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SSの実力向上を目指すスレ 第8話

7776:2013/06/09(日) 22:34:44 ID:70oulBUw0
加えて、全体としての構成にも不十分な点があります。

ご依頼の内容の1つである、「冒頭に持ってくるべき場面」 の選定が悪いのもそうですが、
それに加えて 「早苗さんと文さんの関係」 についての描写が不完全すぎるのが痛手です。

簡潔に述べると、この作品での独自の関係性が 「既に出来上がっている」 状態で
物語が始まっていて、それに対する簡単な説明こそ行われているものの、
「その独自の設定が肌で感じ取れるようなきちんとした手順」 が初めから放棄されている。

だから、早苗さんは最初からいきなり文さんにイレこんでいて、
やることなすこといちいちオーバーリアクションで突っ走ってしまうし、
文さんも 「一年かけて培われた情」 が 「初めから前提として」 成立していて、
彼女自身が 「らしくない」 と感じるまでの強い心情が、
読者との温度差が解消されないまま延々と動機の主軸に据えられてしまっている。


同じようなことは、作品のメインギミックである事件そのものについても言えます。
これも端的に述べて、「早苗さんが何故そこまで廃校に情を傾けるか」 の理由付けが希薄です。

もちろん理由そのものが語られてはいるんですが、
読者が自然に納得し受け入れられるような丁寧なプロセスが全く取られていない。
そのすり合わせを行わないまま、キャラだけを一途なテンションで突っ走らせている。


つまり、文章表現だけでなく、全体の構成や見せ方という観点からも、
「書き手が書きたいことを書くことにしか気が向いていない」 のです。

で、そこに上乗せとして、先に述べた 「無駄なオマケ」 の多い文章が重なるわけです。
読者と作品との温度差はさらに加速し、書き手が一人でノッている作品の出来上がり、と。


実際のところ、そこまでズタボロに言うほど悪い作だとは思いませんが、
やはり 200KB 越えの作品で無駄な文量が多かったというのがまず痛かったですね。

全体の構成がこのままでも、100KB 程度にまで文量がシェイプアップできていれば、
批評や感想のトーンはまた違ったものだったかもしれません。

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総括。

 良い点:

  情景や、登場人物の内面についての想像は行き届いており、
  物語を描く下地としては十分なものを備えている。

 悪い点:

  思い描いた世界を、分かりやすく 「自然に」 描き出すという視点が欠けている。
  文章面、構成面の双方において、ただ想像の中身や設定を書き綴っているだけ。


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