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新・戦場スレ Part1
146
:
◆h9Hr5c.eFE
:2016/07/04(月) 01:21:13 ID:IJrmb6Uw
>>145
ツバサにとって、ミレニアが口にしたアニーシャの事情は意外だった。出逢ってまだ日は浅いが、もっと華やかな、明るい世界を生きている少女だと思っていた。
それだけに、ミレニアの辛辣な言葉がいっそう酷薄なものに思えて、これ以上二人が言い争う様は見ていられなかった。
「お、お二人とも、今は作戦中ですし、喧嘩してはダメ……」
そう言いかけた時、周囲の状況が一変した。
液体の飛沫のようなものが方々から大量に吹き上がったと思うや、それは林立する分厚い障壁へと姿を変え、フェアリーフォースを取り囲んでいた。
「なっ……何!?」
メイヴが驚愕も顕に辺りを見渡す。対するアニーシャは無言でレーザー・ツインダガーを抜き放ち、構える。
「…引き返すにはもう遅いみたいだよ、お嬢」
「そんな…な、なんで…? 格好のチャンスのはずだったのに…」
レーダーに突如現れた機影は、まさに無数だった。相次いで罠に陥れられたことで、フェアリー・フレームのセンサーが帝国飢狼部隊の前に無力であることは、これではっきりと証明されたといえる。
「お嬢様…いえ、隊長! 応戦しましょう! 指示をお願いします!」
レーザー・レイピアを手にシルキーがメイヴの右後ろに付く。隣にはケット・シーが並ぶ。演習で繰り返しシミュレートした陣形だ。
「えっ? え…あ…」
メイヴが震える手でフルーレを抜く。ミレニアの脳裏には失意と同時に、先の戦いで受けた苦痛がフラッシュバックしており、半ば頭が真っ白という状態だった。
「ど…」
「はい!」
「どうすれば…いいんですの…?」
「え…えぇっ?」
その憔悴ぶりには、さすがのツバサも失望を感じずにいられなかった。
「もういい。そんなやつ、そこで震えさせておけばいいのよ…ツバサちゃん、やるよ! 生き残るために、あいつをやっつける!」
ケット・シーが指差したのは、頭上高くに逆さまに立つ得体の知れない機動兵器。
アニーシャのバッサリとした物言いと、『あたし』という一人称に戸惑いながらも、ツバサは「はい!」と返事を返した。周辺を取り囲む機体は無人機。それに対して、頭上の機体が何かしらの干渉を行っているという情報が、センサーの測定値からはっきりわかったからだ。
「お嬢様は無理をなさらず、身を守ることに専念してください! 私とアニーシャちゃんで何とかして見せます!」
「で、でも……」
間もなく、ターゲットから奇妙な通信が送られてくる。ジン・ミック少佐の発したアイサツと似た調子だが、彼の縁者か同類なのだろうか?
「一網打尽? 嘗めないでよね! と、飛んで火に入る夏の虫なんだからっ!」
発言は強気だが、アニーシャも手の震えを抑えきれていなかった。先の戦いで恐怖を植え付けられたのは彼女も同じなのだ。
「いっくぞぉぉぉっ!」
その迷いを振りきるかのように、ケット・シーが弾丸の如く疾走し、最寄りの無人機複数機の首元へと、次々にツインダガーを走らせる。
「援護します! レーザー・クロスボウ、ラピッドモード!」
デイドリームなる機体へ至る道を切り開くべく、シルキーがその後ろを追いながら援護射撃を加える。
勇猛果敢に攻勢に出たフェアリー・フォースだが、すでにそれが意味を為さない抵抗であることを、じきに彼女らは思い知ることになる。
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