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チラシの裏 3枚目
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意識がはっきりとしてくる。
…耳を澄ますと、無数の声が聞こえてくる。
「こんなところで負けちゃ困るのよ、ゼロ」
「ゼロさん……ゼロさん!」
「ったく肝心なときにダメだよねー、ゼロは」
「……こんなことで悩むなんてお前はやっぱりオンナみてぇな奴だ」
「僕をそロソろあイツの体かラ開放してもラエると思っテイタのだガ」
「僕が望んだ究極のレプリロイドはこんなものではなかったはずだよゼロ」
無数の光が、真っ暗な視界のあちらこちらに浮かんでいるのが解る。
恐らくそれは…
彼の仲間や、
彼を支えた者達や…
彼が殺してきた敵なのだろう。
自分を見守る…自分が忘れていった、歴史の上に積み上がる、失われていった沢山の命。
オメガのような形でなくとも、彼が罪深い破壊者であったことに変わりはないのだが…
全ては……一つの『戦う目的』のため。
彼は…破壊神とも呼ばれた英雄は…ここで敗れる訳にはいかない。
「………俺は……」
ある一つの言葉が彼を突き動かす。
そしてオメガは、彼の頭を砕きにかかろうとしていた。
狂気の篭った紫の刃が…オメガの頭上にまで振り上げられ……
振り下ろされる。
「生きてやる…!!」
ゼロの目が開く。
粉々の体で、ボロボロの腕で…セイバーを握り……
剣と剣とがぶつかり合う。
「何…!?」
「………っ!!」
ゼロのバックパックから、今まで助け出した、または預かり、彼が育てたサイバーエルフ達が洪水のように湧き出る。
そう。
サイバー空間はオメガの力により歪み、現世と繋がったもの。
そのオメガが全ての力を発揮した今この場においては最大の歪みが生まれ……
サイバー空間が…半分、現世を侵食していた。
「………ククク…ハハハハハハハ!!」
オメガはその状況を楽しんでいた。
サイバーエルフが…輪になりゼロを取り囲む。
サイバー空間は…サイバーエルフが命を削ることなく力を使える空間。
ゼロの破片が浮き上がり…一つに集まる。
そこへ……サイバーエルフ達が集まり…全て吸い込まれていく。
光が…ゼロを包み…
再び、光の柱が立つ。
傷が見る見るうちに癒えて行く…体が繋がっていく。
それだけではない。
強化サイバーエルフの力で、ゼロの力は何段階にも強化され……
今までにないほどに、力が湧き上がってくるのが感じられる。
それは…何かを犠牲にするものではなく、皆が生きるための力となる。
「………」
現世、あの世…二つの世界から見守る者達の想い。
そして…ゼロ自身の生への執念が成せる業。
「………………待たせたな」
「…………ハハハハハ!!」
オメガは負傷しているのに対し、ゼロは全ての傷を癒した上で更なる力を得た。
全てが歪み始めた世界の中……… 戦いは、続く。
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