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【お題で嫁を】お題で簡単にSSを作ってみようか【自慢するスレ】
229
:
(2/2)
:2011/11/21(月) 16:41:20 ID:6KJUkdYoO
そこに立っていたのはいつもの響子と同じくらいの背格好の少女だった。響子の普段着とまったく同じ桜色の服を着ている。
柔和な顔立ちと柔らかく広がった長い髪。知っているはずのないこの少女を、響子はよく知っていた。
「白蓮様、その姿は」
はっきりそう思えるほど、少女は白蓮その人を感じさせた。
私が白蓮様を見下ろしてるなんて、やっぱり何かおかしい。響子はようやく事態の異常さに気付きはじめていた。
そんな響子の言葉に少女はくすりと笑った。
「私に様だなんて、からかってらっしゃるんですね」
つ、と響子に歩み寄ると、真っ直ぐ見つめてきた。
「さあ、響子様、今日も白蓮にありがたい教えを」
そう言ってにっこりと微笑む。
「え、いや、その…」
「どうされたんです? 響子様」
「その響子様ってのやめて!」
何がなんだか分からないまま、響子は泣き出しそうになっていた。
「私、お経ちゃんと習ってないし」
「響子様」
「お掃除だってまじめにやってないし」
「響子様」
「ごめんなさいもうしません、だから許してー!」
思わず叫んでいた。
「大丈夫? 響子ちゃん」
いつの間に目を閉じたのだろう、響子ははっと目を開いた。周りには心配そうに覗き込む命蓮寺の面々。
「私の部屋でうんうんうなされてるんですもの、びっくりしちゃいました」
気付けば白蓮に膝枕されている。ゆっくりと視線を自分の体に向けると…やはり法衣を着たままであった。
「あの、これはですね」
おずおずと弁解をしようとすると、頭に乗っていたのであろう大きめの木の葉がはらりと落ちる。
それまでニヤニヤと眺めていたぬえが、たまらず吹き出した。響子の顔がみるみる紅潮していく。
まんまと狸に化かされたのだ。恥ずかしいやら悔しいやら、大声を張り上げずにはいられなかった。
「マ・ミ・ゾ・ウ・さーん!」
「ほっほ、適当に合わせとりゃ聖尼公気分を満喫できたろうに」
響く大音声を聞き流しながら、マミゾウはくつくつと笑った。
しばらくすれば、またガタガタゴトゴトと大掃除が再開されるだろう。
「みーんなヘタッピじゃ。もっと適当にやらんと息が詰まるぞい」
命蓮寺の屋根の上、一人隠れて飲む酒は少しばかり寒くはあったが、まあそれなりに旨かった。
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