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イラスト・SSスレ
23
:
空憂 愛
:2011/07/17(日) 00:52:06
>>22
私はみずっちの胸の中に、手を埋めていく。
しかし、個人的には少し気味の悪い光景だと思うが、それを見ても黒服は、表情一つ変えない。
「ねえ、一つ聞きたいんだけど」
手を埋めながら、黒服に尋ねる。
「なんだ?」
「私は自分が魔人だと明かした覚えはないんだけど、どうして私が魔人だって気づいたの?」
私の疑問に、黒服はふんっと笑った。
「会長は『お嬢様』が施設に引き取られたときから、自分にとってお嬢様が有用な存在となるか否かを調査していた」
「調査って……」
「その調査を通して得られた、あらゆるデータを総合的に判断した結果、会長は『お嬢様』を魔人と判断したのさ」
道端で倒れていた小動物とかに、能力を用いたことがあった。
みずっちにはそのことを話したが、彼女がこいつらと通じているとは思えない。
誰も周囲にはそのときは、いなかったと思うが、こいつらがずっと調査していたというのなら、そのころから私を影から見張っていたのかもしれない。当時は、こんなことになるなんて思わなかったし、ありえるかもしれない。
しかし、そんな昔から見張られていたかと思うと、気分が悪い。
「…………私にはさ、プライバシーも無いの?」
私はあの老人のことが嫌いだったが、殺意までは覚えていなかった。しかし、今なら、私はあの老人を何の躊躇いもなく殺せると思う。
「で、その後、どうするんだ?」
黒服が尋ねる。
「病魔を見つけたら、それを掴んで、この手を引き抜く。そこからが、始まり……」
だとは思う。
実のところ、私は人に対して、自分の能力が発動したことがない。
具体的に、どのような手順を踏むのかについては、魔人として目覚めたとき、頭の中にイメージとしてすうっと湧いては来たけど。
どんな化け物が引っかかるか検討もつかない。
「いた」
意外と簡単に見つかった。二匹いる。
しかし、この、嫌な感じは……。
「早くしろよ。死んじまうぞ」
黒服は私を急かす。
いったい誰のせいだと思っているんだ。私は男を睨んだ。
ただでさえ蒼白だったみずっち顔には、もはや生気すら感じない。
クソッ。
私は、みずっちの中にいた"何か"を、思い切り引きずり出した。
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