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チラシの裏 3枚目
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「あ…!」
そうでした。ミヤーシャやトリプルヘッズが泡となって消えていったのも、持っていたのが悪の心そのもの
だったから…!
迷いがなくなったわけではありません。それでもやよいは一歩ずつ歩き始めます。
ウサギの横を通り、女王の前に立ちはだかりました。
そして、それが二人の間の宣戦布告となったのでした。
「出でよ、トランプ兵たちよ!」
女王の指先から光が放たれ、地面に当たってはじけます。そこからトランプの兵隊たちが出て来てやよいを
追い掛け回してきます。
やよいはそれをジャンプでかわし、シャボン玉を当てていきます。小さいトランプ兵たちにはシャボン玉を
ある程度は大きくしないと当てにくいので、その分倒すのに時間がかかってしまいます。
女王がいるのは広々とした部屋でした。
しかし、その周りを溶岩が取り囲んでいるので、トランプ兵たちにぶつかるわけには行きません。
「ええい、ちょこまかと動きおって」
女王の声がします。
その声のほうには当然女王が。しかし、これは伊織ちゃんでもあるのです。それに、まだ完全に女王に
乗っ取られたわけではないらしく、顔立ちにはまだ伊織ちゃんの面影が…。
「やよい!女王を狙うのです!」
やよいには出来ませんでした。伊織ちゃんの顔をしたものを攻撃するだなんて…。
しかしそれでもトランプ兵たちの攻撃は止まりません。
逃げ回っているうちに、いつの間にかやよいは女王のすぐ側まで来ていたのでした。
「…?」
その時、ウサギは女王の様子に、ある違和感を感じました。
すぐ横に来ているやよいに対して、女王は何の反応もしないのです。
いいえ、近づいては来るのですが、やよいの方を見ることが、向くことが、全く無いのです。
やよいもそのことに気が付いたのでしょうか。
知らず知らずのうちに女王の横に、そして後ろに回りこむような動きをしていたのでした。
おそらくは無意識に女王の、伊織ちゃんの顔を見ることを拒否していたせいでしょうか。
「後ろを取ったつもりなのだろうが、そんなものは振り向いてしまえば…」
と女王が言いかけた、その時。
「やよい!」
突然、やよいの脳裏に声が響きました。
「え… 伊織ちゃん!?」
間違えることも無い、それは伊織ちゃんの声でした。でも、どこに…?
『女王だかなんだか知らないけど、アンタみたいなのに私を好き勝手はさせないわよ!』
「き、貴様… 完全に体は乗っ取ったはずなのに…!」
『やよい、私はまだこの女王とやらの中にいるわ、こんな奴さっさとやっつけてしまいなさい』
「か、体が… 動かん…」
『やよい、何やってるのよ、こんな体勢で長くいられないんだから、早く!』
女王と伊織ちゃんの会話が、やよいにははっきりと聞き取れました。
そうです、伊織ちゃんは今まさに女王と一体化する手前だったのです。
やよいには分かりました。
伊織ちゃんも必死に戦っているんだな、と…!
後ろを振り向くことも出来ないまま、女王はそれでもトランプ兵を呼び出してきます。
しかし女王の体が邪魔になって、トランプ兵はやよいの前と後ろからしか襲ってこられません。
それらを吹き飛ばしつつ、やよいはシャボン玉を女王に当てていきます。
当たったところは少しずつ服が溶けていき、体からも煙が。
「や、やめろ…!」
女王の苦しげな声。しかしもう止まりませんでした。
背中を向けたままの女王に、最後は特大のシャボン玉を。
それは見事に女王の背中で弾け、大きく女王を吹き飛ばしました。
その体制のまま、女王はしばらく動きを止め、そして…。
女王を中心として、数条の光が放たれました。
やよいとウサギが思わず目をそむけるほどのまぶしい光の中、女王の体がだんだん小さくなっていきます。
その光がようやく無くなった頃…
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