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【お題で嫁を】お題で簡単にSSを作ってみようか【自慢するスレ】
164
:
名前が無い程度の能力
:2010/02/23(火) 22:39:20 ID:2KqPX7eUO
>>161
ちゃんと見てなかったよスマヌ…スマヌ…(AA略
>>154
刻も夕暮れに差し掛かると自室の窓から茜色の光が差し込んできた
夢美は息をつくと背もたれにかかり、手に持っていた論文をベッドに放り投げた
黄昏時というものはいつも人をアンニュイな気分にさせるものだ
特に夢美の場合、研究を重ねた異界の学説を鼻で笑われ、学会から半ば追放という形で出ていき、
それに伴う形で今までいた大学さえその居場所を失った彼女には夕暮れのそれは天敵であった
いつも苛立ちが収まらず、机を蹴るのだが、残るのは足の痛みと乱れた机上の論文であり、
その苛立ちが落ち着く頃には机に伏せてすすり泣き、泣き疲れた頃に机の上で眠る、そんな爛れた毎日を送っていた
その日もベッドに放り投げた論文に目をやり、怒りと焦りと虚無感に足を机に向けた
しかしその時、玄関を無遠慮に叩く独特に響く金属製の音と共に
「おーい。教授?いるかー?」
という聞き慣れた声が聞こえた
机を蹴りかけていた夢美はその足を玄関に向け、重い腰をあげた
玄関をあけると手に買い物袋をぶらさげたちゆりが白い歯を輝かせながら立っていた
「教授。元気してた?差し入れ持ってきたよ!!」
「……ありがと」
「元気無いなあ。いつもの教授らしくないよ」
ちゆりの跳ねた声が茜色の部屋に響く。それに対比するかの様に夢美の声は暗い
「そうそう!教授!ちょっと外に来てよ外!」
「…なによ一体」
「猫がいるんだよ猫!ほら来てきて!」
そう言われるとなすがままに夢美は外に出された
外に出ると道路の真ん中で、それこそ自分の寝床というように、寝そべっている猫がいた
「…どこにでもある光景じゃない」
夢美がちゆりを睨みながらそういうと苦笑いをしながらちゆりは口を開いた
「いや、教授みたいでさ」
「私があんなぐうたら猫みたいですって?」
「違うよ。あの堂々としたところがだよ」
「どういう事よ」
「だって教授って、いつも堂々として、どんな罵詈雑言もかかってこいって感じだったじゃない」
「…」
「あの猫みたいに、車が来ようがなんのその、堂々と学会にいたからさ。そういうところが、さ」
「そう…」
「元気だしなよ。教授。元気な教授が一番好きだぜ。私」
部屋に戻ると夢美はベッドに投げ捨てた論文を手に取り、また一から読み始めた
茜色の部屋が少しだけ明るくなった
<了>
旧作キャラでスマヌ…スマヌ…AA略
お題:「読み物」「靴」
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