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チラシの裏 3枚目
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監獄をアインヘルヤルの基地として再利用したバイル軍基地。
時刻は深夜。月明かりの強い夜空の下、クラフトとハルピュイアは戦いを続けていた。
クラフトはゼロにつけられた傷を修復し、格上の相手であるハルピュイアに対し
持てるその技術を最大限に発揮しかれこれ3時間。
「驚いたな。妖精戦争時代に作られた一レプリロイドに過ぎぬお前がここまでやるとは」
「……今彼女を取り戻されるわけにはいかぬのだ」
長い時間をかけた戦いは両者の体力を消耗させ…もうじき決着というところまでこぎつけていた。
月をバックに、ハルピュイアはクラフトを見下ろす。
「現バイル軍最強のお前が、今こうして俺に敗北する…。
その上もうじき別の入り口からファーブニルにレヴィアタン、ゼロも来るだろう…諦めるんだな」
クラフトは手を地につけ、強くその爪を床にめり込ませていた。
「これが力の差だ」
「大方、徒歩で来るゼロたちを迎撃するために8割を割いたのだろう?
そしてお前は一人で俺を倒せる計算だった。」
頭の上で両腕を交差させ…雷のエネルギーを集中させる。
初期状態のオメガに一撃を食らわせたハルピュイア最強の必殺技…サンダーボルトの体勢。
「…力量差を見誤ったな」
しかし。
「…!」
その瞬間、上空から大量の弾丸の雨が降り注いだ。
「!?」
「これだけの時間があればいくらでも指令など送れると解らなかったか!?
そして俺にはサブタンクがある…まだ回復は可能だ!」
一瞬にして傷を塞ぎ立ち上がったクラフトは拳を突き上げ、
ソニックブレードで弾を斬るのがやっとなハルピュイアに投げつけた。
そしてバズーカを構え
「さらばだ!!」
その脚で激しく床をへこませ最大出力の一撃を見舞った。
「!!!」
ソニックブレードで即座にガードするものの、直撃は免れない。
彼の身長分はあろうかという極太の光柱に押され、ハルピュイアは夜空を貫き、打ち上げられていった。
「何だあれァ!?」
夜空を、北北西の方向に向かい青白い線が断った。
「…クラフトのバズーカか…!」
「ハルピュイアがやられたかしら…ちょっとまずいことになってきたわね」
ゼロとファーブニル、レヴィアタンの3人は無数のバリアントたちを蹴散らしながら荒野を駆けていた。
「おうゼロ、お前随分弱くなったみたいじゃねえか。戦い応えがないとつまんねえぜ」
「後遺症らしいが…今のバイル軍やお前達に勝てるだけの力はあると思っているがな
…む」
突如通信がゼロの耳に届く。
シエルからだった。
「ゼロ、集落から通信が入っているの。今繋ぐわね」
「頼む」
集落の人間の若者の声に変わる。
「…急いでいる中すまない、あんた…本当にあのゼロなんだよな?」
「……そうであってもそうでなくても、俺は俺のするべきことをするまでだ」
「そうか。…俺達がこんなことを言える立場じゃねえって解ってるんだが
…リーダーを、ネージュを助けてやってくれないか」
「…」
「俺は、考えてみたらあいつがいなきゃ今頃ずっとネオアルカディアに居続けてたかもしれない
俺達は、俺達の力で生きていくってネージュの言葉で決めたんだ、だから集落を作った。
…ここで俺達がネージュを見捨てちまったら、集落を作る意味も何もなくなってしまう」
「…………そうか」
「だから頼む…! ネージュを、助け出してやってくれ」
「…ゼロ…!」
シエルの声が、嬉しそうなものに変わっていた。
「…言われなくてもそのつもりだ… 心配するな」
「! …恩に着る。有難う!」
ゼロの言葉が、人間の心を動かしたのだ。
「…そろそろ着く。あとは俺達に任せろ」
通信を切り、彼は戦闘態勢に突入する。
「…ここみたいね」
ザッ。整列した何千ものバリアントが一斉に足踏みと共に銃を構える音はいっそ心地よくさえ聞こえる。
「暴れてやるぜえええええええええ!」
駆ける。
「これだけいると倒し甲斐がありそうね」
振り回す。
「行くぞ…!」
跳躍し刃を軍勢の中心を割る。
戦いの始まりだ。
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