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イラスト・SSスレ

24空憂 愛:2011/07/17(日) 00:52:25
>>23



「あッ?」

 黒服がぽかんと天井を見上げた。

 ――夜があった。

 一瞬のうちに、そこは夜へと変わる。
  
「――え――……!?」

 夜と一緒に、宙空には、二つの巨大な目玉が浮いていた。それは、ぎょろぎょろと視線を動かし、私と黒服を見比べる。
 こいつらが、みずっちの中にいた、病魔……?

 常世のごとき"闇"の病魔と、巨人のごとき"目玉"の病魔。

 私が今まで見てきた病魔とは何かが決定的に違った。
 過去に私が助けた小動物たちの中にいたのは、握れば潰れる様な病魔たちばかりだった。
 だけど、こいつらは明らかに、それらとは決定的に何かが違う。
 悟る。こいつらは『不可避の死』だ。

 みずっちの怪我は、すでに手後れだった。
 みずっちの病は治すのが困難だった。もしかすると、みずっちはこの病で死ぬ運命だったのかもしれない。

「うおぉおお……!」

 黒服が銃を掲げた。そして、その目玉に対して発砲を試みる。
 パシャンッとそれは、まるでゼリーのように弾けて、周囲に肉片を散らした。二つの眼窩が床の上に転がる。
 黒服は緊張からか息を荒くしている。
 だがその眼窩の奥から、神経の束がにゅっと顔を出し、新たな目玉を形成していく。
「クソッたれがッ」
 黒服は携えていた銃を投げ捨て、懐に手を伸ばす。
 ――手榴弾。


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