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【お題で嫁を】お題で簡単にSSを作ってみようか【自慢するスレ】
70
:
名前が無い程度の能力
:2009/12/31(木) 02:31:00 ID:RhQKIFIAO
>>65
秋の夕べは釣瓶落としと言いますが、地霊殿の釣瓶はその言葉にぷいとそっぽを向く様に、ゆっくりと地下へ降りて行きます。
今日も変わらぬ一日であった、となんとも言えぬ溜め息をつきながらゆっくりと降りていく途中、地霊殿の釣瓶は壁に光る一つの物を見かけました。
少しだけ身体をそちらに動かして、その光る物を手に取り、まじまじとそれを見つめました。
そのきらきらと光る石のような物は、この地下にあるものではない、艶やかな白い光を発したものだったので、釣瓶は興味と真新しいものに瞳を輝かせながらまたその地下に降りて行きました。
地下に降りれば、相変わらず土蜘蛛が茶を啜りながら、その巣に欠伸をしながら胡座をかいていました。
その暇そうな姿を見た釣瓶は先ほど手に入れた光る石を土蜘蛛に自慢するかの如く見せびらかします。
先ほどまで欠伸していた土蜘蛛は、その光る石を見ると、それは水晶だ。地下にはないから高く売れるぞ、と目を輝かせながら釣瓶に言いました。
もちろん、釣瓶にはこんなに美しい石を他人に明け渡す気もなく、その釣瓶の中に隠してしまいました。
そうして数日が経ったのですが、手入れもせず、湿気臭い場所に置いていた水晶はその光を失い、その辺りの石のような黒ずんだ物になってしまいました。
最初はその光に嬉々としていた釣瓶ですが、水晶が黒ずむと共に、焦りが生まれました。
どうにかしてあの輝かきを見たい、そう思うと釣瓶はこの石の存在を知っていた土蜘蛛の元へ急ぎました。
土蜘蛛はその黒ずむ水晶を見ると開口一番、やっぱりこういう地下では水晶は美しさを保てないんだ、仕方ないから誰かに渡そう、と言いました。
釣瓶は最初こそ嫌がりましたが、土蜘蛛の言葉を聞くうちに、私が持つよりはきっと、と思い、誰かに渡す手だてをすると言った土蜘蛛にそれを渡しました。
すると数日後、土蜘蛛は、水晶の金で買った物だ、と新しい釣瓶を彼女に渡し、また自分の巣に戻り、欠伸をかきながら胡座をかいていました。
新しい釣瓶を手に入れた釣瓶は、今までのそれを付け替え、また地上に上ったり地下に降りたりを繰り返しました。
ですが、たまに、釣瓶はあの輝かきを見れたらなぁ…と憂鬱にふけるのでした。
テーマ:今年を振り返り
人物:咲夜
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