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チラシの裏 3枚目
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「…船、出すかい」
桟橋には骸骨の船頭さんが待ち構えていました。
彼が小船で緑の堀池を漕いで行くと…
霞のかかった蒼き空の下。
冷え切った戦場跡…高い高い、崩れた城壁。
その上にさらに高くそびえる幾重もの瓦屋根、その頂点に二匹の魚。
「…これが、 …ワカツ」
「トリニティ軍の軍艦に屈するなー!城門前へ急げー!!」
「大砲の準備用意ーーー!」
「救護部隊足りません!いかが致しましょう!」
「モンドめ!総攻撃をしかけてきおったか!」
「ネルソン艦隊からの連絡はまだか!」
飛び交う無数の言葉、伝令。
忍者や侍が、どこからかやってきて、どこかへと消えてゆく。
「……戦争が…続いている?」
ピヨさんにはまるで記憶の中にいるようでした。
「…多くの霊がこの場所に留まっている
…彼らはずっと、トリニティとの戦争を続けているんです………」
「曲者め!トリニティの間者か!」
斬りかかってきたワカツの亡霊を切り返しで対処。
「…いえ、戦争なんてものではありませんでした。
侵略。トリニティは文明レベルの遅れたワカツを自らの統治下におくため、
沢山の軍隊を率いてここにやってきました」
「きえあああああああああ!」
やってきた侍をディフレクト、そこから剣を一振り。
「何が起こったのか解らぬまま、ネルソン軍に助けられながらも
ワカツはトリニティ軍に対抗。圧倒的戦力差の中での戦いとなり
結局全滅しました。
ワカツが頑固過ぎたんですよね…仕方ないこと。」
「お命頂戴!」
忍者刀を手に城壁から飛び降りてきた忍者をなぎ払い。
「…そう、思っていました…先日ネルソンに行くまでは」
「思っていた…?」
ピヨさんは階段を登り、崩れた瓦を渡り……城の入口までやってきました。
「おかしいと思ったんです
ネルソンをはじめとして、トリニティに従わないリージョンは沢山あったはずなんです」
律子はちょんちょんと小刻みに飛んでピヨさんに追いつきながら。
「…ワカツが先に手を出したことが原因じゃ」
「それが偽の情報だったんですよ…ワカツはトリニティに何もしなかった。
けれど…でっちあげを行い、トリニティはワカツを滅ぼした。こうしてね」
城内に突入。
壊れた壁、破れた襖、倒れた扉、崩れた階段…悲惨な光景でした。
「な、何でですかぁ…?」
やよいは城内の真っ黒な染み…血飛沫の跡を見ながら聞きます。
「あるトリニティの官僚が、自分の基地のために土地を確保するために…
誰にも見つからない事実上の私有地とするためにこれほどまでに酷く破壊したと。」
「…ワカツ出身者とかでなく、ネルソン軍の人たちが言うのならそうかもしれないわね…」
「…その名は『モンド』。雪歩ちゃんを浚った『ヤルート』を内部告発、失脚させた
第七執政官の…ヨークランド出身の男です」
上へ登り、時には屋根に出て。
そうこう繰り返しているうちに……
最上階へ。
惨劇の場所…こびりついた血飛沫、刺さった刀、白骨化した死体。かさかさと動く虫の音。
…随分時間が経過しているようでした。
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