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まつりは頬を染めながら照れ臭そうに言った。
「ふむ……ちょっと待ってろ」
鞄からパンを取り出し、まつりに渡す。
「これは……?」
「変なのは入ってないよ。本当だよ。本当に本当だよ」
「そこまで念を押されると逆に気になるわい!」
「冗談です。多めに持ってきたからさ、ひとつやるよ」
「ふ、ふん。庶民の飯などまずくて食えたもんじゃないわい。いらぬわ」
遠慮しているのか、まつりは受け取ろうとはしなかった。
「食べないと肉便器」
「わらわ、あんぱんだーい好き! はぐはぐはぐ!」
軽く脅すと簡単に食べた。
「分かりゃいいんだよ、分かりゃ」
はぐはぐ食べてるまつりの頭をくしゃくしゃになでる。
「くっ、よくもわらわを脅しおって……国が復興した暁には、ぎゃふんと言わせてやるぞよ」
まつりは悔しそうに俺を睨んだ。しかし、そうしている最中もあんぱんを食う手は止まってなかった。
「おいしい?」
まつりはコクコクうなずいた。
「……ち、違う! おいしくなんかないぞ、ないぞよ!? さっきのはちょっとした間違いじゃ! こんなのまずくて食えたもんじゃないのじゃ! ぶべーなのじゃ! ほ、本当じゃぞ!?」
「わはははは。かーわいー」
まつりの頭をくしゃくしゃになるまでなでる。
「うぐぐぐぐ……わらわを馬鹿にしおって! 絶対に許さんのじゃ!」
「メロンパンもあるけど、食うか?」
「……ど、どうしてもと言うのなら我慢して食ってやるのじゃ」
「あーはいはい。どうしてもどうしても。ほれ食え」
メロンパンを渡すと、まつりは嬉しそうにかぶりつくのだった。
「……ハラペコキャラだ」
「聞こえたぞよ!? ハラペコじゃないわい!」
ハラペコが怒った。
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