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チラシの裏 3枚目

648俺的アレンジの入ったロックマンゼロ4 十七話 終盤:2009/09/10(木) 03:17:25 ID:yCw74SzQ0
「…………」
焦げ付いた体はもはや動かない。クラフトの敗北だった。
口だけを辛うじて動かす。

「…何でこんなマネをした」
「…こんなマネ…だと?」
ハッ、と乾いた笑いを一つ。


「…お前は、何を信じてここまで戦っているんだ
 人間達は自分のことしか考えず、レプリロイドを命とも思わずこき使い…
 また一方では戦うことしか出来ない、単なる道具と化したレプリロイドの姿がある…
 …何を信じればよかったんだ。お前は何を信じている」
クラフトは…どこへ向かうことも出来なかったのだろう。
道しるべを失い、あてもなく走った所で…空しかったのだ。

「…俺には、友との約束がある」
「友…だと?」

「エックスに任された人間とレプリロイドがこの世界にはいる。
 …エックスに任された世界がある。
 あいつの言葉を裏切らないためにも…俺が信じた友の信じた世界を俺は信じる。
 だから…俺は戦う」
その言葉に偽りはなかった。
果てなき自らの闇を切り裂いたあのときから…いや、
友の闇を打ち破ったそのときから彼はロックマンの任を任されていたのだ。

「……友か。 …俺は……ネージュの言葉すら信じてやれなかった」
空の上の上で…天を仰ぎ彼は呟く。

「…俺のことはもうここに捨て置いてくれ」
「…何を言っている」

「…俺はもう、ネージュに会わせる顔もない。
 もう…いいんだ」

或いはこの場にいたのが他の者なら彼を助けたのかもしれない。
だが…ゼロは自らで助けないというそのことを、決めた。
その死に方が…一つの生き方であるから。
「……解った」


「…ゼロ、ゼロ! …聞こえる?」
「シエルか」
しばらくして、通信が入った。
「…クラフトは?」
「…」


「…俺が、倒した」
「…! …そう。 …え? …うん
 ゼロ。ちょっとネージュさんに代わるわね」

「…ゼロ。クラフトは…死んだのね」
「ああ。…あんたの言うとおりだ 俺たちは結局戦うことしか出来なかったな
 クラフトは…あんたに謝って最期を迎えていった。」
「そう。…クラフトを止めてくれて、有難う。
 私の好きなクラフトに戻ってくれていたのよね…」
「…そうだろうな」

その場に残された鉄の塊から
ゼロは静かに、青い星に目をやった。




「こちら、コルボーチーム!
 …ネオアルカディア跡地にて、住人達を避難させました!」
「…そっちはどんな状況?」
「まるで地獄です
 あちらこちらで煙があがり、溶けた瓦礫の山があるだけ…
 逃げ遅れた人たちは…多分もう」
「…そう」


もう、そこにはネオアルカディアなる場所は、影も形もなかった。
「…よくやってくれたわ、有難う。
 ひとまずこれで…全て、終わったことになるわ。…本当に、有難う。」




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