したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

幻想郷的ウミガメのスープ番外編:新ウミガメ文花帖その5

347 ◆omdNMYuCkQ:2011/08/06(土) 02:40:34 ID:cMz0U/7.0
 
  〜Epilogue side “Yume”〜
 
「これはこれは、巫女さん。いつもご苦労様です」
 
 人間の里。
中心部の広場から少し外れた場所にある神社の分社を、少女は訪れていた。
当番の里人が氷出しのお茶を差し出す。

「こうやってお参りいただけているおかげで、この里は何とか安全にやっておるんでさぁ」

 この里は平和だ。
商店の建ち並ぶ目抜き通りには、威勢の良い声と人の往来で溢れていた。
 
「昨日、八百屋のせがれが遠出して遅くなっちまったらしくて、その、襲われたらしいんで。
 やっぱり妖怪はおっかねえです。こうやって気緩めて生活できる場所があること、ほんっと感謝しておるんです」
 
 だが、“この幻想郷”の人間と妖怪の関係は以前のままだ。
自分の目で見てきたような友好的なものとは違う。

――能力があるとかないとか、そんなことは関係ない。
――異変を解決するのが私の仕事。だから、私が負けることなんて無いわ。
 
 不意に言葉が蘇る。
自分にそっくりで、でも自分よりもずっと強い声。
 
 小さな紙で作られた人の形が、少女の袖口からそっと顔を覗かせた。
それに気付いた少女は手を添え、再び中へと戻らせる。
 
 ……自分に出来ることを。
 
「ところで巫女さん、御衣装をお替えになったんですかい。
 巫女装束にしては少し変わってますが……なんだか、動きやすそうですな」
 
 
 少女が『和御霊の付喪神遣い・博麗の巫女ユメ』として幻想郷の人妖間を取り持つようになるのは、
もう少し、先の話である。


 The End ...
 
 Thank You For Your Playing!!


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板