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新・戦場スレ Part1

16 ◆h9Hr5c.eFE:2016/05/14(土) 04:56:52 ID:epdkmxiE
>>14
「あとは最後の一機だけ…! これなら、勝てる!」
「こらこら、ツバサ君! 積極的な攻撃はなるべく控えたまえ…!」
「やっつけてしまえば、これ以上街を壊されなくて済むかもしれません! やらせてください!」
シルキーは残存する敵機目掛けて駆け出しながら、腰に帯びたレーザー・レイピアを抜刀。一目散に突撃していく。
が、その時だった。
「!?」
レーダーに感の無かったサイクロプスの部隊が、突如として両機の胃と割り込むように現れた。
「伏兵だ! さすがは『飢狼』、噂に聞こえる通りのお手並みだね……ツバサ君、囲まれると危険だ。後退して立て直したまえ!」
さすがのウェーバーも焦りを隠せず、やや声を張り上げ気味に指示する。
しかし、ツバサからは応答が得られない。
「……ツバサ君? どうした、応答したまえ!」
「……あ……」
足を止めたシルキーの機体は、カクカクと小刻みに震えていた。
ホロスクリーンに映された敵パイロットの姿を見た途端、ツバサは心臓が跳ね上がるような衝撃と、それまで感じたこともないような、得体の知れない嫌悪感を覚えた。
(なに……? なんなの、この人……!?)
先程までの攻勢はどこへやら、シルキーは内股に立ちすくみ、震える両手でどうにかレイピアを構えたような状態となる。
T-スキンに包まれた豊満な肢体に冷や汗が伝う。その様子も、怯えに凍りついた表情も、映像通信が筒抜け状態の今は全て見られている。見られてしまっている――。
そう考えると、ツバサの胸中にぞわぞわと未知の感情が沸き上がってくる。その正体は遺伝子に刻まれた冥い被征服感であり、支配者への屈服と嘆願の衝動であった。
そして、ガバノイドのサイクロプスが一歩、シルキーへ向けて踏み込んでくる。
「……っぁ …う、うあああぁーーっ!!」
気がつけば、ツバサは自分でも信じられないような行動を取っていた。自ら突撃し、レーザー・レイピアを大降りに振るう。
それはセレニアンの本能による咄嗟の防衛行動に他ならなかったが、結果として圧倒的パワーを誇るサイクロプスに対して正面から突撃するという愚行を犯すこととなった。


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