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チラシの裏 3枚目

944im@s fantasy9 第二章 第二十三話 1/3:2009/12/01(火) 02:41:02 ID:ytoRB6A60
草木生い茂る山間に築かれた二つの門
一つは彼女達がカーゴシップで強行突破してきた、今尚煙をあげる空の門
もう一つは、これから彼女らが行く山道の門。


時間を少し遡り、ここは国境の南ゲート。

「待たれよ、その荷物の中身は何だ」
大きな布袋を背負った真は門番の前へ。
「…妙な匂いがするぞ」

「ああ。リンドブルム土産の、ギサールの野菜ピクルスですよ
 強烈な匂いだけどボクこれが大好きで。…本当ですよ?見てみます?」

「い、いや…いい…通っていいぞ 俺、これだけは食えないんだ…」
「おいしいのにー」

けらけらと笑い、門を通る真。
これより先はアレクサンドリア領。


人目につかぬ場所を探し…もぐりこむ。
「ここなら平気ですよー」
個室シャワールームの中に布袋を下ろすと…
袋に手をかける。

そう、袋の中身はピクルスだけではない。
見つかれば大事の、雪歩王女…ドリルも入っていたのだ。

「さて。それじゃ袋から今お出ししま」
「いや、自分で出られるから!扉閉めてね!」

「え、えええ…いやそんなボクは…はぁ、解りました」
服をシャワーの上にかけ、扉を閉める。

「…ねえ姫様、最近ボクの扱い悪くありません?」
袋から出てピクルスまみれの体を洗い流す雪歩。

「お着替えの時もいっつも千早が担当じゃないですかー
 信頼されてないのか男と思われてるのか…
 …いえ。言いすぎでしたね」


そんなこんな言っている間に、雪歩のシャワーが終了、服を着て扉から出てくる。
「ううん、ごめんね真ちゃん。
 えと、次は列車だっけ?」
「はい。列車を使って山を越えます。
 山頂駅で一度乗り換えることとなりますよ
 その後はダリと『トレノ』の分岐点に差し掛かるんでトレノ側に。」

「うん。解った」



列車に乗り、目指すは山頂駅。
「…………」
座席に座り、窓にもたれかかりすーすーと眠るドリル。

「そろそろ山頂駅に到着のようですよ?姫様ー…」
しかしドリルは眠ったまま。
「……春香様が戦争なんてするはずないのになぁ…」


「けどそうなるとブルメシア兵の話は……
 そういえば黒のワルツっていうヤツは我が国を騙ってたな…
 …アイツらみたいなのがブルメシアを攻撃してるとか、そんな所か。
 どの道…姫様がアレクサンドリアで春香様にお会いになれれば解ることだよね…」

真は思索を巡らせる。…結局、春香のことを全く疑いもせず。
「まもなくー山頂駅ー、山頂駅ー!」
一行は山頂駅へ到着するのだった。
「……ふぇ?」


きれいに整備されたお洒落な駅。
石作りの床の待合室で、ドリルが発見したのは…
「!?」
ウサギの亜人。そう、あの演劇でマーカスを主演したうさちゃんと…
涼だ。

「あ、お姫様」
「お久しぶりですね、うささんに……涼君でしたっけ」
「どうしてバレてるんだろう…」

「あーーーっ、お前達ー!!」




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