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ジェネラル石井総統閣下ログ保管庫

57名無しタン(*´Д`*)萌え〜:2003/12/19(金) 22:17
 それから数日後、荒井は、張良や樊噌という名の将、それに数百騎の兵とともに鴻門を訪れた。陣の前に兵たちを駐屯させ、荒井は張良だけを供として、石井の待つ陣内に入っていった。
 荒井は石井の下へ通されると、すぐさま地に額を擦るように臥し、臣下の礼をとった。そしてそのままの姿勢で、曹無傷の言がまったくの偽りであることを釈明した。一度石井を怒らせれば、けっして許してはくれないことを知っていたが、それでも荒井は一縷の望みを託し訴える。
 荒井のことを知り尽くしている石井は、荒井の内心を思うと、それだけで達しそうになった。しかし、その場にいる多くの配下の者たちに、自らの性癖を知られることを嫌った石井は、冷静を装い、荒井の釈明を信じ、和解の証として酒宴を設けた。
 宴は始まったが、荒井としては楽しめる心境ではなかった。その上、石井の顔を見るたびに、妖かなにかのような笑みを浮かべながら見つめてくるのだ。生きた心地がしない。
 一見するとおごそかな雰囲気の中、荒井とは異なった理由から、宴を楽しめない者がいた。范増である。范増は酒宴の始まる前に、石井に一つの策を実行するように進言していた。頃合いを見計らって范増が合図を送り、それにより石井が張良を斬り捨て、宴の席を外させている兵が一斉に荒井の連れてきた者たちを滅するというものだ。荒井を生きたまま捕え、再び石井の性の奴隷とすることが目的だった。
 張良の酔いがまわったと思われる頃、范増は張良を殺す合図を項羽に送った。しかし、石井は目配せをするだけで、いっこうに剣を抜く気配はない。その後も、何度も合図を送り続けるが、石井が行動に移る気配は微塵も感じられなかった。
 范増は、荒井を取り逃がしかねないという焦燥を露にした。
 一方、石井は思案を巡らせていた。范増は張良を殺すつもりだが、そうするには惜しいと思うようになっていたのだ。どうにかして荒井もろとも性奴にしよう、と酔いのまわった頭で考える。
 石井の態度に業を煮やした范増は、次の手を打つことにした。さりげなく宴席を立った范増は、幕を出ると石井のもう一人の叔父である項荘を呼び寄せ、張良を暗殺するように耳打ちする。
 幕内に戻りしばらくして、范増は皆の前で、項荘に剣舞を披露するよう命じた。これを受けて項荘は、石井と荒井の和解を祝して、と述べ、剣舞を舞い始めた。
 この状況を見て、項荘の真意を見抜いた者が二人いた。当の張良と項伯である。かつての恩義に報いるために、項伯が立ち上がり、剣舞加わる。項荘が舞いながら張良に近づこうとすると、項伯はその間に割って入るように立ち回った。項荘は口には出さないが、項伯の意図を悟った。
 緊迫した空気の中、剣舞はしばしの間続く。
 一進一退の剣舞を見て、項伯の真意が范増の知るところとなる前に膠着状態を解くため、張良は厠へ行くふりをして席を立った。楚兵の目を盗んで陣外へ出ると、張良は樊噌を呼び寄せ、ひとことふたこと言葉を交わし、再び宴席に戻る。
 しばらく後、樊噌が宴席に乱入してきた。楚の近衛兵たちは樊噌を止めようとしたが、その膂力ゆえ不可能だった。この騒ぎで、項荘と項伯の剣舞は一時中断されることになる。
 宴席での騒ぎに不愉快になった石井は、その張本人である樊噌をにらみ付けた。しかし樊噌は、石井に臆することなく、宴に呼ばれていない者たちにも食べ物を寄越せと言う。
 石井は、大量の酒と肉とを樊噌に出し与えた。普通の人間に食べきれる量ではない。石井は、宴席に割り込み、大言を吐いた以上、少しでも残すようなら容赦なく斬り捨てる心づもりだった。しかし、それは樊噌も承知している。樊噌は、持っていた盾を器の代わりにし、剣で肉を切り刻んで、すべて平らげた。石井は、その意気を認め、樊噌に宴の末席に加わることを許した。このやり取りのため、その場にいた者たちは皆、剣舞のことを忘れ、張良は窮地を脱したのだった。
 時が経ち、樊噌は荒井に目配せし、二人は厠へと立った。予め張良が、隙を見て荒井を外へ連れ出すように指示していたのだ。
 これを見た石井は、同じく立ち上がる。幕を出て、数人の兵に張良と取り押さえるように命じ、自らは荒井の下へと向かう。
 石井はすぐに荒井に追いつき、剣を抜き放つ。
 樊噌がこれに反応し、剣を抜きつつ、荒井に逃げるよう促す。
 石井と樊噌が打ち合う。樊噌は確かに膂力は優れていたが、しかし石井の剣技の前ではそれも見劣りする。十合も打ち合わずに、石井は樊噌を討ち取った。
 すぐに前に向き直った石井は、急ぐ必要のないことを知る。恐怖で思うように歩を進められないでいる荒井の姿が、目に映ったからだ。
 石井は、荒井の腕を強く掴むと、強引に引っ張り、大声を出してもけっして届かないと思われるくらいの場所まで荒井を連れ去ったのだった。


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