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チラシの裏 3枚目

947im@s fantasy9 第二章 第二十三話 1/2:2009/12/02(水) 02:47:42 ID:I3/Cbf5g0
「はいはい、何の御用でしょうセンパイ!」
魔の森で、モーグリ族との親交の証にと渡されていた笛を吹くと
地平線の彼方から走ってきたのは愛。

「これを美希ちゃんたちに届けてくれないかな」
3号から奪った、『炎の杖』と『雷の杖』を渡す。
「はーい!」

また地平線の彼方へ。全くもって謎のモーグリである。


彼女に届けてもらえばすぐにでもアレクサンドリアにいけるのでは?
…そんな疑問はともかく、一行は夜にトレノに到着する。
「ここが…トレノ」

ガシャリと重々しい扉が開かれた先は噴水の広場。
町の明かりが煌く、夜景の美しい町トレノ。

高級なスーツやドレスを身に纏った紳士淑女が
オークションやカードや買い物や食事を楽しむ華やかな貴族の町であるが…
一方では、貧しい人々が水際に追い込まれ、子供までもが盗みを働く貧民街が生まれる格差の街。

「ひとまず情報収集が必要だね お姫様も隊長さんも町を回ってみてください」
3人はそれぞれの場所に散っていく。


「……こ、この街は一体…」
「うぇっぷ、うぃっく…」
酔っ払いや…

「…あれ?お財布が…」
スリなどに会いながら…


「…この建物は何かな」
トレノで一際大きな建物…クイーン家の屋敷に入っていくと…


「50000ギル!」
「51000ギル!」
「52000ギル!」
「70000ギル!!」
「おお…70000ギル!どなたかおられませんか? ……おられませんね?
 では、この商品60000ギルで落札とさせて頂きます!」

巨大な建物の中は広い広い…オークション会場だった。
「……」

辺りを見回すと煌びやかな服を纏った親子や、主人に内緒でといった様子の夫人など、
様々なトレノ中の貴族が集まり目当ての品を手に入れようと躍起になっていた。

「…………ここでは、情報は見つかりそうにないかな…」
出ようとしたその時。

ピチョン。
「?」
何かが床に落ちる音がしたが、気にせずにオークション会場、クイーン邸を後にする。

「………これにて、本日のオークションは終了とさせて頂きます!
 ご来場の皆様、本日は誠に有難うございました!」

「…あら。何かしらこれ…血…!?」
「どなたかお怪我なされたのだろうかな」



客のいなくなったオークション会場で
クイーンと名乗る女性と、その執事と見られる男が会話していた。
「ブルメシアの方は…如何でしたかな」

「悪くないですよ、臭気を撒き散らすネズミどもと
 あの没個性な春香さえ視界に入らなければ、ですが。 …私の美意識を今にも破壊しそうですよ…彼らは」

その正体は…春香女王や千早将軍と共にいた女性、貴音だった。

「次は砂ネズミ狩り…もう少しこのトレノで彼女らの臭いを落としたいところですが …ところで」
「はい」
「今日はとても可愛らしいお客様がお越しになられていましたね」


「……キング様。お気に召したご婦人の方がおられましたか」
「ええ、とても気に入りました
 何せ追いかけていた小鳥が自分から飛び込んできたのですから」

うわまた始まったよ、という目で見られているとも知らず、貴音は自分の世界に入る。
「まさかこんなところであなたにお会いできるとは。
 …今日ばかりはこの私も運命と言うものを信じようという気になってしまいました……」

両手を上げると鼻血がぽたり。
「でも、まだ今はまだ羽を休める時ではありません
 あなたの帰るべき巣はここではない…あなたの母上がお待ちの家へお帰りなさい」



「そうしたら私も、優しく迎えてさしあげますよ…」




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