはならない。
だから、戦うのは自分達と同じPC・・・。
強さを求め、その最果てまで到達してしまった愚かな者達・・・。

俺達は持て余すこの力を、互いにぶつけ合う。
―――そうすることでしか、俺達の『力』にその存在意義を見出せなかったから・・・・・・。



―――だけど、

―――俺は・・・何のために、そこまで強くなろうとしたのだろうか・・・・・・?



演習に参加する者達は、ただレベルの高い者達とは、大きく異なる点がある。
それは、対人戦のノウハウ。
Mob戦と対人戦とは、根本的に状況が異なる。
そのため、演習で勝ち残るためには、対人戦に特化したステータス構成や、対人用スキルが必須となる。
しかし、ステータスやスキルのリセットのコストは決して安いものではない。
故にそれは、己の持ちえる全てを、演習に注ぐということ。
容易に後戻りの許されぬ、修羅の道。
―――だからこそ・・・皆が全力で挑みあうからこそ、そこに『真剣勝負』が成立する。

真剣勝負の醍醐味―――それは『勝利』という美酒。
他者を下すという優越は、本能的な悦楽を呼び起こす。
その味を一度知れば、もう退屈な狩りだけの毎日に戻ることはできないだろう。
その味を再び味わうためならば、レベル上げにどんな労力も惜しむまい。
―――それ程までに、勝利の美酒は・・・甘い。

だが、それに相反し、演習とは負の感情の、最も強い場所でもある。
誰もが勝てるわけではない。
勝利とは、敗者がいて初めて成立するもの。

大小、強弱、様々とはいえ・・・負けた者は少なからず、その胸に黒い澱が積もる。
妬み、僻み、恨み、憎しみ―――どんな人格者でさえ、その心の影からは逃れられない。
何故なら、それもまた、勝利へと人を駆り立てる要因であるからだ。

―――されど、人は平等ではない。
職業の差、レアアイテムの有無、PCスペック、2アカウント、仲間の数、などなど・・・
この差が、人の憎悪を増大させる―――

それもまた―――真剣勝負であるが故に。

190ヤマチ:2006/10/14(土) 23:28:09 ID:aar7Y8oo
―――だが、悪いことばかりじゃない。
そんな中で試される、仲間達との連携や信頼・・・その絆。
仲間と共に勝ち取った勝利は、また感慨も一塩だ。

こうして仲間達と力を合わして頑張れることもまた、MMOの醍醐味であり、
真剣勝負として演習に臨むのであれば尚のこと、それは満ち足りた毎日であったといえるだろう。

事実、俺自身そんな毎日に満足していたし、
そして、これからも続けていくのだろうと思っていた。


終わりは突然だった。
レベルキャップが開放され、演習の常連達は、こぞってレベル上げのため狩り場へと赴いた。
相手より強くなるために。
或いは、相手に差をつけられないために。

―――そんな中、俺はどういう訳か、レベル上げをする気になれなかった。
昔は、誰よりも強くなるために、それこそ不眠不休で戦い続けたものだが、
今の俺に、その時のような熱意は湧いてこない。

・・・かといって、特にやることも無いので、狩場に行ってみた。
そこは嫌と言うほど通った狩場。
最も効率がいいとされる場所だけあって、競争率も高い。
周りに翻弄されていては、かえって効率が落ちる程の、混み具合。
だけど、そんな中を俺は、特に意識するでもなく、次々と獲物を一刀のもとに葬ってゆく。
・・・何も変わりは無い。
熱意が無くとも、身体に染み付いた習慣と義務感は、否応に関係なく、獲物を貪欲に求め続ける。
―――だけど、楽しくない・・・。

結局、狩りもそこそこに、演習に出てみた。
しかし、同じことだった。
戦い方は、全て身体に染み付いている。
多少レベル差があったって、ものともしない。
―――だが、相手を倒すことに快感を感じもしなければ、負けたことに悔しいとすら思えない。
ただ、虚しさだけが募った・・・。

―――こんなことをして何になる。
そんな疑問が浮かんできた。


―――これは、俺が望んでいたことなのだろうか。

―――俺は・・・何のために、ここまで強くなろうとしたのだろうか・・・・・・?


・・・思い出すのは、過ぎ去った『かつて』の記憶。

昔はこんなじゃなかった。
毎日が冒険で、ドキドキ、わくわく、していたものだ。
まだ世界は知らない場所で溢れていた、あの頃。
世界は何処までも続いているようにさえ思っていた。

MAPの隅っこの、秘密の海岸。
命がけだった、ジャガイモ掘り。
皆で力を合わせた、毛皮狩り。
驚きの連続だった、初めてのダンジョン。
そういえば、モックーの魔法に驚いて、必死に逃げ回ったりもした。
Dの最深部で出会った、初めてのBOSS・・・
―――そのネーミングセンスに眩暈を覚えたのも、今となっては懐かしい思い出だ。

・・・あの頃は、世界が輝いていた。
まだ未知の世界があって、自分の中にも未だ見ぬ『力』があって―――

新しい世界を冒険するために、強くなろうとした。
次のスキルが楽しみで、頑張って戦い続けた。

―――そんな今となっては眩しくすらある『かつて』の記憶。


今、俺はあの頃、望んだものを全て手にしている。
今の俺は、どんな場所にだって足を踏み入れる強さがあって、
最早、この世界の全てを冒険し尽くした。
この身に眠る全てのスキルを網羅し、そして極めた。


―――なのに、あの頃の方が楽しかったと・・・そう思うのは何故だろうか。

191ヤマチ:2006/10/14(土) 23:29:15 ID:aar7Y8oo

■その1:コワイお姉さんと一緒♪(仮題)


「つまり、リングを抜けたいと・・・そういうことだな?」

―――目の前には椅子に腰掛けた、ちょっとキツイ感じのするドミニオンの女性・・・うちのリングマスターだ。

「まぁ、そういうことになる。」

―――そして何故か、正座させられている俺。
足が痺れるけど、目線の高さがイイ感じなので全然OKだ><b

「できれば理由を聞かせてもらいたい・・・。もしや、ECOを引退するのか?」

ドルイドの職服から覗くフトモモが眩しい。
惜しげもなく肌を晒すレオタードに上に羽織ったローブが、絶妙なチラリズムを創造する。
―――グレイトォウ!!www

「いや、そういうわけじゃない。ただ・・・少し自分なりに、このゲームを見つめなおそうと思うんだ。」

艶めかしく組みかえられるフトモモ―――されど、レオタードであるが故にパンチラは望めない。
限界までその美しい曲線を描いた足を晒す代償に、聖域への侵攻を完全に防ぐ絶対の守り。
・・・なるほど、たしかにレオタードは、清浄なるドルイドには相応しい職服といえる。

「―――思えば、今では演習ばかりだが、昔はそうではなかったな・・・。
もしかして、ずっと不満だったのか?演習ばかりの毎日にウンザリしていたのか?
だとしたら、すまない・・・私はリングメンバーであるお前の気も知らずに―――。」

―――だが、諦めん!!構造的に視認が不可能というのなら、心の眼で視るまでだっ!!
イメージしろ・・・見れぬというのならば、見れる姿を想像すればいいだけのこと。
たかが布一枚―――その向こうの裸身を想像するのは容易い。
ローブで隠れた部分は妄想で補完し、彼女の身体を精神界において再構成する。
よし、いけるっ!!!(`・ω・´)

「―――違うよ。もちろん俺だって楽しかったさ。
ただ、飽きてしまったんだろうなぁ・・・戦いの日々に。」

―――再構成率87%
慌てるな、俺・・・。
イメージは鮮明に、そして一切の妥協を許すな―――って、ん?

ふと、自分の言った言葉に、妄想を中断し、思考してみることにする。

『飽きた』

―――あぁ、なるほど・・・要するに俺は、『飽きた』のかもしれない。
思えば、ずっと演習のことばかり考えて毎日続けてきたんだ。
そのうち飽きるのも当然といえる。

「・・・・・・なら、別にリングを脱退しなくとも、演習だけ休めばいいじゃないか。」
マスターは不満そうだ。
「そういうわけにもいかないだろ、実際のとこさ。」
そういって苦笑してみせる。
マスターは不承不承ながら納得してくれたようだ。
「―――そうか。・・・まぁ、お前が抜けると言うのなら、もとより私に止める権限など無い。」
「そう拗ねないでくれ。」
「だれが拗ねるか、莫迦者!!」
少しからかったら、頭を叩(はた)かれた。
そんな、いつものやり取りに幸せを感じる。―――いや、Mとかじゃなくて(´・ω・`)ノシ



「―――なぁ・・・・・・・」
「ん?」
脱退の手続きを終え、最後にマスターは俺を呼び止めた。

「―――いつか・・・いつか戻ってきてくれるんだよな?」

不安そうなマスターの―――いや、もうマスターじゃない。
ただの一人の女の子の、切なる問いかけ・・・。
その祈るかのような彼女の言葉に、俺はなんと応えただろうか。


――――『今』となっては、もう思い出す事のない過去の出来事。
この時、確かに交わした筈の『約束』―――。

俺自身、その問いになんと答えたのか思い出せないし、
彼女にとっても、もう必要のない答えだ。

実際に、俺はあのリングに戻ることは、もう二度となかったし、
それに・・・・・・彼女はもう、俺が戻ることなど望んでいないだろうから―――。

192ヤマチ:2006/10/15(日) 00:09:33 ID:aar7Y8oo
≪なかがき≫

わざと気になる言い回しをして、次回へ続く〜♪
剣「止めんか;」
だって疲れたし・・・。
剣「しかし、ここだとキリが悪くないか?」
プロローグだけで投稿するよりも、マシだろう。
プロローグ単品だと、雰囲気が違いすぎるからな・・・(汗)
剣「それで『その1』は、なんか文面が微妙に焦って書いた感じがあるのか。」
手抜き工事です(`・ω・´)b
描写にこだわらない代わりに、執筆速度は3倍くらいになってるな。
細かいとこ拘るより、サクサク書いて、自然と文章力が上達するに任せた方が良いかもね。
・・・どうせ読んでる人も流し読みだろうし(ぼそっ)
剣「とか言って、あとで書き直したいとか後悔するなよ、マジで;」

>>186
Σ(゜Д゜;)
・・・・・・心当たり?いや〜、全然ないなぁ(滝汗)
剣「ウンウン、ナニモ、シラナイヨ。」

>>188
逃がすかぁ!!新技ストライクブロウーーーッ!!!!
剣「・・・別に、普通に面白いと思うんだが?」
うん、面白かったねヽ(´▽`)ノ
剣「・・・じゃあ、殺さなくても良いんじゃないか?」
いや、逃げられると、つい・・・・・・
剣「って、もうヤったのか!?ΣT_T」


≪リスト≫
>>176 チェインソード
>>183 死神の鎌
>>188 ストライクブロウ

剣「・・・・・・。( ゚д゚ )」
・・・だんだん定番と化してきたね。

193エビマヨ先生:2006/10/15(日) 16:51:03 ID:W4/eB7Wc




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ヒィくんどこ?

194名無しさん:2006/10/15(日) 17:54:02 ID:hIwGG8EY
ダメだっエビマヨ先生逃げt(ザシュ!

195194:2006/10/15(日) 23:50:19 ID:hIwGG8EY
(何か勝手に斬られて丸投げもアレなんでSS初挑戦。
もしヤマチさん何か書いててそれとズレたらごめんねw)


(逃げて!)

そう少女が叫ぼうとしたとき、不意に背中に灼熱が走った。
痛みを堪え後ろを振り返り、そこで見た物は・・・

居合いを放った姿勢で静止し、返り血を浴びて立っている一人の青年、
そして断ち切られ、地に落ちていく自らの翼だった。

少女は瞬間的に逃げようと考えた。
しかし恐怖に体が縛られ、身動きをとれないまま・・・
二度目・三度目の灼熱が体を走った。
急速に冷えていく体温を感じ、視界が暗くなっていく。
そして不意に空を飛んだ時のような感覚が襲い・・・
直後に落下した衝撃を感じた。
それが、少女が最後に知覚したことであった・・・

(タイタ♀なのは最近消したキャラだからです。
駄文失礼しました_(._.)_)

196名無しさん:2006/10/16(月) 13:03:36 ID:.TkiYxyY
・・・このスレは「ヘタな事を言うと殺されるスレ」ですか?
いつからこんな事に・・(;〜;)
手紙置いて逃げよっ!


ヤマチ様へ(置き手紙)

>>189-192で新しいストーリーを書く事は結構なのですが
まだ「ヒィ」君の話が終わってないですって!
ネタが浮かばないとか言って現実逃避したらダメです。
それに>>178-181と「ファイターズ」なんて視点が違うだけで
内容もほぼ一緒ですし・・・。
しかも、エロ書くと言っておきながら
「ファイターズ」は全然エロくないですし・・・。
エロスレ職人のプロとしてもっと頑張って下さい。

                         おわり

PS,私を探さないで下さい。

197黒犬:2006/10/16(月) 20:08:10 ID:cTgnFko2
毎度読ませてもらっています
今度ボクも駄文ですが書かせていただこうと思いまして

あっそれと第3話と第5話は?
えっ?ちょっと・・・逃げろ
【トランスフォーム】【ハイディング】
これで安心・・・
【旋風剣】「ザシュッ」
・・・合掌(-人-)

198ヤマチ:2006/10/16(月) 22:46:38 ID:aar7Y8oo
>それに>>178-181と「ファイターズ」なんて視点が違うだけで内容もほぼ一緒ですし・・・。

―――正解。耳が痛いなぁ(苦笑)
実は、あれらは第5話の結末を考える過程で生まれたものなんだよ。
同じ『強さ』をテーマにしても、視点を変えれば答えが見えてくるだろう・・・と考えたんだ。

しかし、さすがに同じネタが続きすぎたね。
『強さ』に関しては一時保留にして、別テーマに取り組もうか。
ネタは掲示板に溢れるほど埋もれてるし、『アレ』も未完成のままだったしなぁ^^

>>196さん、指摘ありがとう。目から鱗が落ちるような思いだよ。
正直、考えても考えても答えがでないで煮詰まってたしね。
本当にキミには感謝しているよ。

――――だが、斬るっ!!(←凄く嬉しそう)

「ばうっばうっ!!」
おや、死体処理班のバウ隊長じゃないか。どうしたんだい?
ふんふん―――そうか、『手紙に残っていたヤツの匂い』を見つけたか。

クックックッ・・・・・・待っていろ、>>196
お前の魂は、この俺が必ずや――――・・・・・・

199196(by コーヒープリン):2006/10/17(火) 08:09:16 ID:pbNsu5Rk
ばれたかっっ!!
それなら、隠す必要ないな!
パーンスレから仲間呼んで返り討ちにしてやるから、いつでも来い!

それと第3話を自分なりに作ってみた。
下のアドレスに書いたので感想ヨロ。
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/23423/1140879775/l50

200エビマヨ先生:2006/10/17(火) 12:19:34 ID:k5l885rY


.       ∧_∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       ( ´Д`)<宅配便で〜す 
  -=≡  /    ヽ  \_______
.      /| |   |. |
 -=≡ /. \ヽ/\\_
    /    ヽ⌒)==ヽ_)= ∧_∧
-=   / /⌒\.\ ||  ||  (´・ω・`)<<コーヒープリン
  / /    > ) ||   || ( つ旦O
 / /     / /_||_ || と_)_) _.
 し'     (_つ ̄(_)) ̄ (.)) ̄ (_)) ̄(.))

201めっこーる:2006/10/17(火) 18:00:54 ID:iwrK.2PI
.       ∧_∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       ( ´Д`)<すみません、すぐ片付けます! 
  -=≡  /    ヽ  \_______
.      /| |   |. |
 -=≡ /. \ヽ/\\_     コーヒープリン    エビマヨ先生
    /    ヽ⌒)==ヽ_)= ∧_∧    ∧_∧
-=   / /⌒\.\ ||  ||  (´・ω・`)    (´・ω・`)
  / /    > ) ||   || ( つ旦O    ( つ旦O
 / /     / /_||_ || と_)_) _.    と_)_) _.
 し'     (_つ ̄(_)) ̄ (.)) ̄ (_)) ̄(.)) ̄ (_)) ̄(.)) ̄ (_)) ̄(.))

202ヤマチ:2006/10/17(火) 21:57:19 ID:aar7Y8oo
≪リスト≫
>>176     チェインソード
>>183     死神の鎌
>>188     ストライクブロウ
エビマヨ先生 『現在捜索中』
>>195     連続居合い
黒犬      旋風剣
コーヒープリン『現在捜索中』

う〜ん、二人も逃がしてるのか俺は・・・。
やっぱり名前持ってる人間は一筋縄ではいかないなぁ。黒犬さんも、ほとんどマグレ当たりだったし;

まぁエビマヨ先生は、>>195さえ邪魔しなければ容易く狩れたんだけどなぁ。
エビマヨ先生を庇い、翼を落とされた片翼の天使《ハーフウィング》・・・・・・か。
――――急所は外しておいたが、生きているだろうか?
いや、生きていてもらわねば困る。
この俺の邪魔をしたんだ。あの娘には存分に生き地獄を味わってもらわなくては、面白くない(ニヤリ)

コーヒープリンは未だ居場所が分からないし・・・。
てか、パーンスレって何処だよ!?検索しても無かったぞ!!orz

くそ〜、あの二人・・・絶対に見つけ出してやる。

>>200 エビマヨ先生「宅配便で〜す」

って、見つけたぁぁぁあああっ!!!?
カモがネギ背負ってやってきたーーー!!!
飛んで火に入る夏の虫でもOK!!!

―――唸れ!チェインソード!!
《リミッター解放・オーバードライブ》

―――豪っ!!!

チェインソードが機体の性能限界を超えた機動を始める。
超高速回転する数十枚の刃が、大気を巻き込み、暴風を巻き起こす。
この暴風に呑み込まれれば、たちまち幾千もの肉片へと、切り刻まれることだろう。

(まぁ・・・さすがに一発撃ったらお終いだろうな。機械も―――俺自身も・・・。)

チェインソードの動力部が過負荷による、異常発熱と放電現象が起こる。
それによって自分の手が焼けるの感じながらも、俺は更に剣を強く握り込んだ。

全てを喰らい尽くせっ!!――――旋風剣っ!!!!

それは幾度も己の危機を救った、必殺の剣。
一撃の威力ならば全剣技中最大の技でもある。
暴風を纏いしチェインソードが、更なる大気を巻き込み、旋風―――否、竜巻を成す!!
荒ぶる『龍』と化した一撃が、今!眼前の敵を薙ぎはr――――


>>201  めっこーる「すみません、すぐ片付けます!」

MISS

203195:2006/10/17(火) 22:25:01 ID:hIwGG8EY
┬┴┤´・ω・)<今は別の名前で別のスレに潜んでるとです。

┬┴┤ミ サッ

┬┴┤<インビジブル!

204エビマヨ先生:2006/10/18(水) 03:11:11 ID:BGkomGIs
   〃∩ ∧_∧
   ⊂⌒(  ・ω・)フンフーン
     `ヽ_っ⌒/⌒c
        ⌒ ⌒
「ECO嵌ったな 05」 通称パーンスレを知らない人いるんだね
ヒィ君、レイドはいずこに?

205ECO変わったな 初期住人:2006/10/18(水) 06:16:56 ID:keHoZt8o
>>205
このスレとパーンスレどっちもローカルスレなんだから人口増やさずこっそりやって欲しい俺ガイル

206コーヒープリン:2006/10/18(水) 08:11:00 ID:CjG3JOTk
[ keHoZt8o ]
・・・このID、どこかで見た記憶が?どこだっけ???

207195:2006/10/18(水) 20:10:47 ID:hIwGG8EY
何か生きてる可能性ある事になってるっぽいから授業中に思いついたの投下
「ハーフウイング」っていう言い回しからもしや?ってのあったからネタ潜ませとこう

少女は、病院の一室で目を覚ました。
・・・あれ?生きてる・・・?
あれだけ斬られたのだ、まだ命があるなどと思えなかった。
・・・・夢?
ベッドから降りる。痛みもない。
・・・そっか、夢か・・・
そしていつものように空を飛ぼうとし・・・
落下した。
慌てて背中を見る。
・・・片羽が、根元から無かった。
・・・あの悪夢は、夢などでは無かった。

羽を失ったというショックで呆然としていると、一人の女性が病室に入ってきた。
床に座りこんでいる自分を慌てて助け起こし、ベッドの上に横にさせる。
どうやらこの女性がここに運んできたようだ。自分は何故生きてるのかを聞いてみる。
蒼いブリキングが、自分を抱え、助けてやってくれとこの女性に預けたらしい。
女性はまた来ると言い残し、部屋を出て行った。

病室で横になっているのは退屈で、こっそり抜け出し街に出る。
・・・・やめておけば良かった。
周囲から好奇の視線が集中する。主に自分の背にだ。ふと、向かいから飛んでくるタイタニアの青年と目が合った。
「―――っ!」
駆け出す。
さっきの人の目は・・・あれは・・・あの視線は・・・っ!
時間差で、翼を失った悲しみが沸きあがる。自分はもう空を飛べないと痛感してくる。

走りつかれ、ダウンタウンへ行く階段の横に座りこむ。
しばらくそこで泣いていると、一人の青年に声がかけられた。
どうしたのか聞かれ、溜め込んでいたものをぶちまける。
その人は微笑むと、ここに行くといいと一枚の地図を差し出した。

―普段なら、この様な物を信用はしなかっただろう。悲しみは、判断力を根こそぎ奪っていた。―

言われた場所は、郊外の今は停止した工場であった。
突然台車を転がす音が通過した。

.       ∧_∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       ( ´Д`)<すみません、すぐ片付けます! 
  -=≡  /    ヽ  \_______
.      /| |   |. |
 -=≡ /. \ヽ/\\_     コーヒープリン    エビマヨ先生
    /    ヽ⌒)==ヽ_)= ∧_∧    ∧_∧
-=   / /⌒\.\ ||  ||  (´・ω・`)    (´・ω・`)
  / /    > ) ||   || ( つ旦O    ( つ旦O
 / /     / /_||_ || と_)_) _.    と_)_) _.
 し'     (_つ ̄(_)) ̄ (.)) ̄ (_)) ̄(.)) ̄ (_)) ̄(.)) ̄ (_)) ̄(.))

嫌な予感がし、私はここから離れようと振り返り・・・

(自分はエロも拷問も残酷描写もだめなのであとはお任せします。AA初コピペ、ずれてたらゴメンナサイ)

208黒犬:2006/10/18(水) 22:21:47 ID:cTgnFko2
ネクロリザで復活!!
予告していた駄文をあげに来ましたよw


あれは・・・いつだろう?
だがそれほど昔のことではなかっただろう

「恵っ!遅いっ!遅すぎ!」
「紅ゴメン〜色々準備してて」
「まったく!今日は大陸Dにいくんでしょ!?」
「うん・・・」
「だったら早くいこっ」
「うん・・・」
ナツメはせっかち、メグは少し引っ込み思案なところがあった
大陸D・・・
まだLv10程度の彼女らがここまでたどり着けたことは奇跡だっただろう
「さぁいくわよ!」
「ここ怖いよ・・・」
「もうっ!恵はヒールしててくれればいいからっ」
その時だ
近くのドラッキーが襲いかかってきた
「きゃっ」
まだ低レベルの彼女達に戦う力は無い
絶体絶命だった
「どいていろっ!」
男【居合い】
男の剣がドラッキーを斬り裂いた
男「大丈夫か?」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板