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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 3●

355/7:2010/04/27(火) 21:05:59 ID:???
「んー! おいしー♪」
「…………」
「そんな目で見てもやんないわよ。これ、ぜーんぶ私のなんだから♪」
「善意であげたものを、智恵理は独り占めするんだな」
「うっ……」
 これでも良心が存在したのか、智恵理は少し苦しそうに俺を見た。
「……も、もーっ! 分かったわよ! ちょっとだけ分けてあげるから、そんな目で見るなっ!」
「わーい」
 早速食べようとしたその時、はたと気づいた。箸がない。わざわざ取りに台所へ向かうのも面倒だ。ならば……!
「? どしたの、馬鹿みたいに口開けて。まあ馬鹿なのは知ってるけど」
「食べさせて」
「なっ! そっ、そんなの嫌に決まってるでしょ!」
「ええと、何にするか……あ、そうだ。ほら、取材。これを元に書くから。実体験は大事だし」
「絶対嘘! 何にするかって言ってたもん!」
「理由は後付けだが、それでも取材にはなり得ると思うます」
「うっ……そ、そんなの、知らないわよ! 勝手に想像してやったらいいじゃないの!」
「それも悪くないが、実体験と照らし合わせて書いた方が都合がいいんだ。あと、食べさせてくれない場合、俺の唾液が満遍なくラーメンの汁に注がれますがよろしいか」
「う、うう、ううううう〜! わ、分かったわよ! そんなことされるくらいなら、アンタに食べさせてあげるわよ! その代わり、一回だけよ!?」
 よし、勝った。
「い、いい? アンタに強制されて嫌々やってんのよ? そこを勘違いしたら殺すわよ!?」
「恐怖のあまり涎がこぼれそうだ」
「ラーメンに近寄るなッ! そこでじっとしてろ!」
 威嚇されたので大人しく座して待つ。
「……ほ、ほら。あーん」
 智恵理は麺をすくうと、俺に向けた。
「睨むな。怖い」
「う、うっさい! ほ、ほら、早く食べなさいよ!」
「間違えて指を咥えそうだ」
「間違えたら、殺すッ!」




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