したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

チラシの裏 3枚目

678メルヘンメイズ やよいの大冒険 第2節:2009/10/09(金) 23:21:33 ID:.t8phchE0
途中、転がってくる大きなロールケーキを飛び越えたり、太った兵隊達をやっつけたりしながら、どんどん
歩いていきます。
そうして進んでいくと、やがて行き止まりに来ました。でもここから飛び移って向こうまで行けそうです。
「いち、にの、さーん!」
元気なやよいはウサギを抱えたまま向こうまでジャンプで飛び移りました。
そこは広くなっている床で、見渡す限り何もありませんでした。
「ここに次の世界へ続く鏡があるはずなのですが…」
「それは、これのことかい?」
突然、どこかからか声がしました。見回してみてもやよいたち以外には誰もいないようです…。
「こっちじゃよ、こっち」
声と共に目の前が暗くなったかと思うと、やよいの頭に何かがコツンと当たりました。
「いたっ… 上!?」
頭から床に転がってきたのはキャンディーでした。それと気付くまでに、上から何十個ものキャンディーが
ばらばらと降ってくるではありませんか。
「痛いです〜」
上を見上げると、そこにはほうきに乗ったおばあさんでしょうか、愉快そうに笑いながら腰に付けた袋から
キャンディーを放り投げてきます。片方の手にはきらきら光る鏡が見えます。
「せっかくのプレゼントなのに、もっと喜んでくれてもいいのにのぅ」
「何がプレゼントだミヤーシャ、中身はただの石ころのくせに」
ミヤーシャと呼ばれた、その魔法使いのおばあさんにウサギは首をもたげながら怒鳴りつけます。
しかし言っている間にも上からキャンディーが、このままではたまりません。
「やよい、シャボン玉を」
「わかった!」
やよいはキャンディーを避けながらシャボン玉を吹き付けます、しかし空を飛んでいるミヤーシャには
あと少しのところで届きません。
「人間なんぞ連れてきおって、どんなものかと思えば大した事ないのぉ」
得意そうにミヤーシャは高笑いをして見せます。
「もっとシャボン玉を大きくするのです!」
「大きく?」
「そうすればきっと届くはずです」
やよいは大きく息を吸い込んで、大きなシャボン玉を作ろうとします。でも大きくなりすぎて破裂して
しまいました。
「ふぇっふぇっふぇ」
「もう一回頑張ります!」
息を吸い込んで、シャボン玉を大きく、そして…
「そこです!」
ウサギの声と共に、大きなシャボン玉が飛んでいき、ミヤーシャの顔面に炸裂しました。
「お、おのれぇぇぇ」
ミヤーシャはキャンディーを地面に投げつけました。するとそれは小さな魔女の姿に変わり、
そしてやよいたちめがけて飛んできます。
「きゃぁっ!」
飛んできた魔女に当たったやよいはそのまま引きずられて、見る見るうちに床の端まで。
このままでは奈落の底にまっ逆さまです!
「ジャンプです!」
とっさにジャンプして床のあるほうへ。ぎりぎりのところで止まることが出来ました。
その間にも小さな魔女たちは次々と飛んできます。でも、まっすぐ飛んでくるだけの魔女たちは、
2,3回見ているうちに簡単に避けられるようになっていきました。
「すー…」
やよいはまたシャボン玉を膨らまし、ミヤーシャの方にどんどん飛ばします。
何回かシャボン玉が当たると、
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
ミヤーシャの体が光に包まれ、次々と泡が弾けるようになりながら落ちてきました。
「お、おのれぇぇぇ!」
そして見ているうちに、ミヤーシャはぶくぶくと泡になって消えてしまいました。
後には乗っていたほうきと、そして鏡が残っていました。

「これで女王は倒せたの?」
「いえ、これはあくまで女王の手先… 本物の女王はもっと向こうの世界にいるはずです」
そう言ってウサギは鏡の中を見つめました。そこにはさっき通ってきたような通路が見えます。
「ウサギさん、行こう!他に助けてくれる人が誰かいるかも知れないし」
やよいは元気付けるかのように、そう言ってウサギの手を取りました。
そういうやよいだって、本当はちょっぴり怖いのです。でも勇気を出せば、きっと…。
ふたりは一緒に鏡の中に飛び込んでいきました。
次はどんな世界が待っているのでしょうか。




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板