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チラシの裏 3枚目

694メルヘンメイズ やよいの大冒険 第16節 ◆NbzgKxMl4M:2009/10/17(土) 22:26:32 ID:fHeuEg360
「やぁやぁお見事」
突然前のほうから声がしました。
見ると、そこには耳のとがった小男が、やたら大きな魚のようなものと一緒にたたずんでいました。
「こんな時になんだけど、何か買っていかないかい? そっちのお姉さんには水着もあるよ」
「み、水着!?」
律子さんは露骨に嫌そうな顔をして見せます。
「こんなところまで来て商売かパップン? 盗品故買屋なんてやめろと何回言ったら…」
ウサギも不快そうな顔でそう言いました。
「何だか分からないけど、この人は悪い人なの?」
「ええ、盗んだものを人に売りさばくケチなコソドロですよ」
「コソドロとは失礼だなぁ、今日はこんなものを持って来てあげたのに」
パップンと呼ばれた、その小男が見せたものとは…
「「鏡!!」」
「ほう、やっぱりこれは凄い価値があるものなんだねぇ」
ケタケタ笑いながら、パップンはその手にした鏡をひらひらと見せびらかしています。
「その鏡渡してもらうぞ!」
「やだね、100万ゴールド出すなら考えてもいいけどな」
「どうせどれもこれも盗んだものだろう、渡さないなら殺してでも奪い取る!」
珍しく怒気を含んだウサギの言葉に、
「おーこわいこわい、だったらこっちも本気でいくからねー」
そばにあった魚のようなものにパップンが乗り込むと、それは大きな音を立てて振動し始め、やがて少し
浮き上がりました。
そして後ろに下がったかと思うと、そのままやよいたちの方に突撃して来るではありませんか。
「わぁぁぁぁっ!?」
「はっはっは、レイドックとか言ったっけ、コイツはいいぜー」
魚の頭の部分… ちょうど飛行機で言うとコクピットでしょうか、そこに乗り込んだパップンの高笑い。
一方のやよいたちは逃げ回るばかり…

…ではありませんでした。
「なんだ、けっこう単純な動きしかしないのね、それって」
律子さんが冷静に、パップンに向かってそう言いました。
「な、なんだと?」
「どうせそれも盗品なもんだから、自分では満足に操縦もできないと見た」
「う、うるさい!」
そう、それは見事なまでに正解でした。
律子の言葉に腹を立てたパップンはますますスピードを上げてやよいたちに向かってきます。
しかしすでに怒りで冷静さを失った操縦士のこと、その動きはますますワンパターンになるばかり。
ウサギにもやよいにも、そして律子にも楽々と避けることが出来ました。
「へっへー、こっちですよ〜」
「こ、このやろー!!」
「やよい、あの尾びれの部分とかどうにかできない?」
「しっぽですね、分かりました!」
やよいはレイドックの突撃を横にひょいとかわし、尾びれにシャボン玉をぶつけました。
数回繰り返すとあっさり尾びれは壊れて外れてしまい、レイドックの動きが段々遅くなって行きます。
「今度は背びれ」
バランスを崩してまっすぐ飛べなくなり、
「最後は頭ね」
前につんのめって、そのままひっくり返って大破してしまいました。




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