したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

チラシの裏 3枚目

702メルヘンメイズ やよいの大冒険 第24節 ◆NbzgKxMl4M:2009/10/22(木) 22:38:00 ID:JDkoToc20
「くっ…」
まだウサギは下を眺めています。
たくさんの春香さんからは逃げてきたものの、この姿のままで出来ることは知れています。
「もはや鏡の国は…」
そう言いかけ、ウサギが着ているタキシードの中に手を入れかけた、その時…!

「…!?」
目の錯覚でしょうか。
何も無いはずの奈落のかなたに赤い点が二つ。
それはウサギの見ている前で見る見る大きくなり、やがてウサギの頭上高くまで昇っていきました。
何事かと思って、ウサギは空を見上げます。そこにいた姿、それは…。
「やよい… それに、春香!」
二人の女の子たちは、ここに戻ってきました。
「もう同じ失敗はしません!」
やよいは声高らかに、ウサギにそう言うのでした。


たくさんの春香さんは鏡ごと大きなシャボン玉で吹き飛ばし、
「いえい♪」
「私の真似をするなんて、みんな私のことが大好きなんですね?」

途中の魔物たちは冷静に倒していき、
「もう怖くありません!」

そして、最後に待ち受けるボス、ビッグトータスも、
「相手が着地するときだけ注意して!」
「ジャンプしてれば、私だって転びませんね♪」

そうして、やよいたちは鏡の国の魔物をほとんど消し去ってしまうことに成功したのでした。
「やったぁ!」
「これで… 終わりなの?」
みんなの目の前にはいつもの鏡。
そうです、まだ終わりではありませんでした。
この先に待ち受ける女王、それを倒さない限り、本当に鏡の国に平和を取り戻したことにはならないのです。


「じゃぁ春香、気を付けて帰るのですよ」
ウサギたちに見送られて、春香は鏡の中に入っていきます。
「うん、ありがとう。 …あ、やよい、一つ訊いていいかな?」
「え、何ですか」
「やよいの夢って… 何?」
その質問に、思わずやよいの顔が真っ赤になってしまいました。
「はわっ… そ、そういう春香さんは…?」
「私? 私はもう少ししたら、ゆ… って、何を言わせるのよー!」
今度は春香さんが真っ赤に。
「ま、また今度話しようね、それじゃぁ!」
春香さんは慌てて鏡の中に入っていってしまいました。
「変な春香さん」
「そういうことはあえて訊かないほうがいいんですよ」
ウサギはそう言って、鏡のほうを見ました。

ここから先に進めば、さっきのおばあさんの言ってたことの意味が分かるのかな…?

でも、今のやよいには、それを訊く気は不思議と起こりませんでした。

「さぁ行きましょう。いよいよラストですよ」




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板