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チラシの裏 3枚目
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第5話 じかんの国 〜双子パワーVSトリプルヘッズ〜
さて…。
鏡の国にも大分慣れてきたやよい。今日は時間の国にやってきました。
「ここはどんな所なの?」
「正直なところ、ここは私にも良く分からないところなんです」
ウサギの頼りなさそうな言葉。
「ただ言えるのは… ここは純粋に女王の魔力によって作り出された空間で、ここでは時間の流れが他とは
違うということ… それぐらいでしょうか…」
なんだかよく分かりません。
でも、ここは女王にとって大事な場所ではないのか… そうやよいたちは直感していました。
ひょっとしたらここに女王がいるのかも…。
歩くたびに周りの風景がくるくると変わっていく、そんな空間をしばらく進んできました。
やよいの後ろには真美ちゃんが。どうしても妹の亜美ちゃんを助けたくて、結局付いてきてしまいました。
辺りを見回して見ますが、いるのは口の大きなネコとか、玉を吐き出してくる怪物とかばかり。
ここにも亜美ちゃんはいないのでしょうか…。
やがて、みんなは大きな谷間のようなところにやってきました。
向こうのほうに渡りたいのですが、そのためには間にある小さな動く床を飛び移っていかなくてはいけません。
しかもそれはたくさんある上に、どちらに進んだら良いかも分からない有様です。
「私が先に行って調べてきましょう、そこで待っていて下さい」
ウサギがそう言って、軽やかなジャンプであっという間に向こうのほうへと飛び移って行きました。
それでもウサギが戻ってくるにはしばらく時間がかかりそうです。
やよいと真美ちゃんは手近にあった大きな箱の上に座って休むことにしました。
「ねぇ、やよいっち」
「何、真美?」
「真美、結局付いて来ちゃったけど、役に立ってないのかな…」
ポツリと真美ちゃんが言いました。
「そんなこと…」
何か言おうとして、そこでやよいも一緒に黙り込んでしまいます。
真美はものすごく落ち込んでいる…。
こんな時、あの事務員のお姉さんならどんなことを言うのかな…?
真さんなら、千早さんなら、そして雪歩さんなら…
考えても分かるわけがありません。
やよいはやよいでしか無いのですから。
こんなとき自分に出来ること、それは何でしょう?
「そうだ、こんなときは、あれやろう!」
「あれ?」
「そう、ハイ、ターッチ!」
やよいは大きく右手を上げるポーズを取ります。いつもやよいはいろんな人とこれをやって、みんなで元気に
なって来たのでした。
「ねぇ…、真美がそんな顔してたら、せっかく亜美を見つけても亜美ががっかりすると思うんだ」
やよいは真美ちゃんを見つめたまま。
「だから、ね?」
しばらくやよいの手を見ていた真美ちゃんでしたが、おもむろに立ち上がって、
「タッチ」
自分の右手のひらを勢い良くやよいの右手に合わせます。パチンッ、という音が辺りに響きました。
「どう、ちょっとは元気になった?」
「うん… ありがとう、やよいっち」
真美ちゃんに心なしか笑顔が戻ったように見えました。
それからしばらくして、ウサギが戻って来ました。どうやらどちらへ行くべきかは分かったようです。
「さ、それじゃ行きましょう… ん、真美、なんかさっきより元気になったような…?」
ウサギの言葉に、
「魔法のおまじないをかけてもらったんだー」
そう答える真美ちゃんでした。
床を飛び移って進んでいくと、今度は複雑な通路。それをふさいでいるネコの魔物たちを倒しながら
進んでいきます。あちこちから現れるので、倒すのにも時間がかかってしまいます…。
「もう少しですよ、ここを抜ければ出口があるはずです」
「そう、だね… ふぅ、ふぅ…」
さっきから真美ちゃんはとても疲れた様子です。氷の国と時間の国を長いこと歩いていましたし、それに…。
『そのドレス無しではあっという間に体力を奪われてしまうことでしょう』
そうです。
やよいと違って、真美ちゃんは今もどんどん体力を失っていっているのです。早く亜美ちゃんを助けて、
一緒に元の世界に帰してあげないと…。
自然とみんなは駆け足に。真美ちゃんもやよいに手を引いてもらいながら、なんとか付いて行きます。
そうしてようやくいつものような広い床が見えてきた、その時。
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