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チラシの裏 3枚目
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そうして何とか進んでいくと、いつものような広い床が見えてきました。しかし…。
やよいたちは目の前の光景に呆然と立ちすくんでいました。
どう見ても3mぐらいはあろうかという隙間。
そしてその下は激しく水が流れて、大きな音をたてていました。
「さすがに上流まで来ると水の勢いも凄いわね…」
律子さんが表情を変えずに一言。
しかし、出口に向かうにはどうしてもここを飛び越えなくてはなりません。
「落ちたらひとたまりもありませんからね… 一気に助走をつけて飛び越えましょう」
まずはウサギから。
少し後ろに下がったかと思うと、猛ダッシュからのジャンプで見事隙間を飛び越えました。さすがですね。
「高槻やよい、いきまーす!」
やよいも同じように、こちらはぎりぎりまで後ろに下がった後、走りながら両手を揃えてのジャンプ。
ウサギほどではありませんが、見事に向こう岸に着地できました。
「次は律子さんですよー!」
…しかし律子さんはピクリとも動きません。ただじっと水の流れを見つめたまま…。
「どうしたんですかー?」
やよいの呼びかけも全く聞こえてない様子。
「…無理よ…」
「え?」
やよいの問いかけに、
「私やよいたちみたいに運動神経良くないし、それに…」
「…私、ここから落ちたら… 泳げないのよ…?」
消え入りそうな声で、そう律子さんは答えました。
「そんな!」
「律子さん!!」
やよいたちの呼びかけにも答えず、律子さんは体を震わせ、そしてその場にしゃがみこんでしまいました。
「どうしましょう…」
ウサギの言葉に、
「どうしましょうって、律子さんを助けに来たんだよ、私達!」
やよいはそう叫びながら、岸の端まで駆け寄ります。そして…
「届かないなら、私の手に捕まってください!」
律子さんのほうに両手を差し出しました。
「やよい…」
「さぁ!」
「でもそんなことして失敗したら、やよいまで一緒に…」
「私なら平気です、律子さんが勇気を出せば絶対大丈夫です!」
やよいのその目には一点の曇りもありません。ただじっと、律子さんが動いてくれるのを待っています。
「…分かった。やよいに私の命預けるわよ…」
「律子さん…!」
「さぁ、そうと決まったら」
律子さんはやよいたちと同じように後ろまで下がって、そうして目の前のやよいをじっと見ました。
(いつもと違って眼鏡が無いから、目測とかあてにならないわね…)
(…ううん、私は目の前のやよいの所に全力でジャンプすればいいのよ、がんばれ私)
走り始めました。
やよいたちに比べるとそれほど足は速くありませんが、それでも懸命に走り、そして…
少し手前のところからジャンプを!
片手をやよいのほうに伸ばしてのジャンプ。
やよいも律子さんの手を掴もうと必死に手を前に出します。
そしてその二つの手のひらが触れたかと思った瞬間…!
バシャーーーーーーン!
大きな水音がしました。
「律子さん!!」
どうにかやよいは律子さんの右手を掴みました。
しかし律子さんの体は半分以上が水の中に。何とかして引き上げないと、このまま沈んでしまいます。
自分も律子さんの重みで一緒に落ちてしまうのを懸命にこらえつつ、やよいは小さな体で必死に律子さんを
引っ張りました。
「やよ… い…」
「律子さん、しっかり!」
やよいのその言葉で元気が出たのか、律子さんも助かろうと残る左手を懸命に動かし、そして岸の端を
なんとか掴みました。
「んっ…!」
そのままやよいに引き上げられて律子さんは見事岸まで上がり、そしてその場に倒れこみます。
「や、やよい…」
「…やりました、やりましたよ律子さん!」
「うん… 良かった… あ、ありがとう、やよい…」
律子さんは見事に川を渡りきったのです!
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