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イラスト・SSスレ

17空憂 愛:2011/07/17(日) 00:49:49
>>16



 ◇


「みずっち、おっは!」
 私はみずっちの部屋を訪ねていた。 
 老人はみずっちの養父だった。私と同じように、みずっちも老人に引き取られ、ここに閉じ込められている。
 だが、老人はみずっちを愛してはいない(私についても同様だが)。
「おはよう、愛ちゃん」
 みずっちは何も知らない。
 私の能力のことも、老人の思惑も。
「具合、大丈夫?」
 みずっちは病気だった。それも深刻な病で、治療は難しいらしい。
 老人はみずっちの養父なのに、莫大な資産が有るくせに、みずっちを治療しようとはせずに、ただ彼女を囲い込んでいる。
 もし私が自分の能力で、みずっちを治療すれば、みずっちは助かる。けど、そんなことをすれば、老人の思い通りになってしまう。
(ごめん、みずっち)
 私は彼女のこけた青白い手を見て、罪悪感に駆られる。

 みずっちは日に日に弱っていく。
 老人はみずっちを決して助けはしないだろう。老人は私を試しているんだ。
「あんたは、どうしたらいいと思う?」
 無駄だとわかってはいても、つい黒服に話しかけてしまう。
 黒服はやはり答えない。
 予想はしてても、やはりムカつく。
「ねえ、あんたしゃべれないの!? それともしゃべらないの!?」
 そう、声を荒げたが、黒服は何の反応も見せなかった。 
 
 そうこう悩んでいる間にも、みずっちはどんどんやつれていく。
 このまま、放っておいたら、きっと。


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