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チラシの裏 3枚目
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…足音でしょうか。
とっ、とっ、とっ、という規則的な音が小さく聞こえます。
こんな音で歩く魔物はここには今までいませんでした。その音がするほうに目を向けると…
何か走ってくるものが見えることに、やよいは気が付きました。
ひょっとして女王の手先でしょうか。やよいはストローを構えて、その走ってくるものの方にシャボン玉を
膨らませ始めました…。
タイミングを計って、真美ちゃんたちの後ろに隠れて、そして…。
「えーい!」
シャボン玉は見事に走ってきたものに当たり、盛大に破裂して虹を描きました。
「うわぁぁぁぁぁ!?」
「え?」
真美ちゃんと同じような声を出して倒れこんだ、それは…。
「「「亜美!」」」
亜美ちゃんでした。
尻餅をついてしまったのか、その場にへたり込んでお尻をさすっています。
「ひどいよやよいっちー、いきなりシャボン玉をぶつけ… あれ、真美?」
「やっと見つけたよ〜」
真美ちゃんはそう言って亜美ちゃんの手を取って、そしてその場にいっしょに崩れ落ちてしまいます。
「ど、どうしたの真美!?」
事情を説明すると、
「そっか… ごめんね、真美」
「ううん、亜美が無事ならおっけーだよ…」
さっきやよいにシャボン玉をぶつけられたのは何とも無いようです。他に怪我をしてるところもありません。
「この先に出口があるはずだから、早く帰らないと…」
そういえば、さっきよりも心なしか真美ちゃんの顔色が悪くなっているように見えます。
「行こう!」
みんなは一緒に広い床のほうへと飛び移っていきました。
「よく来たな子供たちよ」
その声はどこからとも無く、しかしあらゆる方向から聞こえてきます。
「だがここまでだ。お前達も、このクイーンズヘッドの手下となるが良い」
目の前の空間が急速にゆがんだかと思うと、そこに何か黒いものが集まってくるように見えました。
それは段々ひとところに固まってきて、そして人の頭のような形を作っていきます。
吊り上った目に大きな口、髪を後ろに回した額には大きな宝石が光っています。
「やっかいな相手ですよ、これは… 女王の精神を象ったもの、とでも言いましょうか」
「真美は後ろで待ってて、ここは私達でなんとかするから」
真美ちゃんを気遣って、やよいはそう言いました。そして、亜美ちゃんと一緒に前に進み出ます。
「んっふっふー、亜美たちは負けないもんね、それに二人もいるんだし」
やよいと亜美ちゃんの二人で、クイーンズヘッドの両脇に回り込みます。そして…
「くらえー、ヤキニクマンキーック!」
亜美ちゃんがすかさす飛び蹴りを当てようとします。しかし、その体はそのままクイーンズヘッドを
ものの見事に通り過ぎて行きました。
「あ、あれ?」
「ふはははは、その程度か」
今度はやよいのシャボン玉攻撃。しかしこれも何も無いかのように…。
「ど、どうなってるの!?」
「お前達は二人いると言っておったな、しかしこれならどうだ?」
そう声がすると、クイーンズヘッドは消えてしまい、また別のところに現れました。
すかさずそちらを向いてやよいと亜美ちゃんが攻撃。でもやはりまったく手応えがありません。
そして今度は三体一度に現れて、それぞれが玉をばらまいて来ました。
「わー、三人なんてそんなの卑怯だよー!」
「卑怯だと?そのような言葉は聞こえんのぉ」
三体の頭はそれぞれが現れたり消えたりを繰り返しながら、やよいたちのほうに玉をばらまいてきます。
「これが三体の頭…、トリプルヘッズの恐ろしさなんです…」
端に押し出されそうになりながらも何とか攻撃を当てようとしますが、それも効果が無く、とうとう二人が
落とされようとした、そのとき…。
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