したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

ぶれますスレwwww

131ヤマチ:2006/07/29(土) 13:18:44 ID:aar7Y8oo
僕が彼に追いついた時、彼はブリキングに襲われるところだった。
あ、危ない!――と、思った時には既に遅く、
彼のマンドラニンジンはブリキングに襲われてやられてしまった。
しかし、その間に詠唱を完了させた彼が、強力な魔法でブリキングを一撃で葬り去った。
それでも、マンドラニンジンはやられてしまったし、
一人ではやっぱり大変だろうと、声をかけようとした時だった。
「――――あっ!?」
彼はその場にマンドラニンジンを捨てて、先へ進んでしまった。
たぶん操作を間違って捨ててしまったんだろうと思い、
彼にマンドラニンジンを落としたことを伝えようとした。
「おーい、マンドラちゃん落としてますよー!」
「―――え?」
彼は振り向いた。
そして「おっと、危ないところだった。教えてくれてありがとう。」とか言いながら
慌てて取りに戻ってくるものと思っていた。
―――だけど・・・

「あぁ、それ。それはもう使えないから捨てて置いてください。」

何を言われたのか理解できなかった。
何かの聞き間違いだと思った。
いや、聞き間違いだと思いたかった・・・。
だけど、非情にもログには確かに聞いたとおりの言葉が残っていた。

―――ソレ―――

―――ツカエナイ―――

―――ステテオイテ―――

「わざわざ、教えてくれてありがとう。」
そう言って、彼は何でもないことのように去っていった。
僕は何もかも理解できなくて、しばらく呆けていた。
もうとっくに見えなくなった彼の背中から視線を外すと、
地面に転がったマンドラニンジンの姿があった。
僕は莫迦になった頭で、ただ助けなきゃと、その子を拾い上げた。

親密度:0/30 ≪休眠状態≫

―――それを見た瞬間、僕は心が凍る思いがした。
どうして、こんな酷いことが出来る?
何のために、こんな事をしなけりゃならない?
・・・停止していた思考は、更なる衝撃に再び廻りだす。
いや、考えるまでもない。
さっきから解っていたんだ。
ただ、それを認めたくなくて、結論を保留にしていただけ。
だけど今、その確認が取れた。
故に・・・この腹の底から煮えくり返る感情こそがその結論。

「オイオイ・・・」
それは自分の声とは思えないほど低くかった。
「何なんだよ――――何なんだよ、これはっ!!?」
全て理解していながら、問わずにはいられなかった。
・・・なんで、こんな酷いことをするのかと。
・・・どうして、こんな凶行を行えるのかと。
「――――答えろよっ!!!」
誰に問うたわけでもない。
こんな凶行を犯した彼にでさえなかった。
――ただ、問わずにはいられなかっただけ・・・。

しかし、そんな問いに答える声があった。

「そういう戦術なのよ。」

だけど、その答えはあまりに非情。
そんなことが聞きたくて問うたわけじゃない。
なのに、それが現実だと知らしめるかのように回答は続く。

「アンタも目の前で見ていたでしょ。
ペットが敵にやられている間に、主人が魔法を唱え、敵を倒す。
要するに、ペットを利用したデコイというわけ。」

―――なんだよそれ・・・。

「ペットなら何でもいいんだけど、
最弱とはいえ、入手が簡単なマンドラニンジンは、
まさにこの戦術にうってつけなの。」

―――もういい・・・聞きたくない・・・。

「アンタ・・・自分が異常なの気づいてる?
ペットは私たちPCとは違う。
感情を持たない、ただのプログラムなの。
そんなものに何マジになってるのよ。」

「―――うるさいっ!!!」

僕は思わずアカリに怒鳴り返した。
アカリは間違ったことは言っていない。
・・・分かってる。
そんなことは分かってるんだ。
―――でも・・・

「でも、可哀想だと感じたんだっ!!
それを哀しいと思ったんだっ!!
なら、仕方がないじゃないかっ!!!」

僕は彼を追って走り出す。
このまま見過ごすことなんて、とても出来なかった。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板