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【お題で嫁を】お題で簡単にSSを作ってみようか【自慢するスレ】

1名前が無い程度の能力:2008/11/26(水) 00:23:45 ID:qDu.RquQ0
安価の人のお題で自分の好きなキャラの妄想をするスレ。

【例】

お題:煙草 キャラ:パチェ

「ここじゃ吸っちゃダメだよな…?」

「図書館の中は禁煙よ」

「…だよな、ちょっと外散歩してくるよ」

「えっ?」

「ほら、パチェも喘息持ちだし、な」

「だ、大丈夫よ、小悪魔、窓を全部開けてきて頂戴、あと○○(名前)に灰皿も」

「…大丈夫か?」

「へ、平気よ。ほら、早く座って、本の感想でも聞かせて頂戴」

「そうか…じゃあここで吸っちゃうぜ」

「え、えぇ」

(…むきゅー)

228(1/2):2011/11/21(月) 16:33:32 ID:6KJUkdYoO
>>216
お題:大人バージョン・子供バージョン
お題からズレてるかも。ごめん。

迫る年の瀬。
弱々しいながらも太陽が顔をのぞかせた今日は、命蓮寺一同各々作務衣に着替えて大掃除ということになった。
手加減無しのぬえとの箒チャンバラから逃げた響子は、はたきに持ち替えると勝手気ままに部屋を渡り歩いていた。
ある部屋に足を踏み入れた時、それまでは襖を開けるなり無造作にはたきを振り回していた響子の動きが止まった。
シンと静まり返った空気。きっちりと整えられた調度品。お香と、もう一つ別の落ち着いた香り。
聖白蓮の居室だった。
何か胸躍る気持ちでしばらく眺めていた響子は、部屋の隅にこれまた几帳面に畳まれた白蓮の法衣を見つけた。
側まで寄ってぺたりと座り込むと、恐る恐るといった風に手を伸ばした。
触れてみる。思いのほか柔らかかった。
「…大丈夫だよね」
誰に確かめるでもなく声が出てしまった。
ゆっくりと立ち上がりながら法衣を広げた。大丈夫、ちゃんと畳んで戻せばばれない。
肩に当ててみる。自分でも何をやっているのか分からなくなってきていた。
ついには――もぞもぞと作務衣の上から着込み始める。
さすがにサイズは合わない。
けれどもぶかぶかの袖に腕を通し、襟から無理矢理頭を出した頃にはすっかり白蓮気分になっていた。
『星、今日のお務めを始めましょう』
殊更に澄ました顔で白蓮の口真似をしてみた。山彦である響子の口からは本人さながらの声が出る。
無性に楽しくなってきた。
ひとしきりぷくぷくと笑うと、思い付く限りの白蓮の言動を余った袖を振り振り真似をする。
『ぎゃーてーぎゃーてー』
読経が始まった。意味なんか知らないけどいいのだ。今の自分は白蓮なんだから。
ふと見れば、法衣の丈が心持ち合ってきているように感じる。袖も先ほどまでは完全に隠れていた手指が見えてきていた。
法衣が縮んだのか自身が伸びたのか。
不思議に思いながらも、一層楽しくなってきた響子は合い具合を見るかのようにくるりと回りながら読経を続ける。
『はーらーぎゃーてー、はらそう…』
そこまで読み上げて、響子は障子の向こう、縁側に立つ小柄な人影に気付いた。
(聞かれた…!)
得意な気持ちは瞬時に萎んで、代わりに羞恥の心が湧き上がってくる。
どうしよう、誰だろう、逃げなきゃ、服は、様々な思いで動けなくなっていると、するすると障子が開いた。

229(2/2):2011/11/21(月) 16:41:20 ID:6KJUkdYoO
そこに立っていたのはいつもの響子と同じくらいの背格好の少女だった。響子の普段着とまったく同じ桜色の服を着ている。
柔和な顔立ちと柔らかく広がった長い髪。知っているはずのないこの少女を、響子はよく知っていた。
「白蓮様、その姿は」
はっきりそう思えるほど、少女は白蓮その人を感じさせた。
私が白蓮様を見下ろしてるなんて、やっぱり何かおかしい。響子はようやく事態の異常さに気付きはじめていた。
そんな響子の言葉に少女はくすりと笑った。
「私に様だなんて、からかってらっしゃるんですね」
つ、と響子に歩み寄ると、真っ直ぐ見つめてきた。
「さあ、響子様、今日も白蓮にありがたい教えを」
そう言ってにっこりと微笑む。
「え、いや、その…」
「どうされたんです? 響子様」
「その響子様ってのやめて!」
何がなんだか分からないまま、響子は泣き出しそうになっていた。
「私、お経ちゃんと習ってないし」
「響子様」
「お掃除だってまじめにやってないし」
「響子様」
「ごめんなさいもうしません、だから許してー!」
思わず叫んでいた。

「大丈夫? 響子ちゃん」
いつの間に目を閉じたのだろう、響子ははっと目を開いた。周りには心配そうに覗き込む命蓮寺の面々。
「私の部屋でうんうんうなされてるんですもの、びっくりしちゃいました」
気付けば白蓮に膝枕されている。ゆっくりと視線を自分の体に向けると…やはり法衣を着たままであった。
「あの、これはですね」
おずおずと弁解をしようとすると、頭に乗っていたのであろう大きめの木の葉がはらりと落ちる。
それまでニヤニヤと眺めていたぬえが、たまらず吹き出した。響子の顔がみるみる紅潮していく。
まんまと狸に化かされたのだ。恥ずかしいやら悔しいやら、大声を張り上げずにはいられなかった。
「マ・ミ・ゾ・ウ・さーん!」

「ほっほ、適当に合わせとりゃ聖尼公気分を満喫できたろうに」
響く大音声を聞き流しながら、マミゾウはくつくつと笑った。
しばらくすれば、またガタガタゴトゴトと大掃除が再開されるだろう。
「みーんなヘタッピじゃ。もっと適当にやらんと息が詰まるぞい」
命蓮寺の屋根の上、一人隠れて飲む酒は少しばかり寒くはあったが、まあそれなりに旨かった。


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