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SSの実力向上を目指すスレ 第8話

189名前が無い程度の能力:2013/11/25(月) 21:09:00 ID:fN9KhW1A0
>>188
読みました。

特に見所となる場面があるわけでもなく、終始淡々と話が進んでいきますが、
しっとりと落ち着いた雰囲気と安定した語り口だけでも読ませてくれる作品ですね。
ざっと読んだ範囲では目につく誤字脱字もなく、丁寧に整えられた文章です。

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一人称についての助言を、とのことですが、少なくとも今回の作について言うならば、
これといって大きな引っ掛かりが生まれるところもなく、高めの水準で仕上がっています。

また、主人公である霖之助の薀蓄妄想垂れ流し系男子という原作設定のおかげで、
普通だとマイナス点の付きがちな思考のくどさや寄り道といったものが完全正当化されていますので、
そういう意味合いにおいても、ケチを付けるのが難しい仕上がりであると言えるでしょう。

とはいえ、ご依頼はこの特定の作というより一人称一般についての話であると読み取れますので、
ひとまず一般論的に注意する点を挙げてみますと、


 ・対象の人物の思考を十分にシミュレートする

  言わずもがなの基本ですが、一人称であるからには当該人物の思考そのものが
  読者に見える 「作品の顔」 になりますので、そこに不自然さがあると大きな躓きになります。

  単純な人物なら思考や描写もストレートに、弱気な人物であれば表現もあまり力ませず、
  くどい人物であれば……という具合に、その人物の思考として自然な流れを心がける。
  この部分をしっかりと詰めておくことが、作品の土台としてその後の段階にも影響します。


 ・文章に書き起こす上での過不足を考える

  人物の思考をシミュレートするのはいいんですが、本当に言葉どおりにそれをやると、
  文章、まして娯楽小説としてはいろいろと情報がいびつで分かりづらいものになりがちです。

  なにせ人間はいちいち他人に解説するために思考をしているわけではありませんから、
  提示しておかなければいけない情報をさらりと流しすぎていたり、
  逆に小説としてはどうでもいい情報をくどくどと考えすぎていたり。

  書き慣れている作者さんであれば、これらの点は草案段階でもいくらか整理されているものですが、
  きちんと腰を入れて書くのであれば、過不足がないかの点検を意識的に行って、
  情報の整理や補完を加えることが必要になります。
  もちろん、それぞれの表現は対象者のキャラにあった方向性で、です。

  今回の作では、上にも書いたとおり主人公のキャラがやや特殊なので、
  この点についてはそれなりに匙加減というかセンスが問われることになりますが、
  結果からみれば上等な仕上がりであると言えるでしょう。

  思考はややくどいし寄り道も多いが、読み物として迷路に入ってしまうほど
  明後日の方向だとか長すぎる脱線はせず、とんとんと場面が進んでいる。
  むしろもう少しばかりくどい考察が入っても原作的にはまだ大丈夫だったかもしれないくらいです。


 ・描写のスタイルを考える

  ↑と内容が少々被る上に、書いていく上での順番もやや前後しますが、
  一口に一人称といっても、完全に思考と同一化した 「没入型」 の表現と、
  手記や語り聞かせのように誰かに思考を伝えている 「記述型」 で大まかな方向性の違いがあります。

  この二つは特にどちらか片方を使わなければならないということではなく、
  またその境界もしばしば曖昧であったりするものですが、
  この二方向の表現の存在を頭に置いておくと、ここはどう書くべきか、で悩む場面が少し減るかもしれません。


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