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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 2●
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本スレ484の>>41のお題:・メジャーを目指す男とそれを先にアメリカに行って待つツンデレ
満員のスタジアムの熱気に当てられたのか、柄にも無く少しワクワクしている自分に気が付く。
・・・うぅん、そうじゃない。本当は分かっている、けど認めたくないだけ。
「いよいよですな」
『ふん、本場アメリカにいるのだから見てみたいと思っただけのこと。今日を選んだのたまたまですわ』
「左様でございますか」
電光掲示板に両チームのオーダーが表示されている。その中の一人だけ、周りとは雰囲気の違う日本人の名前。
『約束・・・覚えているかしら?』
両チームの選手の入場に、スタジアムの中のボルテージが一層高まる。
その中の一人・・・記憶よりもたくましくなった彼が目に留まる。その瞬間、昔の記憶が洪水のように
あふれ出した。
『私、来月からアメリカに留学しますわ』
「そっか、さすがはお嬢様。やる事が予想外過ぎて笑えるよ」
いきなりの告白に驚きもせず苦笑いする彼。その態度に苛立ち、次から次へと文句を連ねた喧嘩別れになって
しまった。
寂しくなるって言って欲しかった、向こうに行っても連絡くれよって言って欲しかった。
・・・行くなって言って欲しかった。
それなのに、ただヘラヘラ笑って聞き流す。貴方にとって、私はそんなに軽い存在だったの?
社会勉強の一環で通うことになった普通の高校生活。住む世界が違うから・・・と誰からも避けられて
いた私に出来た最初の友人と呼べる人。そして、私の初恋の人。
私にとって、貴方は特別な存在。貴方が引き止めれば、全てを捨てても側に居ようと思っていた。
それなのに・・・彼にとっての私は特別ではなかった。その日は帰って大泣きしてしまった。
日本最後の日、空港に彼が現れた。最初に出来た友人に最後の別れを告げる。
『貴方の顔を見なくて良いと思うと、すがすがしい気分ですわ』
別れの言葉さえも罵倒で埋め尽くした。これで彼の事は諦められる・・・そう思った。
けれどとめどなく流れる涙。気が付けば、彼の胸に抱かれていた。
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