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【お題で嫁を】お題で簡単にSSを作ってみようか【自慢するスレ】

117名前が無い程度の能力:2010/01/28(木) 05:14:48 ID:/jUFN4OMO
>>78はいただいていこうか

幼き頃に、師匠に言われたことが今だに私の頭から離れない
雨の降る時は、キノコ探索や友人達に茶々を入れずに、自室で魔導書に目を通すのだが、その時に限っていつも思い出す事がある
それは、ある意味で残酷というか、それが自然というか
魔導書を読んでいると、師に怒られながらも、自分の魔法を磨くことに必死な自分を思い出す
あの頃は、魔導書が楽しくて楽しくて仕方なかったな、と思い出すと、ふと笑いが込み上げてくる
しかし、いつも最後には師の言った一言が来てしまう
その言葉を思い出した瞬間に、込み上げてきた笑いは消え、止めていた目を魔導書に移し、何かに追われるように一心不乱に本に目をむけるのだ
いや、読んでいないのかもしれない。ただ、目に入れるだけで、内容なぞ見てすらないのやも知れない
ただ、ひたすらにその言葉が来るのを、言葉通りになってしまうのを拒むために、本に逃げている気さえする
そうやっても気が紛れぬ時は、水瓶の前に行って水を飲む
その時だけは、里で買ったコップも、柄杓も使わず、手で掬って飲む
そうして水を飲むと同時に、その辺りにあるランプや食器を叩き割りたい衝動にかられる
誰かが作ったさえ分からぬ物達が、私の全てを奪うような気がしてならないのだ
以前に一度叩き割ろうとしたランプでさえ、油を使っていたのがガス式になり、木をくりぬいた形の食器も、いつの間にか陶器になっていた
いつしか、自分の周りにあった世界が変化し始めているのを感じると恐怖しか沸いてこないのだ
その止まらぬ時と共に、あの、師の発した、何気ない、当たり前の言葉を思い出すと、それらに押し潰されそうになる
そうしていつも最後には手に掬った水を前に泣き出してしまう
どう足掻いても止まらぬ時間と、自分のやっている事との深い溝の大きさが、私の首を絞めるようで―。

今日もまた魔導書に手を出し、読みふける
埃被った文献を開き、ガス式のランプに火をつけ、本の世界に没頭する
埃被った魔導書を読む時に、ふとガスランプの火が目に移る
すると、幼き頃に、師匠に言われたことがフラッシュバックし、未だに私を苦しめるのだ
<了>

お題だけの方がいいみたいね
お題・スポーツッ!!!


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