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チラシの裏 3枚目

698メルヘンメイズ やよいの大冒険 第20節 ◆NbzgKxMl4M:2009/10/20(火) 00:28:03 ID:9MBHA9rQ0
程なくデッドルースターはその動きを止め、やよいたちはその首にかかっていた鏡を手に入れました。
「これでまた次の世界に…」
と言いかけて、やよいはハッと気が付きました。
「あずささん、ひよこさんは…!」
「…気絶しちゃったわ…」
悲しそうにあずささんが首を横に振ります。目の前で自分のお母さん(と信じているもの)がこのような
ことになってしまっては…。
「ひよこさん… ごめんね…」
やよいの目からも涙がこぼれます。
「…連れて帰るのも無理ですし、残念ですがこのまま…」
とウサギが言いかけた、その時でした。

「…何かしら?」
向こうのほうの空から、何か飛んでくるのが見えました。
「鳥の群れ… ですね。恐らくはこの辺に住んでいたものでしょう」
「みんな帰ってきたですー」
その中から何羽かの鳥が出てきました。それらは全体をライトグリーンの羽に覆われた、やよいが見たことも
ないような美しい鳥でした。ところどころの羽が、太陽の光を反射してきらきらと輝いています。
「ひょっとして、このひよこのお母さんかも知れませんよ」
あずささんがひよこを地面に降ろすと、鳥達が近寄ってきます。
そして目の前の小さなひよこを羽で包んで、しばらくコロコロと揺らして…。

そうしているうちに、ひよこも目が覚めた様子。しばらくは目の前にいる大きな鳥におびえた様子でしたが、
「…ピピィ」
やがて、そっと鳥のほうに体を摺り寄せていきました。
「これで安心ですね」
「良かったね、ひよこさん」


「ひよこさん、さようなら〜」
あずささんは鳥達のほうに手を振りながら、鏡の中へと入っていきます。ちょうどひよこはさっきの鳥と
一緒に飛ぶ練習をしているところでした。
「ピィッ!」
ひよこも返事をして見せます。

「さぁ、では私達も。いよいよこれからが本番ですから」
ウサギの真剣な表情に、やよいも緊張の面持ち。でも、ここまで来たら後には引けません。
やよいは目の前の鏡をじっと見つめて、しばらくそのまま風に吹かれたままになっていました。

女王とはどんな人なのでしょう? そして、そこに待っているのは…。




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