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【お題で嫁を】お題で簡単にSSを作ってみようか【自慢するスレ】

1名前が無い程度の能力:2008/11/26(水) 00:23:45 ID:qDu.RquQ0
安価の人のお題で自分の好きなキャラの妄想をするスレ。

【例】

お題:煙草 キャラ:パチェ

「ここじゃ吸っちゃダメだよな…?」

「図書館の中は禁煙よ」

「…だよな、ちょっと外散歩してくるよ」

「えっ?」

「ほら、パチェも喘息持ちだし、な」

「だ、大丈夫よ、小悪魔、窓を全部開けてきて頂戴、あと○○(名前)に灰皿も」

「…大丈夫か?」

「へ、平気よ。ほら、早く座って、本の感想でも聞かせて頂戴」

「そうか…じゃあここで吸っちゃうぜ」

「え、えぇ」

(…むきゅー)

273名前が無い程度の能力:2013/01/01(火) 17:21:08 ID:F/F5j4Hc0
>>202より、コイン+さとり+賭け+白蓮+眼鏡+しみじみ+お茶+シリアス。
一年越しだとかその間にお題が既に消化されているだとか一部お題を曲解しているとか、
いろいろ問題はありますが、一つよしなに。

「alternative」

 池にいつかの巫女の姿は無かった。その代わり、真白い蓮の花が咲いていた。
 僕は池のほとりに座って、金貨をポケットから取り出した。それを、宙めがけて思い切り親指ではじき上げた。
(表が出たら実行する、裏が出たらやめておく)
 そう自分に言い聞かせつつ、もう何回同じことを繰り返しただろう。表が出てはやり直し、裏が出てはやり直し。
(まったく、これじゃあコイン占いの意味が全然無いじゃないか)
 心中自分に文句を言って、地面に落ちたコインを確かめもせずポケットに戻した。
 僕達八人がこの楽園に迷い込んでから、もう二年が経とうとしている。
 楽園は僕達に、立派なお屋敷と肥えた畑、そして衣食の蓄えを与えてくれた。ご丁寧に、庭の井戸はたっぷりと清水を湛えていて、辺りの森は山の幸の宝庫だった。これで何不自由ない暮らしを送れる。そう言って皆喜んでいた。
「こうして三度のご飯にありつけて、おいしい紅茶までいただける。それが一番幸せなことだよ」
 口を開けばシニカルなジョークばかりのあいつが、真面目な顔をしてそう言った。
「ああ、もう危ない真似なんかしなくていいんだ。なんてありがたいんだろう」
 理屈屋のあいつが、眼鏡をずらして涙をぬぐいながら、しみじみそう言った。
 確かにあいつらの言う通り。これからは活計[たつき]に事欠くことはない。今までのような無茶をする必要もない。それはきっと、素晴らしいこと、感謝すべきことなんだ。でも、僕はそんな気持ちになれない。何かが足りない、満たされない。
(何が足りないんだろう、一体何が……?)
 考えながら、蓮の花を見遣る。清らかな純白の花。清浄という徳目が花となって咲いたような、穢れ無い美しさだ。
(確かに美しいよ。でも、あの巫女程じゃない)
 僕が魅せられたのは、そう、あの巫女の舞。まるで二色の蝶のように、白い袖で空を裂き、真紅の裳裾を鮮やかにひるがえして舞う、紅白の巫女だ。
(どうしてなんだろう。あの巫女にあって、この蓮に無いものって……?)
 目の前に咲く蓮と引き比べようと、巫女の舞姿を追憶した。脳裡に結んだ幻像を凝視する。白い蓮、紅白の巫女、真紅の裳裾、その鮮やかな赤い色。遠ざかってしまったその色が、妙に懐かしい。
(……ああ、そうか)
 天啓のようにひらめいた。
 赤の色。刺激的で、焼けつくように甘美で、享楽と罪業にまみれた色。
 それは、二年前までの僕らそのものじゃないか。僕は、そんなかつての暮らしが恋しかったんだ。
 安逸に浸る仲間達にとけこめず、けれど自分が何を求めているかも分からなかった。分からないから、現状を壊せないまま、徒に逡巡ばかりを繰り返していた。だが、もう迷いはない。
 これは賭け。しかもすこぶる分の悪い賭けだ。なにしろ、自ら仲間と楽園――約束された安楽とを捨て去るのだ。でも悪くない。そんな鮮烈な刺激を求めて、僕は生きているのだから。
 もう一度金貨を思い切りほうり上げた。表が出たら実行、裏が出ても実行。落ちたコインをやはり確かめずにポケットに戻すと、僕は立ち上がって歩きだした。

274名前が無い程度の能力:2013/01/01(火) 17:30:08 ID:F/F5j4Hc0
連投失礼。>>202より和歌+ネタ。
不比等は俺のy(ry……嘘です。本当はもう少し輝夜を前面に出そうとして失敗しました。

「pleasure」

「私と恋をしませんか?」
「およそ自分が袖にした男に対して言う科白ではありませんね。今度は一体何を企んでいるのです?」
 招かれざる客が浮かべる天女の如き微笑みを、私は能う限りの渋面で出迎えた。突如私の私室に現れたのは、姿形だけ見れば完全無欠なる麗しの姫君。かつての私の求婚相手だ。ちなみに、彼女を邸に招じ入れた覚えなど、私には一切無い。まったく、我が家の警衛共は何をしているのか。
「ご挨拶ね。最近、歌に凝っているの。だから、その題材作りのためにね」
「歌、ねえ……」
 聞く限りでは人畜無害なことを考えているようである。だが、この姫はかつて人間の成長が云々というよく分からない理屈で国家規模の事件を引き起こしかけている。油断はならない。
「ほら、私が『野守は見ずや……』とやったら貴方が『妹が憎くあらば……』っていう風にね」
「あれは空想によって作ったものなのだから、何も実際に恋をせずともよいでしょうに」
「気分の問題よ、気分の」
 話に怪しい点は無い。歌詠みに入れ込んでいるだけなら大した害もあるまい。少々傍迷惑ではあるが。
「どうやら、本当にただ趣味として歌の題材探しをしているだけのようですね。天下国家に仇なさんという訳ではなくて」
「どうやって歌で国家転覆を謀るのよ。あ、歌の才でもって帝をたぶらかして宮中を牛耳る、とか?」
「それは良いことを聞きました。早速我が娘にも歌の素養を身に付けさせましょう」
 それでは今から、とばかり立ち上がり、姫を無視して部屋を出た。彼女が何か物騒なことを目論んでいるのでなければ、私がこれ以上彼女にかかずりあう理由は無い。
「つまらない。いいわ、朴念仁を何とか振り向かせようとする片思いの女の子の歌でも詠んでいるから」
 はいはい目的達成慶賀の至りと気の無い返事を振り向きもせず返して、さっさとその場を後にした。

 警衛の頭の者を一通り叱って自室に戻ろうとしたところで、娘に呼び止められた。
「お父様、わたくし、歌を詠みましたのよ。聞いて下さいまし」
 巷で流行ってでもいるのか、今日はよくよく歌に付き合わされる日である。しかし、さっきの話ではないが、やがて成長の暁には宮中に上がる可能性もある娘が、歌の一つも碌に詠めないようでは話にならない。
「うむ。しっかり修練しなさい。お前は――」
「それで、今宵は月がとてもきれいでしたから、それを初めに詠み込んで、それから……」
 私が話しきらないうちに、娘は勢い込んで自作の歌の説明を始めた。得意気な顔をして、目を輝かせて喋っている。
 娘は、楽しんでいるのだ。
 ――お前はいずれ、帝の妃になるのだから。
 そんな父の思惑などお構いなしに、歌を詠むことそれ自体に、胸を弾ませているのだ。
 少し、娘をうらやましく思った。それから、今頃片思いの歌とやらを詠んでいるであろう、あの姫のことも。
「前栽の秋草が大層おもしろう咲いていましたので、それをですね……」
 娘の講釈はまだ終わらない。
 久しぶりに、私も一首詠んでみようか。題材は――そう、かつて喧嘩別れした女性が今更恋しくてならない、情けない男の心持ちでも。


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