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チラシの裏 3枚目

921im@s fantasy9 第一章 第十五話 3/3:2009/11/28(土) 01:58:48 ID:UFuZ.9kw0
「…申し訳ありませぬ!!ほんっとうに申し訳ありませぬ!!!」
「真ちゃん、これ」
「有難き幸せ」
雪歩にスコップを手渡され、穴を掘り出す真。
そう、黒きブリ虫こそがこの国の王… 高木その人なのだ。
「……いや、いいんだよ…もう慣れてる『ブリ』ものだからね…」


「以前お会いした時は人間だったような…」
「これには訳があってね『ブリ』…」
ぷりぷりと変な音を出しながら歩く黒き虫…王。
「まぁ、話したが最後、とても情けない理由なので後で雪歩君にだけ話しておくとする『ブリ』よ……」

「おお、そうだった…こんな辛い任務を押し付けてすまなかったね…
 依頼主がこんな姿ではさぞびっくりした『ブリ』ことだろう」
「いや、そこはいいんだけど…」
その会話に真は耳を疑う。
「何!?」

「あれ?言ってなかったっけ。ミキ達タンタラスの任務、『雪歩王女の誘拐』は
 あの高木王から頼まれたことだったんだよ」
「ははは…君達のボスである律子君には昔から世話になっているんだよ。」
「それで、私の方から高木王に文を送ってお願いしていたんです」

…全てはこちら側の計画通りだった。…魔の森に落ちるなどは勿論想定外だろうが。

「初めから合意の上かー…知らなかったのはミキ達タンタラスの下っ端だけだったんだね…」
「ボクはお前達のしたことがリンドブルム王からの依頼だってことすらも今知ったよ!!
 …しかし高木王、姫様…何故このような事を」

「……そのことについてですが…今回の旅の間で、高木王にお伝えしなくてはならないことが増えました」
「…うむ。聞こう
 ……おお、すまなかった。君達は客間で休んでいてくれたまえ」
「はーい!」
「………ではボクも」
「じゃあボクは…町を見てこようかな」


ひとまず全員解散。
雪歩は王の間に残り、高木王に話をすることとなる。



「…………さて。……春香君のこと『ブリ』ね」
「はい。 …私の姉・アレクサンドリア女王春香は……… 戦争を始めようとしています」
雪歩は、ストレートに切り出した。

「…うむ。私もそれには気づいていたんだ。 まさか春香君がとはな……『ブリ』」
「そして…見てしまったんです。カーゴシップを出してくれた、ダリという村の地下で…
 …霧により作られた、魔法を操るゴーレムが作られるのを。」

「…噂には聞いているよ 『黒魔道士』というそうだ『ブリ』…
 ちょうど、先ほど君の仲間にいたビビ君『ブリ』のような…」
「そのような言い方はお止し下さい。
 ……深く被った三角帽子に、魔道衣をつけたもので、私達もその特殊製と思われる者に3回ほど…
 …私達を庇い、その特別製の『黒魔道士』に殺された者も沢山いて…」


「……そうか。すまなかった『ブリ』ね
 まぁ、この国にいる間は安全だ…安心したまえ『ブリ』
 娘のいない我らにとっては娘のようなものだ『ブリ』…君も…  ……春香君もな」
「…私、姉様を止めるにはどうすればいいか……解らないんです」

「…今は、出方を見るしかないだろう。
 ………防衛の準備はしておかねばな『ブリ』 …春香君は…雪歩君を狙うだろうからな」
「もしリンドブルムを危機に晒すようなことになれば私はいつでも戻ります」

「…」
高木王は『戻る』という言葉に難色を示したが…
「…高木王?」
雪歩はそれに深い意味に取らなかった。
「ああ。何でもない『ブリ』よ。…まぁ、君も休んでいなさい 展望台に行ってみるなどどうだ
 ついでだし、後で愚痴話でも聞いてもらおうかと思ってる『ブリ』ハハハ… 休むなら今のうちだぞ?」
「ええ。それでは、お言葉に甘えさせて頂きます」
こうして雪歩は、一礼し部屋から去っていった。



「………『妹を』取り返すだけだといいが…」




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