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チラシの裏 3枚目

225俺的アレンジの入ったロックマン1 1話C:2009/04/24(金) 02:24:22
ワイリーはどこかへと飛び去ってしまった。
それよりも、である。
「……ロック、ロック!大丈夫なの、ロック!」
「ロー、ルちゃん… 博士…」

…ロックはその短い命を終えようとしていた。


「…博士… …僕…悔しいです」
彼の心は、エレキマン達を救えなかった気持ちで一杯だった。
電撃を食らったロックよりも、兄姉を攻撃することになったエレキマンの方が辛かったに違いない。
「ロック……」
「博士、ロックは、ロックは助からないんですか!?」
「……残念じゃが」
「そんな…!」

「…残念じゃがこのボディでは無理なんじゃ…スペアの体もない…
 最早…ロックは助かるまい」
頭脳は今は無事なので話せている。だが…
あと1時間もすればAIは狂い、停止。彼は死を迎えることだろう。

ロールが膝をつき、涙する。
ライト博士は……考え続けていた。何か出来ないかと。
…そう思ったとき、机の上にあった何かを目にする。
「………!」
動力パーツ。
「…博士…!博士!あれを使っちゃダメなの!?」

「…博士!」
「あれはなロール。…あれは…」
それは…戦闘用の動力炉だった。

このボディのパーツを現在のロックに移植することで、彼は蘇るかもしれない。
…だが、そうしてしまったらロックは…。家庭用ロボットではいられなくなる。
そして、彼は敵を倒す運命を強いられるのだ……命の限り。
そんな運命をわざわざ背負わせることなど博士には絶対出来なかった。

「アレは…アレは、不良品なんじゃ。使えない」
嘘をつく。彼を死なせてあげることが最善だからだ。
それに、ある意味本当でもある。戦闘用としては、あまりに武器が弱いためだ。

オイルマンやタイムマンもいる。これから、彼の弟を作り……彼の分まで生きてもらおう。
「そんな…」

そう覚悟を決めようとした…その時だった。
「…博士。不良品でも構いません」
「何を言い出すんじゃロック」

「…僕、みんなを助けたいんです…
 カットマン、ガッツマン、アイスマン、ボンバーマン、ファイヤーマン、エレキマン…。
 そしてこれからワイリーの被害に遭う…みんなを。」
「………ロック」
「僕自身の痛みならいくらでも耐えます。だから…」

腕を伸ばし、しわくちゃの手を掴む。そして、命の限り叫んだ。
「僕を…、僕を戦闘用ロボットに改造してください!!」

どうせ死ぬ命だというのならば、せめて試してみてからでも違いはない。
例え欠陥があろうと、弱かろうと。
ロックはせめて、彼らを助けてから死にたい。そう思ったのだ。

「………解った。ロック、改造手術はすぐにでも行う。…いいな」
彼を手術台へと運ぶ。

…改造の始まりだった。

戦闘用ボディから各パーツを取り出し、ロックの壊れたボディと交換する。
まずは動力炉の交換。これにより、彼の命はひとまず繋ぎとめられる。
新品の美しいそのパーツが彼の胸に挿入され…

次に体の各所を新しいパーツへと変え、繋ぎ合わせていく。
材料も強固なものに差し替える。

…作業すること数時間。
いよいよ、皮膚と外部装甲を取り付けるのみとなった。

…ライト博士はロックに一つの質問をする。
「ロック。お前は…何色が好きだい」
むき出しの機械で、人工皮膚の残る唯一の部分、顔。
ロックは目を開け、ライト博士の方を向く。


これから自分が取り戻したい平和な空の色。
落ち着きをもたらす色。
これから戦闘用として、ただの子供ロボットではいられなくなる自分を示した色。
「…青…です」
「…ああ、青か…青か。 …解った…いいだろう。」


それからまた作業は長く続き。
「…………目を開けていいぞ、ロック。」
「…………。」

「ロック…」




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